要請・提言書


県政の重要課題に対する対応と、2018年度県予算編成への要望 2017年8月18日
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2017年8月18日
 経熊本県知事 蒲島郁夫 様
 日本共産党熊本県委員会
 委員長   日高 伸哉
 書記長   松岡 勝
 県議会議員 山本 伸裕
 

 県政の重要課題に対する対応と、2018年度県予算編成への要望
 
 蒲島知事先頭に、熊本地震からの復旧・復興と県民生活の向上、熊本県の発展のために連日ご尽力しておられることに敬意を申し上げます。
 熊本県の来年度予算編成にあたり、私たち日本共産党熊本県委員会は、熊本県が抱える三つの重要課題について抜本的改革を図られるよう求めます。
 日本共産党熊本県委員会として、県政の重要課題に対する対応、2018年度県予算の編成についての要望・提案をいたします。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
 
 【熊本県政の緊急・重要3課題への対応】

(1)熊本地震
 熊本地震から1年4ヶ月が経過しました。熊本県は「これまでの復興の流れをさらに強く、大きくし、熊本の発展につなげる」と、着実に復興がすすんでいることを強調しますが、今なお大きな困難に直面し、先の展望が持てず苦しんでいる被災者が多数取り残されていることから目を背けるわけにはいきません。発災後一年が経過してなお避難生活を余儀なくされている方が4万7千人にも上り、住まいの再建、生活と生業の再建にいまだ見通しが立たない方々が多数取り残されています。被害を受けながら放置されたままとなっている鉄道、生活道路、山林、農地も各地に残っています。被災自治体からも中長期的に支援の継続を求める切実な声が上がっています。
 こうした状況を考える際、政府の重大な約束違反を不問にするわけにはいきません。発災直後から蒲島知事が政府に対し、県や市町村の財政負担を実質ゼロにする特別立法の制定を政府に要望したのは、当然のことでありました。首相自身も熊本の地で、「復興のためにできることは何でもやる」(2016年7月)と応じました。ところが県や被災自治体が切実に求めていた特別立法は制定されず、重い市町村の財政負担、被災者らの自己負担が復興の足かせとなっています。こうした政府の対応を追認するかのように、蒲島知事が昨年10月、「今は国との争点にしない」と、特別立法を求める旗を事実上おろしてしまうような発言をしたことは重大でした。特別立法によらない復興予算では、今後通常の単年度予算から配分されるということになり、政府のさじ加減次第という性格のものにならざるを得ません。
 熊本県と被災市町村は今年度の予算編成方針において一般行政経費の削減を打ち出し、人件費カット、学校給食費補助の中止、海水浴場の水質調査箇所・項目の削減など、涙ぐましい経費節減の努力や住民サービスの縮小がおこなわれています。熊本県は「国庫補助制度の創設や補助率のかさ上げ等、多くの項目で東日本大震災における対応や熊本地震の被災状況を踏まえた具体的な措置が実現し、国の協力が得られている」と強調しますが、そもそも政府の当初の約束どおり特措法が実現していたら、南阿蘇鉄道の復旧や液状化被害で自己負担が懸念されている問題などでも、展望が大きく開けていたはずです。全額国庫負担に背を向けられてしまったために、復興を進めるうえでの足かせや県・市町村の経費節減、住民サービス縮小という事態が生じている事は紛れもない事実です。
 復興を着実に進め、さらに熊本の将来の発展へとつなげていくためには、県内17の被災市町村が先月政府に対し要望したとおり、国からの長期的な財政支援が欠かせません。熊本県は、発災直後国に強く求めていた、被災者・被災自治体の負担をゼロとし全額国庫負担とする特別立法制定を求める旗を、今後とも降ろすべきではなく、求め続けることが必要です。また、最大300万円を500万円に支援金を引き上げることや、一部損壊への支援を実現することなど被災者生活再建支援法の見直し、被害の実態に見合った支援の実現のための災害救助法の見直し、さらに基金拡充への支援など、強く国に求めていくべきです。
 そのうえで、①「救済されない被災者を一人も残さない」立場に確固として立って、被災者・被災地の現状を県として詳細に把握し、分析し、対応すること。必要とする被災者が存在する限り、支援制度の継続・延長を図ること。②まちづくり、再開発は住民合意が大前提であり、反対の声を押さえつけて計画やスケジュールをごり押ししないこと。③住民が住み慣れた元の場所に戻り、生活と生業の再建がすすむことを復興・支援の基本とすること―の観点で施策の推進をはかられるよう求めます。

(2)立野ダム建設問題
 熊本地震と豪雨災害で建設予定地は大規模な崩落が発生し、県民世論もダムに対する評価は大きく変化しました。ところが国交省は熊本地震発災後、現場にも入れないような状況の中で早々と「立野ダム建設は大丈夫」と宣言し、以降、建設推進の前提での動きが続いています。本年度中に本体工事に着手し、早期の完成をめざすと明言しています。先月九州北部地域を襲った豪雨災害により大量の土砂・流木が流出し、甚大な被害をもたらしたことも、ダム建設に一層の不安を与えています。住民の不安の声が高まる中で、このような硬直的な姿勢はあまりにも問題であるといわなければなりません。
 もともと、立野ダムは洪水調節機能を目的として計画が進められてきました。しかし、この場所にダムを作ることが最善の手法なのか、ダム建設しか選択肢がないのか、今大きな疑問の目にさらされています。断層が存在していること、崩れやすい地質であること、上流域には広大な人工林が存在しており、豪雨時には大量の流木・土砂・岩石が押し寄せること、穴あきダムという構造に多くの不安と疑問が寄せられていること、河川環境や地下水、農業用水への影響への懸念、観光への懸念、ダム以外の治水対策工法・手法の進歩、近年頻発する豪雨災害、想定以上の規模の災害に対応できないダムの特質等々の不安要素を考えると、ダム建設に疑問の声が広がるのは当然のことです。一方国交省は身内で固めた技術委員会を組織し、形式的な地震後の検証を行なって早々と建設推進の方向を容認しました。もしダムがつくられた後に住民の不安が現実になった場合、誰が責任をとるつもりでしょうか。熊本県はただ国と国交省の結論を安易に追認するのでなく、主体的にダム建設の妥当性について検証を行なうべきです。
 ダム建設の事業費は917億円とされていますが、すでに事業費ベースで約530億円もの巨額を費やしており(H27年度末まで)、さらに熊本地震では仮排水路、工事用桟橋、車両が破壊され建設予定地は土砂が大量に崩落しました。再度工事をやり直さなければならない点や、新たに必要とされる追加工事に伴い事業費が今後膨らむことが予想されますが、国は見通しを明らかにしていません。
 平成24年の豪雨災害以降白川の河川改修は急ピッチで進められており、流下能力は大きく改善されています。毎秒200トンに過ぎない洪水調節を目的とする立野ダムを急いで建設しなければならない合理的理由はありません。ダムに莫大な予算をつぎ込むのでなく、復旧・復興にまわすべきです。熊本県の決断を求めるものです。
 熊本地震、その後の豪雨災害、今年の福岡県朝倉市等での甚大な流木被害を目の当たりにして、立野ダムの賛否を超えて「立野ダムは安全なのか」「ダム以外に方法はないのか」等々の声や疑問が広がっています。こうした状況の中、熊本県、蒲島知事が思い切ったイニシアチブを発揮するときです。蒲島知事が、「立野ダムの工事はいったん中止し、流域住民、県民に丁寧な説明を」と、9月県議会冒頭ないしは記者会見で、強く国に働きかけることを求めます。

