要請・提言書



球磨川、白川・緑川「流域治水協議会」のメンバーに、流域住民などを加えることについて
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 国土交通省九州地方整備局長 村山一弥様
 熊本県知事 蒲島郁夫様
   2021年6月1日
   日本共産党熊本県議会議員
   山本伸裕
   球磨川、白川・緑川「流域治水協議会」のメンバーに、流域住民などを加えることについて
 日本共産党熊本県委員会
 「流域治水関連法案」審議の質疑のなかで、赤羽一嘉国土交通大臣は、「そこに住み、対策を訴え続けてきた地域住民の声を聞いてほしいと求めてきた。住民参加の仕組みつくるべきでは?」(日本共産党高橋千鶴子衆議院議員)との問いに、「協議会のメンバーに地域住民の代表や、地域で防災活動を一生懸命やってきた方々とか歴史をよくわかっている方々に入っていただいてその知見を発揮していただく」と答弁しています。
 熊本県内の一級河川、球磨川水系での「令和2年7月球磨川豪雨検証委員会」「球磨川流域治水協議会」、さらに「白川・緑川流域治水協議会」においては、国交省・熊本県・流域市町村長のみで構成されています。
 流域住民、市民団体、日本共産党などが、「メンバーに、流域住民、治水にかかわってきた市民団体メンバー、専門家などを加えるべき」と再三、要請江いてきましたが、現在に至るまで改善されていません。
 球磨川、白川・緑川「流域治水協議会」のメンバーに、流域住民などを加えることについて
 直ちに、球磨川、白川・緑川「流域治水協議会」のメンバーに、流域住民などを加えることを求めます。

諫早湾潮受け堤防の開門をめぐる差戻審において
 福岡高裁が示した和解協議の提案への賛同を求める要請書
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 2021年6月1日
 熊本県知事 蒲島 郁夫 様
 いのちとくらし・平和を守る熊本ネットワーク
 共同代表 楳本 光男
      藤田 信一
  諫早湾潮受け堤防の開門をめぐる差戻審において福岡高裁が示した和解協議の提案への賛同を求める要請書
 
 貴職におかれては平素から農林水産業の発展と地域経済の振興にご尽力されていることに敬意を表します。
 諫早干拓潮受け堤防締め切り後23年が経ちました。その日以来、宝の海・有明海は環境が悪化し、漁業被害は拡大しています。とくにタイラギは佐賀と福岡両県の生息調査で成貝が1個も見つからず、9季連続の休業となりました。1975年度に1700㌧を超えた水揚げは、締め切り以降減少し続け、2012年以降はゼロが続いています。
 いま漁での生活ができず、漁を辞める漁業者か増え、漁協組織がなくなる可能性が強まっています。ノリも地域差はありますが、全体として被害は拡大し、ノリの質が年々悪くなっています。有明海沿岸の漁民にとって、一日も早く「宝の海」を取り返すことは切実な願いです。
 これまで国は、500億円以上をかけて有明海再生事業を行ってきましたが、いまだに有明海再生のめどが立たないばかりか、有明海の環境は一層悪化しています。有明海再生のためには開門調査が有明海漁業者の最後の望みです。
 諫早湾潮受け堤防開門判決が確定し10年が経過しました。福岡高裁は、諫早湾干拓事業と有明海の漁業被害の因果関係を認め、排水門の常時開門を命じました。国が確定判決に従わなかったこと、また、それに対して制裁金を課されたのは憲政史上初めての異常事態です。また、有明海と周辺地域を崩壊させ漁業者、地域住民の間に分断と混乱を招いた農林水産省の責任は重大です。そういうなか4月28日、福岡高裁の差戻審において和解協議の提案がされました。そのなかで「有明海は国の宝であり、後代まで享受するべき国民的資産」として、国に対し、その職責を負うものとしてこれまでの態度を改め主体的かつ積極的に関与するよう求めています。この和解協議を実現させ、有明海と沿岸地域の真の再生にむけた展望を開くため、沿岸県である熊本県としても積極的役割を果たされますよう以下の項目について要請します。
 
 1.有明海再生および、周辺地域の産業と住民生活の発展のために、福岡高裁による和解協議の提案に賛同の意志を表明していただくこと。
 以上

川辺川ダム計画は中止し、「7・4球磨川豪雨」レベルの洪水から住民と地域を守る治水対策を
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 国土交通大臣 赤羽一嘉様
   2021年5月21日
    日本共産党熊本県委員会
    委員長  松岡勝
    日本共産党南部地区委員会
    委員長  野中重男
  川辺川ダム計画は中止し、「7・4球磨川豪雨」レベルの洪水から住民と地域を守る治水対策を
 
 雨期が迫るなか、球磨川流域の被災者、住民は不安を募らせています。
 昨年7月の事態が連続しておきない保障はありません。河川管理者である国土交通省(以下、国交省)の責任は、川辺川ダム建設計画は中止し、「7・4球磨川豪雨」レベルの洪水から住民と地域を守る治水対策を一刻も早く実現することです。
 
 1,雨季に備えた安全対策を
 浚渫・掘削、堤防強化を急ぎ進め雨季に備えることをも求めてきましたが、例年より早い梅雨入りとなりました。流域住民は不安を募らせています。
 市街地、住家の安全対策として、「連続箱型鋼製枠」、土嚢等の設置、避難情報などが各戸に伝わる体制の整備を緊急に実施することを求めます。
 
 2,堤防・宅地等のかさ上げは、7・4球磨川豪雨時の洪水の水位以上にすること
 気候変動下の異常洪水に対する安全な治水対策は急務です。
 ①人吉地区
 ・河道の堆積土砂撤去・可能な限りの河床掘削を進めるとともに、中川原公園のスリム化・撤去及び堤防のかさ上げ・強化を実施することで、7・4球磨川豪雨時の洪水(以下「7.4洪水」)の水位に対応できる安全度を確保すること。
 ②中流域
 ・道路・橋梁のかさ上げを「7・4洪水」の水位以上として実施すること。
 ・宅地かさ上げを7・4洪水の水位以上として実施すること。また、希望者は高台移転を行うこと。
 ③瀬戸石ダムを撤去すること。
 
 3,「球磨川水系緊急治水対策プロジェクト」および「学識者」の提案について
 住民の合意を得て、「河川激特緊急事業」レベルのスピード(5年間)で完了を
 「球磨川水系緊急治水対策プロジェクト」では、「河道掘削」「引き堤」「輪中堤」「遊水地「宅地かさ上げ」「堤防決壊、護岸損傷、土砂堆積対策」「水田・ため池の活用」「森林の整備・保全」「雨水貯留施設の整備」「情報提供・避難行動・水防活動基盤整備」等が示されています。
 「学識者の意見を聞く場」では学識者から、「中川原公園が洪水時は抵抗となり、上流側の水位を高め、公園周辺で土砂堆積傾向になること」「避難機能付き公営住宅(非浸水階の集会所、屋上は避難所)の建設」「避難機能付き共同住宅の建設」「流域対策として流出抑制・氾濫流のコントロール(既存道路の活用)」「支流ごとの治水対策」「田んぼダムの実施」「公共区間におけるグリーンインフラの導入(公園のレインガーデン、公共施設にレインガーデン雨庭)「浸透水型側溝」「民有緑地のグリーンインフラ認定制度」「戸建て住宅の雨庭・レインガーデン普及」「森林の整備・保全、災害に強い林道・作業道の開設・保全(間伐残材・枝条の活用)」などが提案されました。これらについて
 ①具体案と事業費の内訳を明らかにし、関係住民に丁寧に説明を行い、意見を聞くこと。住民・地権者の納得と合意をえて進めること。要望・提案にもとづく計画の適切な修正に努めること。
 ②工事実施に伴い、移転、家屋の立て替えなどの負担について、従来の枠にとどまらず国による「補償」、支援を行うこと。
 ④事業の完了を河道掘削、宅地かさ上げ等のすぐに実施可能な対策は河川激甚災害対策特別緊急事業と同じ5年で完了すること。遊水池等、住民合意が必要な対策については、白川水系の小倉遊水地、手野遊水地が5年以内に完了した経験を活かし、遅くとも10年を目途に完了すること。
 
 4,国の財政負担・支援を
 2008年8月25日、当時の国交省九州地方整備局長が、蒲島郁夫知事に対し、「ダムを建設しないことを選択すれば、流域住民に水害を受忍していただかざるを得ないことになる」と宣言したことは広く知られています。
 2008年11月、蒲島郁夫熊本県知事が、「川辺川ダム中止。ダムのよらない治水の極限まで追求」表明後、国交省は、12年近くの間、「ダムによらない治水を検討する場」「球磨川治水協議会」を形だけ開き、有効な治水を具体化、推進せず、河川整備計画をつくらす、ダム以外治水の不作為を続けてきました。 
 その結果、2020年7月4日、球磨川流域は甚大な洪水被害に見舞われました。「7・4球磨川豪雨災害」は、12年間、河川整備計画もつくらず、ダム以外の治水対策を怠ってきた国交省の不作為によるものです。
 国交省は自らの責任を自覚し、球磨川水系の安全な治水対策事業に対する財政支援を現行の施策の枠を超えて実施することを求めます。
 
