議会質問・討論・意見書 2017年


2018年9月議会 議員提出議案1号、森林・林業・木材産業施策の積極的な展開を求める意見書に反対する討論
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 議員提出議案1号、森林・林業・木材産業施策の積極的な展開を求める意見書に反対する討論

 2018年熊本県議会 9月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年10月10日

 日本共産党の山本伸裕です。
 議員提出議案1号、森林・林業・木材産業施策の積極的な展開を求める意見書について申し上げます。
 昨年6月の県議会で森林環境税の早期創設を求める意見書が出されました際に、私は森林が果たしている多面的機能に鑑み、必要な財源を確保して資源循環型の林業、木材産業の再生を図る取り組みを促進することが重要であることを強調しました。ただしその際の財源としては、第一に、環境破壊を引き起こす原因を発生させている汚染者に対し、その損害の費用を負担させる、いわゆる汚染者負担の原則こそ、環境に関わる取り組みに関する負担のあり方として採用されるべきであること。第二に、地球温暖化対策のために取り組まれる事業の中に森林の保全、木材産業の再生が位置づけられるべきであり、その財源は、汚染者負担の原則に基づいて、CO2排出量に応じて負担することが求められるべきであること。第三に、そうすると温室効果ガス排出の8割を占めている大口排出者である電力、鉄鋼などの産業界に基本的に負担を求めることによって、森林の整備、保全、再生のための財源を確保すべきであることを訴えました。平成30年度税制改正の大綱に明記された森林環境税は、国民に等しく負担を求めることを前提としておりますので、こうした立場には賛同できません。
 意見書の第二の項目で記されている「地球温暖化対策のための税」の活用の拡大は、先ほど申しましたとおり、もとより日本共産党も積極的に提唱している内容であり賛成であります。
 しかしながら第三の項目の中でいわれている森林経営管理法には重大な問題点が含まれており、反対であります。同法の最大の問題は、森林所有者の経営権に介入し、強権的に経営の自由を奪うスキームになっている点にあります。持続可能な森林経営を行なうためには、専門的知識と継続的な経営意欲が求められます。例えば木材価格が安く、再造林の費用もまかなえないと判断すれば伐採を行なわず、木を育てるという経営判断がなされます。森林所有者の中には、森林の多面的な機能を保全するために長伐期施業を行なっている方もおられます。長伐期施業とは、通常の40年から50年程度の伐採齢のおおむね2倍程度とし、大径材生産を目指す施業のことで、コスト低減、高収入、森林が持つ公益的機能が長期にわたり安定的に維持されるなどのメリットがあります。こうした点を考慮すると、森林所有者に求められるのは、短期的な規模拡大よりもむしろ長期的、継続的な経営計画であります。ところが森林経営管理法は、森林所有者に適時伐採、造林、および保育することを義務付け、若齢段階といわれる50年生の木の伐採を求めるといいます。森林所有者に意欲と能力があるかどうかを判断し、適時に伐採等をしないなら経営も管理もできないものと烙印を押すというのは、林業政策に差別選別を持ち込むやり方であります。また、森林所有者が自ら伐採しないなら、市町村への委託を強要し、市町村の経営管理権集積計画に同意しないなら、市町村が勧告し、知事の裁定まで行なって森林所有者の経営権も取り上げるものとなっています。森林所有者が長年賭けて育てた木材を取り上げることは、憲法が保障する財産権や経営の自由に介入するものとなりかねず許されません。
 第二の問題は、森林所有者を林業の担い手からはずし、伐採・搬出を行なう素材生産者が初めて林業経営の担い手に位置づけられました。林野庁は、意欲と能力のある素材生産者などに施策を集中するといいます。しかし林業経営は、短期的利益追求型ではなく、継続性が求められます。伐採してから再造林や保育の補助金が出る間は頑張るけれども、採算が見込まれないなら撤退するという素材生産者が増えれば、木の切り逃げということになりかねません。
 第三の問題は、地方公共団体に重い責任を負わせるものになっているという点であります。森林所有者や素材生産者の選別、経営管理権集積計画の作成、もうからない森林の管理など、最も困難な仕事は県や市町村が担うことになります。安倍首相は施政方針演説においてこの森林経営管理法について、戦後以来の林業改革に挑戦する、意欲と能力のある経営者に森林を集約し、大規模化を進める、その他の森林も、市町村が管理を行なうことで国土を保全し、美しい山々を次世代に引き渡してまいると強調されましたが、実態は市町村に人的、財政的負担を押し付けるものであり、国の責任放棄であります。
 さらに重大なことは、国会でこの森林経営管理法の審議が行なわれている過程の中で、法案説明資料のデータに捏造があったことが、日本共産党田村貴昭議員の指摘により明らかになり、今度は林野庁でもデータの捏造かと問題になった点であります。林野庁は、森林所有者から経営管理権を取り上げる同法を正当化するため、法案説明資料に、84%の森林所有者は経営意欲が低いなどといったデータを掲載しました。しかし実際の意向調査の結果は「やめたい」が6.5%、「経営規模を縮小したい」が7.3%に対し、「現状を維持したい」が71.5%であります。林野庁はこの71.5%も意欲なしと決め付けて数字に上乗せしたのであります。林野庁は田村議員の指摘を認め、捏造データを削除しましたが、先ほどの箇所のほか、訂正箇所は合計8箇所にも及んでいます。意向調査の結果は、当初2017年度林業白書にも掲載予定でありましたが削除されることとなりました。こうした国会審議過程を見ても同法のいかがわしさを感じざるを得ないのであります。
 林野庁は今年四月、森林、林業政策の推進を公表しました。木材の供給量は、1500万立方メートルを約2倍の2800万立方メートルに引き上げる計画です。これだけの木材が市場に供給されれば、今でも安い木材価格がさらに安くなるのは明らかであります。環境保全、自国産業を育成する動きが世界的にすすみ、木材の輸入が困難になりつつあります。大手木材メーカーは安い国産材を求め、大規模なバイオマス発電会社も燃料用の木材を求めています。こうした要望にこたえることが同法の本当の狙いではないでしょうか。
 新たに制定された森林経営管理法は、山でもうけようとする一部の産業のためのものであり、日本の林業の荒廃を招きかねません。森林経営に求められる立場は、災害防止、水源涵養、二酸化炭素の吸収による環境保全など、公益的機能を持続的に発揮することであります。森林政策に必要なことは、森林が持つ公益的機能の発揮が十分に保障されるよう、地域の雇用や所得を支えることを通じて林業の再生を図ることであります。こうした立場に国や県が立って施策の推進をはかることを求めるとともに、本意見書案への反対を議員各位に呼びかけまして、討論を終わります。

2018年9月議会 育英資金滞納者を提訴する専決処分、被災者向け医療費免除制度の復活を求める請願、および消費税10%増税中止を求める請願を不採択とすることに反対する討論
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 育英資金滞納者を提訴する専決処分、被災者向け医療費免除制度の復活を求める請願、および消費税10%増税中止を求める請願を不採択とすることに反対する討論