(3)水俣病問題の解決
 公式発見から61年が経過したにもかかわらず、いまだに解決のめどが立たない状況が続いています。最大の原因は、特措法で明記された、不知火海沿岸住民を対象とした健康調査が、法制定から8年も経過しながらいまだに実施されないなど、被害の実態に向き合うことを拒み続けている国・県の姿勢にあります。
 特措法では、約65,000人もの方々が救済を求め、医療費のみ救済を含めると約55,000人が対象となりました。この事実は、水俣病の健康被害が、行政や加害企業の想定をはるかに上回り、いかに広範かつ深刻なものであるかを証明しています。
 特措法のもと、いわゆる対象地域や年代の線引きを越えて救済が行なわれる一方で、不当な判定や地域、出生年・居住時期の制限により、10,000人近くが切り捨てられました。その結果、水俣病と認められなかった人達や、特措法に申請できなかった人達が、救済を求めて裁判に立ち上がっています。
 一方、公健法にもとづく水俣病認定は、最高裁判決後も依然としてハードルは高く、被害者の大量切り捨てを進めるものとなっており、救済を求める人々が今後も増え続けることは必至です。被害の全容、救済すべき人々の実態を掌握しない限り、最終解決はありえません。つまり健康調査の実施は決して避けて通ることのできない、絶対の課題なのです。
 蒲島知事は水俣病問題を「県政最大の重要課題」「被害者には家族のように接してきた」と強調しますが、健康調査について、熊本県は国に協力して実施されるべきことが特措法に明記されているにもかかわらず、いまだ実施されない現実を見れば、県自体も重大な責任を免れません。
 平成16年、潮谷県政の元で熊本県は国に対し、対象人数、手法、見込み経費、実施主体などを示した八代海沿岸地域の住民健康調査の実施を提案しています。また民間の医師団が、対象地域外に住む住民の悉皆調査など健診活動を進めています。こうした蓄積を活かし、熊本県は直ちに国に対し、健康調査の実施を強く迫るべきです。
 
 熊本地震という未曽有の大災害から、熊本県民が展望を持って立ち上がることができるよう、県の大きな役割発揮を求めるとともに、さらに諸々の県政の重要課題についても県民本位の立場で取り組まれていくことを切に求めるものです。
 
【部局ごと要望項目】

1、総務部
・国に対し、被災者の立場に立って財政的・制度的支援の強化を求めること。一部損壊家屋にも支援金支給するなど制度の見直しを国に求めること。
・被災者生活再建支援制度の改善。特に支援金を最大300万円から直ちに500万円に引き上げるよう国に求めること。
・近年の異常気象は、いつ、どこで、想定外の大規模災害が発生するかわからない状況となっています。市町村ごと、地域ごと、集落ごとの防災対策、避難計画の整備を急ぎ、災害危険個所の総点検と対策に力を入れること。地域の自主防災組織の確立・体制強化へ県が支援すること。
・改正水防法の趣旨を踏まえ、高齢者や障がい者らが入る施設に避難計画の策定、訓練が義務付けられることとなった。すべての施設において計画策定や訓練が実施されるよう県として必要な指導・援助を強めること。浸水想定区域が設定されていない中小河川でも、過去の大雨による浸水状況を住民らに周知するなど万一に備えた対応の徹底をはかること。
・事前防災行動計画(タイムライン)を、県が管理する河川において速やかに策定すること。すでに策定したとされている河川流域においても内容の改善・充実を常に図ること。
・森林整備は、防災の観点からも早急な対策が求められている。近年急増している記録的豪雨はいつどこで発生してもおかしくない。人工林が多く存在する地域など、災害危険個所について国とともに総力をあげて治山対策にとりくむこと。
・いったん制御不能となると取り返しのつかない重大事態に陥る原発に依存したエネルギー政策からただちに脱却し、再生可能エネルギーの開発・普及を進めるよう国に求めること。
・復興基金の積み増し。市町村が主体的に基金事業を創設できるよう、市町村本位の運用に改善すること。
・市町村からの支援職員派遣要請に迅速に応じること。また県職員は正規を基本に必要・十分な配置を進めること。特に技術系職員の増員をはかること。
・道州制・州都構想を見直し、地方自治・住民自治を尊重した県政運営に徹すること。
・首相の改憲発言や違憲立法の強行など、憲法をないがしろにする安倍政権の政治姿勢に抗議し、憲法を尊重した政権運営に徹するよう強く求めること。
・欠陥機オスプレイの熊本県内上空の飛行禁止を国に求めること。とりわけ蒲島知事は2014年12月、オスプレイに体験搭乗し「危険は感じなかった」と安全性をアピールした責任を重大に自覚し、反省の意を表明するとともに、毅然たる対応を国に対しとることを求める。
・米軍機の低空飛行訓練中止を国に求めること。
・非核自治体宣言を行なっている熊本県として核兵器廃絶を求める取り組みに積極的役割を果たすこと。
・私学助成を増額すること。
・職員の激務を軽減し、健康管理につとめること。そのためにも必要な人員の確保、勤務実態の掌握と長時間労働の解消を図ること。

2、企画振興部
・大空港構想は緊急性、必要性の観点から計画を検証し、不要不急の事業は復興優先の立場で再検討すること、また開発行為は環境影響調査を実施し、特に地下水への影響について慎重に検証すること。
・EPAの「大枠合意」は国内、県内農業に大きな影響を及ぼす。関係者の不安を無視してごり押しした「大枠合意」の撤回を国に求めるとともに、影響調査を実施し公表するよう求めること。
・脱退したアメリカを除く11カ国でTPPを早期発効しようと、日本主導で交渉が進められている。しかしプラスにならないと反対する声も少なくない。巨大多国籍企業の利益のために経済主権を投げ捨て、地域経済と農業に深刻な影響を及ぼすやり方でなく、各国の経済主権、食料主権を尊重した平等・互恵の投資と貿易のルールをつくることを国に求めること。
・2019年に熊本で行なわれるワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権大会に向けた準備が進められているが、熊本国体時の施設建設と県財政、オリンピック開催と莫大な財政支出等を考慮に入れ、関係者やファンの気持ちに沿いつつ、過度な投資にならないよう努めること。
・南阿蘇鉄道の復旧に関しては特例的に支援の拡充が図られたが、それでも全線復旧に必要とされている70億円程度の数%は地元負担が生じる見通しとなっている。自治体負担ゼロとなるよう独自の支援を。
・新幹線の騒音対策。県として定期的な調査を実施し、基準値を超える騒音・振動が発生している場合は国、JR九州に直ちに是正するよう求めること。
・新幹線ホームの無人化推進をやめさせること。