 5、法にもとづく環境アセスを
 現在の川辺川ダム計画は、「法制定前」ということで「環境影響評価」がなされていませんが、河川法にもとづく新たな構造・設計のダムになるので「環境アセスメント法」にもとづく環境影響評価を実施すべきです。
 「環境アセスメント法」は、「この法律において『環境影響評価』とは、事業(特定の目的のために行われる一連の土地の形状の変更(これと併せて行うしゅんせつを含む)並びに工作物の新設及び増改築をいう。)の実施が環境に及ぼす影響(当該事業の実施後の土地又は工作物において行われることが予定される事業活動その他の人の活動が当該事業の目的に含まれる場合には、これらの活動に伴って生ずる影響を含む)について環境の構成要素に係る項目ごとに調査、予測及び評価を行うとともに、これらを行う過程においてその事業に係る環境の保全のための措置を検討し、この措置が講じられた場合における環境影響を総合的に評価することをいう」(第2条)と定めています。
 「宝の球磨川」の環境を守るために、法律に基づく「環境影響評価」を実施し、その結果について住民が審議する機会を保障することを求めます。
 
 6,緊急放流についての説明会の開催、メンバーを補充して「球磨川豪雨検証委員会」及び「球磨川流域治水協議会」のやり直しを
 ①川辺川ダムの緊急放流についての文書の隠匿、破棄、一転して公表、俺に関しての熊本県と国交省の言い分の食い違いなど、流域住民が川辺川ダム建設の認否を判断するうえできわめて重要な内容を巡る疑惑が浮上しています。佐是このような事態に至ったのか、説明を求めます。
 ②緊急放流についての説明と開かれた検証については、流域住民、市民団体、河川工学の専門家、日本共産党が繰り返し求めてきました。
 改めて、市房ダムの緊急放流がなされた場合、川辺川ダムが緊急放流した場合、市房ダムと川辺川ダムが緊急放流した場合、それぞれが下流にどのような影響をもたらすのか。流域住民等に詳しく説明することを求めます。
 ③「流域治水関連法案」についての国会質疑を踏まえ、住民・市民団体、治水・環境等の専門家をメンバーに加え、「球磨川豪雨検証委員会」及び「球磨川流域治水協議会」の審議をやり直すことを求めます。検証と協議が公平・民主的になされるよう、委員事務局は国・県以外の第三者とすることを求めます。

「まん延防止等重点措置」の適用にあたって県民のいのちとくらしを守るための対策強化を求める要望

2021年5月27日
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異気候変動に対応できず、危険な立野ダムの建設中止を
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 国土交通大臣 赤羽一嘉様
    2021年5月21日
     日本共産党熊本県委員会
     委員長      松岡勝
     日本共産党熊本地区委員会
     委員長      重松孝文
     日本共産党北部地区委員会
     委員長      濱元幸一郎 異気候変動に対応できず、危険な立野ダムの建設中止を
 1,雨期に備え、緊急の対策を
 昨年7月、連続した線状降水帯により球磨川水系は未曾有の洪水被害に遭遇しました。昨年の事態が、白川水系でおきない保障はありません。
 立野ダムの洪水調節を計算に入れた堤防や河道では、その分被害が大きくなります。流域住民の安全第1に、今年の雨季に備えた河川整備、避難情報の伝達などソフト対策が急務です。
 浚渫・掘削、堤防強化を急ぎ進め雨季に備えることをも求めてきましたが、例年より早い梅雨入りとなりました。
 市街地、住家の安全対策として、「連続箱型鋼製枠」、土嚢等の設置、避難情報などが各戸に伝わる体制整備を緊急に実施することを求めます。
 
 2,閉ざされた治水協議の異常さ
 流域住民や専門家、地域の学識者を加えて「流域治水」協議を
 ①「白川・緑川水系流域治水協議会」が2回開かれていますが、その構成メンバーは、国交省・熊本県・流域首長だけで、流域住民や地域の学識者などが除外されています。さらに会議は、報道関係者だけが傍聴できるだけで一般の傍聴者は認められません。
 球磨川水系では、「流域治水協議会」「学識者等の意見を聞く場」について、傍聴が保障されています。同じ国交省のもとでの、しかも同じ県内でのこの違いは異常であり、かつ無責任極まりないものです。、
 ②「社会資本整備審議会」答申(2020年7月)は、「あらゆる関係者が協働して流域全体で行う、流域治水への転換を推進し、防災・減災が主流となる社会を目指す」と述べています。
 「白川・緑川水系流域治水協議会」規約は、第2条(目的)で、「白川及び緑川流域において、あらゆる関係者が協働して流域全体で水害を軽減させる治水対策『流域治水』を計画的に推進するための協議・情報共有を行うことを目的とする」と定めています。
 ところが実態は、流域住民、学識者などは協議から除外されています。
 ③一昨年の「白川水系河川整備計画」変更の際には、立野ダムについては、審議の対象から外されました。しかし、説明会会場の発言、インターネット・ファックス・投書での意見表明で、圧倒的多数が立野ダム建設についての不安・疑問・反対意見が寄せられました。住民からの意見(384件)のうち立野ダム建設を求める意見は4件(約1%)でした。しかし、国交省はこれらを無視しました。 
 こうした住民不在の公共事業のあり方は根本的に間違っています。
 「流域治水関連法案」の国会質疑を踏まえ、流域治水協議会のメンバーに、流域住民や専門家、地域の学識者をはじめとする流域の人材も加え「流域治水」協議を進めることを求めます。
 
 3,ゲート設置について、説明を
 報道によると2021年度中の立野ダム工事として、「放流量調節のためのゲート工事に着手する」と伝えられています。
 九州地方整備局のPress ℞elease(2021年4月1日)によると、「立野ダム試験淡水用ゲート製作据え付け工事」として、工事規模6億90000万円以上 15億円未満と記されています。
 ゲート製作据え付けの設計、費用の細目、工事計画、入札の段取り等を広く明らかにすることを求めます。
 
 4,遊水地、田んぼダムの具体化を
 ①国交省は、「第2回球磨川流域治水協議会」で、「今次出水の被害状況を鑑み、甚大な被害が生じた人吉市街部及び中流部で効果を発揮させられるよう、遊水地の配置を検討する」「地域の基幹産業でもある営農等に配慮しつつ、『地役権方式』及び『掘り込み方式』の組み合わせによる配置を計画する」「『掘り込み方式』については地下水位以上の掘り込みを条件とすることを検討(平常時の営農等への活用可能性も含め検討)」すると表明しています。
 熊本県が、阿蘇地区の小倉、手野で建設した「地役権型遊水地」については、小倉地区では、地権者総数102名全員、手野地区では、44名中43名(1名は買収希望)が賛成・同意しています。小倉遊水池は、88㏊で貯水容量265万㎥、手野遊水池は、50haで、貯水容量は138万㎥、あわせて403万㎥です。 
 事業費は、小倉遊水池69億円、手野遊水池57億円です。
 立野ダム事業検証では、中流域における遊水地案がありました。球磨川水系で推進されようとしている遊水地計画を白川水系にも適用し、中流域での遊水地計画を検討・具体化することを求めます。
 ②球磨川水系では、「田んぼダム」についての具体化が進められています。
 熊本県は、球磨川水系では、21年度から「田んぼダム」の実証実験を実施します。
 水田面積が広く、地下水涵養効果としても、白川水系での遊水地、田んぼダムの本格的な設置計画の具体化を求めます。
 
 5,気候変動に対応できず、危険な立野ダムの建設中止を求めます。
 ①立野ダム建設に関しては、流域住民、市民団体、河川工学の専門家などから、放流孔の閉塞、土砂崩れ山腹崩壊などによる危険性の指摘、立野ダムに代わる代替案(堤防強化・かさ上げ、土砂の浚渫、必要な掘削、遊水地、田んぼダムの建設、上流から下流に至るソフト面の充実強化などの提案がなされてきました。
 にもかかわらず国交省は、立野ダム建設を強行しています。
 国交省の行為は、国家賠償法第2条1項は、「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる」に該当する可能性があることを指摘するものです。
 ②2020年7月に公表された国土交通省・社会資本整備審議会答申「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方についてーあらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な『流域治水』への転換」(答申)は、
 「これまで災害対策は過去に発生した災害の経験を踏まえて講じられてきたが」「水災害対策は気候変動などの将来のリスク予測に基づくものへと転換させていかなければならない」と指摘しています。
 さらに「気候変動をふまえた治水計画のあり方」提言(2018年 10 月・「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会)は、「ダムや堰、大規模な水門などの耐用期間の長い施設については、必要に応じて、更なる気温上昇(例えば4℃上昇相当-降雨量1・3倍、流量1・4倍、洪水発生頻度4倍)にも備えた設計の工夫を行うこと」と指摘しています。
 「答申」「提言」の指摘で明らかなことは次の点です。
 1-現在建設中の立野ダム計画では、今後の気候変動による降雨量、洪水流量には対応できなくなるということ。
 2―対応できない降雨量、洪水流量の場合は、非常放流(緊急放流)をせざるを得ないこと。立野ダムによる洪水調節を前提とした河川整備は、その分、堤防の高さや川幅など、低く狭く計画されており、下流での被害が大きくなるということです。
 「百害あって一利なし」の立野ダム建設は中止することを強く求めます。

