要請・提言書


熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(経済産業大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 経済産業大臣 世耕 弘成 様
 日本共産党熊本県委員会
 委員長 日高 伸哉
 
 熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書
 
 【要望事項】
 【グループ補助金交付申請・資金繰りについて】
 1.「グループ補助金」の予算を追加増額し、引き続き継続すること。被害がひどくて、まだ申請の入り口にも立てない事業者や県内の約90%を占める小規模事業者、小企業者が活用できるように予算の増額と継続、申請書類の更なる簡素化へ改善すること。
 
 2.グループ補助金が決定しても、まず全額工事費負担をしなければならず、資金繰りが大変苦しい。無利子枠を広げること、また補助金という性格上、金利を最低に設定すること。
 
 3.グループ補助などの支援制度を使って事業を再建しようとかんばっている中小企業の皆さんが、極端な建設業者不足の中、工事が進まない被災者の実情がある。補助期間の延長や関係省庁との連携など、必要な手立てをとり対応を強化すること。
 
 【営業再開に向けた支援について】
 1.「小規模事業者持続化補助金」を、予算の増額、継続すること。熊本地震対応限度額200万円を復活させ延長すること。
 
 2.持続化補助金の認定を受けたにもかかわらず、建設業者の不足等で履行が遅れるなど特別な事情がある場合、繰り越しを認めること。
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(内閣府) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 防災担当大臣  松本 純 様
 
   日本共産党熊本県委員会
   県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。ぜひ主旨をお汲み取りいただき、善処いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 
 [要望項目]
 ①熊本地震の復旧・復興財源を全額国庫負担とする特別措置法を制定すること。   (民進、共産、社民、新社会の熊本県内の四野党は共同で、昨年5月に政府に対し、熊本地震の復旧・復興に関しては、東日本大震災時と同様、自治体の財政負担を最小化するための特別立法制定を求めました。今後も被災自治体には、住まい・暮らし・生業の再建やまちづくり、基盤整備等、長期間にわたり大きな財政負担がかかることから、従来の支援の枠を超えた制度づくりが必要と考えます。)
 
 ②被災者生活再建支援金を、現行最大300万円から500万円に引き上げること。また、半壊、一部損壊家屋にも支援金を支給すること。
 (熊本地震の最大の特徴は、甚大な住宅と地盤の被害です。住まいの再建なくして暮らし・生業の再建や地域コミュニティの再生はありません。しかし、最大でも300万円の生活再建支援金では、住まい再建の見通しは到底立たないというのが現実です。多くの被災者が先の展望が持てず、途方にくれています。また、被害額が数百万円に及ぶ損壊でも、一部損壊と判定されると、現行制度のもとではなんら公的支援はありません。この間の政府答弁にもあるように、家屋被害の実態を把握することが重要です。「一部損壊世帯」の実態を把握したうえで被災者の要望に則した支援策を早急に講じるべきです。)
 ③災害救助法を見直し、応急仮設住宅の入居期限撤廃、居住空間の拡大、住み替えを認めること。
 ④半壊世帯の仮設入居条件については、建築士など専門家の意見をもって可とするなど、改善すること。
  (半壊と判定された賃貸アパートなどの場合、「住むことが危険である」旨の認定が必要となっています。しかし、明らかに危険であるにもかかわらず、認定をしてしまえば入居人が退去してしまうことを理由に、大家が「住むことが危険である」との認定を行なわない事例が発生しています。住民自らが建築士に調査を依頼したところ、「生活をする上で危険な状況」との判断が下されました。仮設入居については、大家の認定がなくても、建築士など専門家の意見書があれば、仮設住宅への入居ができるよう、制度の改善をはかっていただきたい。)
 ⑤民間賃貸住宅の貸主に対する修繕補助を拡充すること。
  (民間の賃貸住宅については、みなし仮設として活用することを条件に57万6千円の応急修繕への助成がされています。そのために、入居人を退去させ修繕をおこなう大家がいる一方で、入居者の要望を聞きながら、入居した状況で応急修理をおこなった大家もいらっしゃいます。前者には、修理への助成がありますが、後者には一切の助成がありません。地震後、現入居者に退去を強いることは避けたいとの思いで、入居しながら修理をおこなった大家に対しても、同等の補助をおこなうよう改善いただきたい。)
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(国土交通大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 国土交通大臣 石井 啓一 様