 2018年熊本県議会 9月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年10月10日

 日本共産党の山本伸裕です。
 まず最初に議案41号、熊本県育英資金貸付金の支払い請求についての訴えに関する専決処分についての報告、承認を求める議案であります。滞納者を名指しし、裁判に訴え、延滞金及び延滞利息金、訴訟費用も含めて一括して返還を請求するやり方については従来から繰り返し申し上げておりますとおり、賛同できません。今回、滞納されている方が熊本地震の被災者であり、娘さんは進学したばかりの看護学校を退学せざるを得なかったとの報道もあったことなどから、熊本県は被災者に寄りそっていない、冷たいのではないか、との匿名のご意見が私のところにも複数寄せられております。知事は、被災者の奨学金返還については状況に応じて緩和するよう県教委に要請したとのことでありますが、しかし今回の事案は県教育委員会の個別の対応に問題があったというよりも、本質は育英資金制度の規則、あり方にこそ問題があると言わなければなりません。収入が激減したり、家族が事故や病気になってしまったりなどの個別事情で、返済が突然困難な状況に陥ることは誰にでもあり得ることであります。しかし、原資をすべて過去の利用者の返還金で運用する現行制度のもとでは、返してもらわなければ制度が回らなくなる。たとえどんな個別事情があったにせよ制度の維持を根拠として、県教委の言葉を借りれば、特別扱いはできない、滞納が続けばルールにのっとって提訴する、という考え方に立たざるを得ません。個別事情に寄りそうと言いながら本当に寄り添った対応ができないという制度の矛盾がこの点にあることを指摘したいと思います。必要に応じで暫定的にでも滞納分の資金を一般会計などから補てんするような措置がとられれば、滞納者を提訴して精神的に追い込むというやり方によらずとも、真に個別事情に寄りそった対応が可能となるのではないでしょうか。そして、本来であれば、給付制の育英資金制度こそ創設すべきであることを訴えるものであります。
 次に請第35号、熊本地震における医療費の窓口負担等の免除措置復活に関する請願であります。委員会の議決は不採択でありますが、採択すべきであります。熊本県が9月に公表した被災者を対象とする第二回健康調査の結果によると、強い心理的ストレスがある高度のリスクと判定された人は地震前の約二倍、回答者の約4割が心の不調を訴えています。一方で医療費免除制度の打ち切りが受診抑制を引き起こしている事態は深刻であります。健康福祉部長は6月県議会での私の質問に対して、免除措置の終了と受診の動向が直ちに関連しているとは言い難いと答弁されました。現実に目を向けようとしない、冷たいご答弁だと私は思います。現に被災者の方々が、テレビカメラの前で自分の顔を出して、体調悪化を感じていますと、しかし医療費の負担が不安で、今後の通院は回数を減らさざるを得ないと、訴えておられるではありませんか。どうして医療費免除打ち切りによって受診抑制が起こっているといえないのですか。健康福祉部長の答弁からすると、こうした被災者の方々の証言はでたらめだということにならざるを得ないではありませんか。熊本県は、免除措置の終了と受診抑制は関連していないとあくまで言われるのなら、それを証明する客観的な証拠を示すべきであります。
 先日、医療費免除の復活を求める2万人を超える署名が県に提出されましたが、その中でお手紙を添えて署名に協力してくださった方がおられます。手紙の一部を紹介します。ニュースで署名活動をしていることを知り、自分も協力したいと思っていました。2年たったころにはみんな疲れが出てきます。私も無理をして脳出血等2回の入院生活。現在も入院中です。母親もインフルエンザにかかり入院しました。お金の支払いに頭を抱えています。ぜひ医療費免除が認められることを願ってやみません―こうした切々たる訴えに耳を傾け、よりそう姿勢を県は持つべきであるということを強く訴えます。また県は、実施主体である市町村から、免除制度継続の要望は上がっていないとも言われますが、被災自治体は震災からの復旧・復興にかかる経費負担に大変苦しんでいる状況であります。ある首長さんは医療費免除の継続について、全県あげての基準にならないと、一つの自治体だけでやろうとしてもやっぱり無理が生じると率直に議会で答弁されている通りだと思います。震災から7年半が経過した岩手県は県知事が議会で自らの決意を表明し、今なお医療費免除制度が継続している状況と比較しても、熊本県の対応はあまりにも冷たいと言わざるを得ません。ぜひ本請願が採択されるよう議員各位にご賛同を呼びかけたいと思います。
 次に請第36号、消費税増税と軽減税率導入に反対する意見書提出に関する請願であります。委員会の議決は不採択でありますが、採択を求めます。
 消費税の増税は国民の負担を増やし、消費を冷え込ませます。2014年4月、それまで5%であった消費税が8%に引き上げられ、経済の底が抜けたといわれたほど、景気を悪化させました。原則としてすべての商品やサービスに課税される消費税は、家計を直撃し、消費を落ち込ませるからであります。国内総生産・GDPは同年度マイナスとなり、個人消費はその後も回復が遅れ、家計の消費支出は増税後ほとんどの月で前年同月比マイナスという状況が続いています。
 安倍政権は、当初2015年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを、景気の悪化を理由に、二度に渡って延期せざるを得ませんでした。しかしいま、食料品などへの軽減税率の導入や消費の反動減対策をとることを口実に、来年10月からの増税を強行する構えであります。しかし安倍政権がいま持ち出そうとしている住宅や自動車の購入支援といったものは、それだけの資金力がない消費者には何の恩恵もありません。むしろ住宅メーカーや自動車会社を喜ばす、大企業本位の政策にすぎません。
 いっぽう、前回の増税時の国民負担増は8兆円だったが、今回は軽減税率などがあるので負担増は2.2兆円程度に納まるという見方があります。また、反動減対策に10兆円程度必要だという声もあります。増収見込みを上回る対策までとって消費税増税を強行するとなると、まさに本末転倒、支離滅裂の政策になりかねません。そうまでして消費税増税に突き進もうとする背景には、消費税増税の必要性を強く主張し、そのいっぽうで更なる大企業減税を要求する経団連からの圧力が見え隠れします。いくら大企業の利益を擁護しても国民消費が落ち込めば景気はよくなりません。消費税増税計画は中止すべきであります。
 また、政府は消費税増税にともなう消費者の痛税感を抑えるためとして、食料品などを税率8%に据え置く軽減税率を取るとしています。軽減といっても減税ではなく一部据え置かれるという話ですが、軽減税率導入後は10%と8%が混在することとなり、政府は適正な課税を確保するためとしてインボイスを導入することとしています。インボイスとは、商品ごとに消費税率と消費税額などを記した請求書のことであります。2023年10月にはすべての課税業者にインボイスの発行が義務付けられる予定であります。
 インボイスの導入で大打撃を受けるのは免税業者です。年間売り上げが1000万円以下の業者には、消費税の納税義務を免除することができます。現在、500万を越える業者が納税を免除されています。ところがインボイスを発行できるのは、税務署に登録された課税業者だけであります。課税業者がインボイスを発行できない免税業者から原材料や部品などを購入した場合、仕入税額控除が適用されず、負担が重くなってしまいます。そのため、免税業者が取引から排除されることになります。
 免税業者はインボイス導入の際に、免税業者のまま取引先を失うか、あるいは課税業者となるかがせまられます。小規模業者にとって、インボイスの事務負担は重いうえに、わずかな売り上げからも消費税を負担することになります。いずれにしても経営が追い込まれ、廃業につながりかねません。
 以上の理由から私は提出された請願の趣旨に賛同し、不採択とする委員会の採決に反対することを最後に表明し、討論を終わります。

2018年9月議会 八代港のクルーズ船拠点形成の問題についての質疑
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 八代港のクルーズ船拠点形成の問題についての質疑

 2018年熊本県議会 9月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年9月27日

 日本共産党の山本伸裕です。蒲島知事が議案説明で言及された、八代港の国際旅客船拠点形成の問題についてお尋ねします。
 文化や歴史、自然、景観、おいしい食べ物など、熊本ならではの魅力が伝わり、熊本を訪れる外国人が増えることは歓迎です。私は、訪熊客が何度でも訪れてみたいと思うような熊本の魅力を広げる取り組みは積極的に進めるべきだと思いますし、それがインバウンド誘客につながることを願います。また、クルーズ船も、本当に地域経済に貢献し、安全の確保や物流との整合性もとれ、地域住民の支持も得られるならば、寄港を増やす取り組みにも賛同します。
 しかし懸念する問題もあります。その一つは、港湾が持つ公共性との関係であります。もともと港湾には、何人に対しても施設の利用その他、港湾の管理運営に関し不平等な取り扱いをしてはならないという大原則があります。ところが政府は、特定の船会社が、旅客施設の整備に投資する代わりに岸壁を優先的に使用できるようにするという、港湾法の改定を行ない、その後、大型クルーズ船の受け入れを一気に増やそうと、全国七つの港と四つの大手クルーズ会社との協定締結を急がせました。こうしたやり方は、港湾管理の公平性に反し、国際的信頼を失い、中長期的にみれば、船客の増加にはつながらないのではないでしょうか。 八代港の場合はロイヤル・カリビアン・クルーズ社との協定を締結。RCLの優先利用期間は40年間、年間150日とされています。一方八代港のクルーズ船寄港回数の目標値は10年以内に200回とされています。そうすると寄港の大半はRCL社に依存する事になります。今年上半期の実績を見るとクルーズ船の寄港は全国的にも減少。特に八代港での落ち込みが大きかったことを心配します。もしRCLが見通しの通り利益が上がらなければ撤退するという可能性はないのでしょうか。そうした万が一の事態になれば、いま県は12億円、国は82億円を投じて拠点形成のための事業を進めていますが、事業そのものの大きな見直しも迫られることにもなりかねません。
 台風、地震、豪雨災害など、災害列島のイメージが強まる日本でいかに安定的にインバウンドを伸ばしていくかは、簡単な課題ではありません。しかし私はだからこそ熊本ならではの魅力をPRすることとともに、港湾法の精神に則り、世界の国々、船会社が利用しやすい港として門戸を開くことが八代港の評価、国際的な信頼を高めることにつながるのではないかと考えますがいかがでしょうか。
 