熊本地震から5年を迎えるにあたって
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 2021年4月14日 日本共産党熊本県委員会
   熊本地震から5年を迎えるにあたって

 熊本地震から5年を迎えるにあたり、改めて犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんにお見舞いを申し上げます。復興に向けてたゆまぬ努力をされている被災者の皆さん、自治体の皆さん、被災地への支援を行ってきた皆さんに、心からの敬意を表します。日本共産党は被災者の暮らしとなりわいを再建し、復興を成し遂げるまで、県民の皆さんとともに力を尽くす決意です。
 
 1.被災者に寄り添い、住まいと暮らし、なりわいの再建への支援の継続・強化を国・県に求める
 熊本地震は、甚大な住宅被害を及ぼしました。いまだに150世帯、418人の被災者が、仮設住宅での生活を余儀なくされています(3月末時点)。熊本県は、ピーク時の入居者数約2万世帯、4万7千800人と比較して、「全体の99%の被災者が住まい再建を果たした」と強調します。しかし仮設住宅退去者の中には、入居期限の終了を理由に、入居延長を求めても認められず、泣く泣く退去させられる事例もありました。壊れた家屋を補修できないまま住み続けざるを得なかった被災者も存在します。また被災当初から仮設住宅には入居せず、行政が実態をつかんでいない在宅被災者も多く存在します。仮設住宅入居者数の減少で住まい再建の到達をはかることは不適切・不正確です。
 熊本日日新聞の聞き取り調査でも、「失ったり傷ついたりして、取り戻せないもの」として、回答した被災者の24%が「住まい」と答えています。仮設住宅は撤去が進んでいますが、住まい再建がままならない被災者の実態があることを、あいまいにすることは許されません。
 新型コロナ感染症の拡大がもたらしたコロナ禍は、被災地により大きな困難をもたらしています。震災の傷跡から立ち上がろうと、もとより多くの困難に立ち向かってきた事業者や被災者の暮らし、こころとからだの健康悪化も心配されます。
 
 「被災者の実態調査を」
 被災者の住まい再建・暮らしと健康、なりわいなどの実態、悩みを、熊本地震から5年の節目にあたり、国や県の責任で調査し、実態に即した支援を継続・強化することを求めます。被災者の実態をつかんでこそ、被災者に寄りそった支援ができます。
 
 「住まいと暮らしの支援」
 一人でも入居者がおられる限り、仮設住宅の生活環境改善に引き続き行政が努めていく必要があることは当然です。また災害公営住宅の家賃補助、孤立化防止策やコミュニティーの形成支援の拡充を求めます。災害公営住宅ではカビや設計の不具合などが発生しました。行政の誠実な対応とともに、ストレスや健康不安、子育てや教育への不安など、被災者の相談に応じることのできる専門スタッフの確保、相談窓口の拡充が必要です。生活苦により、被災者が必要な医療や介護、保育や教育などが受けられないようなことにならぬよう、支援策の復活・継続、拡充を求めます。
 個人の農地や私道など、被災したままいまだに復旧が進まない箇所が取り残されています。防災や安全上の観点からも、放置したままにせず復旧を支援する方策を講じるよう、行政に求めるものです。
 
 「益城町のまちづくり」
 震度7の激震を二度にわたって経験した益城町では、県道熊本高森線の四車線化と木山地区の土地区画整理事業が進められていますが、工事は難航しているうえ、地域と住民の再建にも暗い影を落としています。四車線化事業は、事業に同意していない地権者も多く、土地区画整理事業も3割近くの方が「減歩」や「仮換地」に同意していません。こうした事業が進められている地域では自宅建築をしたくてもできず、住民は不自由な仮設暮らしを余儀なくされています。現行計画にとらわれず柔軟に計画を見直していくことを求めます。
 
 2.熊本地震の教訓を生かし、被災者一人ひとりの幸福を追求する権利を尊重した政治の実現を
 〇被災者生活再建支援法の改正を
 生活再建のかなめである住宅再建への支援は、最大でも300万円と少ないうえに、熊本地震の被災者については「半壊」も「一部損壊」も支援の対象外です。緊急に500万円に引き上げるとともに、被災の実情に応じた支援ができるように、額も対象も拡充することを求めます。
 
 〇惨事便乗型の「創造的復興」を見直し、「人間の復興」へ
 益城町の土地区画整理事業や県道熊本高森線の四車線化は、復興事業に多くの時間と労力が費やされる一方、住宅や地域の再建が逆に遅れてしまう状況となっています。また「創造的復興」として掲げられた大空港構想Next Stage、八代港のクルーズ拠点整備は、被災者の生活再建、被災地の復興と関係がないばかりか、コロナ禍のもとで当初の計画・目標からの大幅な見直しを迫られています。大災害に便乗した開発計画を被災地に押し付けるのではなく、被災地の復興と被災者の暮らしとなりわい再建を主眼に置くことが必要です。
 
 〇救助・救援体制の強化
 218人にも上ってしまった震災関連死(3月末現在)も決して繰り返してはならない問題です。避難所や応急仮設住宅の改善、コミュニティー形成へのサポート拡充を進めていくべきです。避難生活におけるジェンダー平等も重要な課題です。また医療・介護などを被災者の実情に見合って充実させなければならないにもかかわらず、国・県が被災者の医療費免除措置を早々に打ち切ったことも重大問題です。災害時における救助・救援体制の見直しと抜本的強化を求めます。
 
 〇なりわい再建への本格的支援
 熊本地震でグループ補助金が拡充されたことは大きな前進でしたが、コロナ化で被災地の市街地や商店街、中小企業・小規模事業所、農林水産業などの事業は疲弊しており、本格的な支援策の構築が求められます。
 
 ○防災のまちづくり
 公共事業を大型開発優先から、防災・老朽化対策に転換し、防災のまちづくりを進める事も必要です。また、熊本地震後も、毎年のように災害による大きな被害が起きています。今後もいつどこで大規模災害が発生するかわかりません。熊本地震で被災者、被災自治体の皆さんが費やした大変な苦労に真正面から向き合い、その教訓を災害対策に生かす政治に変えることが求められます。気候変動によりこれまでの想定を超える規模の大規模な台風や豪雨に見舞われることも想定しなければなりません。住宅耐震化への支援や河川改修、危険なダム建設の見直しなどを求めます。
 
 日本共産党は、熊本地震の教訓を胸に刻み、災害から国民の命と暮らしを守る政治にするために全力をあげます。

新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望
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新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望
 2021年2月4日
 日本共産党熊本県委員会
 委員長     松岡勝

   1、国民に罰則を科す政府の法改定は言語道断。撤回を求めよ
 昨日(2月3日)、国会では、入院措置に応じない人や休業・時短の命令に従わない事業者などへの罰則を盛り込んだ、新型コロナウイルス対応のための特別措置法、感染症法等の改定案が可決、成立しました。改定法は、コロナ感染者やコロナ対策で営業が困難になるなど、不利益をこうむっている国民を「犯罪者」扱いし、威嚇と罰則で強権的に行政が対応することを可能にする重大な内容となっており、とうてい容認することはできません。罰則をもちこむことは国民の中に相互監視、分断、差別と偏見をもたらすことにつながります。その結果、検査を回避したり検査結果を隠すようなことになれば感染症対策にも逆行します。
 元来、感染症法は患者の人権尊重をはっきりと規定しています。それはハンセン病患者の強制隔離やエイズ患者差別という、過去の過ちに対する反省からです。かつてハンセン病患者を強制収容する「無らい県運動」に加担してきた熊本県は、蒲島知事主導のもと検証委員会を設置し、報告書をまとめています。その冒頭には「二度と同じ過ちを繰り返さないために、歴史にしっかりと向き合い、行動するようにとの戒めであると重く受け止める」と記されています。全国知事会が罰則導入に積極姿勢を示す中、過去の教訓を重く受け止めておられる蒲島知事こそ、全国や政府に向けて警鐘を鳴らすべきです。
 新型コロナ感染症対策においていま求められているのは、国民に恐怖心を持たせる施策ではなく、国民が安心できる施策を広げていくことです。誰一人取り残さないという姿勢に立ち、必要な対策に全力をあげるよう、熊本県として政府に強く要請されるよう求めます。
 