  日本共産党熊本県委員会
  県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。よろしくお願い申し上げます。
 
 [要望項目]
 ① 南阿蘇鉄道の復旧に、東日本大震災の三陸鉄道と同様の支援措置を行なうこと。
 ② 宅地被害に関する公共事業適用の要件を緩和すること。
 (今回の熊本地震被害の実態を踏まえ、盛土造成地の滑動被害(小規模)の被害に対する復旧事業が要件緩和され、2戸以上、盛土高2m以上とされました。しかし、特に住宅が点在している周辺部では条件に適合する住宅は少なく、被害の実態に即した支援となっていません。1戸からでも事業の対象となるよう見直しを求めます。)
 ③ 液状化や大規模盛土滑動被害に対する国の補助を災害復旧事業並みに引き上げること。また、被害住民に、対策についての説明会を開催すること。
 ④ すべての宅地被害に対し、国が全面的に財政支援を行なうこと。
 (熊本県は独自に、宅地復旧のための支援として、基金から拠出して復旧工事に要する経費の一部を支援しました。けれども全額補助でない、工事費50万円以下は対象外、いったん工事費を手出しし領収書の提出が必要、など多くのハードルがあります。)
 ⑤ 耐震診断、耐震補強工事への国からの支援をおこなうこと。
 (地盤が不安定な地域における自宅再建の際には、杭を打ち込むなどの地盤補強工事が必要となっていますが、大きな費用がかかるにもかかわらず独自の支援はありません。)
 ⑥ 土砂災害特別警護区域における防護壁設置費用への支援をおこなうこと。
 ⑦ 私道の復旧への支援をおこなうこと。
 ⑧ 改良復旧に関し、補助率の引き上げ、工事費限度額の引き上げなど、制度の改善を行なうこと。
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(厚生労働大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 厚生労働大臣 塩崎 恭久 様

  日本共産党熊本県委員会
  県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。ぜひ主旨をお汲み取りいただき、善処いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 
 [要望項目]
 ① 生活保護の住宅扶助にかかる特別基準適用について、国から自治体へ徹底すること。
 ② 生活保護世帯が、家財等の復旧のために借り入れた生活福祉資金について、「保護費以外の収入」から返済した場合、当該返済に充てた部分の「保護費以外の収入」について、収入認定しないことを県市町村に徹底すること。
 ③ 被災者への医療費免除制度は今年9月までと期限を区切るのではなく、当面継続して実施すること。
 ④ 市町村や支援団体がおこなう見守り活動に、財政面など国からの支援を行なうこと。
 以上

 
熊本地震からの中小業者の営業と暮らし・地域経済の早期復旧を求める要望書(農林水産大臣) 2017年6月2日
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2017年6月2日
 農林水産大臣 山本 有二 様

 日本共産党熊本県委員会
 県委員長 日高伸哉
 
 熊本地震から、住まい・暮らし・生業の再建を進めるための要望書
 
 熊本地震に対する国からのご支援に感謝申し上げます。
 熊本地震発災から一年が経過した被災者の状況を知るために、私たち日本共産党熊本県委員会は、アンケート10万枚を19の被災市町村に配布し、被災者から回答を寄せていただいています。また、4月29,30日には小池晃書記局長(熊本地震災害対策本部長)先頭に国会調査団が被災地を訪ね、具体的なお悩み、ご要望など伺ってまいりました。
 これらの活動を踏まえ、現段階における差し迫った課題について、国に要望させていただくものです。
 熊本地震では、甚大な農地被害が発生しましたが、復旧工事の査定は終わっても、業者不足などの理由により、工事が遅れています。昨年に引き続き、今年も作付けができなかったところも多くあります。収入の道が絶たれると、離農に追い込まれる農家が相次ぐ事態も懸念されます。熊本県は復興基金を活用し、一年以上作付けができない農家を対象に、農地借地料の補助や、営農できない農家を雇用するJA、農業法人への人件費助成を行なうことを明らかにしました。合わせて、ぜひ国からの支援も強めていただきますよう要望します。
 