 二つ目に、クルーズ船寄港による負の問題も世界各国で顕在化しています。横浜港、佐世保港、平良港との協定を締結した北米最大のクルーズ船会社であるカーニバル・コーポレーションは、8年間にわたって油、有害液体物質、危険物、汚水、廃棄物など、違法投棄をおこない、海洋を汚染したとして約46億円の罰金判決を受けています。またイタリアやスペイン、オーストラリアやハイチなどでも、クルーズ船が排出する大気汚染が年々ひどくなっているとして、寄港に反対する声が上がっています。熊本県は今八代海の環境保全、漁獲高の回復への取り組みを続けています。八代海は閉鎖性が極めて高い海であるだけに、なおのこと環境保全には万全を尽くさなければなりません。RCL社との協定の中で、環境汚染を防止する取り組みについての条項がなかったことは問題だと思いますし、これからでも約束を交わす必要があると考えますがいかがでしょうか。
 以上、知事にお尋ねします。
 
 (知事答弁後の切り返し)
 
 時間がありませんので懸案事項をもう一点だけ申し上げますが、それは万が一の事故の備えであります。海難事故、あるいは火災等々、絶対起こらないとは言い切れません。仮に六千人以上の規模のクルーズ船で大規模な事故が発生した場合、人命を助ける体制、救急の患者を受け入れる医療体制など万が一の事態にも対応できる備えがあるかないかという点も、観光客に安心、信頼を提供する上で重要な要素ではないかということも申し上げておきたいと思います。
 2006年に制定された観光立国推進基本法の基本理念には、「地域の観光資源を活かし、住民が誇りと愛着をもてる持続可能な観光まちづくり、住んでよし、訪れてよしの国づくりなどが明記されました。しかし安倍政権の成長戦略のもと、訪日外国人客数の目標達成が優先され、受け入れ施設の整備が迫られました。ともすれば地域や住民、地方自治体や観光業界に無理を強いることにもなりかねません。また、外国人が魅力を感じる自然や環境を破壊するような開発は熊本の魅力を損ねます。観光客にも住民にも喜ばれ、地域経済を真に活性化させるような、地域が持つ魅力に根ざした取り組みの促進を願って質疑を終わります。

2018年6月議会 知事提出議案に対する反対討論
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 知事提出議案に対する反対討論
 (内容:益城町の市街地区画整理事業について、育英資金返済延滞者の訴えの提起について)

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月28日

 日本共産党の山本のぶひろです。まず、知事提出議案1号、平成30年度熊本県一般会計補正予算において土地区画整理事業に要する費用として16億1,350万円が計上されております。また、同事業の施行条例が議案10号として提案されております。
 同事業は、3月8日付で都市計画決定が行なわれ、6月4日には協議会が開催され、議論が始まっております。私は区画整理については、まちづくりを進める手法としてはいかがなものかという意見を持っておりますけれども、しかし事がここまですすんできたからには、これ以上住民の方々の住まいや暮らしの再建を遅らせないためにも、ぜひ住民の意向を最大限尊重しつつ、住民合意で震災前よりもさらに安全で暮らしやすいまちづくりを、熊本県と益城町の力を結集して進めていただきたいと願うものであります。そのうえで、議案に対する私の意見を申し上げます。
 まず第一に、そもそも震度7の激震に二度襲われた地域であります。まちづくり再建の前提として、地盤強化がはかられるべきであります。国土交通省は昨年3月、熊本地震からの益城町の市街地復興に向けた安全対策のあり方等に関する報告書の最終報告をまとめました。この中では、今回活動した活断層周辺では将来も活動する可能性が高く、したがって必要な地盤調査を行なうこと、また町の中心部で土地区画整理事業等による面的な市街地整備をおこなう際には、事業の計画を、被害リスク回避の観点から、活断層上の土地利用に配慮したものとすることが有効と考えられると警鐘を鳴らしています。そのうえで、強振動に対する安全対策として、建築物の耐震化のほか、宅地の耐震化について、火山灰湿土が広く分布する地域であることから、盛土剤の含水量調節および安定処理により入念に施工することが必要であると書かれてあります。こうした提言を、市街地再建の出発点の際の大前提として踏まえるべきであります。地震の際には建物が倒壊して道路がふさがれて緊急車両が通れなかった。だから広い道路が必要だということが強調されますが、建物が倒れないような対策がとられればそもそも道路を必要以上に拡張しなくても良いわけで、町の将来像にも大きく影響してくる問題であります。
 第二に、県道熊本高森線の四車線化事業との関係であります。四車線化は、区画整理がかかる地域とかからない地域がございます。区画整理にかからないところは買収で土地を売り渡すわけですが、区画整理の区域は土地を提供しなければなりません。しかもかなり大きな減歩率が予想されます。これは相当な不公平感が生じるのではないでしょうか。不公平感が生じないような事業範囲の策定が必要だったのではないでしょうか。
 第三に、事業決定の中身についてであります。地域住民の様々な個別事情、利害関係が複雑に入り混じっている状況を考えるならば、事業面積は小さい単位で区分けしたほうがまとまりやすいことは言うまでもありません。28.3ヘクタールの広大な地域の中には例えば買収によるわずかなセットバックで道路幅が確保できるような地域もあります。地区全体を画一的に扱うのではなく、区域ごとの土地条件、居住者の生活状況やそれぞれの意見に応じたきめ細かな計画づくりにより、地域の実情に応じたまちづくりが可能となるのではないでしょうか。またそもそも、28.3ヘクタールという事業区域の設定が妥当なのか、対象地域から除外して事業区域を縮小するという検討も必要に応じてなされるべきであろうと思います。また、事業決定では、道路の標準幅員の設定方針として、幹線道路は幅員14メートル以上を標準とする。区画道路については、原則として幅員6メートル以上を標準とする、とされています。しかし幹線道以外の道路幅を必要以上に広げすぎると、幹線道の渋滞を避けるために進入してくる通過車両の台数もスピードも増加するため安全度が下がるという最近の国土交通省の研究成果もあります。画一的な道路幅員の押し付けは慎重であるべきではないでしょうか。
 区画整理事業は、道路の拡幅や公園整備、その他の公共施設を確保するための用地取得費用が、格段に少なくて済むという、事業主体にとっての大きなメリットがあります。一方住民にとっては、自分の土地が減歩、換地という形で失われる、あるいは清算金という形で新たな費用負担が強いられることになります。住民にそれだけの負担を求めるわけですから、何度でも繰り返しますけれども、県や益城町は、住民の声に本当に謙虚に耳を傾け、行政側からの提案にこだわらず住民の意見を柔軟に取り入れ、住民主体のまちづくりという目標に向けて重責を果たしていただくよう求めるものであります。
 
 次に、議案27号、28号、および29号、専決処分の報告および承認についてであります。いずれも、熊本県育英資金貸付金の支払い請求についての訴えの提起であります。毎回申しておりますが、育英資金の返還を遅滞している当事者を名指しし、延滞返還金および延滞利息を一括して支払うよう求めることや訴訟費用は被告らの負担とすること、などの強硬なやり方には反対であります。奨学金問題対策全国会議の事務局長を務める岩重よしはる弁護士は、学費の高騰や家計の悪化が進む一方、卒業後も非正規労働など低賃金・不安定労働が蔓延する中で、延滞をしている人のほとんどが、悪質なケースではなく、返したくても返せない状況だと強調されています。そうした人達に裁判に訴えて繰り上げ一括請求するやり方はますます延滞者を追い詰めるものであり、これから育英資金の支援を得る事を検討している家庭に対しても、制度の利用に二の足を踏むような状況を招きかねません。そうなると、学びと人生を応援するという育英資金制度の趣旨そのものも活かされなくなってしまうのではないでしょうか。裁判に訴えるという強硬的なやり方でなく、個別事情に寄りそい、滞納の解消方法について親身な相談に応じていく姿勢を県に求めたいと思います。
 以上での理由で議案に反対することを申し上げ、討論を終わります。

2018年6月議会 自衛隊の機動師団化と世界情勢の変化についての質疑
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 自衛隊の機動師団化と世界情勢の変化についての質疑