 2、医療崩壊を食い止める対策に全力を
 
 新型コロナの新規感染者は、現局面では減少傾向にありますが、医療提供体制は依然として逼迫しています。激務が続き、看護師などの離職が相次いでいます。コロナに対応する医療体制・病床を確保しつつ、通常医療の体制を維持するためには、地域の医療体制全体への支援が必要です。いま日本の医療機関は危機にあるという認識が国民的に共有されている中で、医療機関への減収補てんを求める声は大きく広がっています。ワクチン接種の体制整備を進めるうえでも、医療機関への補てんは不可欠です。熊本県としても政府に対し、ぜひ医療機関への減収補てんをおこなうよう声をあげていただきたい。
 これまで熊本県に交付決定した、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)は約307億円ですが、実際に医療機関に届いたのは171億円にとどまっています。必要な支援が医療現場に届いていない現状を配慮し、受付期間の延長と周知徹底をはかるよう求めます。
 
 3、感染拡大を抑えるために、今こそ検査・保護・追跡の基本を強化すること
 
 医療崩壊を食い止めるうえでもう一つ重要なことは、重症患者を減らすことです。熊本県として、感染拡大を抑え込むための戦略を持ち、社会的検査と感染拡大地域における面的な大規模・集中的検査を実施するよう求めます。
 独自の判断で社会的検査の実施に踏み切る自治体も現れています。クラスターが発生すれば重症患者が発生しやすい医療機関や高齢者施設において社会的検査を実施することは、今後の爆発的感染拡大を防止する上でも非常に重要な方策です。熊本県全域において高齢者施設、医療機関、学校等における全職員、患者、利用者、生徒を対象とした社会的検査を実施すべきです。
 政府は、こうした社会的検査、感染拡大地域を対象とした大規模・集中的検査を実施する上での財政的保障を示していません。自治体任せではなく、政府が財政の保障や体制の確保について責任を持つよう強く要請すべきです。
 
 4、自粛と一体の補償を
 
 影響が長期化し、事業者の困難は深刻化しています。さらに県独自の緊急事態宣言で、営業時間の短縮要請、外出自粛の徹底など数々の負担を強いています。自粛と一体の補償は必要不可決ですが、現在の支援策は、現場の窮状を救うに十分なものとは到底言えません。「一日4万円の協力金ではなんともならない、家賃やリース代で消えてしまう」といった声が上がっています。飲食店のみならず、多くの事業者が廃業の危機に直面し、仕事を失って生活困窮に陥る人々が広がっています。
 自粛要請と一体に十分な補償を行ない、コロナから雇用と営業を守る支援策を拡充すべきです。事業規模に応じて、事業が続けられる補償をおこなうこと、納入業者、生産者など、直接・間接に影響を受けるすべての事業者を対象に、十分な補償をおこなうよう求めます。
 政府に対し、GO TO事業はきっぱり中止し、宿泊・観光産業に対する直接支援の制度に切り替えるよう要請すべきです。
 
 5、生活困窮者のもとに直接行き届く支援策を
 
 仕事や収入を失った生活困窮者のもとにいち早く支援を届ける必要があります。政府として新たな給付制度の創設を検討するよう求めるべきです。
 コロナ禍による生活困窮が広がる一方、生活保護利用の資格がありながら利用していない世帯が8割にも上ると言われています。「生活保護は権利」であること、政府も「ためらわずに生活保護の申請を」と呼びかけていることなど周知徹底するとともに、利用をためらわせる要因として指摘されている扶養照会をなくすべきです。
 厚労省が実施し、社会福祉協議会が受け付け窓口となっている生活福祉資金の特例貸付は、新型コロナの影響で収入が減少し、生活に困窮している方に必要な貸付を迅速に行うことを最優先課題として実施されています。ところが熊本県社協の場合、深刻な生活困窮状態に直面している方でも「総合的な判断」という口実で、何ら理由も示されず貸し付けが断られるケースが相次いで発生しています。生存の危機に瀕している住民を放り出す事態になりかねません。政府自身もこのほど、生活困窮がさらに深刻に拡大している実態を考慮し、コロナ感染拡大の影響を受けた困窮者向けに生活費を貸し付ける「総合支援資金」を拡充し、緊急小口資金と合わせると最大200万円の借り入れが可能となりました。「できる限り排除しない」という厚労省の制度の趣旨に基づき、県社協がこの間の対応を改め、申請者の個々の生活の実情に丁寧に寄り添い、貸付決定を進めるよう、県として強く指導されることを求めます。
 雇用情勢が大幅に悪化している中、とりわけ非正規労働者への一刻も早い支援が求められています。コロナ対応の休業支援金・給付金が設けられましたが、野村総研の調査によると、休業支援金を知らない人がシフト減の女性労働者の6割、知っていても9割の人が申請していないといいます。また大企業を対象外としているため、大手チェーン店の非正規労働者には支給されません。制度の改善を国に求めるとともに、県内で非正規として働き、仕事が奪われている若者や女性に制度が周知されるよう、さらなる広報活動の強化を求めます。
 民間の支援グループが学生への支援物資を募り、配布するなどの善意の活動が広がり、喜ばれています。本来ならば住民の命・暮らしを守ることに責任を持つべき行政が役割を発揮すべきところです。支援グループ等から聞き取りなどもおこない、県としてできる支援策を具体化・実施されるよう求めます。
   以 上

新型コロナウイルス対策 日本共産党国会議員団の「政府への要望事項」
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新型コロナウイルス対策 日本共産党国会議員団の「政府への要望事項」
 2021年1月8日 日本共産党国会議員団
 
 1、緊急事態宣言の発令について、科学的かつ具体的根拠にもとづく説明を行うこと
 これまで政府は「緊急事態宣言は必要ない」という態度を繰り返し示してきた。これを変更したことについて、国会と国民への説明はまともになされていない。
 なぜ、緊急事態宣言の発令にいたったのか、なぜ対象地域が東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県で、期間が1カ月なのか、なぜ飲食店への時短営業の要請なのか等について、菅義偉首相が国会での時間をとった質疑に緊急に応じることを求める。
 
  2、十分な補償と医療・検査の抜本拡充を行うこと
 (1)医療・福祉施設への検査等の抜本的強化、医療機関・保健所への支援に全力をあげること
 ――医療機関・福祉施設への「社会的検査」を国の責任で行うこと。
 医療・福祉施設でのクラスター発生を防止する検査は、重症者を減らし、医療への負担を軽減するうえで決定的に重要である。
 行政検査に係る自治体の負担を完全になくすために、地方負担分の事後交付、いわゆる「裏負担」などではなく全額国庫負担の制度にすることを求める。あわせて「社会的検査」が保健所の負担とならないように、医療機関、高齢者施設、障害者施設等が民間機関も活用した「自主検査」を定期的に行い、その費用を国が負担する仕組みをつくる。
 介護施設で従事者に陽性者が発生した場合にも介護体制を維持できるよう、人的支援とそれに伴う財政的支援を行う。
 ――感染震源地(エピセンター)への「面の検査」について、政府としての戦略を持つこと。
 新型コロナウイルス感染拡大を抑制するために、感染震源地がどこであるかを明らかにし、大規模・集中的検査を行うことが必要である。夏の「第2波」に至った教訓からも、「クラスター対策」だけでは“感染が少し下火になると検査も減らす”こととなり、これでは感染を抑え込むことができない。政府が明確な戦略を持ち、そのための体制の確保などをすすめること。
 ――「濃厚接触者」に限定せず、感染リスクのある接触者を広く検査すること。
 「感染者がマスクを着けて接触した人は『濃厚』に該当しない」など、「濃厚接触者」の範囲はかなり限定的である。厚労省は、接触者について広く行政検査の対象とすることを可能としているが、「濃厚接触者」に限定している事例は多々ある。医療機関で「濃厚接触者」以外も対象として検査ができることを明確にし、保健所を介さなくとも、接触者への検査を積極的に行うことが求められる。
 ――医療機関への減収補填をただちに行うこと。
 新型コロナ患者に対応する病床と人員を確保するためには、地域全体の医療体制を強化することが必須である。最も迅速に医療従事者の人件費を保障し、医療機関の経営を支える施策が減収補填(ほてん)である。医療崩壊を防ぐために、ただちに決断すべきである。
 ――感染追跡を行うトレーサーの確保をはじめ、保健所への人的・財政的支援を強化すること。
 「第3波」での臨時的な人員強化に全力をあげるとともに、これを今後の保健所体制の基盤とできるように、抜本的な定員増員に踏み切ること。
 (2)事業と雇用を持続できるに足る補償・支援を行うこと
 時短営業を要請される飲食業にとどまらず、多大な経済的影響が生じることとなる。事業と雇用を守ることを政府の大方針として、今後、数カ月間、かつてない規模とスピードでの補償と支援を行うことは感染抑制に必須である。罰則による監視と強制では、国民に分断が持ち込まれ、隠れた感染拡大を生じさせかねず、また倒産・廃業など経済に大打撃をもたらすことになる。
 ――自粛要請とセットで雇用と事業を維持できる補償を行えるようにする。そのために地方創生臨時交付金を大幅に積み増すこと。
 事業規模も、雇用者数も度外視した「協力金」では、事業も雇用も維持できない。飲食業に十分な補償を行うとともに、納入業者、生産者をはじめ関連事業者や集客制限を要請するライブ・イベント業界なども補償の対象にする。
 