 [要望項目]
 ①作物が作れない状況が続いている農家に対する補償をおこなうこと。
 ②小規模農地や他者に貸している農地での被害にも、災害復旧事業の適用をおこなうこと。
 ③阿蘇地域の原野・林道・牧道等への損壊復旧に支援をおこなうこと。
 以上

 
熊本地震-被災者支援、復旧・復興についての提言 2017年2月17日
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 2017年2月17日
 日本共産党熊本県委員会 委員長 日高伸哉

熊本地震-被災者支援、復旧・復興についての提言

 熊本地震発災から10か月が経過しました。生活や生業の再建・震災からの復興に向けての懸命の努力が今なお続いている状況にありますが、被災者支援の内容や地域の復旧・復興のあり方、進め方をめぐり、いま大きな岐路を迎えているのではないでしょうか。
 すなわち、すべての被災者・被災事業者を対象に、破壊された生活と生業の回復を支援し、地域社会、地域経済の全体を再建することを目的として、住民主体・住民合意形成を尊重しつつ施策を進めていくのか、それとも行政主導の開発など、上からの計画が先行し、災害弱者や競争力の弱いものが置き去りにされ、結果として差別と切り捨てが生じる施策となってしまうのか、という問題です。
 熊本地震被害対策の大原則は、「被災者を一人残らず救済する」ということです。地方自治法では、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広くになう」(第1条)とされています。県や市町村におかれましては、住民のいのちと健康、生活を守る施策を第一義的に位置づけた支援策を充実・前進されるよう求めるものです。
 被災地における復興の担い手は、まぎれもなくそこに住んでいる住民です。すなわち被災された方々が元の場所に戻り、暮らし続けていける地域として再建できてこそ、震災からの復興を成し遂げ、更なる発展への展望がひらけます。もちろん、人がそこに安心して長期的に住み続けることができるのかという安全面、環境面についての専門的・科学的知見も前提として重視されなければなりません。県や市町村はこういった立場を中心軸に位置付け、復興策の推進を図るべきです。
 被災者支援、復旧・復興を成し遂げるためには、財政的にも、人的にも、県・市町村だけでは不可能です。国による全額負担、そのための特別措置法の制定を、安倍政権が、参院選前の約束通り実施することが不可欠です。
 
 1、住まいの再建― 元の場所に戻り、暮らし続けていける地域として再建することを基本軸に
 ① 被災者の実態掌握
 仮設など仮住まいの方、知人宅に身を寄せている方、あるいは損壊した家屋に住み続けている方など、もともとの住まいを壊され、多くの住民が不自由な生活を余儀なくされています。自宅を離れて暮らす人が県の集計で約4万1千人にのぼるとされています。みなし仮設入居者への連絡体制がない自治体が7市町村ある一方、見守り活動を行なっている自治体も、20市町村中9市町村にとどまっています。避難されている方々の孤立化や健康悪化が懸念されます。
 市町村との情報を共有しながら、県外に非難された方も含めて生活状況を掌握し、必要な情報提供や生活支援の手をきめ細かく行なっていくことが求められます。
 
 ② 被災者支援制度などの改善、拡充
 被災者生活再建支援制度は、全壊でも300万円にとどまっています。上限額を当面500万円に引き上げることを国に求めるとともに、県独自の支援を上乗せすることが必要です。また半壊以下の家屋にも支援金を配分するよう、制度の改善を求めます。一部損壊家屋に対し、一部を対象に義援金が配分されることとなりましたが、そもそも公的制度として支援を実現させるべきです。また義援金はその性格上、本来ならば地震で被害を受けた方々に広く「お見舞い」として届けることが望ましいものであり、したがって基本的には配分適用の条件を設けるべきではありません。
 応急修理制度についても、一部損壊世帯までの適用実現を求めます。
 