3、健康福祉部
・地震災害関連の支援制度の期限延長(仮設入居、医療費免除、公営住宅無償提供等)。期限をすぎたものに対しても個別の事情を十分にくみ取り、柔軟に対応するよう、市町村に徹底すること(罹災証明、応急修理、公費解体等)。
・罹災証明の判定不服により再審査を求めていた被災者が、再審査の結果が遅れたためにみなし仮設入居申請などに間に合わず、必要な支援が享受できないという事例が生じている。直ちに改善するよう市町村にも徹底すること。
・仮設住宅の生活環境改善。住み替えを柔軟に認めること。必要があればさらに増設を図ること。また自宅敷地への仮設建設も柔軟に対応すること。
・仮設住宅から恒久的な住まいへの引っ越し費用や家賃の一部を助成する制度が、対象者が存在するすべての被災自治体で実施されるよう県としても助成をおこなうこと。
・みなし仮設入居者への見守り活動体制充実へ、人的・財政的支援を拡充すること。
・地域包括ケアシステムが国主導のもとで進められているが、地域の受け皿づくりがすすんでいない。公的サービスを必要としている人達に十分な医療・介護・福祉が提供されるよう体制・財政面での強化をはかるとともに、市町村支援を。
・公的介護サービスからの卒業が強調されているが、個々の状況に合わせて日常不断のリハビリやケアサービスが提供されることが重症化を防ぎ、健康の維持につながる。専門的知識と技能を持った専門職が必要なところに十分に配置されるようにすること。
・在宅医療は、本来必要な医療体制を確立させようと思えば大きなコストがかかるのは当然のことである。必要な医師・看護師を確保し、全地域的に提供体制を整備し、家族の負担に依拠しなくて済むレベルの在宅医療体制を確立すること。
・様々な病気の予防に大きな効果がある口腔ケアの体制充実へ、歯科、保健所、医療、介護など関係機関の連携強化を図ること。
・国保の都道府県単位化が進められているが、被保険者負担が大きすぎることが国保問題の中心である。国の補助を増やすことなしに解決しない。国庫補助の増額を国に求めること。また事業主体である市町村の独自裁量を尊重し、一般会計からの繰り入れ中止や圧力的な徴収強化要請など、行き過ぎた市町村への介入は行なわないこと。市町村国保会計への財政支援を県独自に行うこと。
・地域医療構想で病床削減の見通しが示されているが、被災し損壊した公的医療施設等の病床削減を強引に進めないこと(熊本市民病院、八代市民病院)。熊本県は県立の総合病院を持たない県であり、それだけに公的医療機関への積極的支援が求められる。
・子どもの医療費助成制度の拡充をはかり、県として中学卒業までの無料化を実現させること。
・一人親、貧困、DV,子どもの非行、犯罪被害など家庭の悩みは多様化、潜在化している。一人で悩まず気軽に相談できるワンストップの相談窓口を設置し、専門的に対応できる人員の増員など対応体制の充実を図ること。
・待機児童の解消へ、保育所の増設と保育士の増員、待遇改善をはかること。
・重度心身障がい者医療費助成の対象枠を拡大すること。また自治体格差をなくし、すべての自治体で全額助成されるよう改善をはかること。
・障がい者の入院給食費、差額ベッド料に対する助成を実施すること。
・単身者用・家族用の障がい者公営住宅を増やすこと。
・無料低額診療事業が拡充されるよう県としても支援を。
・生活保護の住宅扶助費の引き上げをおこなうこと。
・被災者に対する義援金・生活再建支援金等については原則収入認定しないこと。

4、環境生活部
・水俣病問題の解決へ、不知火海沿岸住民の健康調査を国と協力し実施すること。すべての水俣病被害者を救済する仕組みと財源の確保を国とともに実現すること。
・地下水涵養や汚染対策など、熊本の宝である地下水保全の取り組みが進められているが、将来にわたり安定的に地下水が保全されるためにも、涵養域における一定基準以上の規模の開発行為に関しては地下水への影響調査を義務付けることなど、涵養域の開発行為を抑止する制度の確立が必要である。
・原発依存から脱却し、再生可能エネルギーへの転換をはかるよう国に求めること。熊本は風力、地熱、波力、水力、太陽光など豊富な自然エネルギーに恵まれている。新たなエネルギーの開発・普及に力を注ぐこと。
・温暖化による農業、漁業、県民生活への影響を調査し、対策に万全をはかること。
・災害ゴミからのアスベスト飛散に継続的に注意を払い、また解体に関わる労働者の健康被害防止へ専用マスク着用の徹底など対策を繰り返し呼びかけること。
・防疫体制の強化。ヒアリなど害虫侵入の防止に万全の体制をとること。
・同和行政の終結。一般行政の施策に移行すること。部落解放熊本県研究集会に行政、学校関係者を動員することをやめるよう指導すること。
・多重債務者向け貸付事業を拡充すること。貸付限度額の引き上げ、年利の引き下げ、償還期間の延長など。

5、商工観光労働部
・グループ補助制度の継続、拡充を図ること。支援金は清算払いでなく概算払いとすること。申請書類の更なる簡素化を図ること。
・小規模事業者持続化補助金の増額・継続を国に求めること。
・マイナンバー制度は中小業者にとって負担が大きくメリットはない。国民的な理解も進んでおらず、制度の廃止を国に求めること。
・建設業許可申請等での社会保険未加入事業所への加入推奨は、実情に十分配慮し、許認可権限を持つ他省庁への制裁要請はやめること。早急に中小企業に対する社会保険料率引き下げ等の制度改善をはかるよう、国に求めること。
・社会保険強制適用でない事業者を現場排除しないように指導すること。
・経営、雇用、技術、金融、法律相談を総合的に受け付ける相談窓口の設置。
・呼び込み型開発から地場産業育成重視へ経済政策の転換をはかり、経営、雇用拡充への支援を強めること。
・中小企業・小規模事業者についての信用保証協会の保証は、「責任共有制度」ではなく、100%補償に戻すよう、国に要望すること。
・所得税法56条は家族労働の働き分を認めず、個人の尊厳と両性の平等に反する差別的な税制であり、全国でも450以上の自治体で廃止を求める意見書が上がっている。今年3月には国連女性差別撤廃委員会から日本政府に56条の見直しを求める総括所見(勧告)が出されている。国に対し、56条廃止を求めること。
・地方税の徴収行政について、納税者の権利を守る立場で、営業や生活再建に向けて親身な助言を行なうこと。徴収にあたっては、実情を十分に把握し、営業と生活を困窮させることのないよう配慮すること。納税の猶予、換価の猶予など、納税緩和措置を個別の実情に応じて柔軟に行うこと。
・政府が秋の臨時国会に提出しようとしている「働き方改革」は、長時間労働を合法化し、賃金格差を容認・固定化するなど、労働者のためではなく企業の利益を優先するための労働法制の規制緩和をはかろうとするものであり、中止するよう国に求めること。
・国際スポーツ大会は財政状況も考え県民参加型で過剰な投資を抑制すること。
・住宅リフォーム助成制度を県として創設すること。
・学生のブラックバイト、青年雇用、若い世代の定住対策の抜本強化を図ること。