 3、追加経済対策とこれにもとづく第3次補正予算を抜本的につくりなおすこと
 追加経済対策と第3次補正予算は、感染の急拡大と「緊急事態宣言」という新たな局面に全く対応していない。「ポストコロナ」を基本として、Go To事業の期間延長や国土強靱(きょうじん)化に名を借りた大型公共事業等に多額の予算をあてる一方で、コロナ禍から雇用と事業を守る支援策を打ち切り・縮小するなど、感染症対策としても経済対策としても破綻は明らかである。ただちにつくりなおし、以下の施策を行うことを強く求める。
 (1)コロナ禍から雇用と事業を守る大胆で大規模な支援策を行うこと
 ――持続化給付金、家賃支援給付金の打ち切りを撤回し、第2弾を実施すること。
 ――雇用調整助成金のコロナ特例の縮小、休業支援金の打ち切りを撤回し、感染収束まで継続する方針を打ち出す。対象を中堅企業や大手チェーン店等の労働者にも拡大すること。
 「緊急事態宣言」を出しながら、支援策の「打ち切り・縮小」はあってはならない。飲食業ではパート・アルバイトを含めて「従業員50人以上」を大企業としている状態を見直すなど、雇調金を100%助成とし、休業支援金の対象を実態に即して拡大し、迅速な支給を行う。
 ――GoTo事業に代わる宿泊・観光業への直接支援制度を急いでつくること。
 Go To事業の「中断・延命」によって、苦境にある宿泊・観光業への支援が「空白」になっている。「再開する」という政府の姿勢が現状に即した支援を行う障害となっており、Go To事業を中止し、宿泊・観光産業の事業規模に応じた給付金制度として直接支援を行う。Go To予算の全額をこれに充てる。
 (2)コロナ禍で仕事を失うなど生活に困窮する人たちへの緊急支援を行うこと
 年末年始に、市民団体やボランティアによる相談・支援活動が各地で取り組まれた。コロナ前は「ふつうの生活」をしていた人たちが、住居を失い、日々の食事にも事欠く深刻な状態に追いこまれている実態が明らかになった。
 ――生活困窮者・低所得者に新たな給付金を支給する。
 困っている人に即決で給付できるように、まず現金を渡し、給与など所得が少ないことを届け出れば返済不要の給付に転換する。
 所得が少ないことやコロナ禍で急減したことなどの「証明」を支給条件にすると、申請・受付・給付に時間がかかる。一方で、公的な制度であっても仕事もない状態で借金をすることに躊躇(ちゅうちょ)する人も少なくない。緊急小口資金・生活福祉資金の制度も活用しながら、迅速にいったん現金を渡し(貸し付け)、給付に転換する仕組みが必要である。
 ――住居確保給付金をコロナ後の滞納分も対象にする、生涯に一度しか申請できないという規定を見直すなど実態にあった制度にする。自治体負担分について国庫負担とする。公共住宅や宿泊施設も活用し、緊急の住まいを確保する。
 ――「生活保護は権利」をさらに徹底し、必要な人が躊躇なく利用できるようにする。
 ――生活に困っている人に支援制度が知らされていない状況があり、ネットやCMなどを含めて広く周知するとともに、相談体制を強化する。
 ――外国人への相談窓口を設置し、日本社会の一員として各種の支援制度が使えるようにする。

12年間の不作為を厳しくただし、ダムによらない治水を極限まで具体化を
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12年間の不作為を厳しくただし、ダムによらない治水を極限まで具体化を
 
 2021年1月21日
   日本共産党熊本県委員会
   委員長 松岡勝
   日本共産党南部地区委員会
   委員長 野中重男
 
 日本共産党熊本県委員会・同南部地区委員会は、2020年7月4日の球磨川豪雨災害(以下「7・4豪雨災害」)後、「球磨川治水」について、国土交通省、あるいは熊本県に対して、「提言」「申しいれ」を行ってきました。
 *9月3日「球磨川豪雨検証を通じて『ダムなし流域治水』を」
 *9月30日「被災者・流域住民を主役にした球磨川治水検証を」
 *10月20日「被災者・流域住民を主役にした球磨川治水検証と対策を」
 *11月18日「川辺川ダム容認表明は断じて容認できない。容認表明は中止し、住民の声を聴き、住民参加の治水協議を」
  なお、2020年7月以前に、別紙に示すように、球磨川の治水対策について、「提言」「申し入れ」を行ってきました。
 「7・4豪雨災害」から半年を経て、あらためて豪雨災害が国交省とそれに追随した熊本県による「人災」であること、「ゲート付き流水型ダム」についての新たな問題等を明らかにし、清流川辺川・球磨川を守り、安全・安心の治水対策の基本方向と課題を明らかにするものです。
 
 1、「7・4豪雨災害」は、ダムによらない治水を極限まで追求しなかった国交省・熊本県による人災
  2008年8月、当時の国交省九州地方整備局長が、蒲島郁夫知事に対し、「ダムを建設しないことを選択すれば、流域住民に水害を受忍していただかざるを得ないことになる」と恫喝めいた発言をしたことは広く知られています。
 2008年9月、蒲島知事が「川辺川ダム中止。ダムによらない治水の極限まで追求」表明後、国交省は、12年近くの間、「ダムによらない治水を検討する場」「球磨川治水協議会」を形だけ開き、有効な治水を具体化、推進せず、河川整備計画をつくらず、ダムによらない治水の不作為を続けてきました。その結果、2020年7月4日、球磨川流域は甚大な洪水被害に見舞われました。
 改めて、国交省の球磨川におけるダムによらない治水の不作為が厳しく問われており、その検証が必要です。 熊本県・蒲島知事の責任も問われます。蒲島知事は、自ら表明した「ダムによらない治水の極限までの追求」を具体化する協議の場から、流域住民、市民団体、専門家を排除し、事実上、国交省と同一歩調をとりました。
 蒲島知事は、「川辺川ダム中止」表明をしましたが、その後の熊本県内でのダム建設―天草の路木ダム建設、白川水系の立野ダム建設では、ダムによる重大な環境破壊、超過洪水被害問題での懸念、ダムに代わる代替案の提案などに一切耳を傾けず、国交省、自民党県議団の方針に忠実に、ダム建設を推進してきました。
 蒲島知事の見識と県政の責任者としての責任が改めて問われています。
 
 2、「7・4豪雨災害」をもたらした国交省の不作為の検証
 (1)可能な「計画」を実施せず被害を拡大した
  ①人吉堤防
 人吉地区では、国交省が示したダムによらない治水案として、遊水地等によって0.8m.の水位を低下させ、堤防を1.3mかさ上げするという案が示されていました。この計画を組み合わせると、合わせて2.1mの水位上昇に対応できるということなります。「球磨川流域治水協議会」で国交省は、川辺川ダムがあれば1.9メートルの水位低減効果があるとの説明をしていますが、それと変わらない治水効果があるのに、国交省は堤防かさ上げ(案)を採用しませんでした。
 その理由として、国交省は、人吉地区の堤防について、「コンクリートと鋼矢板による構造の堤防」では、沿川の家屋や温泉旅館、ホテル、病院等約200戸の移転、用地買収が約24ha必要、約1,100億円かかるから困難として退けました。しかし堤防かさ上げには、大規模な住宅等の移転の必要はありません。現に鋼矢板を打ち込むなどして堤防の厚さを抑えた工法で堤防かさ上げをしている事例は、東日本大震災における陸前高田の防潮堤、白川の熊本市街地など各地で取り組まれています。
 堤防かさ上げを中心にした治水対策は、約50年かかると国交省の説明書には書いてありますが、熊本市の代継橋から明午橋までの鋼矢板を敷設した堤防強化は短期間に完了しています。
 景観についても、各地で景観に配慮した堤防づくりは実践されています。
 人吉地区の堤防対策について具体化することを改めて求めます。
 