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月15日

 北熊本駐屯地に司令部を置く陸上自衛隊第八師団が3月末、全国初となる機動師団へと組織改編されました。従来は熊本県、宮崎県、鹿児島県の防衛警備を主たる任務としておりましたが、機動師団化によって必要があれば警備区域を越えて緊急展開する即応部隊へと改編されました。
 4月22日北熊本駐屯地で行なわれた模擬戦闘訓練は、敵の侵攻を退け、離島を奪還することを想定したもので、陸・海・空3自衛隊が一体となって作戦を遂行する極めて実践的な訓練でありました。
 もともと陸上自衛隊の主たる任務は、専守防衛のもと、本土を守る最後の砦という位置づけであります。ただ現実には、熊本地震など災害救助活動で大変大きな役割を発揮してこられました。しかし今回の組織改編は、まさに相手との戦闘行為を想定した戦う集団へと部隊の性格を変貌させるものであります。
 いっぽう、2015年の日米新ガイドラインでは、日本以外の第三国に対する武力攻撃に対処する。すなわち、海外の戦場に自衛隊が米軍とともに送り込まれ、共同で対処するという、日米安保条約からも逸脱する重大な内容が盛り込まれました。ガイドラインのもとで、自衛隊と米軍との一体化が進められ、日米共同訓練が強化されています。昨年12月、大矢野原演習場で日米共同軍事演習がおこなわれました。敵に奪われた日本の離島をアメリカ海兵隊とともに奪還するという想定で、オスプレイも投入され、高遊原分屯地とも結ばれ、夜間飛行訓練も実施されました。これまでは、米軍と自衛隊の指揮権は別だということで、共同訓練といえども攻撃作戦への訓練は控えられてきましたが、今回は米軍オスプレイに自衛隊員が搭乗し、ヘリボーン作戦と呼ばれる敵が占領する地域に部隊を投入する訓練も実施されました。
 憲法とも日米安保条約とも相容れない武力衝突を想定した実践的な訓練が熊本で実施され、またそうした任務を遂行するための戦う部隊づくりが熊本でも、そして九州はじめ全国でもすすめられています。
 一方で世界情勢はここのところ劇的に変化・発展しています。一時は戦争の危険まで懸念されるほど緊張が高まっていた朝鮮半島情勢は、南北首脳会談、そして史上初の米朝首脳会談など、歴史的な交渉の実現によって、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築に向けての展望が広がっています。日本政府はこれまで、「対話のための対話には意味がない」と、「最大限の圧力」を繰り返し強調してきましたが、いまや圧力一辺倒の外交・防衛路線は逆に世界から孤立する道につながりかねません。私は今こそ、日本政府も対話による交渉を重視し、北東アジアの平和促進や拉致問題の解決へ道を開くべきだと考えますが、知事はどのような見解をお持ちでしょうか。お尋ねします。
 さらに、自衛隊の活動について、政府にたいし、あくまで憲法を尊重した活動をと訴えるべきであり、海外での武力行使を想定した日米共同訓練は中止するよう求めるべきではないでしょうか。そして当面の具体的な課題として、いま自衛隊機や米軍機の事故トラブルが相次いでいます。少なくとも、納得のいく徹底的な原因究明と再発防止策を明らかにするまでは、住民生活圏上空の飛行は行なわないよう、求めるべきだと考えますがいかがでしょうか。以上、蒲島知事にお尋ねします。
 
 (切り返し)
 
 3月末に成立した2018年度の国の予算では、北朝鮮対処を名目とする迎撃ミサイルシステムイージスアショア関連経費やオスプレイなど、兵器調達費は4,102億円に膨れ上がっています。長距離巡航ミサイルの導入や空母いずもの改修など、敵基地攻撃能力保有に踏み出すものもあります。もちろん、北朝鮮の今後の動向も中国の領土問題での一方的な主張も注視する必要がありますが、従来の圧力と軍事的威嚇の応酬から、対話と交渉を重視する外交への転換によって北東アジアの平和的局面がもしも切り開かれるならば、それまで軍事に回していた予算を熊本地震への復興や暮らし福祉を守る予算へと振り向けるといったことも大いに可能になるのではないかと思います。
 私は憲法を生かした活動、平和的な外交努力を政府に求めることは希望ある未来へとつながると思いますし、逆にこのまま米軍と自衛隊の一体化や訓練強化が強められていくならば、県民の安全にも不安が広がるし、熊本の自衛隊の皆さんも海外の戦場に送り込まれる危険が高まることになると思います。知事におかれましては、ぜひ平和を希求する熊本県民の代表として、積極的に政府に対し、平和的交渉の発展を促すような努力をお願いしたいと思います。

2018年6月議会 医療費免除制度の復活についての質疑
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 医療費免除制度の復活についての質疑

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月15日

 次に、昨年11月議会に引き続き、被災者向け医療費免除制度の打ち切りの問題についてお尋ねします。前回、免除措置の延長を求めた私の質問に対し、古閑健康福祉部長からは、第一に、もし市町村が免除措置を実施すれば8割を国が措置する制度があること。第二に、災害等により生活困難となった方々について、収入額等に応じて一部負担金を減免する制度を利用することができること。第三に、この市町村の減免制度について、住民への周知徹底に取り組んでいく。とのご答弁をいただきました。
 まず第一点目でありますが、実際に免除制度を継続している市町村はありません。二点目の、医療費減免制度でありますけれども、被災者に対し新たに減免制度が適用されたのは、熊本市の一件だけにとどまっています。
 つまり打ち切られてしまった国の特例制度を補うような支援制度はほとんど機能していないと言わざるをえません。発災からわずか1年半で免除の終了というのは、東日本大震災と比較しても前例のない短期間であります。宮城県では、国の特例措置終了後半年間、県が2割の補填をして全額免除を継続し、いったん打ち切ったのちにまた一部復活させています。岩手県や福島県では、現在も医療費免除制度を継続しております。
 住まいやくらしの再建が思うように進まない中で、被災者の中に健康不安が広がっていること、また受診抑制が起こっていることは、様々な報道や調査結果などからも明らかになっております。
 免除制度が打ち切られる前後の、熊本市、および益城町国保における受診率の推移を示したグラフをお持ちしました。益城町のグラフで説明したいと思います。点線が地震前の平成27年度受診率の推移です。そして28年度をご覧ください。ミシン目のグラフであります。熊本地震発生の4月、大変な混乱の中で大きく受診率が落ち込んだことがわかります。そしてどんどん受診率が上がっていきました。慣れない不安な生活の中で健康被害が広がった可能性もあります。ところが平成29年度、実線のグラフでありますが、9月までは駆け込み受診の影響もあったかもしれません、大きく受診率が上がった後に10月、なんと前月比で25%も受診率が激減しております。ちなみに9月の受診率が100%を超えておりますのは、お一人で複数件の病院を掛け持ちするなどのケースがあるためであります。
 医療費免除制度の打ち切りがいかに深刻な受診抑制に直結しているかということがわかります。被災者の体調悪化や病気の進行が懸念されるところであります。
 熊本地震における震災関連死が他の大地震と比較しても多いということが指摘されております。地震で助かったかけがえのない命が、もうこれ以上脅かされるようなことがないよう、被災者の深刻な受診抑制を招いている免除制度の打ち切りは再考すべきであります。
 あらためて健康福祉部長におたずねします。依然として不安な生活を余儀なくされている被災者の方々を対象とした医療費免除制度を復活させるべきではないでしょうか。

2018年6月議会 仮設住宅の供与期間についての質疑
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 仮設住宅の供与期間についての質疑

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月15日

 続けて、仮設住宅供与期限についてお尋ねします。
 災害救助法では、仮設住宅の存続期間は、最長2年3カ月、と定められております。しかし実際のところ、2年で応急仮設住宅を撤去することは、過去の震災の事例を見ても不可能に近い事は明らかです。阪神淡路大震災の場合、仮設住宅は約5年間にわたって供与されました。東日本震災の場合は、今も仮設住宅供与が続いています。
 熊本地震においては昨年10月、熊本県の許可により、仮設入居を延長することが可能となりました。一方で熊本県は、入居者がたとえ延長を希望したとしても、なぜ供与期間に退去できないのか理由を回答させたうえ、延長を認めるかどうかを判断するという方針を打ち出したのであります。発災からわずか2年という期間で仮設延長に条件を付けた例は過去の災害においてもありません。
 私は4月25日上京し、内閣府に対し、なぜこんな条件を付けたのかとお尋ねしました。すると内閣府担当官からのご解答は、国から条件をつけるようにと言ったことは一度もない。あくまで熊本県のご判断ではないですか、とのことでありました。県と国が協議をして条件を設定したとうかがっていた私は大変驚いたわけであります。
 同じ災害救助法という法律でありながら災害規模の違いで支援のレベルに格差をつけるというのは、私はこれは、法の下の平等という大原則に背く重大問題だと思います。入居を希望しながら延長が認められず退去せざるを得なくなった事例を紹介します。
 父母、子ども二人の四人世帯、震災前は、家賃3万円の賃貸住宅に入居されていました。被災によりみなし仮設住宅に入居され、今回入居延長を希望しましたが、賃貸住宅希望の条件である障がい者、ひとり親、高齢者世帯ではないために延長できないとの決定を受けました。希望地域での物件は見つからず、震災前の家賃より1万5千円高い4万5千円の賃貸住宅への引っ越しを余儀なくされました。せめて震災前の家賃で家族が過ごせる間取りを見つけるまでは入居を認めてほしかった、とおっしゃっています。
 延長を希望しながら退去せざるを得なくなった方からの相談は議員の皆さんも少なからず聞かれていると思います。最長で2年3か月という仮設住宅の設置期間は、みなし仮設も含めてまだ満了期間を迎えておりません。今からでも熊本県は供与期間の延長に条件を付けるやり方を撤回し、希望するすべての方の延長をまず認めるという立場に立つべきではないかと考えますがいかがでしょうか。健康福祉部長の答弁を求めます。
 