6、農林水産関係
・熊本地震関係農家負担軽減。農地復旧工事業者の確保に一層の努力を。
・被災農業者向け経営体育成支援事業の改善と充実を国に求めること。申請から決定、支給を速やかに行うこと。農家負担の更なる負担軽減を図ること。軽トラを農業用機械と認めるなど助成対象を拡大すること。
・地震と豪雨の影響で作付けできないなど、収入が激減している農家への所得補償制度を創設すること。農家が希望をもって営農が継続できるよう支援をはかること。
・農業競争力強化支援法は、農村で地域を支えて頑張っている農家も競争にさらされ、体力の弱いものがさらに加速的に衰退していくことになりかねない。小規模家族農業が食糧生産、国土保全、生物多様性の維持、文化伝承で大きな役割を担っていることに光を当て、地場の中小流通業者と連携した産直運動、地産地消の学校給食運動などに対する支援を強めること。
・戸別所得補償制度の復活を国に求めること。
・農業・水産研究体制と関係職員の身分保障を充実させること。
・国が圧力を強める農協改革は、信用事業・共済事業や共販体制を崩し資本の参入を支援するものであり家族農業・地域農業に向けられた攻撃である。道理のない国からの農協攻撃に反対すること。
・八代海の浅海化に対し、水門付近の汚泥の浚渫、澪筋の確保を直ちに行うこと。専門家の知見を踏まえた浅海化対策解決の方向性を探求すること。
・新規就農者に対する支援を拡充すること。
・民間所有の森林の植栽・下刈、間伐等の造林事業に助成をすること。
・諫早干拓潮受け堤防の中期開門調査を実施するよう国に求めること。
・諫早干拓の調整池に毎年夏に発生する大量のアオコは猛毒を持っており、海に流出した後もその毒素は残り、食物連鎖による人的被害も心配される。研究体制を強め、その調査結果を公表し、必要な対策を講じること。
・国が提案した有明海再生基金の100億円は、裁判や開門調査とは切り離して実現させ、再生事業に活用すること。
・鳥獣等による農作物被害が拡大し、営農意欲の減退につながっている。対策として狩猟者の育成・確保、被害防止策の拡充をすすめること。中長期的には、緩衝帯となる農地や山村の復旧・再生が必要である。被害対策に取り組んでいる現場を支援する施策と予算の充実を図ること。

7、土木部
・災害公営住宅を要望に応じて増設すること。建設場所は、従来のコミュニティの維持がはかれるよう考慮すること。
・耐震補強工事への助成をおこなうこと。
・応急仮設住宅の環境改善を、住民の要望に迅速にこたえて進めること。街灯や子どもの遊び場設置、目隠しの設置や暑さ・寒さ対策など。
・排水管、浄化槽などの破損に対しても宅地復旧と同様に支援対象とすること。
・治水対策は「想定内の降雨量」「想定内の河川流量」のもとでの対応には限界があることは、もはや明らかです。治水対策としてダムを作る場合、想定を超える事態に対応できないどころか、逆に取り返しのつかない被害拡大につながりかねません。ダムによらない治水・防災対策を検討すべきです。立野ダムの建設をストップし、十分な説明責任を果たすよう国に求めること。
・県道高森線四車線化計画、区画整理事業を白紙に戻し、住民の要求に寄り添ったまちづくりをすすめること。
・球磨川・川辺川の水害危険個所の改修を急ぐこと。
・瀬戸石ダム撤去を電源開発に求めること。ダム湖に沈殿した土砂の除去を国と電源開発に求めること。
・急傾斜地など災害危険個所の総点検と対策工事をおこなうこと。
・国・県・市町村は2014年度から5年がかりで県内の道路橋、トンネル、歩道橋などの道路付属物の点検をおこなっているが、近接目視の点検を早期に完了させ、措置が必要と判断される箇所については早急な対策をおこなうこと。
・公契約条例を制定し、下請け企業や労働者の権利を守るルール作りを進めること。
・私道、里道の復旧を支援し早急に改善をはかること。
・盛土造成地の地滑りや擁壁、急傾斜地が崩壊しているにもかかわらず、地権者の負担能力や活用状況などの理由により修復されず放置されている箇所が存在する。他人に迷惑や危険が及びかねないような状況もあり、個別に柔軟に公共事業で対策を施すことが必要である。
・甲佐町の田口橋の復旧の際には、歩行者の安全をはかる歩道を設置すること。
・災害関連には改良復旧が柔軟に適用されるよう国に改善を求めること。
・県営住宅の数を増やすとともに老朽化した施設の補修改修を進めること。
・住宅再建支援(二重ローン対策)事業を拡充し周知徹底をはかること。
・相続未登記が解体や住宅再建の重大な足かせとなっている。個別事例について柔軟な対応を行なうことや、制度の運用改善・見直しを国に求めること。

8、教育委員会
・教師の多忙改善。非常勤・非正規教員から正規化へ、教員の身分を保証すること。
・県が小・中学校で実施している学力調査『ゆうチャレンジ』を廃止すること。
・小学校英語授業については専科教師の全校配置を基本に充実させること。
・学童保育の経費を支援し、保護者の負担軽減と支援員の待遇改善・増員をはかること。
・発達障害、不登校児童・生徒の受け皿体制充実へ、相談窓口の充実や専門員の配置、フリースクールの増設や発達障碍児を受け入れる施設の拡充を進めること。スクールソーシャルワーカーの配置を拡充すること。
・特別支援学校の寄宿舎は、仲間と暮らしを共にすることで人とかかわる力を培い、生活技術が身につく貴重な場となり、障害児の自立を支援するものとなる。県立の支援学校に寄宿舎を設置し、指導員を配置すること。
・兼任や複数校かけもちでなく、全小中学校の図書室に司書を配置すること。
・様々な理由で義務教育を終えていない人や外国人国籍の人、不登校の生徒などを受け入れ、義務教育課程を学べる夜間中学を設置すること。
・道徳授業は教科化になじまない。国に対し反対の声をあげること。
・子ども食堂や見守り隊など、子ども支援グループへの支援をつよめること。
・就学援助の強化、育英資金充実、保護者負担軽減をはかること。給付制奨学金制度の実現と拡充を国に求めること。
・PTAは任意加入の組織であるにもかかわらず、県立高校などではエアコン電気代をPTAに請求し、しかも毎月千円と高額な徴収を行なっている場合がある。教育環境維持のために必要とする経費は基本的に学校側が負担すべきであるが、保護者・生徒に負担を求める場合に基本的な考え方を示したガイドラインを県として策定すべきである。
・安倍政権は3月、教育勅語を教材として用いることについて「否定されない」との答弁書を閣議決定。菅官房長官や文科大臣も、教育勅語を道徳の教材にすることを「否定しない」と発言している。そもそも教育勅語は「天皇のために命を差し出せ」という徳目を示し、国民を戦争に駆り立てる役割を果たしたことから、戦後の国会で「憲法や教育基本法(当時)に反する」として排除・失効確認が決議されたものである。こうした教育勅語を教材として活用することを否定しない安倍内閣の一連の発言は到底容認できるものではない。安倍政権に対し発言の撤回を求めるべきである。
・同和に偏重した人権教育をみなおすこと。熊本県こども人権フェスティバルを中止すること。