 ②中流地域宅地かさ上げ事業
 5名が亡くなった球磨村大坂間地区では2008年、蒲島知事の川辺川ダム建設中止宣言後に堤防かさ上げ工事が行われています。ところが、かさ上げは川辺川ダム建設を前提にした高さまでしか実施されませんでした。本来の川辺川ダム代替(案)では、さらに2.5メートルのかさ上げが必要とされていたにもかかわらず、川辺川ダム計画に固執して低いかさ上げに止まった結果、住民が犠牲になったのです。これは、中流域で実施したすべての地区にいえることです。
 本来、川辺川ダムが白紙撤回された時点で、宅地かさ上げしか対策案がなかった中流域では、川辺川ダムで下げる予定だった水位の高さを見込んで宅地かさ上げをすることが必要だったのです。
 あらためて、川辺川ダムの「調節」を前提とせず、堤防、道路、橋の架け替えの高さを「今回の洪水水位」対応として具体化することを求めます。  
 (2)意図的に、事業費、工期を膨らませ、排除された遊水地計画
 国交省が排除した遊水地の問題も重大です。
 国交省は、球磨川水系では、白川水系阿蘇地区で九州北部豪雨後、着手し実現している「地役権型遊水地」計画を排除し、「掘り込み型遊水地」計画に意図的に絞り込み、数々の「障害」をあげつらい、遊水地案を棚上げしました。
 
 国交省が遊水地計画を棚上げするために意図的にあげた数々の「障害」は次のようなものでした。
 ・家屋等の移転、用地買収が必要となるため、土地所有者等による協力が必要(移転戸数:約380戸)
 ・周囲堤や越流堤の整備に伴う既存インフラの機能補償(周辺道路、水路の付替え・移設、堰、樋管、高圧線鉄塔)
 ・遊水地掘削に伴い発生する土砂(約6,900万㎥、ダンプトラック10t約1,400万台)の処分
 ・周囲堤の設置、水田の消失、底盤部のコンクリート施工(遮水対策)による動植物の生息生育環境や景観等の変化
 ・掘込みによる地下水位の変化
 ・洪水後に残る泥水の影響
 ・周囲堤の設置、底面部のコンクリート、立ち入り制限のためのフェンスの設置による景観や利用の場への影響
 ・農地消失(約1,100ha)による農業への影響
 ・遊水地事業費は8,200億円、遊水地を中心にした治水対策事業費総額1兆円以上、工期、50年等々です。
 ところが、国と熊本県が、流水型川辺川ダム建設に合意すると、第2回球磨川流域治水協議会では一転し、「今次出水の被害状況を鑑み、甚大な被害が生じた人吉市街部及び中流部で効果を発揮させられるよう、遊水地の配置を検討する」「地域の基幹産業でもある営農等に配慮しつつ、『地役権方式』及び『掘り込み方式』の組み合わせによる配置を計画する」「『掘り込み方式』については地下水位以上の掘り込みを条件とすることを検討(平常時の営農等への活用可能性も含め検討)」するとしています。
 「地役権型遊水地」は、平常時は農地としてそのまま利用し、洪水時は遊水地として利用するというもので、熊本県では、阿蘇地区の小倉、手野で建設され稼働中です。 「地役権型遊水地」は、売買価格の約3割が契約時に保障されます。小倉地区では、地権者総数102名全員、手野地区では、44名中43名(1名は買収希望)が賛成・同意しています。小倉遊水池は、88㏊で貯水容量265万㎥、手野遊水池は、50haで、貯水容量は138万㎥、あわせて403万㎥です。事業費は、小倉遊水池69億円、手野遊水池57億円です。
 第2回球磨川豪雨検証委員会で、国交省は、球磨川では「『遊水地を中心とした組み合わせ案』を実施した場合、主要地点のピーク水位は、ピーク流量の低減効果が1,900㎥/sと大きく、人吉地区や川辺川の引堤の効果もあり、治水対策前と比較して、全川的に約1.5~ 約3.4mの水位低下が推定された」と説明しています。
 これだけの水位低位効果が発現されていたら、多くの人命、財産が守られた可能性があります。
 ダムによらない治水協議で、農民・地権者の賛成・同意が得やすい「地役権型遊水地」を排除し、「堀り込み型遊水地」についてはできない理由を幾重にもつくって遊水地計画を見送った国交省と追随した知事や市町村長の責任は重大です。
 改めて、「地役権型遊水地」を大きく組み込んだ遊水地計画の具体化を求めます。
 
 (3)「河川整備計画」をつくらなかった責任
 「河川激甚災害対策特別緊急事業」(激特)の対象にならない球磨川水系
 球磨川水系は、川辺川ダム計画に固執する国交省によって意図的に河川法(第16条の2 河川管理者は、河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について、当該河川の整備に関する計画を定めておかなければならない)に基づく「河川整備計画」がつくられませんでした。
 「河川整備計画」をつくらず、「ダムによらない治水」対策が実行されなかったことが、「7・4豪雨災害」での被害を大きくしました。
 「河川整備計画」がつくられなかったことの弊害はさらにあります。2012年(平成24年)九州北部豪雨によって甚大な被害に遭遇した白川水系には「河川激甚災害対策特別緊急事業」(「洪水、高潮等により激甚な被害が発生した河川について、概ね5年間を目途に改良事業を実施することにより、再度災害の防止を図るものである」―国交省ホームページ)が適用され、その事業期間である「概ね5年間」で、全川の築堤・堤防補強、河道浚渫・掘削、引堤、橋の架け替え(明午橋・竜神橋)、小倉・手野両遊水池建設、宅地かさ上げ等が完了しています。
 鹿児島県の川内川でも、2006年(平成18年)洪水後、「激特」事業が適用され、改修・復旧工事が進められました。
 ところが、球磨川水系の場合、「河川整備計画」がないために災害後の復旧対策を「概ね5年以内」に完了する「激特事業」にはならす、「河川整備計画」をつくらなかったことに加えて、二重に国交省の責任が厳しく問われます。
 
 3、ゲートが流木・土砂で閉塞する可能性。2年前に専門家が指摘
 国交省は、第2回球磨川流域治水協議会で、洪水調節ができない従来型(立野ダムなど)の穴あきダムの欠陥を補うために、川辺川ダムはゲート付きにし、それによって洪水調節もできると説明しています。
 ところが、これについては次のような専門家の重大な指摘があります。
 「ダム常用洪水吐ゲートの機能低下に伴う洪水リスク評価に関する検討」(京都大学防災研究所年報第62号B・2019)という論文です。
 この論文では、米カリフォルニア州のオーロビルダムでの常用洪水吐ゲートの損傷、長野県の裾花ダムでの常用洪水吐きゲート2門のうち1門が4ヵ月間、開閉不能となった事例に基づいて、ダムのゲートの機能低下により洪水リスクが高まることを明らかにしています。裾花ダムのケースでは、緊急放流に至った場合、下流の計画流量を上回る放水量となり、さらに放流量の増大が急激となり被害が出ると想定しています。流水型ダムの欠陥を補うゲートそのものが、経年劣化や土砂・沈木などにより機能不全となり、被害を生じさせる致命的欠陥となりうるということです。こうした問題を、国交省が意図的に隠しているとの疑念を持たざるを得ません。
 また、「第2回球磨川流域治水協議会」資料では、「『流水型ダム』の場合、流木等により河床部に設置する放流口が閉塞することを防ぐため、放流口の上流側へのスクリーン設置や、貯水池内への流木等捕捉施設等を検討する必要がある」としています。この間、立野ダム計画をめぐり、土砂や流木などによる放流口の閉塞、たとえスクリーンを設置しても、スクリーンの設置部に土砂・流木などが堆積し、放流口が閉塞するとの疑念に対して、国交省は、「つまようじ」を流木に見立てた実験を根拠に「流木は浮くからスクリーン設置部での閉塞はない」と強弁してきました。しかし、この論文では、ゲートが機能不全となった裾花ダムの事例では、「土砂と沈木がゲート開口部を閉塞させたことが考えられる」としています。「流木は浮く」という国交省の説明はなりたたない事例が実際にあることが明らかになっているのです。流水型川辺川ダムの常用洪水吐きゲートは、より河床部に近い位置に建設される計画となっており、ゲートの機能不全、土砂や流木などによる放流口の閉塞にしても、裾花ダム以上にリスクが高くなることは明らかだといわなければなりません。
 流水型川辺川ダムの可否を左右する問題であり、ダム計画は中止し、開かれた場での県での検証が必要です。
 川辺川ダムに流入する流木、土砂の最大推定量とゲート閉塞の関連性についてのデータの開示と説明を求めます。
 