 (切り返し)
 
 医療費免除制度について先日の熊本市議会では、大西市長が財政上の問題を理由に、復活は困難であるとの答弁をされています。やはり市町村にとっては財政負担が最大のネックであります。また、仮設供与の延長について国はいかにも「熊本県が勝手に条件を付けた」と言わんばかりですが、私は供与期間延長のために県の方々が国に粘り強く訴えてきた努力を理解しているつもりであります。私たち日本共産党が政府交渉を行なった際に内閣府の担当者は、「東日本と熊本地震で支援に差が出るのは当然だ」と本音であろう発言をされました。看過しがたい発言だと私たちが抗議すると撤回されましたが、やはり私は、熊本地震は東日本震災レベルの支援はしないという国の姿勢が、県・市町村財政や被災者の復興支援に影を落としていることは明らかであろうと思います。5月29日、熊本地震からの復旧・復興に向けた県と被災市町村による意見交換会が開かれ、市町村の首長さんたちから大変厳しい財政運営を余儀なくされている実情が次々と出されました。復興に向けての事業は町の負担が大きくて太刀打ちできない、本来やらなければならなかった事業を震災優先のため先送りしているが、必要な事業をやるためのお金が残らない。復興住宅に東日本なみの補助を実現してほしい、復興基金が弾力的に運用できるようにしていただきたい、などなど切実な訴えの連続であります。県市町村課によると、熊本地震関連予算にかかる実質負担は6.6%程度と大幅に圧縮されているといわれますが、金額にして327億8千万円と、莫大であります。東日本では、こうした市町村の実質負担をゼロとする特別立法が実現したけれども熊本では実現しませんでした。返す返すも残念であります。安倍首相は熊本地震発災直後、心配しないでください、熊本のためにできることは何でもやりますとおっしゃいました。私は熊本県は国に対し、その言葉にウソがないならば、仮設入居者の尻をたたくようなやり方をしなくてもいいように、あるいは自治体が医療費免除継続できるように、もっと支援してくださいと堂々と訴えるべきだと思います。
 被災者に寄り添った支援として生活再建支援法の拡充、応急修理制度の延長と拡充、希望に見合った災害復興住宅の建設と家賃軽減、宅地の軟弱地盤対策工事への補助の拡充、そして延長が認められた仮設住宅の生活環境改善など引き続き求めてまいりたいと思います。

2018年6月議会 立野ダム問題についての質疑
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 立野ダム問題についての質疑

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月15日

 本体着工に向けて準備が進められている立野ダム問題についてお尋ねします。
 私は、治水対策を進めるうえでの大原則として、もし万が一の事故・トラブルが発生しても住民に危険が及ばないよう安全に事態を収束させる、いわゆるフェイルセーフの立場が絶対に必要な要件だと考えます。
 こうした観点を前提に、立野ダムと国賠法の問題についてお尋ねします。
 国家賠償法第一条は、「国または公共団体の公権力の行使にあたる公務員が、その職務を行なうについて、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体が、これを賠償する責に任ずる」「2 前項の場合において、公務員に故意または重大な過失があったときは、国または公共団体は、その公務員に対して求償権を有する」とあります。
 私は、もし万が一、立野ダム建設により、住民に深刻な被害がもたらされるような事態が生じた場合、以下に述べる理由から、熊本県知事およびこれにかかわった歴代土木部長、担当職員等に対し、損害賠償を求める必要が生じる場合もあり得ると考えております。
 第一に、ダム建設に問題はないとする国交省や技術委員会の結論を支持するのみで、独自の検証に背を向けてこられた点であります。2016年9月議会では、爪楊枝などを使って行った模型実験でもって、放流孔の穴づまりは起こらないとする国交省の結論、これには専門家からも疑問の声が上がっていることを紹介し、より現実の水害に近い実験検証を訴えました。また地表に現れていない断層の動きについて、トレンチ掘削による地下構造調査を国に求めるべきだと訴えました。しかしいずれも形式的な技術委員会の結論をそのまま支持し国に調査を求めることをされませんでした。2017年6月議会でお尋ねしたダム上流部での土砂崩落の懸念に対しては、国において必要な対策が適切に実施されるものと考えていると答弁されましたが、国交省の斜面崩落対策の文書を見ると、湛水地周辺以外の崩落斜面は技術指針に基づく精査の対象になっていないとして、国交省として責任を負わない姿勢を示しています。熊本県は、こんな国交省、技術委員会の言い分に何ら異議や疑問を唱えることなく受け入れてきたわけであります。
 第二に、流域住民が繰り返し求める地域ごとの住民説明会開催の要望に背を向け続けています。その結果住民が立野ダムに対する疑問や意見を表明する権利と機会がほとんど保証されていないと言わざるを得ません。
 私は、もし万一立野ダムにおいて重大な事故が発生した際には、国賠法に基づく求償権が熊本県に生じると考えますが、知事はどのようにお考えでしょうか。また、私はそうした悲劇的な事態を生まないためにも、県のほうからぜひ国交省に対し、必要な調査の実施、および住民説明会の開催など、説明責任を果たすよう求めるべきだと考えますがいかがでしょうか。ご見解をおたずねします。
 
 (切り返し)
 
 熊本地震で崩落した阿蘇大橋は、右岸左岸が地震でずれたために崩落した可能性があるという土木学会の見解が出されました。新しい阿蘇大橋は地盤が動いても落橋しない構造が採用されています。これが冒頭紹介したフェールセーフであります。ところが阿蘇大橋から至近距離に建設される立野ダムの右岸左岸は絶対にずれないと国交省はおっしゃいます。なぜ絶対にずれないと言い切れるのか、それは地盤が動くようなところにはダムをつくってはならないという決まりがあるからであります。トレンチ掘削調査もやらずに、ダムサイトの地盤は絶対に動きませんという安全神話をもちこんで本当にダム建設進めてよいのでしょうか。もし南海トラフのような巨大地震が発生すれば、別府島原地溝帯への影響も懸念されるため、南海トラフ地震防災対策推進地域の中に阿蘇市も含まれております。私は、国交省の立野ダム安全神話に熊本県は巻きこまれてはいけないと思います。ダムによらない治水対策についても熊本県は黒川遊水地群など、全国にさきがけた取り組みを進めているではありませんか。想定外の異常気象や活断層の活動など、かつて経験したことのないような事態を身をもって経験した私達は、後世を生きる熊本県民に安心という財産を残すべきであります。立野ダム本体着工を前に、今一度熊本県が勇気をもって国に声をあげることを強く求めて次の質問に移ります。

2018年6月議会 水俣病問題についての質疑
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 水俣病問題についての質疑