9、警察
・信号機設置等、地元要望に迅速にこたえられるよう予算を増額すること。
・要望が寄せられた箇所について速やかに音声信号機が設置されるよう予算増額をはかること。
・性犯罪に関する刑法の規定の抜本的な改定が行なわれ施行されたが、さらに被害者支援、2次被害の防止などのトータルな対策、加害者教育、再発防止策など被害者、支援者、専門家も含めて引き続き改革への検討を進める事が必要であり、性暴力・性犯罪を許さない世論と社会の構築へ、県としても啓発活動など取り組みを強める事。
  以  上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(経済産業大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 経済産業大臣 世耕 弘成 様
 日本共産党熊本県委員会
 委員長 日高 伸哉
 
 熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書
 
 【要望事項】
 【グループ補助金交付申請・資金繰りについて】
 1.「グループ補助金」の予算を追加増額し、引き続き継続すること。被害がひどくて、まだ申請の入り口にも立てない事業者や県内の約90%を占める小規模事業者、小企業者が活用できるように予算の増額と継続、申請書類の更なる簡素化へ改善すること。
 
 2.グループ補助金が決定しても、まず全額工事費負担をしなければならず、資金繰りが大変苦しい。無利子枠を広げること、また補助金という性格上、金利を最低に設定すること。
 
 3.グループ補助などの支援制度を使って事業を再建しようとかんばっている中小企業の皆さんが、極端な建設業者不足の中、工事が進まない被災者の実情がある。補助期間の延長や関係省庁との連携など、必要な手立てをとり対応を強化すること。
 
 【営業再開に向けた支援について】
 1.「小規模事業者持続化補助金」を、予算の増額、継続すること。熊本地震対応限度額200万円を復活させ延長すること。
 
 2.持続化補助金の認定を受けたにもかかわらず、建設業者の不足等で履行が遅れるなど特別な事情がある場合、繰り越しを認めること。
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(内閣府) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 防災担当大臣  松本 純 様
 
   日本共産党熊本県委員会
   県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。ぜひ主旨をお汲み取りいただき、善処いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 
 [要望項目]
 ①熊本地震の復旧・復興財源を全額国庫負担とする特別措置法を制定すること。   (民進、共産、社民、新社会の熊本県内の四野党は共同で、昨年5月に政府に対し、熊本地震の復旧・復興に関しては、東日本大震災時と同様、自治体の財政負担を最小化するための特別立法制定を求めました。今後も被災自治体には、住まい・暮らし・生業の再建やまちづくり、基盤整備等、長期間にわたり大きな財政負担がかかることから、従来の支援の枠を超えた制度づくりが必要と考えます。)
 
 ②被災者生活再建支援金を、現行最大300万円から500万円に引き上げること。また、半壊、一部損壊家屋にも支援金を支給すること。
 (熊本地震の最大の特徴は、甚大な住宅と地盤の被害です。住まいの再建なくして暮らし・生業の再建や地域コミュニティの再生はありません。しかし、最大でも300万円の生活再建支援金では、住まい再建の見通しは到底立たないというのが現実です。多くの被災者が先の展望が持てず、途方にくれています。また、被害額が数百万円に及ぶ損壊でも、一部損壊と判定されると、現行制度のもとではなんら公的支援はありません。この間の政府答弁にもあるように、家屋被害の実態を把握することが重要です。「一部損壊世帯」の実態を把握したうえで被災者の要望に則した支援策を早急に講じるべきです。)
 ③災害救助法を見直し、応急仮設住宅の入居期限撤廃、居住空間の拡大、住み替えを認めること。
 ④半壊世帯の仮設入居条件については、建築士など専門家の意見をもって可とするなど、改善すること。
  (半壊と判定された賃貸アパートなどの場合、「住むことが危険である」旨の認定が必要となっています。しかし、明らかに危険であるにもかかわらず、認定をしてしまえば入居人が退去してしまうことを理由に、大家が「住むことが危険である」との認定を行なわない事例が発生しています。住民自らが建築士に調査を依頼したところ、「生活をする上で危険な状況」との判断が下されました。仮設入居については、大家の認定がなくても、建築士など専門家の意見書があれば、仮設住宅への入居ができるよう、制度の改善をはかっていただきたい。)
 ⑤民間賃貸住宅の貸主に対する修繕補助を拡充すること。
  (民間の賃貸住宅については、みなし仮設として活用することを条件に57万6千円の応急修繕への助成がされています。そのために、入居人を退去させ修繕をおこなう大家がいる一方で、入居者の要望を聞きながら、入居した状況で応急修理をおこなった大家もいらっしゃいます。前者には、修理への助成がありますが、後者には一切の助成がありません。地震後、現入居者に退去を強いることは避けたいとの思いで、入居しながら修理をおこなった大家に対しても、同等の補助をおこなうよう改善いただきたい。)
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(国土交通大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 国土交通大臣 石井 啓一 様

  日本共産党熊本県委員会
  県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。よろしくお願い申し上げます。
 
 [要望項目]
 ① 南阿蘇鉄道の復旧に、東日本大震災の三陸鉄道と同様の支援措置を行なうこと。
 ② 宅地被害に関する公共事業適用の要件を緩和すること。
 (今回の熊本地震被害の実態を踏まえ、盛土造成地の滑動被害(小規模)の被害に対する復旧事業が要件緩和され、2戸以上、盛土高2m以上とされました。しかし、特に住宅が点在している周辺部では条件に適合する住宅は少なく、被害の実態に即した支援となっていません。1戸からでも事業の対象となるよう見直しを求めます。)
 ③ 液状化や大規模盛土滑動被害に対する国の補助を災害復旧事業並みに引き上げること。また、被害住民に、対策についての説明会を開催すること。
 ④ すべての宅地被害に対し、国が全面的に財政支援を行なうこと。
 (熊本県は独自に、宅地復旧のための支援として、基金から拠出して復旧工事に要する経費の一部を支援しました。けれども全額補助でない、工事費50万円以下は対象外、いったん工事費を手出しし領収書の提出が必要、など多くのハードルがあります。)
 ⑤ 耐震診断、耐震補強工事への国からの支援をおこなうこと。
 (地盤が不安定な地域における自宅再建の際には、杭を打ち込むなどの地盤補強工事が必要となっていますが、大きな費用がかかるにもかかわらず独自の支援はありません。)
 ⑥ 土砂災害特別警護区域における防護壁設置費用への支援をおこなうこと。
 ⑦ 私道の復旧への支援をおこなうこと。
 ⑧ 改良復旧に関し、補助率の引き上げ、工事費限度額の引き上げなど、制度の改善を行なうこと。
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(厚生労働大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 厚生労働大臣 塩崎 恭久 様