 4、ダムなし治水の究極までの具体化を
 (1)日本共産党熊本県委員会は、川辺川ダムを中止し、清流球磨川を活かした地域づくりを進める立場に立って、「ダムによらない治水対策」について、くり返し詳細に、建設的に提案し、その具体化を国交省に求めてきました。
 その主な柱は、
 ①堆積土砂の撤去・掘削
 ②堤防かさ上げ・強化 
 ③遊水池(地役権型含む)建設
 ④田んぼダム設置
 ⑤宅地かさ上げ・移転
 ⑥輪中堤・二線堤・水害防護林設置
 ⑦瀬戸石ダム撤去
 ⑧気象予測・情報伝達・避難計画
 ⑨治山対策等です。
 市民団体もくり返しダムなし治水対策について建設的で具体的な提案を行ってきました。
 国交省が、流域住民、市民団体、専門家、そしてわが党の提案の具体化を実施しておれば、「7・4豪雨災害」から多くの人命と財産を守ることができたのは疑いありません。
  国交省の不作為を改めて厳しく指摘します。同時に改めて、これらの提案を真摯に検証することを求めます。
 
 (2)「田んぼダム」について
 すぐできる、安い、相応の治水効果がある、農家とともに進められる等々の利点がある「田んぼダム」事業の本格的な取り組みが求められています。
 ①「田んぼダム」とは、「田んぼが元々持っている水を貯める機能を利用し、大雨時に田んぼに一時的に雨水を貯めることで、排水路や河川への流出を抑制し、洪水被害を軽減する取組です。 農家が簡単に始められる地域防災の取組です」(新潟県ホームページ)。
 新潟県では、2020年度で、県内30市町村中17市町村で、15,654haで取り組まれています。
 新潟大学農学部の研究チームが、平成23年の新潟・福島豪雨における田んぼダムの効果をシミュレーションにより解析しています。その結果は次の通りです(新潟県見附市ホームページ)。
 ・田んぼダム未実施の場合~床下浸水:212.4㏊  床上浸水:9.3㏊
 ・田んぼダム100%実施~床下浸水:15.5㏊   床上浸水:0.0㏊ 
 ②県内白川水系の立野ダム建設中止を求める市民団体メンバーが以下のような白川水系において、見附市の資料にもとづき、2018年3月時点での県内の水田耕地面積を基にスライド計算した場合の田んぼダムによる効果の試算をしています。
 ・熊本市上流―水田耕地面積7702㏊、貯水容量1605万㎥、事業費9600万円
 ・立野ダムより上流ー水田耕地面積6582㏊、貯水容量1371万㎥、事業費8200万円
 費用は、ダム事業費の(立野ダムの場合は、1160億円)の1000分の1以下の費用で、立野ダムに匹敵あるいは上回る貯水量を確保できるというものです。
 事業費については、実際の状況に応じた試算が必要ですが、ダム事業費1160億円に比べれば、はるかに少ない額になることは間違いありません。
 ③球磨川水系で田んぼダム事業を実施すれば、第2回球磨川流域治水協議会の資料・水田等利活用(田んぼダム)についてで、「整備することにより雨水の貯留を見込める可能性がある水田は、約3300ha存在」するとあります。これを白川水系での試算に当てはめると、貯水容量は約660万㎥となります。なお、休耕田・転作地含めると6950㏊です。
 熊本県は、「2月定例県議会に関連費を計上し、6月までにモデル地区を選定して200㏊規模の実証実験を始め、実用化を目指す」と報道されています。
 
 5、「激特」事業レベルのスピードで、治水対策を
 (1)「河川激甚災害対策特別緊急事業」と同じレベルで河川改修、遊水地建設などを5年間で完了することを求めます。
   球磨川洪水被害の復旧が「激特」事業の対象にならないのは、まさしく国交省の責任です。国交省の責任で、ダムによらない治水を究極まで追求する全体計画を立て、優先順位に沿って必要な工事をスピーディーに進め、5年以内に完了すること。費用は全額国の負担で実施することを求めます。
 (2)2021年の梅雨期に備えて、堆積土砂の撤去、流失した橋梁など流下障害物の除去、堤防の復旧・強化、かさ上げなど、喫緊の対策を完了すること。情報伝達、避難等、ソフト面での安全確保策を完了することを求めます。
 (3)瀬戸石ダム撤去を決断し、協議を開始することを求めます。
 (4)球磨村渡地区に建設した導流提の計画高水流量(HWⅬ)以上の水位での球磨川本川と支流小川の水位低減量を明らかにすること。万一水位が上昇する場合は、住民に結果を公表し、存続の可否を問うことを求めます。
 (5)人吉市中川原公園を撤去した場合の洪水時の水位変動を明らかすること。水位低減の効果がある場合は市民の理解を得て速やかに撤去することを求めます。
 
 6、情報、データを明らかにし、住民、県民に示すこと
 (1)川辺川ダム建設事業の現時点で推定している費用対効果(B/C)を明らかにすること)(現存する計算結果で可)。なお、効果〈B〉については、「八代市街地」「旧坂本村を含む中流域」「人吉市街地」「相良村」など地域ごとに明示することを求めます。
 (2)B/Cが、1を下回る場合の事業の実施の「可能」・「不可能」を明示することを求めます。
 (3)川辺川ダム建設事業の環境アセスメント「実施」・「不実施」を明示すること。その理由(根拠)を明らかにすることを求めます。
 (4)川辺川ダム建設については凍結し、5年間で、ダムによらない治水対策を完了後、すべてのデータを開示し、住民・市民団体、治水・環境等の専門家を交えた検証を行うことを求めます。

衆院選に向けての日本共産党熊本県委員会の政策
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 ~「自己責任」「分断」の政治から困っている人にやさしい政治に~
  2021 年1 月21 日
  日本共産党熊本県員会
 
 政策発表にあたって
 
 新型コロナ対策の無為無策と逆行、学術会議会員任命拒否問題での強権・独裁化、安倍前首相の「桜を見る会」問題をはじめとする「政治とカネ」、ウソとごまかし、国民に「自助」を求める冷酷さなどにみられる菅自公政権をこのまま続けさせていいのか。それに替わる政権は実現できるのか。多くの国民が模索しています。
 いまこそ野党が、自民・公明の菅政権に替わる政権実現のために、政権交代、野党連合政権をめざし、共通政策を示し、政権合意にもとづく選挙協力を強める時です。
 日本共産党中央委員会は、2020 年12 月15 日に「新しい日本をつくる5 つの提案」を発表しました。この提案は、総選挙にむけた単なる政策提起ではなく、自公政権に代わる新しい政権――野党連合政権が実行する政治的内容になるように力をつくす――という立場にたってまとめたものです。どの項目も、国民多数の声に添い、新しい政権ができればすべて実行可能なものばかりです。また「5 つの提案」の内容は、どれも政権交代がその実現のための一番の早道になるものです。
 熊本県独自の課題は、熊本地震・豪雨災害の被災者支援はじめ、水俣病被害者救済、「ダムによらない治水」を求めることなど、どれも県民の切実な要求にもとづくものです。これらの課題は、2016 年参院選以降、県内野党が共同して取り組んできた課題でもあり、政権交代、野党連合政権実現によって解決の道が確実に開けます。
 全国的課題、熊本県独自の課題いずれも県内野党間で共有できるものと確信するものです。
 日本共産党熊本県委員会は、今回発表する政策実現のために、衆院選小選挙区すべての選挙区での野党の勝利と、日本共産党の比例代表選挙での躍進のために全力で奮闘します。
 
 Ⅰ.「新しい日本をつくる5 つの提案」を訴えてたたかう
 
 1.新自由主義から転換し、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治をつくる
 第一の提案は、新自由主義から転換し、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治をつくることです。新型コロナ危機をつうじて、新自由主義の破綻が、世界でも日本でも明瞭になりました。この路線を根本から転換することは急務となっています。
 (1)ケアに手厚い社会をつくります。政府の責任で、医療・介護・障害福祉・保育など、ケア労働に携わる人々の待遇の抜本改善をはかります。公立・公的病院の統廃合、75歳以上の医療費値上げなど窓口負担増、年金削減など、社会保障削減政策を中止し、拡充への抜本的な転換をはかります。
 (2)人間らしい雇用のルールをつくります。コロナ危機で最も深刻な打撃を受けているのは、非正規雇用労働者、フリーランスの人々、とりわけ女性と若者です。労働法制の規制緩和路線を抜本的に転換し、最低賃金を時給1,500 円に引き上げ、8 時間働けばふつうに暮らせる社会をつくります。
 (3)疲弊した地方経済の立て直しの柱に中小企業と農林水産業の振興を位置づけます。コロナに乗じて中小企業を「淘汰(とうた)」する暴政をやめさせ、中小企業を日本経済の根幹に位置づけ振興をはかります。農林水産業を基幹的な生産部門と位置づけ、歯止めない自由化路線を見直し、所得補償・価格保障によって自給率を50%を目標に引き上げます。
 (4)コロナのもと、多くの学生の陥っている深刻な困窮は、政治の恥ずべき責任です。大学等の学費を半減し、本格的な給付奨学金を創設します。
 (5)消費税を緊急に5%に減税し、経営の苦しい中小企業に対して2019 年度・20 年度分の納税を免除します。コロナ禍のもと空前の資産を増やしている富裕層、大企業に応分の負担を求める税制改革を行います。
 (6)被災した住宅への支援金を500 万円に引き上げるなど、被災者の生活再建を復興の柱にすえるとともに、災害に強いまちづくりを進めます。
 