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月15日

 水俣病問題についておたずねします。
 5月1日、水俣病公式確認から62年を迎えました。「最終解決」をうたった水俣病特措法の成立から9年が経過しております。にもかかわらず、水俣病問題は未だに解決しておりません。被害者の多くは高齢化し、健康被害に苦しみ続けています。
 そうした中で、チッソの後藤舜吉社長が、5月1日、被害者らに大きな衝撃と怒り・苦しみを与える発言をおこないました。この問題は、撤回・謝罪で一件落着というわけには行きません。なぜならこれまでも同様の発言が繰り返されてきたように、これがチッソ社長の本音だからであります。2014年にもチッソ社長は特措法で一時金支給の対象者が確定したことを持って「救済の終了だ」との見解を示し、批判を受けて後に撤回しました。一方、チッソの事業子会社JNC労組からの全面支援を受けて初当選した高岡利治水俣市長は2月、「チッソが所有するJNCの株式の売却について、国・県に売却を許可していただくように要請する」と表明しました。特措法は救済の終了と市況の好転を要件としてJNC株売却・チッソの分社化規定を盛り込んでいます。こうした発言の背景には、水俣病救済は終了したんだというお墨付きをいただいて、補償責任から早く逃れたいというチッソの願望が透けて見えるではありませんか。チッソは、自らが引き起こした水俣病問題に対する重大な責任を自覚していないのではないか、との疑念を抱かざるを得ません。水俣病患者に対する被害補償の負担によって、チッソそのものが潰れ、被害補償ができなくなってしまってはいけないということで1977年、県債発行によるチッソ金融支援の仕組みがつくられました。「チッソは死ぬことすら許されない」。当時いわれた言葉であります。しかし2009年7月、特措法において、救済の終了と市況の好転までは凍結されることを条件として、補償責任を継承する親会社と、収益事業を引き継ぐ事業会社とにチッソを分社化するという、重大な方針が盛り込まれました。親会社が清算・消滅してしまったら、もし将来水俣病被害者が補償や救済を求めて名のりあげようとしても、訴える相手がすでに存在しないということになってしまいます。チッソはすべての水俣病被害者が救済されるまで、補償責任から逃げることも消滅することも許されないという事を、はっきり自覚させる必要があるのではないでしょうか。
 チッソ後藤社長の発言問題では、濱田議員が前日の質問で取り上げられました。私は、知事に基本的なご認識をおたずねしたいと思います。熊本県は、加害企業チッソとともに、被害拡大の加害者であるという自覚のもと、患者救済においても環境の復元や地域再生においても、共同責任を負っていると考えますが、その責任を果たす覚悟と決意についてお尋ねします。第二点目は、いまだ手を挙げていない水俣病被害者が多数存在することは疑いようもありません。こうした被害者最後の一人まで救済するためには国が「手法の研究中」と言い続けて事実上実施に背を向けている不知火海沿岸住民の健康調査を早急に行うよう求めることなど、県が積極的な役割を果たすべきであると考えますが、知事のご認識をおたずねします。
 
 (切り返し)
 
 水俣病不知火患者会会長の大石利夫さんのことを本で読ませていただきました。感覚障害があり、手に針を突き刺しても痛みを感じなかった、孫を抱いてお風呂に入ろうとしたら孫が泣き叫び、なんでこんな熱いお湯に入れるんだと怒られた、料理の味が全く分からず、奥さんにおいしかったよという言葉が言えず情けない思いをした経験などが紹介されていますが、熱さや痛さを感じなくても、自分はそういう体質なのかと思い込み、病院を受診するまでは、まさか自分が水俣病被害者であるなどとは夢にも想像できなかったそうであります。天草市河浦町に住む岩崎昭雄さんも、水俣病と言えば劇症型患者のイメージしかなく、海の向こう側の話だと思っていたそうですが、あまりにひどい手足のしびれや感覚障害に苦しみ、初めて検診を受けて水俣病との診断に驚愕したされたそうであります。知事はご答弁で、「公健法に基づく水俣病の認定を求める方がある限り」と答弁されましたけれども、本当に水俣病被害者の方々に思いを寄せているとおっしゃるのであれば、まだ手をあげていない被害者の方々、自分の被害に気が付いていない方々も含めて、水俣病被害者全員、最後の一人まで救済する、という御決意こそ必要だということを指摘させていただきたいとおもいます。被害の広がりの実態を明らかにする必要があるのは当然であります。特措法に基づく健康調査が位置付けられてすでに9年が経過しています。いつまで手法の開発中という逃げの一手を許しておくのですかという点も強調しておきたいと思います。

2018年6月議会 児童手当の差し押さえについての質疑
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 児童手当の差し押さえについての質疑

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月15日

 次に、熊本県が、個人事業税の滞納を理由として、差し押さえ禁止債権である児童手当が振り込まれている預金口座を、全額差し押さえたという事件について、昨年11月議会に引き続きおたずねいたします。
 前回質問の際、池田総務部長は、最高裁判例のもと、県としては預金債権の差し押さえを適正に執行していると答弁されました。しかしそれは判決の都合の良い部分だけを取り出し、全体の趣旨を汲み取ろうとしておられません。最高裁判決は、差し押さえ禁止債権に対しての見解をなんら示してはおりません。その前の高裁判決は『受給者の生活保持の見地から差し押さえ禁止の主旨は十分に尊重されてしかるべきである。しかしながら、振り込まれた年金は被告人の一般財源となった。これが差し押さえ禁止の属性を継承していることを認めるに足りる証拠はない』との判断であります。わかりにくいかもしれませんがつまり、差し押さえ禁止債権の主旨を損ねるような差し押さえが許されるという根拠は示されていないことを指摘しておきたいと思います。
 そこで、前回の質問で総務部長にはお答えいただけていませんでしたので、再度おたずねしたいと思います。児童手当が振り込まれた直後だったら差し押さえは違法であるが、二ヵ月後であれば違法でなくなるという論拠は、一体どのような法的根拠に基づいて判断されているのでしょうか。広島高裁判決は、決して例外的なケースではなく、児童手当を狙い撃ちにした差し押さえは違法であるということが示されたものであり、振り込まれた直後であるかどうかという、時間の経過いかんが問題にされたものではないと考えますが、そうではないと総務部長が言われるのであれば、その具体的な根拠を明確にお示しください。
 そして第二点、児童手当法の精神にのっとり、本来児童手当は子どもに補償されるべきであり、保護者の滞納を理由として児童手当の受給権を児童から剥奪するということは適切でないと考えますが、県はどのような見解をお持ちでしょうか。
 第一点目は総務部長に、第二点目は健康福祉部長におたずねします。
 
 (切り返し)
 
 実にがっかりさせられる答弁であります。前回も申し上げましたが、県が差し押さえた口座は、児童手当を受給する専用の口座として作られたものであります。総務部長は当該預金について数度の入出金がされているから児童手当の受給権は確保されていると言われました。差し押さえを正当化するためにそこまでおっしゃるかと驚いております。まず出ているお金は子どもの学校給食費や習い事の代金の引き落としであります。児童手当以外に入金されているのは、残高不足になって引き落としができなくならないようにとお母さんがやりくりしてそのつど一万円、二万円と入金していたお金であります。もちろんお母さんだって、ご主人の滞納はご存知だったし、滞納は正しくないことだということも分かっておられたけれども、子どもの養育のためのお金だけは守らなければならないとの思いで児童手当専用の口座にしておられたわけです。児童手当が振り込まれてから、それを引き出す時間は十分あったじゃないかと総務部長はおっしゃるけれども、学校は給食費の滞納防止のために、口座引き落としにしてくださいということを強く指導するんですよ。どうしろとおっしゃるんですか。結局ですね。熊本県は一番確実に手っ取り早く回収できる預金債権を、それが児童手当によって構成されているということを承知の上で、滞納改修の財源にあてることを意図して、差し押さえを強行したのであります。まさに鳥取の差し押さえ事件で同県が断罪された地裁判決そのまま今回のケースにあてはまるではありませんか。
 なお、児童手当の差し押さえについて2009年4月17日、衆議院財務金融委員会における国務大臣答弁をご紹介します。そもそも児童関係の法律で差し押さえを禁止したことは、やはり児童手当とか児童福祉法で出すお金が具体的に子どもたちの養育に使われるように、その目的が達成されることを主眼に置いた規定であって、権利の差し押さえはいけないけれども、具体的に支給されたものが実際使用できなくなるような状況にすることもまた禁止されているというふうに解釈することが正しいと私は思います。当時の与謝野馨財務大臣です。当たり前のまともなことをおっしゃっているじゃありませんか。子供に支給された児童手当は子どもの給食費の支払いのために使いたい、子どもの習い事に対して使いたい、その目的を達成するためには口座引き落としという相手方の事情のために口座から引き出せなかったんです。ところが熊本県は口座から引き出さないのが悪いんだと言って、児童手当を子どものために使うという目的達成を乱暴にも妨害したのであります。財務大臣が、こんなことしちゃいかんとおっしゃっているじゃありませんか。
 こうした違法まがいの差し押さえは今後ますます強化されるのではないかと危惧します。先日、菊陽町が出したストップ滞納、差し押さえ強化中というチラシを見て驚きました。このように書かれています。預貯金の差し押さえ。銀行口座などの預貯金を差し押さえ滞納税金へ当てます。給与の差し押さえ、勤務先を調査し給与を差し押さえます。必然的に勤務先に滞納していることが知られます。不動産の差し押さえ、自宅や土地などの不動産を差し押さえて公売します。自動車の差し押さえ。タイヤロックなどで使用ができない状態にし、その後公売します。闇金サラ金の取立ても真っ青のまるで脅迫文であります。そして最後のところに、今年度は県の税務課と連携をとり滞納処分の強化を行ないますと書かれています。総務部長、滞納整理に当たっては個別事情に配慮しながら、一人ひとりに対して丁寧に対応していくとおっしゃいましたが、このチラシに書かれているのは脅迫と脅しだけではありませんか。どこが丁寧な対応と言えるのですか。しかもわざわざ県の税務課と書き添えられています。県の指導で作ったチラシではないんですか。こうした差し押さえはこれからもやっていく、むしろこれからもっと強めていくということではないんですか。商売道具の車を差し押さえられ、一家心中に追い込まれた悲劇をもう熊本県は忘れてしまったのですか。こうした税務行政は絶対に容認できないしこれからも対応の改善を求め続けてまいります。

