議会質問・討論・意見書 2017年


平成28年度熊本県一般会計歳入歳出決算の認定について反対の討論
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 平成28年度熊本県一般会計歳入歳出決算の認定について反対の討論

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月14日

 日本共産党の山本伸裕です。平成28年度熊本県一般会計歳入歳出決算の認定について反対の討論をおこないます。
 まず、歳入確保についてでありますが、委員長報告の通り、収入未済の解消について過去10年間で最も少ない額となっており関係部局の努力が感じられます。しかし懸念されることは、5月にまとめられた中期的な財政収支の試算についての中で言われている通り、今後中期的に各年度29億円から94億円の財源不足が生じると見込まれることであります。自主財源の確保と組織をあげての徴収促進ということが強調されておりますが、強権的徴収は戒めるべきでありますし、自主財源の確保にも限界があります。やはり、試算の中でも指摘されている通り、国からの継続的かつ中長期的な財政支援は不可欠であります。東日本大震災の場合、財務省は東日本大震災復興特別会計を作り、これを財源として被災団体に交付する復興交付金を2011年補正から2016年予算まで計約3兆円を拠出しました。また、被災団体の実質的な負担をなくす震災復興交付税を2011年から2015年までの累計で約4兆円拠出しています。金額の規模は異なるでしょうが、私は東日本震災時における国の措置に匹敵するような水準で、熊本でもやはり県内の被災自治体の実質的負担をなくす財政支援を、国に対し強く求めていくべきであろうと思います。
 
 ところで、以前、経済財政諮問会議において地方公共団体が積み立てた基金の残高が増えていることがやり玉にあげられ、地方公共団体は資金的に潤っているのではないか、国と地方の資金配分を再考すべきではないかとの議論が起こりました。しかし熊本地震発災の際、熊本県は基金があったからこそ迅速な財政出動ができたわけであります。熊本地震の教訓を踏まえ、基金残高が多いとの批判の声に対してはしっかりと国に対して反論すべきであろうと思います。
 
 次に、平成28年度の施策と成果について意見を申し上げます。まず総務部関係、適正な行財政運営に関する問題であります。熊本地震によって見えてきた県政運営の課題は多々あると思いますが、その一つが職員数の適正な確保という問題であります。現在もなお、一部職員の長時間、過重労働が続き、健康被害の広がりも懸念されております。災害査定時の技術系職員の不足、市町村からの応援要請に十分こたえられなかった問題、通常業務のうえに震災対応業務が加わり、仕事量が格段に増えたなどの問題点が生じました。こうした状況を考えると、県は職員定数の抑制を続けてきましたけれども、やはり震災の教訓からしても、必要な職員数を充足するということは大事な観点ではないかと思います。
 
 次に企画開発部関係ですが、球磨川治水対策協議会が三回開催されております。協議会は、ダムによらない治水を検討する場で積み上げられた対策について、引き続き流域市町村の協力を得ながら着実に実施していくことを確認しています。しかし、進めるべき治水対策が遅々として進まない現状があるにもかかわらず、協議会が有効に機能せず問題個所が放置されていることは重大であります。一つ具体例を申しますと、国土交通省は、各地のダム湖の堆積土砂についての定期検査を実施しておりますが、その中で球磨川の瀬戸石ダムが、最も洪水被害発生の危険性が高い総合Aの判定をなんと8回連続で受けております。8回連続A判定という烙印が押されたのは全国の中でも、瀬戸石ダムただ一箇所であります。これは県として恥ずかしい事態ではないでしょうか。ダム湖の管理責任は設置者である電源開発に責任があります。しかし水利権更新の際に蒲島知事は地域からの要望・意見に対しては真摯に耳を傾け、十分な配慮・対応をしていただきたいと求めており、住民の生命財産を守る立場から考えても、球磨川流域の安全を守る責任を不問にするわけにはいきません。流域住民から繰り返し要望が出されているにもかかわらず、膨大な土砂が堆積し水害常襲地帯となっている状況が深刻化したまま放置されている事態を重大視し、県の対応についても厳しく検証されるべきであります。球磨川治水協議会としても必要な治水対策の着実な実施を確認するという目的に立ち返って主体性を発揮すべきであります。
 
 健康福祉部関係については、乳幼児医療費助成事業について意見を申し上げます。通院についての助成対象年齢が全国最低であった宮城、新潟の両県がそろって助成対象年齢を引き上げたために、ついに熊本県が入院、通院ともに全国最低の助成水準となりました。一般質問でも申し上げましたが、子育てするなら熊本で、とおっしゃるのであれば、子育て支援策の現状がどうなのか、熊本県は真摯に検証すべきではないかと思います。県が実施した子どもの生活実態調査においても、経済的な困難が、生活の基盤である衣食住から、健康を守るための医療、学習環境などの局面で、一定の影響を与えていることが推察されると分析していることは重要な指摘であります。また、熊本地震との関係でも、復興の大きな制約は担い手の不足、人手不足は若年層を中心とした生産年齢人口の県外への流出といった構造的要因が強く影響している、との指摘があります。そうした点から考えても、子ども医療費助成制度の拡充は、若年層が安心して熊本で結婚し子どもを産み育てることのできる大きな要因になるものと思いますし、改善を求めるものであります。
 
 次に、環境生活部関係では人権施策推進事業について意見を申し上げます。人権教育・啓発に関する取り組みについては熊本県人権教育・啓発基本計画の内容に問題があると感じています。基本計画では、同和問題を基本的人権の侵害にかかわる重大問題として特別の位置づけで推進がはかられています。しかし元々2002年に同和行政が終結し、国民の多くが日常生活において部落問題に直面することはほとんどなくなっています。時として不心得な非科学的認識や偏見に基づく言動が発生したとしても、そうした言動は社会で受け入れられないという民主主義の力を強めていくことこそが重要であります。行政の施策はすべての国民に公平に運用するのが原則であり、人権問題の相談、教育、啓発活動は一般施策で行うべきであり、同和をことさらに強調した集会、研修会、啓発事業などの支出は適切ではないと考えます。
 
 土木部関係では、建設産業総合支援事業に関わると思われますが、災害復旧工事、解体工事を巡って多重下請け構造のもとで工事代金の遅延や不払いなどのトラブルが発生しております。現行法体系のもとでの県の対応には確かに限界がありますが、しかしこうした事態が生じた教訓に学び、この機会に下請け業者や末端の労働者を守る公契約条例の制定へ今こそ県は腰を上げるべきではないかということを申し上げたいと思います。
 
 教育委員会における親の学び推進事業に関してですが、愛としつけといったスローガンが掲げられ、家庭教育の重要性や役割の啓発活動などが推進されております。しかし、日本政府も批准している子どもの権利条約においては、教育は学校教育と位置づけており、子どもの調和の取れた発達、必要な習慣を身につけることや自立心の育成などを家庭で教育することは想定していません。なぜなら家庭は私的な領域であり、行政が家庭の子育て方針の自由を侵害してはいけないという考え方にもとづいているからであります。子育ての悩みを相談できる窓口を提供することなど、行政が親の子育てを支援することは必要であると考えますが、行政が親に子どもの教育について指導することは適切ではないと考えます。
 以上のような意見を申し上げ、今後の県政運営に活かしていただくよう求めて討論を終わります。

知事提案反対討論
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 知事提案反対討論

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月14日

 日本共産党の山本伸裕です。
 まず議案第一号、平成29年度熊本県一般会計補正予算についてでありますが、益城町木山地区の土地区画整理事業における用地買収費用として7億3千300万円が計上されており、この費用については賛成できません。本事業を県が事業主体となって進めることについて、知事は議案説明において、益城町の皆様の一日も早い復興と、新しいまちづくりに対する強い思いと熱意を感じた、と強調されました。ただ、益城町が事業施行区域の地権者を対象に実施した意向調査によると、回答者の67%が事業に賛成しているものの、一方で31%が反対であったと報じられています。また町議会も賛否両論の意見があると報じられています。あたかも住民上げて事業が待望されているかのような印象を与える表現は誤解を招きかねません。まちづくりは、あくまで住民合意、住民本位を基本に据えなければならず、多数決をとって進めてうまくいくというものではありません。益城町の復興計画では、復興の推進にあたって住民、町と議会、国と県それぞれの役割について次のように述べています。住民は復興の主体として、取り組みを進める。町や議会は復興に向けた取り組みを主導しつつ、住民の取り組みを積極的に支援する。国や県は住民や町の取り組みに対して、広い範囲からの支援を行なう。こうしたそれぞれの役割、持ち分を踏まえることが大事であると思います。まさに県の役割は住民本位の復興を後押しする役回りに徹するべきであると思います。もともと、区画整理事業というのは、道路や公園など公共用地を作り出すために、地権者に対し一定の土地の提供を求めるとともに、以前の土地の持ち分に応じて改めて土地を分け与えるという手法でありますが、減歩をする余裕のないほどの小さな土地所有者には精算金が課せられる場合もあるなど、決して地権者にとってもろ手を挙げて歓迎できる手法とは言えません。全国な事例では、住民の要求が受け入れられないまま、計画や事業決定が進められたことで、あちこちで住民と行政との係争にまで発展しています。さらに問題は、いったん都市計画決定をしてしまうと、後戻りすることが非常に困難になりますし、もし地権者の反対が多ければ事業そのものがストップしゆきづまるという事態にもなりかねません。
 
 知事は益城町の一日も早い復興を、と強調されますが、ボタンを掛け違えたまま焦ってスタートを切っても、益城町の復興というゴールが逆に遠のいてしまうことも懸念されます。そういう点では、町の議会の了解も待たず、都市計画決定も待たずに用地の先行取得に着手するという今回の提案はいささか拙速との感を禁じえません。
 
 いま、住民の中に、区画整理事業ではないべつのやり方でまちづくりを進めていく道があるではないかという議論もおこっており、地域住民の要望、町や県、まちづくり専門家の意見を出し合い、しっかり議論して、住民に対立、分断、禍根を残さない住民本位のまちづくりをすすめていくことこそ県が後押しするべきであると考えます。
 
 次に、議案第49号、熊本県職員等退職手当支給条例等の一部を改正する条例の制定についてでありますが、これは国家公務員の退職手当の支給水準との均衡を図るという理由により、県職員の退職手当を引き下げるというものでありますが、私は反対であります。
 
 退職手当は、退職後の生活を支える重要なものであり、県職員の皆さんは引き下げられる前の退職手当の支給水準を見込んで生活設計を立てておられる方も少なくないと思います。この支給水準が、国家公務員の場合の平均で約78万円、県職員もこの水準に準拠して削られてしまうというのは、そうした生活設計に決して小さくない影響を及ぼすことになります。加えて、民間労働者の場合は退職した際に雇用保険の適用が受けられますが、県職員には雇用保険の適用はありません。今回の支給水準の見直しは、国家公務員の支給水準との均衡を図る為であるとされております。国家公務員の支給水準は民間企業の退職給付水準との均衡を図るとの観点で見直しが行われておりますが、官民比較というのなら、こうした公務員の不利益面も考慮すべきであり、単に退職金の支給水準だけを比較するというのは適切ではありません。蒲島知事は、熊本県の職員は全国一素晴らしいと、日ごろから胸を張って強調されておりますし、また熊本地震などの対応をはじめとして県職員の皆さんは過酷な任務を誠実にこなされてきたわけでありますから、熊本県としては、国家公務員の支給水準に機械的に歩調を合わせるというよりも、むしろ積極的に、民間とは単純に比較できない公務員の特殊事情も配慮したうえで、適正に評価された支給水準を確保すべきであると考えます。
 
 次に、請願第28号、教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちに行き届いた教育を求める私学助成請願についてであります。委員会の採決は不採択でありますが、採択すべきであると考えます。
 
 安倍首相は総選挙の目玉政策として、経済支援が必要な子どもへの高等教育無償化や幼児教育の無償化など実施すると表明されました。総選挙では多くの政党が公約として掲げたこともあり、全国的に教育無償化を実現させようとの機運が高揚しています。保護者や教職員で作る「ゆきとどいた教育をすすめる会」は先週8日、教育予算の増額や私学助成拡充、教育の無償化を求める署名の集約会議を東京で開催し、541万人の署名が集まったことが報告されました。同日、全国私学助成をすすめる会は国会内で、学費の公私間格差を是正するよう求める署名の集約集会を開き、479万人余の署名が集まったことが報告されました。長年の運動により、累計の署名数は5億人を突破しているとのことであります。教育予算の増額、私学助成の拡充はもはや国民的コンセンサスが得られています。党派を超えてオール熊本で、私学に通う保護者や生徒、教職員らの願いにこたえ、国に声をあげていくことが県議会に求められていると思います。議員各位のご賛同を呼びかけて、討論を終わります。