 ③ 仮設住宅の改善と復興住宅の建設促進
 仮設住宅は仮住まいとはいえ、毎日の生活を送る拠点です。安らぎと安全が保障されるものでなければ入居者の心身の疲労は蓄積するばかりです。ただでさえ狭い居住空間に大人数の家族を押し込める状況を早急に改善するよう求めます。
 1DKタイプは単身者向けにすること。2DKタイプには2~3人世帯、3kタイプはそれ以上の世帯ということを基本にし、また事情に応じて柔軟に入居・部屋替えを認めること。
 物置設置のための予算が計上されているが、入居者にそのことを周知徹底するとともに、積極的に設置推進をはかること。
 仮設団地に子どもが安全に遊べる遊び場の設置を。また住民の要望に基づき、随時生活環境改善に努めること。
 
 ④ 仮設などの入居期間について
 公営住宅の無償提供は1年間とされています。また仮設住宅については原則2年間の期限がついています。知事が特別基準により必要と判断すれば延長は可能です。無償提供に関し延長を県が決断したことは評価します。仮に期間が経過したとしても、入居者が仮の住まいから安心して次の住まいへ移ることができるのか、その前提なしに機械的に退去を促すようなことをしないこと。
 
 ⑤ 生活必需品の供与が滞っている問題について
 熊本市では、災害救助法に基づく被災者への生活必需品の支給が申請から3~4カ月もかかるという異常事態が長期間放置されたうえ、申請期限を1月31日で締め切ってしまいました。自宅に戻れず避難生活を余儀なくされている方々は財政的な困難や居住空間の制約上から、生活必需品も最低限のものしか所持できていないという状況にあります。期限を締め切る以前に、申請者に一刻も早く物資供与を実現させるべきであることは当然のこととして、被災者の生命・健康を守る行政としての当然の責務として、制度の適用がなされるべきでありながら適用されず現在もなお生活必需品を所持できていないという方々に対しては申請の窓口を閉じるべきではありません。熊本市および他自治体にもその旨徹底をはかられてください。
 
 ⑥ 耐震診断、耐震工事への助成と住宅リフォーム助成
 地震で倒壊した建物の多くは建築基準法の新耐震基準以前に建てられていたことが明らかになっています。またこれまでの震災でも前例がないほどの余震が発生し、損壊を免れた家屋でも「今度大きな地震や台風が来た場合に大丈夫なのか」という不安が広がっています。また断層は複雑に入り組んでおり、震源地付近ではエネルギーが解放された一方、周辺地域でエネルギーが蓄積している可能性も指摘されています。そういう点からも、建物の耐震診断、耐震化工事を促進する取り組みが求められます。県は復興基金を活用し、木造住宅耐震診断への補助制度を実現させたことは前進ですが、耐震改修工事についても支援策を早急に具体化することが必要です。住宅リフォーム助成制度を創設し、無利子の住宅リフォーム融資制度を作ることを求めます。
 
 ⑦ 公費解体、住宅再建支援
 公費解体はほぼ予定通りの進捗状況だとされていますが、今なお公費解体を申し込んでもまだ済んでいない建物が1万棟以上あり、いつになれば先の見通しが見えるのかと苦しんでいる世帯が多く残されています。解体業者の確保、がれきの仮置き場の増設などに引き続き力を入れ、計画前倒しで解体促進を図ってください。
 住宅再建について、兵庫県では公的な共済制度が設けられ、年5千円の掛け金で自然災害時の住宅再建に最大600万円が支給されています。熊本でも制度の構築へぜひ検討を。
 応急修理の業者への支払いが1~2カ月かかっています。業者は一時的に手出しで材料や工賃を賄うため、支払いに時間がかかると修理依頼はたくさんあるけれども請け負うことができないという状況になっています。業者への支払い迅速化が図られるよう、事務作業の簡略化、市町村への支援強化を求めます。
 