2018年6月議会 TPP問題と今後の農政のあり方について の質疑
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 TPP問題と今後の農政のあり方について の質疑

 2018年熊本県議会 6月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年6月15日

 最後に農業問題についてお尋ねします。
 米国を除くTPPが13日、国会で承認されました。安倍政権は関連法も今国会で成立させ、早期発効をめざそうと前のめりであります。
 TPP11は、日本以外の加盟国の受け止めに注目すると、その危険性が良く理解できます。カナダの農業新聞「ウエスタン・プロデューサー」は、TPP11で、豚肉、牛肉、小麦などカナダ産農産物の対日輸出が大幅に拡大する。特に豚肉は、約246億円増えるとの試算を紹介していますが、これは日本政府が試算する豚肉生産減少額に、すでにカナダ一国だけで匹敵する金額となっています。オーストラリアの貿易・投資担当大臣も、日本への牛肉輸出がさらに増加していくと歓迎しています。ニュージーランドも、日本への乳製品の輸出が約2倍になると試算しています。いずれも、日本政府が試算する日本農業への影響額をはるかに上回る日本への輸出を見込んでいるのであります。さらに昨年末に交渉妥結した日EU・EPAでも、TPP以上の自由化が盛り込まれています。一方アメリカとの関係では、日米FTAでさらに日本への圧力が強められることが懸念されます。こうした際限のない自由化によって日本農業が深刻な打撃を受けることは必至です。
 政府はTPP11による農業生産への影響試算を発表しましたが、関係者からはあまりに楽観的過ぎると厳しい批判が出ています。熊本県は2月、政府の試算を参考にして熊本県農林水産物への影響試算を発表しました。TPP12と同程度の影響の可能性とのことですが、はたしてそれにとどまるか大変危惧されます。
 いっぽう世界では、農業の将来のあり方について注目される流れが生まれています。国連は昨年末、2019年から28年を家族農業の10年に指定し、小規模・家族農業を支援しようと呼びかけました。輸出偏重や企業的農業によって、貧困や飢餓、地球環境の悪化がもたらされた。解決のためには、地域に定着する家族農業を守り発展させることが不可欠だ、との立場であります。
 熊本県は5月に取りまとめた国の施策等に関する提案の中で、自由化促進を前提とした競争力強化を打ち出し、輸出拡大・稼げる農業、農地集積や大規模化など、政府の農業政策に付き従う姿勢を示しておられますが、いっぽうで中山間地農業、家族経営農業は疲弊し、高齢化や農業従事者の減少が進行しています。競争力強化を全否定するものではありませんが、家族経営でも成り立つ農業に今あらためて光を当て、家族農業中心で農村・中山間地を再生する農政を強く推進することが求められているのではないでしょうか。際限のない自由化路線に異議を唱え、価格保障や所得補償で家族経営が安心して生産に励める土台づくりこそ重視すべきだと考えますがいかがでしょうか。農林水産部長のご見解をお尋ねします。
 
 (切り返し)
 
 ご答弁いただきましたが、私は大前提としてTPPを中止しなければ日本農業は守れないと思います。政府は、農業総生産額が増えていると強調しますが、農産物の供給量は減少しています。農業従事者も耕地面積も大きく減少しています。国連食糧農業機関、FAOは、これまでは農業の近代化・大規模化を推進してきましたが、世界の農業経営体の85%が農地面積2ヘクタール未満であること、世界の食料の8割が小規模・家族農業によって生産されていることを再評価し、家族農業以外に持続的な食糧生産のパラダイムはないと方針転換したのであります。小規模・家族農業が持続するためには、生産費をカバーする水準の価格保証、農業が果たす食糧生産、国土を守る公的役割を正当に評価した所得補償をおこなうことが必要であります。
 中山間地農業の発展のための独自施策もご紹介いただきました。ぜひ成果を期待したいと思いますが、一方で特に中山間地域では熊本地震と豪雨被害からなお立ち直れない箇所を多く残しています。農地復旧にしても機械が入りづらく工事を受注できる業者も少ない。そんな中で今年も作付けができなかった、用水路に水が流せなかったと、農家の中にはあきらめ感も広がっています。先人たちが山林を切り開き、驚くような技術で棚田や用水路を整備し、中には150年以上もの長きにわたって地元の方々によって守られてきた歴史的にも貴重な農地が、いま消滅の危機に瀕しています。美しい中山間地農村の景観や地域の伝統、環境、そして安全でおいしい食糧の生産を守るためにも、私は特別な位置付けて中山間地の被災農地の復旧と農家支援にあたっていただくことを強く要望したいと思います。

2018年2月議会 新年度の当初予算案に対する反対討論
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 新年度の当初予算案に対する反対討論

 2018年熊本県議会 2月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年3月16日

 日本共産党の山本のぶひろです。議案45号、平成30年度一般会計予算、および議案61号、平成30年度熊本県国民健康保険事業特別会計予算についての反対討論を行ないます。新年度予算の基本的な考え方として知事は、新たな熊本への確かな道筋を作る予算だとして、創造的復興に向けた重点10項目をはじめ、将来世代にわたる県民総幸福量の最大化につながる、実効性の高い施策が展開できるよう編成していると強調されました。このような中で多子世帯の保育料軽減のため、対象年齢を拡大し、新たに幼稚園も対象としたことや、奨学金返済が実質的に免除となる新たな支援制度の創設など、積極的に評価できるような取り組みも盛り込まれております。

 ただ、昨年5月の中期的な財政収支の試算において、平成30年度以降、29億から94億円の財源不足額が生じる見込みであるとされ、そのため、昨年10月に財政課が取りまとめた「平成30年度予算編成方針について」では、効率的な予算の執行に取り組むとして、一般行政経費や単独投資的経費について平成以降最大となる対前年度80%のシーリングという水準が、今年度に引き続き来年度についても維持されたものとなりました。

 熊本地震関連事業によって厳しい財政運営を余儀なくされている熊本県は、新聞報道などでも「県のケチケチ作戦」などと揶揄されたように、涙ぐましい節減努力を続けておられます。こうした点からも私は莫大な県費を投入する大型公共事業については、その必要性、緊急性について検証し、時には勇気を持って見直すことも必要であろうと思います。その代表例と私が思います立野ダム建設について申し上げます。昨年12月県議会で述べましたが、少なくとも基準点が設置されている下流域、熊本市においては、上流から供給される堆積土砂を適正に、定期的に除去しさえすれば、すでに河川整備計画において当面の目標と定められた流量を大きく上回る流下能力が得られていることから、立野ダム建設については、いったん事業を凍結し、震災復興やくらしに予算を回すべきではないかと申し上げました。同事業の今年度の直轄負担金は今議会の増額補正も含めて合計10億3,400万円余、さらに新年度の負担金額は11億200万円であります。先日、議案に対する質疑で私が求めました、乳幼児医療費事業の助成対象年齢の引き上げを、もし仮に、多くの他県が実施している就学前まで引き上げたとして、そのために必要となる予算規模は約5億円から6億円と試算されております。県民のいのち暮らしを守ることや震災からの被災者本位の復興を進めていくための事業をちゅうちょなく積極的に進めていくことこそ、厳しい財政状況の中にあっても切実に求められているだけに、私はこうした莫大な県費負担が生じる大型公共事業についての必要性、緊急性、経済効果について、他の選択肢も含めた客観的・総合的検証および場合によっては勇気ある見直しなど求めるものであります。