  日本共産党熊本県委員会
  県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。ぜひ主旨をお汲み取りいただき、善処いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 
 [要望項目]
 ① 生活保護の住宅扶助にかかる特別基準適用について、国から自治体へ徹底すること。
 ② 生活保護世帯が、家財等の復旧のために借り入れた生活福祉資金について、「保護費以外の収入」から返済した場合、当該返済に充てた部分の「保護費以外の収入」について、収入認定しないことを県市町村に徹底すること。
 ③ 被災者への医療費免除制度は今年9月までと期限を区切るのではなく、当面継続して実施すること。
 ④ 市町村や支援団体がおこなう見守り活動に、財政面など国からの支援を行なうこと。
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(農林水産大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 農林水産大臣 山本 有二 様

 日本共産党熊本県委員会
 県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。
 熊本地震では、甚大な農地被害が発生しましたが、復旧工事の査定は終わっても、業者不足などの理由により、工事が遅れています。昨年に引き続き、今年も作付けができなかったところも多くあります。収入の道が絶たれると、離農に追い込まれる農家が相次ぐ事態も懸念されます。熊本県は復興基金を活用し、一年以上作付けができない農家を対象に、農地借地料の補助や、営農できない農家を雇用するJA、農業法人への人件費助成を行なうことを明らかにしました。合わせて、ぜひ国からの支援も強めていただきますよう要望します。
 
 [要望項目]
 ①作物が作れない状況が続いている農家に対する補償をおこなうこと。
 ②小規模農地や他者に貸している農地での被害にも、災害復旧事業の適用をおこなうこと。
 ③阿蘇地域の原野・林道・牧道等への損壊復旧に支援をおこなうこと。
 以上

 
熊本地震-被災者支援、復旧・復興についての提言 2017年2月17日
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 2017年2月17日
 日本共産党熊本県委員会 委員長 日高伸哉

熊本地震-被災者支援、復旧・復興についての提言

 熊本地震発災から10か月が経過しました。生活や生業の再建・震災からの復興に向けての懸命の努力が今なお続いている状況にありますが、被災者支援の内容や地域の復旧・復興のあり方、進め方をめぐり、いま大きな岐路を迎えているのではないでしょうか。
 すなわち、すべての被災者・被災事業者を対象に、破壊された生活と生業の回復を支援し、地域社会、地域経済の全体を再建することを目的として、住民主体・住民合意形成を尊重しつつ施策を進めていくのか、それとも行政主導の開発など、上からの計画が先行し、災害弱者や競争力の弱いものが置き去りにされ、結果として差別と切り捨てが生じる施策となってしまうのか、という問題です。
 熊本地震被害対策の大原則は、「被災者を一人残らず救済する」ということです。地方自治法では、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広くになう」(第1条)とされています。県や市町村におかれましては、住民のいのちと健康、生活を守る施策を第一義的に位置づけた支援策を充実・前進されるよう求めるものです。
 被災地における復興の担い手は、まぎれもなくそこに住んでいる住民です。すなわち被災された方々が元の場所に戻り、暮らし続けていける地域として再建できてこそ、震災からの復興を成し遂げ、更なる発展への展望がひらけます。もちろん、人がそこに安心して長期的に住み続けることができるのかという安全面、環境面についての専門的・科学的知見も前提として重視されなければなりません。県や市町村はこういった立場を中心軸に位置付け、復興策の推進を図るべきです。
 被災者支援、復旧・復興を成し遂げるためには、財政的にも、人的にも、県・市町村だけでは不可能です。国による全額負担、そのための特別措置法の制定を、安倍政権が、参院選前の約束通り実施することが不可欠です。
 
 1、住まいの再建― 元の場所に戻り、暮らし続けていける地域として再建することを基本軸に
 ① 被災者の実態掌握
 仮設など仮住まいの方、知人宅に身を寄せている方、あるいは損壊した家屋に住み続けている方など、もともとの住まいを壊され、多くの住民が不自由な生活を余儀なくされています。自宅を離れて暮らす人が県の集計で約4万1千人にのぼるとされています。みなし仮設入居者への連絡体制がない自治体が7市町村ある一方、見守り活動を行なっている自治体も、20市町村中9市町村にとどまっています。避難されている方々の孤立化や健康悪化が懸念されます。
 市町村との情報を共有しながら、県外に非難された方も含めて生活状況を掌握し、必要な情報提供や生活支援の手をきめ細かく行なっていくことが求められます。
 
 ② 被災者支援制度などの改善、拡充
 被災者生活再建支援制度は、全壊でも300万円にとどまっています。上限額を当面500万円に引き上げることを国に求めるとともに、県独自の支援を上乗せすることが必要です。また半壊以下の家屋にも支援金を配分するよう、制度の改善を求めます。一部損壊家屋に対し、一部を対象に義援金が配分されることとなりましたが、そもそも公的制度として支援を実現させるべきです。また義援金はその性格上、本来ならば地震で被害を受けた方々に広く「お見舞い」として届けることが望ましいものであり、したがって基本的には配分適用の条件を設けるべきではありません。
 応急修理制度についても、一部損壊世帯までの適用実現を求めます。
 
 ③ 仮設住宅の改善と復興住宅の建設促進
 仮設住宅は仮住まいとはいえ、毎日の生活を送る拠点です。安らぎと安全が保障されるものでなければ入居者の心身の疲労は蓄積するばかりです。ただでさえ狭い居住空間に大人数の家族を押し込める状況を早急に改善するよう求めます。
 1DKタイプは単身者向けにすること。2DKタイプには2~3人世帯、3kタイプはそれ以上の世帯ということを基本にし、また事情に応じて柔軟に入居・部屋替えを認めること。
 物置設置のための予算が計上されているが、入居者にそのことを周知徹底するとともに、積極的に設置推進をはかること。
 仮設団地に子どもが安全に遊べる遊び場の設置を。また住民の要望に基づき、随時生活環境改善に努めること。
 
 ④ 仮設などの入居期間について
 公営住宅の無償提供は1年間とされています。また仮設住宅については原則2年間の期限がついています。知事が特別基準により必要と判断すれば延長は可能です。無償提供に関し延長を県が決断したことは評価します。仮に期間が経過したとしても、入居者が仮の住まいから安心して次の住まいへ移ることができるのか、その前提なしに機械的に退去を促すようなことをしないこと。
 