 ⑧ 宅地被害、まちの再建
 宅地被害に関して県は、復興基金を活用した独自の支援策を年度内に開始すると表明しています。既存の公的支援の対象にならない宅地被害を独自の制度で支援することは評価できます。 
 熊本市が、液状化や地滑りなど国の事業対象となる被害に対し、住民負担をゼロにする措置を決断しました。その後も同様の措置を決断する自治体が現れていますが、全被災地域で同様に、住民負担ゼロ実現のためには国の補助率をより引き上げる事、あるいは県からの支援を実現させることも必要ではないでしょうか。
 
 ⑨ マンションの損壊対策
 マンション共用部分の修理に関する管理組合の協議が進んでいないなど、工事が遅れている現実があります。住民の話し合いの設定や職員の参加、専門家の派遣やアドバイスなど主体的に支援するとともに、公正・公平で親密な支援が求められます。
 
 2、生業の再建―
 ① 二重ローンの解決
 震災によりローン返済ができない被災者を救済する「自然災害債務整理ガイドライン」が、熊本地震の被災者に十分活用されていないと指摘されています。昨年12月末現在で551件にとどまっているのは、制度を知らない被災者が多いためだとみられており、制度を被災者に積極的に知らせることが必要です。同時に減免が認められたのは5件に満たず、金融機関が制度に協力的かどうかということも重要な課題です。審査を支援する専門家の育成・配置を進めるとともに、金融機関に対して理解と協力を求めること。また二重ローン問題対策に関する立法措置を国に求めること。
 
 ② 店舗、工場など施設の復旧と事業立ち上げへの直接支援
 グループ支援事業は再建を目指す業者から喜ばれていますが、従来の枠組みを超えた個々の事業者への直接支援の実現が必要です。制度の創設を国に求めるべきです。またグループ補助は現状復旧が原則ですが、老朽化した設備や建物の復旧の場合、改良復旧せざるを得ない場合もあります。震災が原因だということが明らかであれば、改良復旧はグループ補助の対象にならないと機械的に切り捨てるのでなく、被害の現状に親密に寄り添い、制度が積極的に適用されるよう弾力的、柔軟な対応を求めます。
 
 ③ 被災者の実情に応じた多面的な分野での緊急の雇用・失業対策
 勤務先が被害を受けるなどして職を失った人(約3,700人)の7割が新たな職が見つからないでいます。一方で建設業界などは人手不足が起こっています。被災した求職者とのミスマッチ状況の解消に向け、県としても相談窓口を設置するなど就職支援を強めること。
 失業給付の実情に見合った延長、雇用調整助成金の一層の要件緩和や支給対象期間の延長、被災者を雇用した事業主に助成金を支給する被災者雇用開発助成金の要件緩和など進めること。
 
 ④ 悪質業者や下請けいじめ対策、労働者の健康被害対策
 被災家屋の解体工事の現場では、全国各地の業者が参入する中、多重下請けによる代金の未払いなどトラブルが発生しています。トラブル解消へ啓発活動の強化や解体現場での監督、相談窓口の充実を。
 また解体現場ではアスベストによる健康被害の可能性が懸念されています。現場ではアスベスト対応のマスクを着用せず建材や塗料の解体・撤去作業が横行しており、将来的に問題となりかねません。労働局等と連携して作業員に危険性と専用マスク等の着用、適切な処理法などについての監督・指導の徹底を。
 また、昨年12月時点で休業4日以上の労災事故が127件発生、4人が死亡しています。再発防止へ命綱、ヘルメット着用等、安全管理の徹底が図られるよう指導監督・パトロール強化を。
 