 次に、国民健康保険制度の新年度からの広域化にともない、関連予算が計上されております。政府・厚生労働省は国保の広域化について、払える保険料にするための制度改定であることを強調していたはずであります。ところがいざフタをあけて見れば、多くの市町村が、国の激変緩和や市町村独自の法定外繰り入れなどしなければ、保険料が従来よりも上がってしまうという事態が明らかになりました。しかも激変緩和措置は一定期間をかけて解消されていくわけであります。今でさえあまりに高い保険料負担に被保険者が苦しめられている中で、制度改定にともなってさらなる保険料の引き上げや徴収強化に市町村が駆り立てられていくならば、ますます制度そのものの健全な運営自体が危ういものとならざるを得ません。そもそも国保事業に対しての国庫負担が減らされてきたことが矛盾拡大の根本でありますし、そこはぜひ県としても政府に強く意見を上げていただきたいと思います。同時に少しでも市町村や被保険者の負担軽減がはかられるよう、東京都が実施を決断したように、県独自の法定外繰り入れを行うこともぜひ私は熊本県に求めたいと思います。

 次に、くまモンの新たな海外戦略に関連し、くまモン共有空間拡大推進事業として2,100万円に加え、新規にくまモン海外プロモーション推進事業として4,200万円が計上されております。議案説明の中で知事は、国内外、とくにアジアを中心に絶大な人気を誇るくまモンの共有空間を、全世界に拡大する、新たな海外戦略を展開すると強調されました。報道では、海外企業がくまモンを利用した商品化に乗り出すことを解禁する一方で熊本県のPRを求めない、と言われています。私はこうしたやり方がどのように本県の経済効果を高めることにつながるのか、どのような経済効果の試算が行われているのか、判然としません。そもそも、くまラボでの開かれた議論はあったとされておりますけれども、一体どのような過程で今回の政策決定に至ったのか、そこに熊本県や県民、地元業者の意見の反映はどの程度考慮されたのか、なぜ突如としてアサツーディ・ケイという、東京の一企業が海外版権の元締めになったのか、その決定過程に、公平性や客観性がどのように担保されたのか、本会議でのやり取りもございましたが、どうにも腑に落ちません。今後の利用についての相談窓口もアサツーディ・ケイに置かれるとのことでありますが、そうなると民間同士の交渉ごととなり、県の公式キャラクターとしての公共性、地元企業の優位性はどのように確保されるのか、熊本の企業は大きな資本に太刀打ちできなくなるのではないかといった不安も払拭できません。くまモンは、これまで大きな経済効果を地元熊本に生み出してきました。しかしその恩恵を受けてきた地元県民や業者の方々が、あまりにも唐突な県の発表に驚き、戸惑い、不安を募らせているのは非常に悲しむべきことであります。新制度により新たにライセンスを受けた商品の販売開始時期は10月以降とされていますが、私はせめて結論やスケジュールありきでことを進めるのではなく、県民や地元業者の意見を十分に聞き、そのうえで制度の詳細を開かれた形で提案し、誰が考えても納得が得られる方針を練り直すべきだと考えます。
 以上のような点を申し上げ、討論を終わります。

2018年2月議会 子どもの医療費助成事業に関しての質疑
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 子どもの医療費助成事業に関しての質疑

 2018年熊本県議会 2月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年3月8日

 日本共産党の山本伸裕です。提案されております来年度熊本県一般会計予算案の中で、乳幼児医療費事業についてお尋ねします。助成対象年齢は現行通りのまま、4億8,152万7千円の予算額が提案されております。
 私は2015年6月議会でも、市町村への助成水準を引き上げるべきではないかという質問を知事に対して行ないました。当時においても、熊本県の助成水準は全国最低レベルでございましたが、その後さらに他の都道府県との格差は広がっております。現在、入院時の助成対象が3歳児までという水準にとどまっているのは全国で熊本県ただ一県であり、他の都道府県は、少なくとも就学前までを助成対象としています。通院の場合においても、助成対象は3歳児まで、というのは全国最低であり、多くの県は少なくとも修学前まで助成しているというのが現状であります。
 知事は2015年6月議会においての私の質問に対し、すでにすべての県下市町村が、県の補助制度に独自に上乗せをして助成をおこなっているため、市町村への助成対象を拡大しても、市町村の財政負担の肩代わりにしかならず、県民幸福量の最大化にはつながらない、また、県としては、単に、他県がしているから、また、他県の水準並みにということではなくて、県民が本当に必要としていることは何かを丁寧に把握したうえで、真に県民幸福量の最大化につながる取り組みを実施してまいる、と答弁されています。
 けれども、市町村から県に対し対象年齢を拡大してほしいとの願いが切実に存在しているということは、県市長会が繰り返し熊本県に対し、早急な改善を求める要望書をあげていることなどを見ても否定しようのない事実であり、そのことは県としても真剣に、真摯に受け止めるべきではないでしょうか。
 医療費助成事業は、医療費の負担を助成し軽減することによって、子どもたちを安心して産み育てることができる環境づくりの推進をはかるものであります。少子高齢化や子どもの貧困、子育ての経済的な負担が、ますます深刻な社会問題となる中で、子どもが病気になった、熱が出た、怪我をした、虫歯になった、そんなときにご家庭の経済事情に関わらず、お金の心配をしないで安心して受診、治療できるように支援するというのは、まさにセーフティーネットの基本であり、行政ができる子育て支援策の一丁目一番地に位置付けるべき問題ではないでしょうか。その事業がダントツで全国最低水準でありながら、なお見直しを行なわないというのは、いくら他の子育て支援を充実させていると強調されても私は、肝心な問題が置き去りにされているのではないかと言う思いを抱かざるを得ません。
 厚生労働省は、国保制度における子どもの医療費助成に係る国庫負担金の減額調整措置、いわゆるペナルティを、未就学児までに限り廃止することを決め、新年度から実施されることとなり、予算措置されました。その額は全体で約56億円であります。現在、県内市町村ではすべて中学3年生まで何らかの医療費助成を実施しておりますが、今まさにこの機会に、熊本県が、市町村が実施している医療費助成への支援を強める決断をすれば、全体として子育て支援の更なる充実を進める機会につながると思うわけであります。
 ぜひ知事にご決断を求めたいと思いますがいかがでしょうか。お尋ねします。
 
  (知事答弁骨子)
 
 〇限られた財源の中で、多様な行政需要にいかに応えるか、どの施策を優先すべきか、常に考え、決断している。
 〇医療費助成は、すでに県内市町村が県補助に上乗せして実施している。
 〇市町村への助成を拡大しても、県民にとってサービスの向上につながらず、市町村の財政負担の肩代わりにしかならない。
 〇限られた財源を真に必要な施策に集中すべきと考え、ひとり親家庭の学習支援、待機児童の解消など少子化対策に取り組んできた。
 〇地震からの復旧・復興を最優先に取り組んでいる。一方で人口減少、少子化対策は待ったなしの状況。
 〇考え抜いた結果、国に先駆け、多子世帯の保育料軽減措置の拡充に必要な予算を今定例会に提案した。
 〇県民が必要としていることを把握し、県民総幸福量の最大化につながる取り組みを実施していく。
 
  (再登壇)
 
 熊本県が実施した子どもの実態調査の中で、経済的困難で控えたこととして、「医療機関への受診」と答えておられる方が2%おられたとのことであります。2%というと少ないと思われるかもしれませんが、県下中学3年生までの子どもの数を考えると約24万人、2%というと4,800人であります。調査結果の比率を単純に当てはめるならば、県下約5,000人という規模の子どもたちが、経済的困難を理由に病気もしくはけがなどがあったとしても病院に行かなかったということが推察される、深刻な実態であります。
 知事のご答弁は、前回と同じご回答であり残念であります。ただ前回も申しましたが、市町村の肩代わりにしかならないと言うのは、それは違います。前回の一般質問の際に千葉県、兵庫県などの実例を紹介しましたとおり、県が助成対象を拡大すれば、市町村はさらに支援策の充実をはかることができるわけであります。市町村が厳しい財政状況の中がんばってこの間、子どもの医療費助成の対象年齢を引き上げてきたのは、それが子育て世代のお父さんお母さんたちから切実に求められ喜ばれているからであります。ほかの県より遅れているとか、ほかの県がやっているからとか、そんなことじゃないんだと言われますが、それでも私はやはり、子どもの医療費助成において全国ワーストワンと言うのは改善して返上すべきだと思います。そのことを申し上げまして終わります。