 2.憲法を守り、立憲主義・民主主義・平和主義を回復する
 第二の提案は、憲法を守り、立憲主義・民主主義・平和主義を回復することです。安倍・菅政権によって破壊された立憲主義を再建し、負の遺産を一掃することは、新しい政治がまっさきに取り組むべき課題です。
 (1)安保法制、秘密保護法、共謀罪など、安倍・菅政権による憲法違反の立法を廃止します。集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回します。
 (2)「森友問題」「加計問題」「桜を見る会」の問題など、一連の国政私物化疑惑を徹底的に究明します。内閣人事局を廃止し、日本学術会議の任命拒否を撤回し、「忖度(そんたく)」を生み出す強権政治の根を断ち、透明性ある公正な政治を築きます。
 (3)自民党が進める憲法9条改定に反対し、国民投票法改定案(自民・公明・維新案)を廃案に追い込み、改憲発議を許しません。
 
 3.大国の覇権主義への従属・屈従外交から抜け出し、自主・自立の平和外交に転換する。
 第三の提案は、覇権主義への従属・屈従外交から抜け出し、自主・自立の平和外交に転換することです。
 (1)沖縄県民の民意に背く辺野古新基地建設を中止し、普天間基地の無条件返還を求めます。日米地位協定の抜本的改正に取り組みます。
 (2)米軍への「思いやり予算」を廃止し、米国製の高額武器の「爆買い」、「イージス・アショア」代替案、「敵基地攻撃」能力保有のための武器購入など、大軍拡の危険と浪費にメスを入れます。
 (3)核兵器禁止条約に署名・批准し、唯一の戦争被爆国の政府として「核兵器のない世界」の実現に向け先駆的役割を果たします。
 (4)中国による覇権主義・人権侵害にきっぱり反対し、国連憲章と国際法を順守させる立場で毅然(きぜん)とした外交的対応を行います。
 
 4.地球規模の環境破壊を止め、自然と共生する経済社会をつくる
 第四の提案は、地球規模の環境破壊を止め、自然と共生する経済社会をつくることです。気候変動問題でも、感染症のパンデミックの問題でも、地球規模での環境破壊を止めることは、人類の生存にとって急務となっています。
 (1)2050 年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにします。大型石炭火力の建設計画を中止し、既存施設の計画的停止・廃止を実施します。2030 年度までに電力の4割以上を再生可能エネルギーでまかない、温室効果ガスの排出を1990 年比で40~50%削減する計画を策定・実施します。コロナ危機からの経済社会の回復は、グリーン・リカバリー(環境に配慮した回復)の立場で取り組みます。
 (2)原発の再稼働を中止し、「原発ゼロの日本」を実現します。破たんした核燃料サイクルから撤退します。
 (3)次のパンデミックを防ぐうえで、健全な環境、人間の健康、動物の健康を、一つの健康と考える「ワンヘルス」アプローチが国際的な急務となっています。感染症を拡散する恐れのある野生生物の取引と消費の抑制、森林破壊の防止と土地利用の転換の抑制、自然との調和を欠いた農業や畜産から持続可能な食糧生産への転換などを推進します。
 
 5.ジェンダー平等社会の実現、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を第五の提案は、ジェンダー平等社会を実現し、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築くことです。
 (1)新型コロナ危機のもと、「ジェンダー平等後進国・日本」の矛盾が噴き出しています。多くの女性が職を失い、家事・育児負担の増大、DVなどさまざまな困難に直面し、女性の自殺が増えていることは、きわめて重大です。あらゆる問題に対してジェンダーの視点を貫くとともに、ジェンダー平等社会をめざして以下の課題に取り組みます。
 ・雇用におけるジェンダー差別をなくします。
 ・民法を改正し、選択的夫婦別姓制度を実現し、同性婚を認めます。戦前の「家父長制」を引き継いだ「世帯主」の制度を廃止します。
 ・性暴力根絶をめざし、強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」を撤廃し、同意要件を新設するなどの法改正を行います。リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康・権利)を保障する施策を進めます。
 ・「2030 年までに男女半々」をめざし、政治分野など政策・意思決定の場におけるジェンダー平等を推進します。
 (2)外国人労働者への差別をなくし、労働者としての権利を保障します。難民認定制度、入国管理法の抜本改正を行い、人権を蹂躙(じゅうりん)する非人道的な収容をやめます。
 (3)少人数学級の速やかな実現をはかります。子どもたち一人ひとりの多様性を大切にし、一人ひとりを尊重する教育を保障するために、少人数学級は重要な一歩となります。それは過度な競争と管理という教育のあり方を見直すことにもつながる意義をもつものです。
 (4)国費を数千億円単位で投入して「文化・芸術復興基金」を緊急に設立するとともに、国の文化予算の大幅増額をはかり、文化・芸術を人間が生きていくうえで必要不可欠な糧として守り育てる国をつくります。
 
 Ⅱ.熊本県内の重要な国政課題
 1.豪雨被災者の生活と生業の再建支援・復興
 (1)災害救助法を改善し、生活物資の支給を拡充します。ストーブ、電気毛布など防寒対策、熱中症対策に必要な家電については生活必需品の支給対象とし、支給適用期間も延長します。
 (2)最大300 万円の上限を当面500 万円に引き上げる事など、生活再建支援金の拡充、上乗せを行います。
 (3)なりわい再建支援補助金の申請期限を延長し、手続きを簡素化し、すべての事業者が営業再開できるように支援します。
 (4)JR 肥薩線、球磨川鉄道、国道219 号線の復旧を国の責任で行います。
 
 2.球磨川の治水対策と地域の再建、立野ダムについて
 (1)川辺川ダム建設方針は撤回します。
 (2)ピーク流量、市房ダムの緊急放流、川辺川ダム(建設されていた場合)の緊急放流、瀬戸石ダムと上下流被害の関連、避難勧告・指示の周知などソフト面の対応など、昨年の「7 月豪雨」の検証をあらためてやり直します。
 (3)流水型(穴あき)川辺川ダムの想定以上降雨の際の洪水調節機能の喪失(危険性)、土砂の堆積や生態系への影響(環境への負荷)について、科学的・客観的に検証します。
 (4)堤防かさ上げ、河道の浚渫、田んぼダム、遊水地、事前避難の徹底などのソフト対策等の治水対策に速やかに着手し、安全度を飛躍的に高めます。
 (5)堆積土砂による球磨川の水位上昇、下流への放流で、洪水被害を引き起こしている瀬戸石ダムの撤去をすすめます。
 (6)立野ダムについては、過去の洪水を基準にした計画そのものが破綻しており、工事を中止します。流域治水協議会メンバーに、住民代表、学識経験者などを加え、「立野ダム事業検証」の14 の治水案をあらためて検証します。
 
 3.すべての水俣病被害者の救済を
 水俣病公式確認から64 年が経過しましたが、いまだに救済を求める人たちが後を絶たず、高齢化する被害者たちの救済は急務です。
 (1)水俣病被害者救済特別措置法に明記された不知火海沿岸住民の健康調査は、水俣病被害の全容解明とすべての水俣病被害者救済のために不可欠な課題であり、直ちに実施します。
 (2)患者切り捨てではなく、症状に応じた救済策を具体化します。
 
 4.「宝の海」有明海の再生を
 (1)潮受け堤防の中長期的開門調査をおこなうよう命じた判決が確定したにもかかわらず、開門調査に応じない国の態度を改め、有明海の再生と農業漁業の共存共栄、疲弊している地域経済の再建に力を尽くします。
 (2)司法の責任で関係者による和解協議の開催実現のために力を尽くします。
 (3)開門による農業被害防止策、被害が生じた場合の補償策を講じ、関係者の納得と合意のうえで、潮受け堤防の中長期的開門調査を実施し、環境への影響を調査します。
 
 5.熊本の軍事基地強化、拠点化を許さない
 (1)敵基地攻撃能力の保有は、「抑止力の強化」どころか、東アジア地域の軍拡競争を激化させ、日本を戦争に巻き込むものであり、計画を白紙撤回します。
 (2)大矢野原演習場でのオスプレイの訓練、日米合同演習の常態化、地対艦誘導弾(SSM)の西部方面隊への集中配備など、熊本の軍事基地強化、拠点化はストップさせます。
 (3)沖縄辺野古新基地建設のための県内から土砂の搬出計画は白紙撤回します。
 以上