 ⑤ 農業問題
 甚大な被害を受けた農地・農業用施設を復旧し、今年の作付に間に合うようにと、いま災害査定や認定申請、工事発注などの作業が急ピッチで進められています。現場の職員や自治体、農家の要望に丁寧に耳を傾け、実情に寄りそった復旧が早期に実現するよう必要な人員、業者の確保に努めること。農家負担を抑えられるよう、農地の復旧限度額を緩和することを国に求めること。
 被災により営農中断を余儀なくされている農家への生活支援、営農再開への支援を強めること。
 
 ⑥ 観光復興、地域再生への支援
 第3セクター「南阿蘇鉄道」の復旧費用は30億円から50億円ともいわれ、復興への道のりは極めて厳しいものがあります。しかし同鉄道は南阿蘇の観光を大きく支えてきた存在であるとともに、通学、通勤、交通弱者の足として南阿蘇住民の生活を支えてきました。東日本大震災では三陸鉄道の復活が復興のシンボルとなり、被災住民に希望の灯をともしたように、南阿蘇鉄道の復活は大きな意義があります。三陸鉄道の復旧と同様、特別立法に基づく国の財政負担による復旧が図られるよう要請を。
 昨年末終了したふっこう割により、九州全体としては宿泊者が順調に回復しました。国と県は2~3月の期間に阿蘇地域に限定したツアーの割引制度を導入する方針とされています。ぜひ多くの誘客につながるよう広報していただき、また制度を継続的に実施していただくよう求めます。
 
 3、医療、福祉、教育の再生―
 ① 免除、減免制度の延長を
 国民健康保険や後期高齢者医療保険の窓口負担免除、介護保険サービス利用料免除、障害福祉関係サービスの利用者負担の免除、住民税の減免、固定資産税の減免、軽自動車税の減免などの支援制度が今年度末を申請等期限として打ち切られようとしています。しかし少なくない被災者が生活再建に向けて経済的、精神的負担をこうむり、体調異変をきたしている方も多くおられます。また生保受給者が被災による一時金を受け取ったことによって生保が打ち切られ、診療の際の自己負担が生じている方などは命にかかわる重大問題になりかねません。岩手県では現在もなお東日本大震災で被災した国保加入者を対象とした医療費窓口負担の免除を延長継続しています(8割を国が負担し、残り2割は県と市町村が折半)。国は2月9日事務連絡文書を出し、医療費の財政支援策を打ち出しました。県として早急に免除の延長を決断すべきです。
 
 ② 病院の再建
 熊本地震で被災した病院の閉鎖が相次いでいます。本来地震の際にはけが人や病人など避難者の受け入れ施設としての役割発揮が求められるところですが、逆に建物の損壊やライフラインの寸断などにより入院患者に外部への避難を求めなければならない事例も生じました。病院に対して、より厳しい耐震基準を義務付けることが求められますが、同時に多くの病院の経営状況は厳しいものがあります。医療施設等の災害復旧については原則二分の一の工事費の国からの補助や融資制度がありますが、補助のかさ上げなど充実強化を求めます。
   
 ③ 学校施設の復旧は自治体負担ゼロに。また公私間格差の解消を。
 学校施設の復旧は地元負担をゼロにすること。私立学校の施設復旧に関しては、国からの補助2分の1に加え基金からの拠出で6分の1を上乗せされることになりました。一歩前進ですが依然3分の1は学校負担となります。公立・私立の差別・格差をつけず支援することが求められます。また生徒の授業料負担を軽減する私学助成の拡充を。
 
 ④ 阿蘇地域の子どもの通学支援
 交通の不便を強いられている阿蘇地域の生徒や保護者の負担は過酷なものがあります。通学をあきらめ地域外に下宿することを選択する生徒には家賃や生活費の補助制度実現を。また学校の枠を越え、寮として受け入れることのできる施設の確保を。公共交通が不便な地域から通う生徒には通学に対する公的支援の実現を。
 