オスプレイの問題について
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 オスプレイの問題についてについて

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月4日
 垂直離着陸型の輸送機オスプレイの問題についてお尋ねします。ご存知の通り、事故が相次いで発生し、全国に不安が広がっています。
 昨年12月に名護市の海岸に墜落し機体が大破した事故がありましたが、その事故機は同じマークが機体に描かれていたことから、2014年の日米共同訓練の際に熊本に飛来した機体である可能性が高いと指摘されております。以降、国内外で事故やトラブルが続発し、事故件数は毎年右肩上がりに増加しております。今年9月に公表された最も重大な事故とされるクラスAの事故率は3.27。この数値は、オスプレイが2012年に普天間基地に配備される際に防衛省が公表した事故率1.93のおよそ1.7倍であります。
 このオスプレイを投入した米海兵隊と陸上自衛隊との共同訓練が、今月8日から大矢野原演習場などを使って行なわれます。陸上自衛隊第8師団から約350名、米海兵隊から約400名が参加し、MV22オスプレイ4機が使用される予定であります。また夜間飛行訓練もおこなわれます。
 こうした共同訓練に関し、住民が不安を抱くのは当然のことであります。そもそも、訓練実施のひと月前になるまで、具体的な日時や訓練場所について、県や地元自治体に何ら説明がなかったことなど、政府・防衛省の姿勢は極めて不誠実なものであったと言わなければなりません。
 また、陸上自衛隊は高游原分屯地を候補地の一つとしてオスプレイの配備を検討しているとの複数の新聞報道がありました。高游原分屯地は、阿蘇くまもと空港に隣接しております。報道が事実であれば、危険なオスプレイが、熊本の空の玄関口付近を、そして今なお多くの被災者が避難生活を送るテクノ仮設団地付近を飛び交い騒音、事故などの深刻な不安を住民に与えることになります。報道の事実関係について防衛省は、何も決定していないと、まともな回答をしていません。
 私は、県民の安全を守る知事の責任を鑑みるならば、少なくとも防衛省に対し、この間発生したオスプレイ機の事故原因の解明と対策が行われたのかという説明を求めること、そして納得いく説明がない限りは、オスプレイを使った日米共同訓練を熊本において実施することも、高遊原分屯地にオスプレイを配備することも認められないということを表明すべきであると考えますがいかがですか。蒲島知事にお尋ねします。
 
 (オスプレイ切り返し)
 安全・安心の確保や十分な情報提供を要望しているとのことでありますが、例えば夜間飛行訓練後、オスプレイは岩国基地に帰るわけであります。その飛行ルートは米軍の運用事項でありどこをどう飛ぶかは防衛省も知らないとのことであります。住宅地上空を飛ばないよう要望しているといっても、何ら確約はありません。知事は、訓練終了後の飛行ルートも含めて明らかにせよと、毅然として求めるべきであります。
 先週金曜日、県内野党四党共同で、九州防衛局に対し、日米共同軍事演習中止の申し入れをおこないましたが、その席上、九州防衛局から、高游原分屯地で体験搭乗会をおこなう計画を聞きました。2014年、蒲島知事も体験搭乗されましたが、知事はその時、県議会で、オスプレイの安全性については、私自身が体験するということで皆さんもご理解いただけるのかと思います、と述べておられます。知事の体験搭乗でオスプレイは安全だとのアピール効果は大きかったと思われますが、しかし近年のオスプレイの相次ぐ事故を考えると、その対応は重大な誤りではなかったかと私は思います。今回もまた体験搭乗会の案内が県に来ているとのことであり、高遊原分屯地へのオスプレイ配備への布石ではないかとの印象も受けます。暫定配備を検討している事実はないとの回答を得たと知事は言われましたが、日本共産党が九州防衛局との交渉の中で、それでは新聞報道はフェイクニュースなのかと問いただすと、お答えになりませんでした。配備計画があるのかないのか、正確な情報提供を厳しく知事は求めるべきだということを申し上げたいと思います。

熊本地震問題
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 熊本地震問題について

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月4日
 次に、熊本地震問題に関し、まず第一に医療費免除制度の打ち切りについてお尋ねします。
 今なお4万5千人の方々が避難生活を余儀なくされ、多くの困難と不安に直面した日々を送っておられます。こうした中で指摘されているのが災害関連疾患というものであります。9月の厚生常任委員会で、地震に伴うストレスや避難生活の長期化によって健康悪化が進行している状況が報告されました。ところがそのような状況が依然としてありながら、被災者を対象とした国民健康保険加入者などに対する医療費の自己負担免除が、国からの財政支援の特例措置終了にともない、9月末をもって打ち切られてしまいました。政府は、過去これまでの震災における財政支援の特例措置の期間などふまえて終了を決定したとのことですが、それは全く適切な判断とは思えません。少なくとも、それぞれの自治体の財政力、避難者の数であるとか、過去の特例措置終了後の受診抑制の傾向であるとか、そうした分析もなしにただ一定期間で免除を打ち切るというやり方は、まったく被災者の実態を見ない冷たい対応であり、私は国に対し強く免除制度の継続を熊本県は求めるべきであったと思います。また同時に、岩手県では県と市町村の負担により今なお医療費免除制度を継続しているように、熊本県としても独自の措置により免除制度を継続すべきであっただろうと思います。
 免除制度終了前に医療機関が実施した被災者向けアンケートでも、免除制度の継続を求める意見が92%以上と、圧倒的多数でありました。こうした状況を鑑みれば、私はこれからでも熊本県は県と自治体が決断し、9月まで行われていた免除制度を復活させるべきではないかと考えますがいかがでしょうか。健康福祉部長にお尋ねします。
 次に、災害公営住宅の整備等の問題についてお尋ねします。応急仮設住宅建設の際には、国は、個人の敷地に一戸建てを建設することも制度的には可能だというところまで踏み込んだ姿勢を示しました。私は災害公営住宅の建設についても、個別の要求に寄りそった柔軟な建設の在り方を探求していくべきだと思いますし、建設後の維持管理も、それが将来的に市町村の重荷とならないよう、支援すべきだと思います。また、住まい再建の問題ですが、これは自宅をなくした方々だけでなく、在宅被災者にとっても切実な問題であります。いまだに部屋の一部が使えないとか、雨漏りが続いている方もおられますし、リフォームしたいが手が出ないといった状況もあります。また応急修理制度を使ったために暮らしが行き詰っても仮設に入れないとの声もあります。大本には、応急修理制度の支援規模があまりに小さすぎるという問題がありますし、また一部損壊世帯にはそもそも公的支援制度が適用されないという重大な問題もあります。制度の欠陥は国に改善を求めていく必要があると思いますが、同時に熊本県として、避難生活者にとどまらず、熊本地震で被害にあった方々すべてを視野に入れた住まい再建支援という視点が必要であろうと思います。
 そうした観点から、土木部長に3点お尋ねします。
 第一に、災害公営住宅の整備については、その場所、建て方の問題など、各地域のまちづくり協議会での議論や被災者の願いを最大限尊重するために、その意向を反映したものになるよう、市町村と連携して支援すべきだと思いますがいかがでしょうか。
 第二に、東日本大震災においては、災害公営住宅の家賃を一定期間、入居者が無理なく負担しうる水準まで低廉化するため、地方公共団体が実施する家賃減免にかかる費用を支援する事業が制度化されています。熊本地震においても、同様の制度の創設を国に求めるべきだと考えますがいかがでしょうか。
 第三に、今こそ私は住宅リフォーム助成制度を創設し、県として助成を実施し、住まいの再建を後押しすべきと考えますがいかがでしょうか。
 以上、お尋ねします。
 
 (熊本地震関連・切り返し)
 健康福祉部長が紹介された、災害時の低所得者向け医療費減免制度はもともとある制度ですから、周知徹底をはかっていただくことは当然であります。しかし実施主体である市町村の財政負担も生じるわけであります。被災市町村は厳しい財政状況の中で復興への苦悩が続いており、だからこそ国の機械的な支援打ち切りに対して熊本県はものをいうべきだったのではなかったかと思います。震災関連疾患という問題は、ますます深刻化していくことが懸念されますので、引き続き免除制度の復活を求めていきたいと思います。
 災害公営住宅の建設は、高齢化、過疎化が進む地方の被災地にとっては、長期的視点に立つと慎重に考えざるを得ないということもあるかと思います。一方で将来的には、若者の定住支援という観点での公営住宅の活用という事も考えられます。まずは被災者が安心して暮らせる住まい確保へ、希望に見合った建設を市町村が決断できるよう、中長期的な県からの支援を要望します。

立野ダムの問題
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 立野ダムの問題について

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月4日
 次に、立野ダム問題についてお尋ねします。
 異常気象とそれに伴う想定外の災害が近年多発しています。80年に一度とか、150年に一度といった災害の規模を想定し、対策を講じる従来のやり方は、ならば200年、300年に一度の災害が起こったらどうなるのか、対応できないのではないかという話になってしまいます。たとえ想定外の災害が発生したとしても住民の生命安全を守るための対策をとる、という視点に基づきソフト、ハード両面の防災対策を進める事が必要となっています。ダムの場合、想定を超える雨が降り続けダム湖が満水になれば洪水調節機能は働かず、逆に危険な構造物にもなり得るという点で、私は本質的な大問題があると感じています。
 特に立野ダムの場合、建設予定地が崩れやすい地質であること、活断層が存在する地帯であること、流木や土砂による放流孔の穴づまりの危険、貴重な地質や景観の破壊、観光資源が失われることなど、あまりに大きなリスクが多数存在していることを考えれば、ダムによらない治水対策、防災対策こそ選択すべき道であろうと思います。
 そこで三点、お尋ねします。
 まず第一に、白川の流下能力の問題であります。白川の河川整備計画は立野ダムで毎秒200トン、黒川遊水地群などにより毎秒100トンの洪水調節が行なわれることにより、基準点の熊本市代継橋で毎秒2,000トンの水を流すという目標です。私は国土交通省から今年2月時点における白川の流下能力表を入手しました。ちなみに2年前の流下能力表では、代継橋付近ではすでに2,000トンどころか、ダムによる洪水調節がなかった場合の2,200トンをも大きく上回る、左岸2,631トン、右岸2,691トンとなっていました。ところが、取り寄せた直近の流下能力表を見ると、流下能力は逆に減少しております。それでも整備目標値を超える流下能力にはなっておりますけれども、なぜ河川改修が劇的に進んでいるのに、流下能力は減少したのかというと、土砂の堆積などにより河道の断面積が狭まっているからだ、とのことでありました。ということは今の白川の河川改修状況の到達度から考えるならば、堆積土砂の除去を必要に応じて行なえば、少なくとも河川整備計画の目標値はすでに達成しているということではないでしょうか。基準点以外の地点で部分的に流下能力が少ない箇所もありますが、それこそ部分的な堆積土砂の除去、河床掘削、堤防かさ上げで対処できるはずであります。河川整備計画に基づく目標値が達成できている以上、ダム本体着工という、今後さらに莫大な事業費を要する工事については、そんな予算があるなら復興のためのお金に回してほしいという声にこたえるうえでも、いったんダム工事を凍結するよう国に求めるべきではないでしょうか。
 第二に、立野ダム建設によりかけがえのない貴重な自然遺産が失われてしまうという問題であります。災害復旧工事において、立野峡谷の柱状節理の一部が、地元に説明もされず破壊されました。世界ジオパークに指定されている阿蘇ジオパークの中で、立野峡谷は重要なジオサイトの一つです。この柱状節理は、阿蘇や立野峡谷が形成された過程がよくわかり、まさに後世に残すべき貴重な地質財産であります。そうした理解と配慮が欠落していたのではないかという印象を持たざるを得ません。
 一方立野ダム建設でも柱状節理を破壊する計画となっています。(パネルを示す)この写真は、ダムサイト予定地右岸に形成されている柱状節理であります。ここでは立野溶岩が柱状にタテに割れた柱状節理と、板状に横に割れた板状節理が5層から8層にわたって交互に堆積しており、立野溶岩が長い年月のうちに何度も繰り返し流れてきたことを物語る貴重な痕跡であります。立野ダム本体工事が始まれば、この部分は完全に削り落とされてしまいます。国交省は、「柱状節理の掘削を最小限にとどめるなど、自然環境の保全に十分配慮をして事業を進める」などと、HPで説明しています。(パネル)この図は、国土交通省が作成した、柱状節理の露頭範囲を示すものであります。ダム建設予定地のこの部分については確かに削りますが、多くの露頭部分は残しますよということを強調したいのだろうと思います。蒲島知事も、国においては柱状節理の掘削を最小限にとどめるなどの配慮をしていただいたとコメントされましたが、少しならいいでしょうという話ではありません。柱状節理は、破壊しようと思えば、あっけなく一瞬のうちに壊れてしまいます。しかしいったん失われたものは元に戻すことはできないのであります。立野ダム以外に住民の安全を守る手段はないというわけでもないのに、悠久の歴史の経過の中で奇跡的に形成された貴重な自然遺産を破壊する権利が国交省にはあるのでしょうか。県はそれを認めてしまってよいのでしょうか。ちょっと待ったと、知事は国交省にもの申すべきであると考えますがいかがでしょうか。
 第三に、流域住民に対する説明責任の問題であります。市民団体がこれまで8回にわたり国交省に、立野ダム建設に関する疑問について公開質問状を出していますが、国交省は一度も回答しておりません。一方、白川流域ではダム建設を不安視する住民の会が発足し、現地説明会の開催を求める声が日増しに高まっています。住民の会は高齢の方も少なくなく、そうした方々に対して、質問があればホームページをみるか、わずか15名定員の現地説明会に参加せよというのはあまりに冷たい対応だと言わなければなりません。国交省に対し流域での住民説明会開催を県としても強く求めるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。以上、3点につきまして蒲島知事の答弁を求めます。
 