 ⑤ 生活必需品の供与が滞っている問題について
 熊本市では、災害救助法に基づく被災者への生活必需品の支給が申請から3~4カ月もかかるという異常事態が長期間放置されたうえ、申請期限を1月31日で締め切ってしまいました。自宅に戻れず避難生活を余儀なくされている方々は財政的な困難や居住空間の制約上から、生活必需品も最低限のものしか所持できていないという状況にあります。期限を締め切る以前に、申請者に一刻も早く物資供与を実現させるべきであることは当然のこととして、被災者の生命・健康を守る行政としての当然の責務として、制度の適用がなされるべきでありながら適用されず現在もなお生活必需品を所持できていないという方々に対しては申請の窓口を閉じるべきではありません。熊本市および他自治体にもその旨徹底をはかられてください。
 
 ⑥ 耐震診断、耐震工事への助成と住宅リフォーム助成
 地震で倒壊した建物の多くは建築基準法の新耐震基準以前に建てられていたことが明らかになっています。またこれまでの震災でも前例がないほどの余震が発生し、損壊を免れた家屋でも「今度大きな地震や台風が来た場合に大丈夫なのか」という不安が広がっています。また断層は複雑に入り組んでおり、震源地付近ではエネルギーが解放された一方、周辺地域でエネルギーが蓄積している可能性も指摘されています。そういう点からも、建物の耐震診断、耐震化工事を促進する取り組みが求められます。県は復興基金を活用し、木造住宅耐震診断への補助制度を実現させたことは前進ですが、耐震改修工事についても支援策を早急に具体化することが必要です。住宅リフォーム助成制度を創設し、無利子の住宅リフォーム融資制度を作ることを求めます。
 
 ⑦ 公費解体、住宅再建支援
 公費解体はほぼ予定通りの進捗状況だとされていますが、今なお公費解体を申し込んでもまだ済んでいない建物が1万棟以上あり、いつになれば先の見通しが見えるのかと苦しんでいる世帯が多く残されています。解体業者の確保、がれきの仮置き場の増設などに引き続き力を入れ、計画前倒しで解体促進を図ってください。
 住宅再建について、兵庫県では公的な共済制度が設けられ、年5千円の掛け金で自然災害時の住宅再建に最大600万円が支給されています。熊本でも制度の構築へぜひ検討を。
 応急修理の業者への支払いが1~2カ月かかっています。業者は一時的に手出しで材料や工賃を賄うため、支払いに時間がかかると修理依頼はたくさんあるけれども請け負うことができないという状況になっています。業者への支払い迅速化が図られるよう、事務作業の簡略化、市町村への支援強化を求めます。
 
 ⑧ 宅地被害、まちの再建
 宅地被害に関して県は、復興基金を活用した独自の支援策を年度内に開始すると表明しています。既存の公的支援の対象にならない宅地被害を独自の制度で支援することは評価できます。 
 熊本市が、液状化や地滑りなど国の事業対象となる被害に対し、住民負担をゼロにする措置を決断しました。その後も同様の措置を決断する自治体が現れていますが、全被災地域で同様に、住民負担ゼロ実現のためには国の補助率をより引き上げる事、あるいは県からの支援を実現させることも必要ではないでしょうか。
 
 ⑨ マンションの損壊対策
 マンション共用部分の修理に関する管理組合の協議が進んでいないなど、工事が遅れている現実があります。住民の話し合いの設定や職員の参加、専門家の派遣やアドバイスなど主体的に支援するとともに、公正・公平で親密な支援が求められます。
 
 2、生業の再建―
 ① 二重ローンの解決
 震災によりローン返済ができない被災者を救済する「自然災害債務整理ガイドライン」が、熊本地震の被災者に十分活用されていないと指摘されています。昨年12月末現在で551件にとどまっているのは、制度を知らない被災者が多いためだとみられており、制度を被災者に積極的に知らせることが必要です。同時に減免が認められたのは5件に満たず、金融機関が制度に協力的かどうかということも重要な課題です。審査を支援する専門家の育成・配置を進めるとともに、金融機関に対して理解と協力を求めること。また二重ローン問題対策に関する立法措置を国に求めること。
 
 ② 店舗、工場など施設の復旧と事業立ち上げへの直接支援
 グループ支援事業は再建を目指す業者から喜ばれていますが、従来の枠組みを超えた個々の事業者への直接支援の実現が必要です。制度の創設を国に求めるべきです。またグループ補助は現状復旧が原則ですが、老朽化した設備や建物の復旧の場合、改良復旧せざるを得ない場合もあります。震災が原因だということが明らかであれば、改良復旧はグループ補助の対象にならないと機械的に切り捨てるのでなく、被害の現状に親密に寄り添い、制度が積極的に適用されるよう弾力的、柔軟な対応を求めます。
 
 ③ 被災者の実情に応じた多面的な分野での緊急の雇用・失業対策
 勤務先が被害を受けるなどして職を失った人(約3,700人)の7割が新たな職が見つからないでいます。一方で建設業界などは人手不足が起こっています。被災した求職者とのミスマッチ状況の解消に向け、県としても相談窓口を設置するなど就職支援を強めること。
 失業給付の実情に見合った延長、雇用調整助成金の一層の要件緩和や支給対象期間の延長、被災者を雇用した事業主に助成金を支給する被災者雇用開発助成金の要件緩和など進めること。
 
 ④ 悪質業者や下請けいじめ対策、労働者の健康被害対策
 被災家屋の解体工事の現場では、全国各地の業者が参入する中、多重下請けによる代金の未払いなどトラブルが発生しています。トラブル解消へ啓発活動の強化や解体現場での監督、相談窓口の充実を。
 また解体現場ではアスベストによる健康被害の可能性が懸念されています。現場ではアスベスト対応のマスクを着用せず建材や塗料の解体・撤去作業が横行しており、将来的に問題となりかねません。労働局等と連携して作業員に危険性と専用マスク等の着用、適切な処理法などについての監督・指導の徹底を。
 また、昨年12月時点で休業4日以上の労災事故が127件発生、4人が死亡しています。再発防止へ命綱、ヘルメット着用等、安全管理の徹底が図られるよう指導監督・パトロール強化を。
 
 ⑤ 農業問題
 甚大な被害を受けた農地・農業用施設を復旧し、今年の作付に間に合うようにと、いま災害査定や認定申請、工事発注などの作業が急ピッチで進められています。現場の職員や自治体、農家の要望に丁寧に耳を傾け、実情に寄りそった復旧が早期に実現するよう必要な人員、業者の確保に努めること。農家負担を抑えられるよう、農地の復旧限度額を緩和することを国に求めること。
 被災により営農中断を余儀なくされている農家への生活支援、営農再開への支援を強めること。
 
 ⑥ 観光復興、地域再生への支援
 第3セクター「南阿蘇鉄道」の復旧費用は30億円から50億円ともいわれ、復興への道のりは極めて厳しいものがあります。しかし同鉄道は南阿蘇の観光を大きく支えてきた存在であるとともに、通学、通勤、交通弱者の足として南阿蘇住民の生活を支えてきました。東日本大震災では三陸鉄道の復活が復興のシンボルとなり、被災住民に希望の灯をともしたように、南阿蘇鉄道の復活は大きな意義があります。三陸鉄道の復旧と同様、特別立法に基づく国の財政負担による復旧が図られるよう要請を。
 昨年末終了したふっこう割により、九州全体としては宿泊者が順調に回復しました。国と県は2~3月の期間に阿蘇地域に限定したツアーの割引制度を導入する方針とされています。ぜひ多くの誘客につながるよう広報していただき、また制度を継続的に実施していただくよう求めます。
 