 ⑤ 給付型奨学金の創設、子どもの心のケアと教職員拡充
 震災で生活基盤の破壊、収入減など子供の日々の生活と就学に困難が生じる中、返済不要の給付型奨学金の創設や、家庭や子どもの不安を解消するためのスクールソーシャルワーカーの増配置が求められます。また子どもの心のケア、学習の遅れ、入転学の増加など被災地の学校には多くの課題が存在する一方、教職員自身も被災して困難を抱えています。現地の加配要望に誠実に対応するとともに、養護教諭の複数配置、事務職員の複数配置、スクールカウンセラーの安定的配置を進めてください。
 
 4、大空港構想、および県道熊本高森線の四車線化問題に関して
 県は阿蘇くまもと空港の周辺地域について「創造的復興」のスローガンのもと、空港の機能強化や産業の呼び込みを図るとともに、アクセス改善の一環として県道隈本高森線の四車線化を推進しようとしています。しかしこれらの構想については多くの懸念があります。
 第一に住民不在。頭ごなしに押し付けられた計画であること。住民への説明や合意形成がなおざりにされ、疑問の声に対する説明責任が果たされていないこと。
 第二に地下水保全や断層の存在への懸念について、専門家による科学的調査に基づく安全性の確認、環境影響への検証が十分なされていないこと、などであります。
 熊本の地下水は県民の生活にとって欠くことのできない地域共有の貴重な資源です。東海大学の市川勉教授らによると、「空港周辺の地下構造は浸透性が大きく、地下水涵養に大きく貢献していると考えられる」と報告されています。一方県は地下水保全条例を制定し、開発行為に伴う地下水涵養への配慮について定めています。熊本の宝である地下水を次代に残し、未来へと引き継ぐためにも、地下水への影響が懸念される地域における開発計画は環境への影響調査を前提とすべきであります。県は「スピード感が大事」といって拙速に計画を推し進めようとすることは、将来に重大な禍根を残すものになりかねません。
 
 5、財政問題― 大型開発の浪費にメスを。地元負担ゼロの特別立法制定は避けて通れない。
 熊本地震の被害総額は3兆8千億円に上るとされています。地震対応にともない県や市町村の財政出動はふくらみ、県の今年度一般会計予算は前年度同時期比で1.8倍化、益城町では3.3倍化しています。国からの支援なしには財政が破綻することは目に見えています。県債発行額も倍加しています。県は来年度予算編成にあたり、一般行政経費20%削減の方針を打ち出しました。
 すべての被災者の生活と生業を支援し、地域社会全体を再建する復興を進めるという大事業は、財源枠が制限された範囲内で施策を行うという小手先の姿勢では、到底成し遂げることは出来ません。だからこそ昨年6月県議会では、特別立法措置を国に求めた意見書が全会一致で採択されたのです。このような中で県は、「災害復旧事業の補助対象拡大や補助率かさ上げ、県の復興基金への資金拠出など、現行制度の中でも国による多くの支援が実現している」として、特別立法措置を求める旗を事実上降ろしてしまったことは重大です。
 東日本大震災の特別立法制定時には、国は財源として所得税と法人税の臨時「増税」を行ないました(ただし法人税は5%減税した上で、その範囲内で府課税を3年間に限って課すというものであり、実質減税)。再び国民に増税を課すことは難しいとの口実で、特別立法の制定に難色を示す向きもありますが、未曾有の津波被害に加え原発被害も加わった東日本震災とはそもそも被害額の規模が異なるうえ、原発被害のような長期にわたる費用負担の必要性が生じる事故とも性質が異なります。国民に増税を求めなくとも、不要不急の大型公共事業の見直しなど歳出の浪費を見直すだけで財源は確保できます。
 県は、復興を進めるための根本問題として、国に対し強く特別立法措置を求めるべきです。
 いっぽう、貴重な自然・景観を破壊し、穴づまり等による大災害を引き起こしかねない危険な立野ダム建設に対しては、新年度県当初予算案において県の負担金9億3,200万円余が、地元住民の合意が得られているとは到底いえない県道熊本高森線の四車線化については20億6,700万円の予算が計上されています。いまは大型開発に莫大な予算を投入するのではなく、被災者の生活と生業再建にこそ必要な予算を回すよう、政策転換を求めます。