 (立野ダム・切り返し)
 流下能力の問題ですが、20年から30年のスパンで策定されている白川の河川整備計画は代継橋の基準点で2300トン、そのうち300トンを立野ダムなどでカットして2000トンを流すというものであります。知事がおっしゃる通り、3400トンは河川整備基本方針という、長期的視点に立った整備方針であり、現在の目標は2300トンであります。ただ、2600トン以上流れるじゃないかという、私が使った数字は、スライド余裕高という値であり、仮に堤防の高さいっぱいまで流れたとすると3,594トンであります。すでにこれだけの流下能力があります。すると国交省は、いや堤防いっぱいまで流すと堤防の強度が持たないから余裕を持たせる必要があるとおっしゃいます。けれども、もともとの国交省の想定は土の堤防であります。白川の堤防は頑強なコンクリート、しかも矢板まで打ち込んでいます。越水しても決壊することはありません。知事が強調される3400トンだって流せるんです。さらに言わせていただくならば、スライド余裕高という考え方自体、京都大学名誉教授の今本博健先生に言わせると、ダム計画が有利になるように考え出されたものだとの厳しい指摘もあります。ともあれ、一番水位を下げたスライド余裕高でも、整備目標の値は達成しているのですから、いったん止めて、当面は復興にお金を回してくださいと言えないのですかということであります。それから、国交省の検証でもダム案が一番有利だと言われているとの答弁です。これは財政面も含めての話だと思いますが、確かに国交省がまとめた評価によると、完成までの費用はダム案が一番安くなっております。しかしその後の維持費はダム案が一番高いんです。年月の経過に従って一番負担が重くなるのが立野ダム案であるということを見るべきだと思います。住民説明会については知事のご答弁は国交省の立場そのままであり、まったく流域住民の願いに背を向けているということを指摘させていただきます。ダム本体の建設工事関係の入札公告が行われておりますが、取り返しのつかない事態になる前にぜひ知事は国交省にストップの声を発していただきたいと思います。

児童手当差し押さえの問題
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 児童手当差し押さえの問題について

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月4日
 次の質問に移ります。子ども・子育て支援法、児童手当法に基づき、児童を養育する父母などに児童手当が支給されております。そして児童手当法第15条では、児童手当の支給を受ける権利は、差し押さえることができないと規定されております。
 ところが熊本県が、個人事業税の滞納を理由として、児童手当が振り込まれている預金口座を全額差し押さえるという驚くべき事案が発生しております。私はこの問題で何度か県担当課とお話をいたしましたが、県側はあくまで法に違反した差し押さえは行なっていないとおっしゃいます。その根拠として、平成10年に出された最高裁判決、「一般に、差し押さえ禁止債権にかかる金員が金融機関の口座に振り込まれる事によって発生する預金債権は、原則として差し押さえ等禁止債権としての属性を継承するものではないと解される」というものであります。
 しかしその後、鳥取県が個人事業税と自動車税の滞納者に対し、児童手当が振り込まれる口座を差し押さえたことを契機として起こされた裁判で広島高裁は、差し押さえは違法であるとする判決を下しました。判決理由は、児童手当がその口座に振り込まれる事を県は認識したうえで、児童手当によって大部分が形成された預金債権を差し押さえたということは、実質的には児童手当を受ける権利自体を差し押さえたのと変わりがない、というものであります。こうした経過を見るならば、本県が差し押さえた事例もやはり、違法性は明白ではないでしょうか。
 県の説明を聞くと、鳥取の差し押さえの場合は、児童手当が振り込まれた直後、正確には9分後に差し押さえた。ところが本県の場合は、直後ではなく振り込まれた2か月後に差し押さえをおこなった。これは児童手当を狙い撃ちにしたものではなく、預金債権を差し押さえたものである、という言い分であります。私はそんな理屈が県税務課の中でまかり通っているのかと大変驚いております。
 総務部長にお尋ねします。児童手当が振り込まれた直後だったら差し押さえは違法であるが、一定期間経過後は違法でなくなるという論拠は、いったいどのような法的根拠に基づいて判断されているのでしょうか。お答えください。
 
 (児童手当差し押さえ・切り返し)
 鳥取県の差し押さえの件について、一審判決はこのように述べられています。県税局職員は、まとまった金額を差し押さえるためには、本件預金口座に振り込まれる児童手当を差し押さえるしかないとの認識のもと、差し押さえに至ったと考えられ、総合すると、被告は、差し押さえ対象財産を選択するにあたって、実質的には、本件預金口座に振り込まれる児童手当を原資として租税の徴収をすることを意図し、その意図を実現したものと評価せざるを得ない。このような県税局職員の主観面に着目すれば、差し押さえ禁止債権である児童手当受給権の差し押さえがあったのと同様の効果が生ずるものと評価するのが相当である。本件差し押さえ処分を取り消さなければ、児童手当法に反する事態を解消できず、正義に反するものと言わざるを得ない。権限を乱用した違法なものである。と、非常に明快であります。熊本県の場合、その預金口座がほとんど児童手当しか振り込まれていないということを承知の上で、差し押さえを強行したことが重大であります。ご本人の了解をいただいておりますので、具体的に口座の入金状況を申し上げます。差し押さえをおこなう前の半年間、児童手当の入金が2回、20万円、それ以外の入金は2回、合計3万1千円。これは、口座から子どもの給食費や習い事の代金が引き落とされるため、残高不足にならないようにと家計をやりくりして入金されたものであります。半年間の入金総額23万1千円のうち、20万円は児童手当であります。そして熊本県は8月25日、残高全額を差し押さえました。誰がどう見ても児童手当を狙い撃ちにした差し押さえそのものではありませんか。総務部長に再度お尋ねしますが、ほぼ児童手当の受け取り専用に作られた口座の差し押さえは、それでも違法でないとおっしゃるのでしょうか。またご答弁の中で今後も悪質な滞納者には厳正に対処していくと答弁されましたが、この方は悪質滞納者だとお考えなのですか。再度ご答弁いただきたいと思います。
 
 (児童手当差し押さえ・再反論)
 最高裁判決は、要するに児童手当を隠れ蓑に財産を隠そうとしてもだめだよという趣旨であろうと思います。県が差し押さえた口座は、児童手当受け取り専用の口座であったことは県も承知のはずであります。お金を引き出さなかったのは、学校給食費など口座引き落としできるようにとの学校からの要請があったからであります。ご主人は、差し押さえが発生する前に自ら県事務所に電話をされ、返済方法についての相談をされています。にもかかわらず差し押さえを強行するという、県のやり方は本当にひどいと思います。先週の議場でも、知事は日ごろから子どもは熊本の宝だとおっしゃっている、との紹介がありましたが、児童手当を狙い撃ちにした差し押さえをおこなうような熊本県が、子育てするなら熊本で、などと、どうして胸を張って言えるのでしょうか。
 鳥取県の差し押さえ裁判は、原告勝利で終わりましたが、裁判には時間がかかり、原告家族にも大きな負担と犠牲が生じました。当初「そんなに不満があるなら裁判でもしたらどうですか」と鼻息荒かった鳥取県知事は、後に「原告にご不便をかけたならお詫びしたい」と言って謝罪しました。かつて強引な差し押さえがあまりにも痛ましい事件を引き起こしてしまったこの熊本だからこそ、痛恨の教訓を決して忘れず胸に刻み、納税者の生活と権利をしっかりと守り、寄りそった対応を進めていくべきではないのでしょうか。私はこの問題に関し、熊本県が対応を改めない限り、改善を求める声をあげ続けていく決意であることを申し上げて次の質問に移ります。

白川漁協問題について
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 白川漁協問題について

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月4日
 白川漁協の問題についてお尋ねします。2015年6月議会でも私は一般質問で取り上げ、県の指導責任をただしました。しかし残念ながら、白川漁協の運営をめぐっての対立と混乱は依然として続いています。
 2016年8月、白川漁協臨時総会が開催されました。ここで定款の一部変更について四項目提案され、可決承認されております。議事録にも明記されております。この議決を受けて県に認可を申請されたのは翌2017年3月23日、約7カ月も経過してからのことであります。そのわずか5日後には、異例のスピードで知事名での認可が出されております。ところが、県が認可したのは、4項目のうちの2項目であって、残り2項目については定款本文の変更がされておらず認可していない、とのことであります。しかしながら、正式に成立している臨時総会において賛成多数で意思決定されていることは、覆しようのない事実であります。なぜいまだに棚上げされているのでしょうか。定款本文の変更が行われていないという、いわば形式上のミスがあったというのならば、そもそも県が適切に指導して是正させれば何の問題もなく片付いたはずであります。臨時総会で可決承認されたことが棚上げされている異常事態について、県の指導上の問題はなかったのでしょうか。ご答弁願います。
 次に、2016年11月30日に開催されるはずであった資格審査委員会の問題であります。これが定款に違反して翌2017年1月27日開催へと、約2カ月先延ばしされました。なぜ延期されたのか。県や関係者の話を総合すると、資格審査委員会開催のためには事前に公告しなければならない規定になっているが、それがなされていなかった、だから日程を変更し、改めて公告をして開催された、とのことであります。しかし、公告がされていないということが、少なくとも開催予定日の8日前には明らかになっております。実際、11月22日には資格審査委員会の広告がなされています。定款どおり、資格審査委員会が11月30日開催されることに何の問題もなかったはずであります。
 県は、公告がなされていないことは指摘したけれども、資格審査委員会の日程が変更されたことについては承知していないとのことでありましたが、これは重大問題であります。そもそも資格審査の目的は、漁協運営から漁業活動の活発でないものの関与を排除し、正組合員の意見や意思が正しく組合運営に反映するためにおこなうものとされており、組合運営の健全性を保つ上で極めて重要であり、それだけに厳正な規則にのっとった運営が求められます。資格審査委員会の日程変更が全理事に通知されず、しかも全組合員に配布されるべき資格審査表も配布されていません。さらに、資格審査委員会の前日に新規組合員107名の加入申請があり、これが翌日の資格審査委員会で特例として認められています。こうしたやり方が認められてしまえば、いくらでも意図的に資格審査委員会の日程変更、多数派工作ができるということになってしまうのではないでしょうか。私は、定款に違反して資格審査委員会の日程を変更したこと自体、認めるべきではないと思いますし、107名の新規組合員の加入申請は無効であると考えますがいかがでしょうか。
 以上、農林水産部長にお尋ねします。
 