 3、医療、福祉、教育の再生―
 ① 免除、減免制度の延長を
 国民健康保険や後期高齢者医療保険の窓口負担免除、介護保険サービス利用料免除、障害福祉関係サービスの利用者負担の免除、住民税の減免、固定資産税の減免、軽自動車税の減免などの支援制度が今年度末を申請等期限として打ち切られようとしています。しかし少なくない被災者が生活再建に向けて経済的、精神的負担をこうむり、体調異変をきたしている方も多くおられます。また生保受給者が被災による一時金を受け取ったことによって生保が打ち切られ、診療の際の自己負担が生じている方などは命にかかわる重大問題になりかねません。岩手県では現在もなお東日本大震災で被災した国保加入者を対象とした医療費窓口負担の免除を延長継続しています(8割を国が負担し、残り2割は県と市町村が折半)。国は2月9日事務連絡文書を出し、医療費の財政支援策を打ち出しました。県として早急に免除の延長を決断すべきです。
 
 ② 病院の再建
 熊本地震で被災した病院の閉鎖が相次いでいます。本来地震の際にはけが人や病人など避難者の受け入れ施設としての役割発揮が求められるところですが、逆に建物の損壊やライフラインの寸断などにより入院患者に外部への避難を求めなければならない事例も生じました。病院に対して、より厳しい耐震基準を義務付けることが求められますが、同時に多くの病院の経営状況は厳しいものがあります。医療施設等の災害復旧については原則二分の一の工事費の国からの補助や融資制度がありますが、補助のかさ上げなど充実強化を求めます。
   
 ③ 学校施設の復旧は自治体負担ゼロに。また公私間格差の解消を。
 学校施設の復旧は地元負担をゼロにすること。私立学校の施設復旧に関しては、国からの補助2分の1に加え基金からの拠出で6分の1を上乗せされることになりました。一歩前進ですが依然3分の1は学校負担となります。公立・私立の差別・格差をつけず支援することが求められます。また生徒の授業料負担を軽減する私学助成の拡充を。
 
 ④ 阿蘇地域の子どもの通学支援
 交通の不便を強いられている阿蘇地域の生徒や保護者の負担は過酷なものがあります。通学をあきらめ地域外に下宿することを選択する生徒には家賃や生活費の補助制度実現を。また学校の枠を越え、寮として受け入れることのできる施設の確保を。公共交通が不便な地域から通う生徒には通学に対する公的支援の実現を。
 
 ⑤ 給付型奨学金の創設、子どもの心のケアと教職員拡充
 震災で生活基盤の破壊、収入減など子供の日々の生活と就学に困難が生じる中、返済不要の給付型奨学金の創設や、家庭や子どもの不安を解消するためのスクールソーシャルワーカーの増配置が求められます。また子どもの心のケア、学習の遅れ、入転学の増加など被災地の学校には多くの課題が存在する一方、教職員自身も被災して困難を抱えています。現地の加配要望に誠実に対応するとともに、養護教諭の複数配置、事務職員の複数配置、スクールカウンセラーの安定的配置を進めてください。
 
 4、大空港構想、および県道熊本高森線の四車線化問題に関して
 県は阿蘇くまもと空港の周辺地域について「創造的復興」のスローガンのもと、空港の機能強化や産業の呼び込みを図るとともに、アクセス改善の一環として県道隈本高森線の四車線化を推進しようとしています。しかしこれらの構想については多くの懸念があります。
 第一に住民不在。頭ごなしに押し付けられた計画であること。住民への説明や合意形成がなおざりにされ、疑問の声に対する説明責任が果たされていないこと。
 第二に地下水保全や断層の存在への懸念について、専門家による科学的調査に基づく安全性の確認、環境影響への検証が十分なされていないこと、などであります。
 熊本の地下水は県民の生活にとって欠くことのできない地域共有の貴重な資源です。東海大学の市川勉教授らによると、「空港周辺の地下構造は浸透性が大きく、地下水涵養に大きく貢献していると考えられる」と報告されています。一方県は地下水保全条例を制定し、開発行為に伴う地下水涵養への配慮について定めています。熊本の宝である地下水を次代に残し、未来へと引き継ぐためにも、地下水への影響が懸念される地域における開発計画は環境への影響調査を前提とすべきであります。県は「スピード感が大事」といって拙速に計画を推し進めようとすることは、将来に重大な禍根を残すものになりかねません。
 
 5、財政問題― 大型開発の浪費にメスを。地元負担ゼロの特別立法制定は避けて通れない。
 熊本地震の被害総額は3兆8千億円に上るとされています。地震対応にともない県や市町村の財政出動はふくらみ、県の今年度一般会計予算は前年度同時期比で1.8倍化、益城町では3.3倍化しています。国からの支援なしには財政が破綻することは目に見えています。県債発行額も倍加しています。県は来年度予算編成にあたり、一般行政経費20%削減の方針を打ち出しました。
 すべての被災者の生活と生業を支援し、地域社会全体を再建する復興を進めるという大事業は、財源枠が制限された範囲内で施策を行うという小手先の姿勢では、到底成し遂げることは出来ません。だからこそ昨年6月県議会では、特別立法措置を国に求めた意見書が全会一致で採択されたのです。このような中で県は、「災害復旧事業の補助対象拡大や補助率かさ上げ、県の復興基金への資金拠出など、現行制度の中でも国による多くの支援が実現している」として、特別立法措置を求める旗を事実上降ろしてしまったことは重大です。
 東日本大震災の特別立法制定時には、国は財源として所得税と法人税の臨時「増税」を行ないました(ただし法人税は5%減税した上で、その範囲内で府課税を3年間に限って課すというものであり、実質減税)。再び国民に増税を課すことは難しいとの口実で、特別立法の制定に難色を示す向きもありますが、未曾有の津波被害に加え原発被害も加わった東日本震災とはそもそも被害額の規模が異なるうえ、原発被害のような長期にわたる費用負担の必要性が生じる事故とも性質が異なります。国民に増税を求めなくとも、不要不急の大型公共事業の見直しなど歳出の浪費を見直すだけで財源は確保できます。
 県は、復興を進めるための根本問題として、国に対し強く特別立法措置を求めるべきです。
 いっぽう、貴重な自然・景観を破壊し、穴づまり等による大災害を引き起こしかねない危険な立野ダム建設に対しては、新年度県当初予算案において県の負担金9億3,200万円余が、地元住民の合意が得られているとは到底いえない県道熊本高森線の四車線化については20億6,700万円の予算が計上されています。いまは大型開発に莫大な予算を投入するのではなく、被災者の生活と生業再建にこそ必要な予算を回すよう、政策転換を求めます。