 (白川漁協問題・切り返し)
 役員選挙規定を廃止し役員選任規定を新設する議案は、定款本文の変更が提案されていなかった。そのことを県が指摘すると、その項目がはずされた申請が出された。だがそれは漁協の判断だとのご回答であります。また資格審査委員会の開催については、広告が行われていないということを県から指摘した。そうすると日程が変更されたが、だがそれは漁協の判断だ、とのご回答であります。それぞれ重要なタイミングで県の指導が入っておりますが、組合運営の正常化というところまで県が踏み込まず、あとは漁協の判断だと、突き放してしまっているところが、私は県が中立公正な指導を行なっていないのではないかと感じるところであります。その結果として、定款変更の問題で言えば、総会で組合の意思として可決承認されたはずのことが棚上げされているという不正常、資格審査委員会で言えば、日程変更する必要がなかったにもかかわらず延期されたという不正常を招いています。こうした事態を正すことも県の重要な指導責任であり、組合まかせという姿勢は正しくないということを強く申し上げたいと思います。

不登校問題について
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 不登校問題について

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月4日
 不登校問題についてお尋ねします。
 先生方がボランティアで、学校に行けない子どもたちの学習支援をされている、熊本学習支援センターを何度か伺いました。2015年からスタートした同センターは高校生に対する学習支援を当初想定していましたが、いまでは不登校の中学生や小学生を持つ保護者からも、そして熊本市以外からも多くの相談があるといいます。発達障害やうつ病の子どもさんも保護者と一緒に相談にこられることも少なくないそうで、学習支援にとどまらないサポートにも取り組んでおられます。先生方は子どもらの良き相談相手となり、昼夜逆転や引きこもりの傾向にあった子どもらも学習支援センターが貴重な居場所となっているそうであります。
 お話を伺って私が感じるのは、学校に行けずに苦しむ子どもや保護者らをサポートする体制を急いで拡充させる必要性であります。学習支援センターのように、自分の居場所を見つけ出すことが出来た子どもらは幸運であり、どうすればいいか分からない、相談できる人がいないといった、出口の見えない暗闇の仲で苦しんでおられる子ども、保護者が相当数おられます。不登校になる原因は貧困など家庭環境の問題、いじめや適応障害などの要因でクラス、学校になじめない、あるいは学習についていけないなど、個々それぞれの事情があります。不登校児及び家族に対する支援のあり方について学校や行政など関係機関、専門家が知恵を出し合って、様々な角度からの方策を検討していくことが必要ではないかと思います。国会では不登校児童生徒に対する教育機会の確保や夜間中学設置などを定めた教育機会確保法が昨年成立しましたが、大事なことは、子どもの命や健やかな成長こそが最優先という立場に立ち、子どもが安心できる居場所を提供することではないか思います。また、先生方の不登校対応についての研修も進められておりますが、現場の先生方だけでなくスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーも含めチームで個別の事例への対応を進めていくことが重要であろうと思いますし、また保護者が孤立せず、安心して相談できる相談窓口やサポート体制を充実させることも求められているのではないでしょうか。不登校の問題に対するご見解と取り組みの現状、今後の方策について教育長にお尋ねします。
 
 (不登校問題・切り返し)
 国の教育機会確保法は、学校への復帰を前提とした内容でありまして、不登校児をいつまでにどれだけ減らすかということを数値目標に掲げる都道府県もあります。しかし関係者からは、子どもと親をさらに追い詰めると不安の声が上がっています。不登校の多くは、子どもが追い込まれ、やむにやまれず、自分の身を守るためにとる行動であります。子どもの命を守るためにあるいは傷ついた心をいやすために、場合によっては、学校に無理していかなくてもいいんだよと安心を与えてあげることも大切だと考えます。一方、保護者が子どもの不登校を心配するのは当然のことであります。さきほど教育長から、さまざまな視点から児童、保護者への支援が必要だとのご答弁があったことを心強く思います。教育支援センターのお話もございました。私は先日ある町の支援センターを訪ね、お話を伺いましたが子どもたちをサポートする先生方の献身的取り組み、子どもらへの思いに大変感動しました。県内18市町村、29か所と、まだまだ設置が十分であるとは言えません。ぜひすべての市町村が設置できるよう県の方からの支援も強めていただきたいと思います。教室に入れないという子どものために、保健室、あるいは図書室、さらには空き教室に登校してもいいよという体制づくり、そのためにも教職員の増員が求められます。また、軽度の発達障害であるとか学習障害があってもそれに気づかず、必死に学校になじもうと本人も家族も苦しんでいる場合もあるかと思います。また家庭の貧困、家族の事情などで学校にいけない場合もあるかと思います。不登校問題は、教育機関だけでなく医療や福祉との連携も重要であり、さらには民間の取り組みへのサポート、あるいは施設などのうけ皿作りも切実に必要とされています。もちろん、子どもを追い込むことのない学校の在り方について深めていくことも大事であろうと思います。ぜひ関係部署が連携し子どもを第一に考えた不登校対策をさらに前進・充実させていただきたいと思います。また法に明記された夜間中学の設置もぜひ進めていただきたいと思います。

空家対策(要望事項)
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 空家対策(要望事項)

 平成29年熊本県議会 12月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年12月4日
 最後に、要望として空き家問題について申し上げます。空家の適正な管理は、第一義的にはその所有者に当然責任がありますが、所有者の特定が困難な場合があること、あるいは空家の除却や再利用に際して所有者の経済的負担がかかることなど、解決に向けての課題が指摘されておりました。一方で危険な空家をそのまま放置する事は防犯、防災、衛生、景観等地域住民の安全や住環境を守るためにも急いで対策が求められているわけであります。そうしたことから、2014年11月、空き家対策の推進に関する特別措置法が制定され、各市町村が特定空き家と認定した場合、所有者に撤去や修繕などの指導をし、従わなければ勧告・命令を出すことが可能となりました。命令に従わなければ50万円の科料が課せられ、それでも従わない場合は行政代執行で撤去することもできるとされています。
 私は最終的手段としては行政代執行を否定するものではありませんが、それは抑制的であるべきだと思いますし、本来ならそのような段階に行く前に所有者が何とかするということが望ましいわけであります。
 しかし、所有者にとっての困難は、一つは解体、撤去の費用がかかること、そしてもう一つは撤去した後の固定資産税が6倍になるという税負担の問題であります。この二つが空家の撤去が進んでこなかった大きな要因であります。特措法では、所有者が解体の要請に応じない場合、固定資産税を6倍に引き上げる措置もとれることとなりましたが、つまり解体してもしなくても固定資産税は6倍になるということであり、所有者の解体の負担、税金の負担が解消されるわけではありません。所有者が高齢であったり低所得であることが原因で解体費用が捻出できないという事例も多く、結局特措法によっても解体は進まず、逆に税金滞納が増えるという懸念も生じるのではないしょうか。
 そういう点では、所有者も市町村も負担をかけず、なおかつ除却が促進されるような施策が待ち望まれております。税負担の不公平感が生じないよう配慮しつつ、なおかつ何らかの税制上のインセンティブを国に対し求めていくことが必要ではないかと思います。
 ぜひ県としても知恵を絞っていただきますようお願いしたいと思います。

医療費窓口負担等の免除措置継続に関する請願を不採択とすることに対する反対討論
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 医療費窓口負担等の免除措置継続に関する請願を不採択とすることに対する反対討論

 平成29年熊本県議会 9月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年10月3日
日本共産党の山本のぶひろです。
 知事提出議案第42号、および43号、専決処分の報告及び承認についてでありますが、これは育英資金の返還滞納者に対し、一括して延滞返還金及び延滞利息の金員を支払うことや訴訟費用は全額被告らの負担とする内容の判決、及び仮執行の宣言を求めて訴えを起こすことが提起されております。これまでも、私は繰り返し主張しておりますが、滞納者を裁判に訴えて返還を求める手法には反対であり、滞納に至った事情をよく汲み取り、当事者の支払い能力に見合った返還方法について県が親身に相談に乗りながら解決を図っていくことを改めて求めるものであります。
 請第27号、熊本地震における医療費の窓口負担等の免除措置継続に関する請願でありますが、委員会の採決は不採択であります。これに反対し、採択とするよう議員各位に呼びかけるものであります。
 今なお四万人を超える方々が避難生活を余儀なくされています。多くの避難者が、くる日もくる日も日々直面する生活の困難とたたかい、また将来への生活がどうなるのだろうと言う不安と向き合うなかで、心と体に大きなストレス、負担がかかっており、健康悪化が心配されております。熊本県民主医療機関連合会が行なった仮設住宅入居者アンケートのまとめによると、回答者256名中、実に118名、およそ2人に1人の割合で、被災前より体調が悪化したと回答されています。これからの心配事を複数回答で訪ねると、住居が心配と答えた方が一番多くて45%、次いで健康の不安が33%となっています。医療費の窓口負担の減免・免除については、アンケート回答者の88%、220名の方が継続してほしいと回答されています。
 私自身も西原村の仮設住宅に入居しておられる方から切実な訴えをお聞きしました。狭い慣れない仮設住宅暮らしで体調も優れず、また震災後仕事も少なくなり収入が減ったことから医療費の窓口負担免除が命綱となっている。もし免除が打ち切られてしまったら薬代も合わせると毎月一万円以上の負担となり、とても病院にかかれなくなる。生きていけなくなる。助けてほしいとの切実なお話しでありました。
 応急仮設住宅避難者だけでなく、みなし住宅に避難しておられる方々の健康悪化も指摘されています。益城町地域支えあいセンター、よかたいネットがまとめられた、みなし仮設の住民の健康状態についての資料を見ますと、転居による住環境の変化、コミュニティから離れたことによる孤立とストレス、失業廃業などによる影響、見通しのない生活再建の不安などにより健康悪化が広がっている具体的事例が紹介されています。
 熊本地震の大きな特徴として、増え続ける震災関連死が挙げられています。その背後には死に至らないまでも、震災をきっかけにした病気発症や持病悪化などの震災関連疾患の広がりがあります。発災後の苛酷な避難環境に加え、その後の避難生活の孤立や不安、困窮が背景にあると指摘されています。熊本学園大学の高林秀明教授によると、こうした震災関連疾患の広がりの中で医療費窓口負担の免除軽減措置を打ち切るならば、住宅再建等の出費のうえにさらに医療費負担の新たな発生によって、経済的理由による受診抑制を生むことになる。医療費免除措置を打ち切ることは、心身の疾病・障害を治療・リハビリできないまま生活再建・復興に被災者を立ち向かわせることとなり、震災関連疾患をさらに悪化させる、そうなるとこれは復興災害だと指摘しておられます。
 避難生活者がいまだ4万人を超える規模で存在している状況の中で、熊本県は医療費免除・減免措置を打ち切るべきではありません。もともとは仮設住宅への入居期間を二年と定めておきながら、それよりも短い期間で医療費免除を打ち切る国のやり方に大本の原因がありますので、国に対し免除の特別ルールの期間延長を強く求めるべきであります。その一方で、東日本大震災に見舞われた岩手県では、熊本の場合と同様に国から医療費免除の特別ルールを約一年半で打ち切られましたが、しかしその後も県知事が独自に支援することを決断し、発災から今日に至る実に6年半もの期間、今なお免除制度を継続していることと比較してもあまりにも熊本県の対応は冷たすぎるのではないでしょうか。実施主体は市町村だから免除を継続するかどうかは市町村の判断だといって突き放す。こうした県の姿勢は、日ごろから被災された方一人ひとりの復興なくして復興はありえない、被災者の痛みの最小化を図ると常々おっしゃっている蒲島知事の発言とは間逆の姿勢であるということを強調するものであります。
 以上の理由から、医療費の窓口負担等の免除措置継続を求める本請願は不採択ではなく採択されるべきであるということを呼びかけて討論を終わります。

「本格的な憲法改正議論を国会に求める意見書(自民党提出)」に対する反対討論
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 「本格的な憲法改正議論を国会に求める意見書(自民党提出)」に対する反対討論

 平成29年熊本県議会 9月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年10月3日
日本共産党の山本のぶひろです。議員提出議案第3号、本格的な憲法改正論議を国会に求める意見書に対する反対討論を行ないます。
 本意見書案が提出された後に、突如、衆議院の解散総選挙が行なわれることとなりました。憲法改正問題が総選挙の争点の一つとして報道され、改憲派、護憲派が主張を戦わせ、世論も分かれております。もちろん、本意見書案が提出された時点においてはこのような解散総選挙という事態は予想もされておられなかったものと思いますけれども、しかし提出された意見書案の内容そのものがまさに総選挙の熱い争点となっている現段階において、このような意見書の採択が果たして適切でありましょうか。しかも、もしも党派としては自民党だけしか賛成しないという状況の下で、賛成多数で採択されるというようなことになれば、議席の数の多数で議会決議というお墨付きを獲得するという、ますます党略的な印象を与える結果にならざるを得ないのではないでしょうか。これからまさに総選挙で議論が交わされるわけであります。堂々と改憲政党も、護憲政党も、その主張を国民の前に示して、信を問うべきであり、議会を政争の具に利用するやり方は適切ではないと私は考えます。
 ただ意見書案が現にこうして提出され、賛否の態度表明が問われているわけでありますから、憲法改定に関する私の意見を申し上げます。現行憲法は戦後一度も変更されていない、これはおかしい、時代に合わせて変えられるようにすべきだという議論がありますが、現行憲法のどこが時代に合わなくて、国民の利益を損ねるどんな具体的矛盾が現れているというのでしょうか。長い年月が経過しても国民にとっていいものであればそれはいつまでも残していいものであり、変える必要はないわけであります。そもそも憲法は国のあり方を示す普遍性を持った性質のものであります。現行憲法は国家権力の暴走を止めるための立憲主義、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義、地方自治などいずれも世界に先駆けた卓越した内容、理念がこめられています。こうした卓越した理念を掲げ、成立した日本国憲法を私は国民の一人として心から誇りに感じるし、またこの憲法が70年もの長きにわたり、日本国民の努力によって守り抜かれてきたことに対しても、先達への心からの敬意を表したいと思います。現行憲法によって日々私たちの人権や平和が守られていることに感謝し、後世の子ども達に残すべき宝として大切に守っていきたいと考えています。
 さて、憲法改正がなぜ必要なのか、様々な動機付けが行なわれていますが、結局の本質、最大の争点は9条と自衛隊の関係であります。もともと歴代の自民党政府は、自衛隊は憲法違反ではないと説明してこられました。それは自衛隊というのはわが国自衛のための必要最小限度の実力組織であって戦力には当たらないからだ、との説明であります。戦力ではないという制約によって、したがって自衛隊は第一に、海外派兵は行なわない、第二に、集団的自衛権の行使は認められない、第三に、武力行使を目的にした国連軍への参加はしないという立場を歴代政府は貫いてきました。自衛隊は憲法違反の組織ではないということならば、憲法を変える必要はまったくありませんし、自衛隊の皆さんになにか肩身の狭い思いをさせるようなことにはなりません。例えば実際のところ、この熊本でも、熊本地震からの復興支援、被災者救済のためにがんばった自衛隊の皆さんに対し、誰もが感謝と敬意の気持ちを抱きこそすれ、あなた方は憲法違反の存在だなどと悪罵を投げつけるような方は誰もおられないと思います。
 ところが、自衛隊が憲法違反ではないという証として堅持されてきたはずの三つの大原則に大きな風穴をあけたのが、一昨年の安保法制でありました。集団的自衛権行使は憲法違反ではないとする閣議決定とともに、自衛隊の海外での武力行使を可能にした安保法制は、これまでの政府見解からすれば、明らかに憲法違反であることは、誰が見ても明瞭であります。安倍首相は、首相インタビューでこうおっしゃっています。自衛隊を違憲とする議論がいまなお存在している。そこで自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、自衛隊が違憲かもしれないなどの議論が生まれる余地をなくすべきである、と。しかしこの論理にはごまかしがあります。もともと憲法違反ではないと説明してきた自衛隊に、憲法違反の任務を与えたのが安倍政権ではありませんか。そうしたことを強行しておいて、憲法が現状に合わなくなったから憲法を現状に合わせて変えますというのは、憲法違反の任務を無理やり合憲化させるというやり方にほかなりません。ルール違反を犯しておいて、ルールがおかしいからルールを変えましょうという理屈は一般社会でも通用しません。まず決められたルールをしっかり守りましょうということを大人社会の常識にしなければ、子ども達にも示しがつかないではありませんか。
 私は、熊本地震の復興のためにがんばった自衛隊の皆さんに対し、憲法違反の任務を付与し、殺し殺される戦場に送り出すようなことは絶対に許してはならないと言うことを強く訴えるものであります。
 憲法9条は、現実にあわない時代遅れのものであるどころか、むしろ世界に希望を照らす指針としてますます輝いています。世界には残念ながらいまなお各地で様々な紛争、衝突が発生しています。北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射という無法行為が平和を脅かしています。このような状況の中で、今本当に考えなければならないことは、万が一にでも正面からの武力衝突、戦争勃発という事態になれば、おびただしい犠牲が生じてしまうということであります。北朝鮮問題に関して、アメリカが提唱し採択された国連決議では、北朝鮮に対する強い非難や経済制裁の強化が強調されていることは当然でありますが、実はそれだけでなく、北朝鮮人民が直面している深刻な窮乏化に関する人道上の懸念、6か国協議の再開、対話を通じた平和的かつ包括的な解決、緊張を緩和する更なる作業、平和的な方法による朝鮮半島の非核化達成ということもこの国連決議の中にしっかりと強調されているのであります。対話を否定するやり方では物事は解決しません。軍事的衝突が生じれば取り返しのつかない犠牲が生じてしまいます。対話による平和的解決をはからなければならないということが国際社会の中でも共通の問題意識となる中で、まさに憲法9条を持つ日本政府が果たすべき役割はこれまでよりもいっそう大きなものがあるのではないでしょうか。
 私は、いまこそ日本国憲法が掲げる高い理想理念に基づいて日本政府が世界に誇れる平和的イニシアチブを発揮されることをつよく願います。憲法改正の議論を促進する必要性は、まったく存在しないということを強調するものであります。
 以上のような立場から本意見書案に反対することを表明して討論を終わります。

「北朝鮮のミサイル発射及び核実験に対する抗議と、国に厳格で実効的な措置を求める意見書」に対する反対討論
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 「北朝鮮のミサイル発射及び核実験に対する抗議と、国に厳格で実効的な措置を求める意見書」に対する反対討論

 平成29年熊本県議会 9月議会 日本共産党 山本伸裕 2017年9月7日
 
 日本共産党の山本伸裕です。議員提出議案一号、北朝鮮のミサイル発射および核実験に対する抗議と、国に厳格で実効的な措置を求める意見書案について反対の意見を表明致します。
 まず冒頭、私は、北朝鮮が去る9月3日、6回目となる核実験を強行したこと、そして今年に入って13回にも及ぶ弾道ミサイル発射という無法行為について、強い憤りをもってこの暴挙を糾弾し、断固として抗議するものであります。
 北朝鮮の核実験は、弾道ミサイルの発射とともに、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙であります。これは、国際社会が追及している対話による解決と逆行する行為であり、核兵器禁止条約の採択など、核兵器のない世界を求める世界の流れに逆らうものであります。
 そんな中で今直面している最も危険な現実は、米朝間の軍事的緊張がエスカレートしていく中で、当事者の思惑や意図にも反して、偶発的な事態や誤算が生じて、武力衝突が勃発してしまうという危険であります。そうした現実的な可能性、危険性がたかまっています。もしも軍事衝突が米朝で引き起こされた場合、もっとも深刻な被害を受けるのは韓国と日本であります。おびただしい犠牲をもたらしかねない軍事衝突は、万が一にも絶対に引き起こしてはなりません。いま日本政府が一番にやるべきことは、破滅的な事態を招く米朝の軍事衝突を絶対に回避する、現在の危機を打開するという立場に立って、最大限の外交努力を行なうことにほかなりません。ところがこの間の日本政府は、「今は対話の時ではない」と強調し、国連安保理議長声明で言われた、「対話を通じた平和的で包括的な解決」という道を否定するような態度を繰り返しています。河野太郎外務大臣は「一方的に緊張を高めているのは北朝鮮だ」と強調する一方、マティス国防長官が「数多くの軍事的選択肢がある」と述べたことを歓迎する姿勢を示しています。対話を否定して、日本政府は事態を一体どう解決するつもりなのでしょうか。昨日の熊本日日新聞新生面では、威嚇が威嚇を呼び、ついに戦争を引き起こした古代ギリシャのスパルタとアテネとの戦争を引き合いに出し、為政者の判断ミスが戦争を引き起こすという罠に陥らないためにも、苦い経験を持つ日本に果たせる役割があると述べています。
 まさに今日本政府が果たすべき役割は、北朝鮮に対し、これ以上の軍事的な挑発行為を中止するよう厳重に求めることと同時に、米朝両国に対し、強く自制を求め、現在の危機を打開するために、直接対話に踏み出すよう呼びかける事であります。これは、北朝鮮に対して何か日本政府は譲歩せよ、ということでは決してありません。もちろん、警告を散々無視して暴挙を繰り返す北朝鮮に対し、経済制裁の厳格な実施、強化は必要であります。しかしお互いに相手の真意を確認しないまま威嚇や圧力を繰り返すばかりでは、ただいたずらに緊張がエスカレートするばかりであります。経済制裁という圧力は、北朝鮮を対話のテーブルにつかせるための圧力、武力衝突という最悪の事態を回避するための圧力であって、圧力のための圧力では意味がありません。日本政府は、いまこそ対話に踏み切るべきだということを同盟国アメリカに説くべきだということこそ、意見書において政府に対し強く求めなければならないメッセージであると考えます。
 北朝鮮のミサイル発射に対する抗議と、国に毅然とした対応を求める熊本県議会の意見書は2016年2月議会においても出されております。今回の意見書案には、前回の意見書同様に、ミサイル防衛体制の充実・強化を求める内容が記述されております。私は前回の意見書採択の際に、こうした国と国との関係にかかわる問題は、党利党略抜きに全会一致を基本とすべきであり、そのためにも意見が分かれる政策については盛り込むべきではないとの趣旨を申し上げましたけれども、今回もまた同様の内容が意見書案に盛り込まれたことは大変に残念であります。
 政府が目指すミサイル防衛システムは、イージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル・SM3が大気圏外で弾道ミサイルを迎撃する。もしも打ちもらした場合、地上配備型迎撃ミサイル・PAC3が高度十数キロで迎撃する、という2段階となっています。イージス・ショアはイージス艦搭載のSM3の陸上配備型であります。しかしながら、ミサイル防衛の限界は広く指摘されています。イージス・ショアを導入しても、日本全土をカバーするのは不可能でありますし、多数のミサイルの同時発射、あるいはおとりや複数の弾頭搭載といったケースの場合、迎撃はまず不可能であります。しかも、産経新聞の4月17日記事によれば、たとえ迎撃に成功したとしても、国民の安全が確保されるとは限らない、何故なら高いところで衝突するので、破片は数キロから数十キロの広さで飛散する、破片の重さが100キロを超える可能性もある」と指摘しています。
 さらに問題は、もし、あくまでミサイル迎撃システムの配備に固執するならば、際限のない軍事費拡張の道に進まざるを得なくなる、ということであります。来年度の概算要求ではミサイル防衛費は今年度の649億円から大きく膨れ上がり、1,791億円が要求されています。イージス・ショアは一基800億円とされていますが、さらに概算要求では、島嶼防衛用として、高速滑空弾と新対艦誘導弾というミサイルの研究費が盛り込まれています。北朝鮮の核・ミサイル開発という軍事的挑発に軍事でこたえようとするならば、兆単位の軍事費が必要となることは明らかであります。国民の生命・安全を守ることが技術的にも極めて困難なミサイル防衛体制をさらに推進することは、莫大な国費の投入という問題だけでなく、北朝鮮に対する更なる軍事的挑発ということにしかならないのではありませんか。
 こうした問題から、ミサイル防衛体制の推進には賛同できません。
 私は今回の事態に関し、衆参の国会で採択された意見書、あるいは全国の地方議会で採択された意見書も取り寄せてみました。どこでも全会一致で意見書は採択されていますが、ミサイル防衛体制の更なる充実・強化という点に触れた意見書は私が見た限り、熊本県議会以外に見当たりません。北朝鮮の暴挙に対し、国会だけでなく地方議会としても一致結束して声をあげていこうという時に、なぜ熊本県議会が北朝鮮の暴挙を非難するという趣旨以外に、党派によって一致できない防衛政策をあえて意見書の中に持ち込むのか、私はまことに残念であります。
 ミサイル防衛体制の推進・強化という文言が明記されている一点において本意見書案には賛同できないということ、そして問題解決のために日本政府が米朝間の直接対話を促すよう役割発揮することを、意見書においてぜひ求めるべきであるという点を強調して討論を終わります。
 以上。

議員提出議案第一号、森林環境税(仮称)の早期創設を求める意見書への反対討論
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 平成29年熊本県議会 6月議会での「森林環境税創設を求める意見書に対する反対討論」 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月29日
 
 日本共産党の山本伸裕でございます。議員提出議案第一号、森林環境税(仮称)の早期創設を求める意見書に反対致します。
 本意見書案は、市町村が継続的に森林の整備・保全に取り組めるよう、安定財源の確保に向けて森林環境税を早期に創設することを国に求める、そしてその際、この新たな税を活用した森林整備等が円滑に進められるよう、市町村の体制整備を支援するとともに、都道府県の役割や県の独自課税との関係を明確化するよう求める内容であります。
 意見書案が強調している通り、森林が果たしている多面的機能は国民に様々な恩恵をもたらしております。これらの機能を十全に果たすために、間伐などの森林整備を着実に実施する必要があるということについては異論はありません。必要な財源を確保し、資源循環型の林業や木材産業の再生を図る取り組みが重要でありますが、問題はその財源をどこに求めるのかという事であります。自民党・公明党が昨年12月に発表した平成29年度税制改正大綱をみると、市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源にあてるため、個人住民税均等割りの枠組みの活用を含め都市・地方通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら、具体的な仕組み等について総合的に検討し、平成30年度税制改正において結論を得る。と書かれてあります。国民に等しく負担を求めることを前提とした森林環境税の創設は賛同できません。
 そもそも環境にかかわる分野では、環境破壊、環境汚染を引き起こす原因を発生させている汚染者に対し、その損害の費用を支払わせる、いわゆる汚染者負担の原則・PPPが一般に定着しております。森林の減少や化石燃料の使用増大による温室効果ガスの急増が地球温暖化の原因とされています。温室効果ガスを削減するためには、国内のCO₂総排出量の8割を占める産業界の取り組み、とりわけ電力、鉄鋼など大口排出者の対応が決定的なカギを握っております。平成24年から施行されている地球温暖化対策のための税は、CO₂排出量に応じた税率を課すというものでありますが、この税制度の拡充を図るとともに、その使途として森林吸収源対策を位置づけるようにすべきだと私は考えます。
 日本共産党は、大企業のCO₂排出量削減目標達成のための補助手段として、二酸化炭素の排出量に着目した環境税の導入を提案しております。汚染者負担の原則に基づき、森林の整備・保全・再生のための財源を確保していくことが必要ではないでしょうか。
 国土の三分の二が森林でおおわれている日本でありますが、林業は衰退の一途をたどってきました。林業従事者は1980年代から比較しても三分の一にまで減少し、手入れがされず荒廃した森林が日本中に広がっています。
 もともと日本の林業は戦後、建築用木材として国が主導してスギ・ヒノキの植林が進められるという、人工林拡大政策が行われてきたわけでありますが、これらの木材が育つ前の1964年に木材輸入が自由化され、安価な外国産材が市場を席巻し、国産材は流通・加工などのコスト競争で後れを取り、外国産材が短納期、低価格で届くシステムが構築され、国産材の自給率は15年ほど前には20%以下にまで落ち込みました。ただし近年は合板製造業で国産間伐材の利用が前進している事や外国産材の輸入量減少などにより3割程度まで回復しています。戦後植林され成長してきた木々は本格的に利用可能な樹齢に達しており、私は今こそ適切な森林整備と国産材の供給体制の確立、林業・木材産業の再建、林業労働者の確保や技術の継承など、我が国の森林・林業を再生するための施策に本腰を入れるべき時期が到来していると考えます。
 意見書でも述べられておりますとおり、森林は木材供給という面はもとより、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止など多面的な機能を有しております。地方創生という言葉がいま強調されておりますが、林業の活性化は中山間地農業の振興と並び、山村の活性化、地域経済の活性化につながる重要なテーマであろうと考えます。
 木が育つためには30年、50年という長い年月が必要であり、林業政策というものは私たちの子どもや孫、さらにはそれに続く世代にどのような国土、どのような環境、どのような産業を残すのかという、すぐれて未来への責任が問われる分野であります。また地球温暖化対策も、人類の未来を守る喫緊の課題であります。日本は1990年比で温室効果ガスを6%削減することを国際社会に約束、うち3.8%が森林による二酸化炭素の吸収量で達成するという計画であります。汚染者負担の原則に則り、森林整備のための財源を確保することが最も効果的、かつ合理的であるという意見を表明して討論を終わります。
 以上。

憲法問題
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 平成29年熊本県議会 6月議会での一般質問 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月16日
 憲法問題
 
 憲法に関する知事のご見解をおたずねします。
 憲法96条は、憲法改正の発議権は国権の最高機関である国会にあると明記しています。ところが安倍首相は5月3日、憲法9条に自衛隊を明記する憲法改正をおこなう、2020年の施行をめざすと明言されました。憲法改正議論の方向性を指示したのは、歴代首相の中でも初めてのものであります。この発言は、国務大臣、国会議員その他の公務員は、憲法を尊重し擁護する義務を負うとなっている憲法99条に違反する行為であります。こうした批判に対し、安倍首相は首相としてではなく自民党総裁としての発言であるとおっしゃっていますが、首相は24時間首相であって、立場を使い分けようとする行為自体が不適切であります。しかも期限を区切って憲法改正の具体的な中身にまで言及されたことは、政府の長が、改憲の発議権を持つ立法府である国会に介入したものにほかならず、憲法が定める三権分立の原則に反するものでもあります。
 そこで蒲島知事にお尋ねします。知事はこれまで意見が分かれる国政上の問題については知事としての言及を控えるとの立場をとっておられますが、この問題は憲法にかかわる問題であり、また知事自身も擁護義務を負っておられる問題であります。そのお立場から、今回の安倍首相の憲法改定発言に対しては、疑問の声、もしくは抗議の声をお上げになるべきではないかと考えますがいかがでしょうか。
 
 <切り返し>
 安倍首相の憲法改定の提案は、9条1項、2項はそのままにしておいて、3項に自衛隊を明記する、とのことであります。しかしこれには布石があります。安倍首相のブレーンと報道されている日本会議の伊藤哲夫・日本政策研究センター代表が、昨年8月「憲法9条に3項を加え、ただし前項の規定は確立された国際法に基づく自衛のための実力の保持を否定するものではないといった規定を入れる、との提案をおこなっています。さらに10月には、同センターの小坂実研究部長が、「戦力の保持を禁じ、自衛隊の能力を不当に縛っている9条2項は、今や国家国民の生存を妨げる障害物。速やかに9条2項を削除するか、あるいは自衛隊を明記した第3項を加えて2項を空文化させるべきである」と、あけすけに語っておられます。9条2項の空文化、死文化ということは、事実上憲法9条の精神を180度転換させる重大な内容であります。安倍首相のブレーンとされているところからの改憲の提案が、首相の口から現実に出てきたというところに今回の問題の重大性があります。
 それはさておき、私が先ほど問題だとして申し上げたことは、たとえ安倍首相が憲法改正を党是とする自民党の総裁であったとしても、首相に選ばれている以上は、首相が負っている憲法尊重擁護義務という責任を守らなければ、立憲主義も三権分立も壊れてしまうという問題であります。早い話が、これはルールでありますから、ルール違反をしてはいけませんという話であります。知事はもとより、自民党の皆さんも一緒になってそういう声をあげていただきたいということを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。

熊本地震関係での質問
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 平成29年熊本県議会 6月議会での一般質問 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月16日
 熊本地震関係
 
 次に、熊本地震関係でお尋ねします。
 発災から1年2カ月が経過しました。
 私たち日本共産党は3月から6月にかけて熊本地震で被災された方を対象に、アンケート調査を実施し、現時点で約800人の方からご回答をいただいております。
 そこで浮き彫りになったことは、住まい再建にまだ多くの方が目途が立っていないという深刻な現状であります。仮設に入居されている方は、その大半が退去後のめどが立っていないと回答されており、その理由の最多が経済的理由となっています。知事は4月10日付新聞インタビューに答え、「住まいと仕事の確保に一定のめどがついた」とおっしゃっておられますが、実態はそんな楽観的な言葉が出てくるような状況ではないと、私は感じています。
 まず第一に、仮設住宅の問題についてお尋ねします。
 応急仮設住宅には単身者用の6坪タイプ、2人から3人の小家族用として9坪タイプ、それ以上の家族を対象とした12坪タイプという3つのタイプで設置されています。しかし熊本地震では、6坪タイプにはご夫婦など2人家族も入居されています。9坪タイプには4人家族あるいは6人家族が入居しているという事例もあります。内閣府が目安として示している以上の人数が、押し込められています。もちろん、仮設住宅を建てるときには、一刻も早く不自由な避難生活からの改善を、という急迫性があったことは理解できますし、入居された方々も、最初の時点では多少狭くても、入れるだけでありがたい、という思いでおられたと思います。しかし暮らしていくうちに、やっぱり狭くて困ると感じるのは当然です。問題は、いったん入居したら、広い部屋への住み替えを原則認めないということであります。広いところが空いていても認められません。しかしもともとが、内閣府やプレハブ業界が示している目安以上に、県が入居者数を設定して入居させているわけですから、そもそも不適切な入居状況であると私は思います。希望があれば、より広いタイプの部屋への転居を認めることは当然ではないでしょうか。せっかく地震で助かった命なのに、その後もつらい思いをさせ続けなければならないというのは行政の対応として問題であります。心身へのストレスによる体調悪化も心配であり、生活環境の改善をはかる配慮と努力が行政の側に必要であります。少なくとも単身者用に入居している2人家族、少人数家族用に入居している4人以上の家族については全戸意向調査し、より広い部屋への住み替えを希望された場合は、例外なく認めるべきであると考えますがいかがでしょうか。
 医療費の免除制度についてお尋ねします。被災者を対象とした医療費免除の制度が、2月9日の国からの通知を受け、県からの補助と合わせ、負担免除が9月末まで延長されることとなりました。ただ、仮設住宅など避難生活を余儀なくされている方々の多くが今なお自宅再建の見通しも立たず、心身ともに不安な日々を送られている現状を考えるならば、9月を期限とせずさらに延長すべきであると考えます。県として、実施主体に負担を負わせることなく、現状と同レベルの軽減措置を9月以降も継続させていくことを決断すべきだと考えますがいかがでしょうか。
 次に宅地対策の問題についてお尋ねします。熊本地震の大きな特徴である宅地被害に対して県や国が従来の枠を超えて支援の拡充を図ってこられました。しかし残念ながら支援に大きな格差が生じている現状もございます。公共事業の対象となる復旧工事について、実施主体である市町村において、住民負担をゼロとする決断が広がりました。このこと自体は私も昨年来、建設常任委員会などで取り上げさせていただいてきた問題でもあり、自治体の決断を歓迎しました。しかし一方で、公共事業の対象とならない工事には多額の自己負担が必要であります。自宅擁壁の復旧の場合、今回要件が拡大され高さ2メートル以上、対象家屋2戸以上であれば公共事業の対象となります。しかしとくに田舎のほうなどでは、一戸一戸の家屋が点在しており、公共事業の対象とならない擁壁被害が多数であります。そうした被害については復興基金による事業で支援しようと県は決断されたわけですが、しかし復興基金による事業となると、工事費1,000万円の場合には366万7千円の自己負担となります。基金による事業の場合は遡及して適用されるというところが大きな利点ではありますが、しかし同じ自宅擁壁の被害でも公共事業の対象となるかならないかで、自己負担に大きな格差が生じてしまうという現状は、改善すべきではないでしょうか。公共事業の対象となるケースは、避難道路等へ影響があるなど公共性の担保が条件となっていますが、そうした公共性の担保が認められる状況であるならば、2戸以上、2メートル以上という要件をさらに緩和して事業を適用すべきだと考えますがいかがでしょうか。
 以上、仮設住宅の住み替え問題、医療費免除継続の問題については健康福祉部長に、宅地復旧対策については土木部長にお尋ねします。
 
 <切り返し>
 
 私はこの問題は、人権問題でもあると感じております。熊本地震が発生する約一か月前、NHKが暮らし解説という番組において、東日本震災から5年が経過するということで、仮設住宅暮らしの現状が紹介されました。番組では、85歳ご夫婦の仮設の部屋を実際に映し出して、生活するうちにだんだん荷物も増えて棚とかもあちこち取り付けたけれども、もう仮設住宅に暮らし続ける我慢と苦労は限界だとのことでありました。ここで紹介された部屋はそれでも9坪タイプ、2LDKであります。部長、4畳半一間の部屋に二人で生活する状況が想像できますか。いくら仮の避難生活とはいえ、人間らしい生活空間が提供されていると言えるでしょうか。一方、2LDKに6人、入っているというのもひどい状態だと私は思います。私は内閣府があえて事務取扱要領に、部屋のタイプごとに家族人数を今回明記したのは、熊本の仮設の実態を踏まえて、改善する必要があると判断したのだと受け止めました。だから私は、今後仮設住宅を建設するときには改善しますということではなく、今苦しめられている方々の生活をただちに改善させるという姿勢が県には求められているんだということを強調したいと思います。もしそれで仮設が不足するというのであれば、将来的には災害公営住宅への転用を想定した、応急仮設の増設なども行なうべきだと私は思います。
 医療費免除の継続問題ですが、いまだ4万7千人という規模で避難生活を余儀なくされている方々がいる中で、私は少なくとも免除が打ち切られるというようなことが起こってはならないと思いますし、また実施主体である市町村も非常に厳しい財政運営を余儀なくされている中で、やはり国・県からの支援の継続は絶対に必要だと思います。ぜひ安心感を被災者や市町村に届けていただきたいと思います。
 宅地被害についてでありますが、私は熊本地震の最大の特徴である甚大な住宅被害、地盤の被害。これに対して従来の枠を超えた支援の仕組みを検討する必要があると感じています。その際、災害時における個人補償は行なわないという立場である国が、阪神淡路震災以降、どのような検討過程の中で被災者生活再建支援法を議論し立法化させてきたのか、私も少しだけ勉強してみたのですが、ぜひ熊本県も、地域社会の復旧・復興という観点から、地盤・宅地被害の復旧に対してさらにもう一歩踏み込んだ支援の仕組みというものを、国とともに検討していただきたいということを申し上げたいと思います。

県道熊本高森線の問題
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 平成29年熊本県議会 6月議会での一般質問 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月16日
 県道熊本高森線の問題
 
 次に県道熊本高森線の問題についてお尋ねします。昨年11月、四車線化の計画が報道され、以降熊本県は、計画縦覧、住民からの意見聴取、都市計画審議会での承認、都市計画決定、事業認可と、半年の期間の間にあれよあれよという間に事を進められてきました。
 もともと地震前から、県道熊本高森線を整備するという方針は、「熊本都市圏都市交通マスタープラン」に位置付けられておりました。市街地へのアクセス強化を図るとともに、空港や郊外の大規模事業所周辺におけるピーク時間帯の混雑緩和、交通円滑化を支援する、ということが明記されております。
 その一方熊本県は、やはりこれも熊本地震前から、空港とその周辺地帯の地域の可能性を掘り起こし、その最大化を図るとして、「大空港構想」を掲げてきました。その主たる目標は、新規空港路線の誘致による交流人口の拡大や、九州における広域防災拠点化などです。その後熊本地震がおこり、同構想は「大空港構想Next Stage」と銘打たれ、創造的復興を推進するシンボル・起爆剤として位置付けられています。空港ターミナルビルの機能強化・民間委託とともに重視されていることが「渋滞や待ち時間が少ない、スムーズな空港アクセスの実現」であります。こうしてみると、マスタープランと大空港構想が結びつき、その中に県道高森線の四車線化計画が位置付けられているという構図が浮かび上がってまいります。
 今回、熊本地震によって沿道は壊滅的被害を受けたわけでありますが、従来から県道熊本高森線の拡幅を進めたいと考えていた熊本県からするならば、この機会に計画を一気に進めるべきだという判断が働くことは、ある意味必然的な流れを感じるわけであります。
 しかし大事なことは、地震で壊滅的な被害を受けた被災者の頭越しに県の構想を押し付けるようなことは決してあってはならないということであります。もともと同県道が走る益城の中心市街地は、道路をはさんで近所の人が声を掛け合い、気軽に行きかうことのできる生活に密着した道路でありました。確かに、歩道が狭くで危ないとか、渋滞緩和のために右折レーンやバス停車ゾーンを作ってほしいなどの要望があったことは、私も地震前に町民の方々とご一緒に町との交渉に同席させていただいたこともありますので、よく存じております。しかし四車線化、しかも道路幅27mにも及ぶ、まさに市街地を南北に分断する道路の要望などは、私は少なくとも住民からは一度も聞いたことはありませんでした。日本共産党益城支部が中心となって実施したアンケート調査においても、四車線化問題について、「子どもの通学がどうなるのか、買い物や病院などの利便性はどうなるのか」「四車線化でなくても、部分的な拡幅でよいのではないか」など多数の不安の声、反対のご意見を寄せていただいております。私はこの四車線化問題で、県からのご説明で繰り返し「スピード感が大事だ」という言葉をお聞きしますが、その前に「住民の願いに沿って」という言葉を絶対に抜かしてはならないと私は思います。もちろん早く進めてほしいという住民のご意見があることもよく承知しています。しかし四車線化は必要ない、反対だという声が同様にあることも、県もお認めになっています。対立・亀裂を残したまま強引に進めることは、将来のまちづくりに禍根を残します。町のあり方を決めるのはあくまでその町に住む住民であります。住み慣れた町が、地震前の町の形とはもしかしたら全く違ったものに変わるかもしれない。生活が一変するかもしれない。そんな大事な問題を、スケジュール先にありきで進めるべきではありません。
 当面のさしあたっての切実なご要望は、依然として残されている路面の段差など、車が走行するうえで支障となるような箇所の修復を急ぐことではないかと思います。県道の安全な走行を確保したうえで、住民の要望に謙虚に耳を傾け、住民の納得と合意を尊重したまちづくりを進めるべきであると考えますがいかがでしょうか。土木部長にお尋ねします。
 
 <四車線化切り返し>
 
 いま戸別訪問して意向調査がやられているとのお話がございました。その中で強い抗議の声が出ているというお話もうかがっております。やはり本来なら順番としては、まず計画決定の前にこうした丁寧な意向調査が行われるべきではなかったかと思うわけであります。
 いま区画整理事業の計画も進められていますが、沿線住民の少なくない方々が今本の住まいをなくし不自由な避難生活を送られているわけで、町の将来の姿はおろかご自身のこれからの生活をどう再建していったらいいのか、見通しが立たない大きな不安の中で暮らしておられることに、私は本当に県は思いを寄せていただきたいと思います。県道4車線化には153億円の事業予算が見込まれておりますが、私はまずは被災者の生活・生業の再建にこそ優先して税金を使っていただきたいと思います。

立野ダムの質問 (対土木部長)
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 平成29年熊本県議会 6月議会での一般質問 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月16日
 立野ダムについての一般質問 (対土木部長)
 
 次に、立野ダムの問題についてお尋ねします。
 第一点目に、地震と豪雨被害により、仮配水路や工事用車両の損壊、工事用桟橋の崩壊、崩落土砂の除去など、ダム建設工事について新しい対策工事などが必要になっているかと思います。917億円の事業予算は当初よりも膨らみ、県への負担額もそれに伴って増大することが予想されますが、どの程度の増額を見込まれているのでしょうか。またダム完成後も土砂崩落や流木が流れ込んでくることが予想され、地震前の検討時とは比較にならないほどの維持管理費が膨らむことが予想されますが、それをどのように見込んでおられるでしょうか。
 二点目に、ダム水没予定地に降りていく道路は今一か所のみであり、ほとんどの崩壊箇所ではダムの底に降りる道さえ作れない、重機も運び込めない状況となっています。ダム湛水域には今も30万㎥もの土砂が堆積していると言われますが、どのような方法で土砂を搬出しようと計画しているのでしょうか。また土砂崩壊対策事業はどのように行われていく予定なのでしょうか。
 三点目に、白川の河川改修の進捗により、河川整備計画で目標としている白川の流下能力は、ダムはなくても達成可能ではないかという点であります。国交省が示した流下能力算定表によれば、基準点である代継橋で国交省が示した平成27年3月時点での流下能力はスライド余裕高で右岸側が毎秒2,691トン、左岸側が毎秒2,631㌧であります。立野ダムで毎秒200トンカットし2300トンを流すという目標は、すでに河川改修の進捗によって立野ダムなしでも達成されているのではないでしょうか。私はまだ流下能力において目標達成できていない箇所の対策工事を急いで終わらせることにより、ダムによらない治水が可能ではないかと考えますがいかがでしょうか。
 以上、土木部長にお尋ねします。
 
 <土木部長への切り返し>
 
 土木部長からは残念ながら今後の見通しや対策についての具体的な答弁はありませんでした。住民にとって影響が大きい問題であり、県としてしっかり国に問いただし、つかんでいただきたいと思います。
 土砂の流入や除去については、立野ダムによらない自然と生活を守る会の皆さんも国土交通省に公開質問状を出されていますが回答はありません。同会は合わせて5回の公開質問状を出しているのに、一度の回答もないのであります。あれだけ地震や大雨でダム予定地周辺は崩れているのに、あるいは断層があれだけ走っているのに、ダムを作るなんて本当だろうかという疑問が大きく広がっているのは当然であります。それに対し、国交省は住民の疑問に答えていこうという姿勢が全く見受けられないことは非常に問題であります。6月3日、熊日新聞に、立野ダムをめぐる違和感と題する記事が掲載されました。立野ダムをめぐっては賛成・反対の構図とは別に、安全性への不安や、復興を優先してほしいなどの意見が出てきたことに対し、国交省はホームページで回答していると繰り返すけれども、誠実さに欠けてはいないか、と指摘したうえで、地震後の安全性について流域住民に丁寧に説明してほしい、との熊本市長のご発言も紹介されています。県が国交省の建設促進の姿勢を指示される立場であるというのなら、私は県がぜひ音頭をとって、流域自治体での住民説明会開催、さらには市民団体の公開質問状への回答を国に迫っていただくよう求めます。

立野ダムの質問 (対知事)
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 平成29年熊本県議会 6月議会での一般質問 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月16日
 立野ダムについての一般質問 (対知事)
 
 先週、私は改めて、ダム予定地周辺を視察してきました。(パネル:北向山の人工林崩落の写真)、これは北向き山の鮎帰りの滝のところの人工林を写した写真ですが、ご覧の通り山の上のほうから大規模に崩落しています。人工林の中に入ってみると、旱魃などの手入れも行なわれていないために、非常に細い木が大量に伸びています。大雨がふればひとたまりもなく崩れてしまうのではないか、しかも地震による亀裂はいまも無数に残っています。まとまった雨が降ればあちこちで土砂崩落が発生するのではないか、そうした箇所はダム予定地の上流には随所に存在するわけであります。
 そこで知事にお尋ねしますが、こうした場所に穴あきダムを作ることは、将来に対しあまりにも大きなリスクを抱えることになってしまうのではないでしょうか。昨年12月県議会での私の質問に対し知事は、一つ一つのダムは果たすべき役割等々、それぞれ状況が異なるため、個々の状況に応じて総合的に判断するとおっしゃいました。しかし熊本地震発生という大きな事態の変化を踏まえた総合的な検証は、国交省主導の技術委員会の結論を丸のみした以外、全く行われていないのではないでしょうか。
 ダム予定地周辺は、そもそもが火山活動による崩れやすい土壌であります。ダム近傍に無数の活断層が走っています。熊本地震と豪雨災害により今なお無数の亀裂が生じており、またダム上流には崩れやすい人工林が存在しています。
 穴あきダムには土砂が堆積します。放流孔がふさがるとダムはただの危険な構造物となります。放流孔がふさがらない段階においてもダムによって河川の流れが減速され、ダム下流部の土砂の堆積が増大します。洪水時においても流速が抑制されるために、土砂堆積に拍車がかかり、河川に堆積した土砂は陸地となり草や木が育ち生態系が変わっていきます。さらに雄大な阿蘇の景観を損ね、自然を壊し、観光資源を傷つけることになります。
 わたしは、高々毎秒200㌧の洪水調節のために、これほどまでに大きなリスクを抱えてまでダムを作ることが正しい政策判断だとは到底思えません。
 私は今こそ立野ダム建設の妥当性について、県としての主体的・総合的な検証を行い、ダムによらない治水の方向へ舵を切るべきだと考えますがいかがでしょうか。お尋ねします。
 
 <知事答弁への切り返し>
 
 前回の私の質問に対するご回答と、残念ながらほぼ同じ内容のご答弁でありました。関係市町村がダム建設推進を要望されているとおっしゃいましたが、一方では熊本市長をはじめ複数の流域首長から、住民への現場説明会を開いてほしいという声が上がっているわけであります。熊本地震後、住民の不安が高まっている空気を感じ取っておられるのだろうと思います。
 先日、私は土木工学の専門家で崇城大学名誉教授の村田重之先生の現地調査に同行させていただきました。そこで村田先生は、はっきり言えることが二つあると強調されました。一点は、ダム湛水域にはまだ崩落していないものの多くの亀裂が各所に無数に存在しており、しかも人工林が多く残っている。大雨がふれば、大量の土砂、流木が流出しダム湖に流れ込んでくる懸念が大きいということ。そして二点目は、ダム湖に堆積する大量の土砂、流木などで、もしいったん放流孔がふさがってしまったら、その後の雨で流木は水面に浮かび上がってくるなどということはありえないと強調されたことであります。国交省の説明に疑問を呈する専門家がいらっしゃるのに、もっぱら国交省の身内で固めた技術委員会の言い分だけを採用するというのは、ダム建設促進という結論先にありきではないかとのそしりを免れません。説明責任を果たそうとしない国交省とともに、ぜひ自らの姿勢を見直していただきたいと思います。

水俣病問題
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 平成29年熊本県議会 6月議会での一般質問 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月16日
 水俣病問題
 
 次に、水俣病問題についてお尋ねします。
 公式発見から61年が経過したにもかかわらず、いまだに多数の被害者が救済を求めて裁判に立ち上がるなど、すべての被害者の救済のめどすら立っていない状況が続いています。私もこの間、直接患者さんからお話を伺ってまいりましたが、手足の感覚がない、カラス曲がりで眠れない、一日中耳鳴りがする、まっすぐ歩くことができないなど、深刻な健康被害の訴えに胸が痛みました。仕事が長続きせず、もう生きていても仕方がないといった絶望感を口にされる方もおられました。彼らはただ、汚染されていることも知らず不知火海の魚を食べていただけの人々であります。国やチッソや熊本県が、早期に対策をとってさえいれば、こんなに被害が広がることはなかった被害者であります。
 一向に解決の道筋が見えてこない最大の原因は、特措法で明記された、不知火海沿岸住民を対象にした健康調査が、いまだに実施されていないなど、被害の実態に向き合おうとしない国・県の姿勢にあります。2012年6月議会で蒲島知事は、当時の日本共産党松岡徹県議から、県は国とともに健康調査に取り組むべきだ、との質問に答え、以下のように答弁しています。特措法で、調査について県は国に協力することが盛り込まれた。国は本年2月、調査研究にかかる手法開発の検討を今年度からおこなう事を発表した。県が行った専門家による検討結果は国にも提供しており、国の検討において一つの資料となるのではないかと考えている。今後、県としては国の検討結果を注視していきたい。とのご回答であります。
 ところがその後、国は依然として手法を研究中との一言で片付けて、健康調査への見通しが全く示されないまま5年という年月が経過しております。私も過去2回、一般質問および質疑の機会で水俣病問題を取り上げましたが、蒲島知事の住民調査に対するご回答は「住民の健康調査については、国が実施し、県はそれに協力することとされている。調査内容については専門的な検討が必要であることから、本県独自の実施は難しいが、地元の様々な考え方については国に伝えていく、というものでありました。5年前のご答弁から何もやられてないのかな、としか感じられません。今なお約1,500人もの方々が裁判にまで立ち上がって救済を求めなければならない事態が続いていることに、県は加害者の一員としてなおの事心を痛め、特措法で健康調査の実施が明記されてから8年が経過してなお実施しない国に強く抗議し、直談判をおこなってでも調査の実施を求めていただきたいと考えますがいかがでしょうか。お尋ねします。
 
 <切り返し>
 
 知事が答弁されたとおり、最高裁判決を受けて確かに熊本県は住民健康調査の実施に向けて動きを作ろうとしました。平成16年11月、熊本県は今後の水俣病対策についてという冊子を作成し、この中で八代海(不知火海)沿岸地域の住民等の健康調査についての実施案を提案しています。八代海沿岸地域に居住暦があるもの約47万人を対象とし、方法はアンケート調査および医師による健診。見込み経費は8億7千300万円。実施主体は国と県とされています。しかし蒲島知事、それは潮谷県政の下で提案されたことであって、問題はそれから12年半も経過してしまっている事であります。いったい県はいつまで、健康調査の手法を研究中という言い逃れで被害の実態に向き合おうとしない国の姿勢を追認し続けるつもりなのでしょうか。民間の医師団が、対象地域外に住む住民の悉皆調査なども含め健診活動を進めておられますが、昨年一万人分のデータを分析した結果、救済対象となっていない年代や地域の住民の中にも、感覚障害など水俣病特有の症状が多く現れていることが明らかになりました。しかしそうした分析結果について問われた環境省は、健診の手法や記録を確認しておらず、分析を評価するのは困難だとして口をつぐんでいます。なぜ問い合わせるくらいのことさえもやらないのでしょうか。知事、極めて不誠実な、不真面目な対応だと思われませんか。本気で国は健康調査を実施しようと考えるのであれば、民間医師団がどのような手法で検診を行なっているのか、聞いて見たらいいではありませんか。もし手法に不手際があると言いたいのだったら、じゃあ国が自らやって見せたらいいではありませんか。先月、水俣病公式確認から61年に当たり、熊日新聞が「国の消極姿勢が目に余る」と題する社説を掲載しました。私はそういう国の姿勢を事実上追認している熊本県も同罪だと感じています。そうでないとおっしゃるのであれば、私は知事がぜひ国を動かし、水俣病解決に向けての住民健康調査を実現していただきたいということを申し上げ、最後の質問に移ります。

国保問題
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 平成29年熊本県議会 6月議会での一般質問 日本共産党 山本伸裕
 2017年6月16日
 国保問題
 
 次に国民健康保険についてお尋ねします。2018年度から国民健康保険は都道府県単位化され、県が国保財政運営をおこなう事となります。すでに標準保険料率の市町村ごとの試算は昨年11月と今年1月におこなわれ、厚労省に報告もされています。北海道や埼玉、三重、滋賀、大阪府などでは試算の公表もされています。
 5月に開かれた厚生常任委員会において私は、市町村の標準保険料率の試算結果を公表すべきではないかとお尋ねしました。と申しますのは、公表された他県ではその金額に衝撃が走っているからであります。埼玉県では2回の試算が行なわれ、いずれも現行の保険料よりも大幅な値上げであります。例えば蕨市というところでは一人当たり現行7万1,589円から14万1,806円へと約2倍の値上げ、小鹿野町というところでは現在の一人当たり6万1,109円から13万4,633円へと2倍以上の値上げとなっています。それで、これは一体どうなるんだ、大丈夫かと不安の声が上がっているわけであります。公表すべきだという私の委員会での質問に対し国保・高齢者医療課長は、「まだ不明確・不正確な部分があり、数字が独り歩きするのもよくないので公表は考えていない」とのお答えでありました。しかし多少正確でない部分があったとしても、全体的な傾向はわかるわけですし、県がそれぞれ勝手に試算したわけではなく、国がつくったシステムにもとづいて計算されているわけですから、当該市町村に対してだけ知らせるということではなく、全体を公表し、この際率直な議論を巻き起こすべきだと思うのですがいかがでしょうか。
 そもそも、国保が抱えている根本問題は、保険料があまりに高いというところにあります。もともと事業者負担がない上に、国保加入者の4割が年金生活者など無職の方、3割が非正規労働者であります。国保加入世帯の平均所得は1991年度の277万円から、2014年度はなんと144万円へと激減しています。加入者の平均所得が低い中で、被保険者からの保険料収入が大きな比重を占めている国保の運営においては、その分高い保険料設定とならざるを得ません。保険料を払いたくても払えないという方々、滞納者が増えると、国保会計がますます厳しくなるということで市町村では強権的な徴収がしばしば社会問題になってきました。生活に困窮された方が保険証を取り上げられ、病気になっても病院にかかれず、重症化してなくなったという痛ましい事例も報告されています。
 今回の国保改革で私の大きな疑問は、被保険者にとってあまりにも過酷な負担となっている保険料をどう軽減させるのかという、最も打開が求められる問題に対して明確な改善の道が示されていないのではないかということです。
 高すぎる保険料を、何とか払える金額に少しでも抑えようということで、国保会計に一般会計からの繰り入れを行なっている自治体も少なくありません。ところが今回の改革では、県に財政安定化基金が設けられ、例えば給付増や保険料の収納不足などにより国保会計が財源不足となった場合に貸付ができるようにするので、一般会計からの繰り入れはしないでもよくなると説明されています。しかし貸し付けは市町村からすればあくまで借金であり、返済しなければなりません。そうすると繰り入れをしなければ、いずれもっと保険料を引き上げるか、あるいは徴収強化をはかるかということにならざるを得ません。
 私は、被保険者にとってあまりにも負担が重いという国保問題の根本問題を解決するためには、国が国保に対して支援する国庫支出金が大幅に削減されてきた問題を不問にするわけにはいかないと思います。市町村国保の総収入に占める国庫支出金の割合は現在24%。かつては50%あったわけであります。減らされた国庫負担を元に戻すよう国に強く求めるべきではないでしょうか。
 また、県が国保運営検討会議において示された資料、国民健康保険制度改革の概要と改革の方向性においても、保険料率の決定権は市町村にあることが明記されておりますし、地域住民との関係においては、現行どおり、資格管理、保険給付、保健事業等を引き続き市町村が担うとされています。一般会計からの繰り入れなどもあくまで市町村の判断であり、県からの介入、助言などは抑制すべきだと考えますがいかがでしょうか。
 そこで、健康福祉部長に次の3点についてお尋ねします。
 まず、市町村の標準保険料率の試算結果を公表すべきと考えますが、県の考え方について。
 2点目として、国民健康保険の国庫負担を元に戻すよう、国へ要望することについて。
 最後に、市町村における保険料の決定や一般会計からの繰り入れに対する県の対応についてお尋ねします。
 
 <切り返し>
 
 保険料の公表については、厚労省が出した都道府県国民健康保険運営方針策定要領の中には、標準保険料率を当該市町村に通知するものとする、ということとともに、遅滞なく標準保険料を公表するようつとめるものとすると明記されています。ぜひ率直な議論を進められるよう、早く公表していただきたいと思います。
 5月22日、県は第2回国保運営検討会議を開き、今後の方向性として保険料水準の統一を目指す、との方向性を打ち出しました。これまでお聞きしていた説明では、県内市町村の医療水準に格差があることから、当面統一保険料は目指さないとのことでしたが、国の方針に従う方向で一歩踏み込んだという印象であります。しかし統一保険料を目指す、つまり医療費の地域差をなくすということになるならば、地域医療構想の基づいて、医療費が高い自治体に対し、病床削減や入院患者の締め出しなど、医療費適正化に向けての指導を強めるという方向は否定できないのではないでしょうか。
 さらに国は、保険者努力支援制度で市町村・都道府県の医療費削減や収納率向上の努力を判定し、成果を上げていると判断した自治体に、重点的に特別調整交付金を配分する、としています。全国的に強権的な徴収や滞納制裁の強化が強まっていくことが懸念されます。県はあくまで市町村の自主性の尊重と住民の立場に立った運営を貫くよう求めるものであります。
 以上で私の一般質問を終わります。有難うございました。

カジノ法に対する反対討論
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 平成29年熊本県議会 2月議会での質疑   日本共産党 山本伸裕
 2017年3月17日
 カジノ法に対する反対討論
 
 日本共産党の山本のぶひろです。議員提出議案、統合型リゾートの整備に際してギャンブル依存症対策等を求める意見書に対し反対討論を行います。本意見書は、冒頭、カジノ施設と会議場施設、宿泊施設等の施設が一体となっている特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律について、国内外から新たな観光客を誘致することで、観光及び地域経済の振興に寄与し、雇用の創出も図られるなど、観光立国日本の実現を推進するものだと積極的に評価しています。これには私は全く同意できません。そもそもカジノは刑法で禁じられているのになぜ政府としてこれを進めるのか、石井国土交通大臣は観光立国に資すると国会で答弁されました。しかし観光立国というならば、観光立国推進基本法の基本理念でうたわれている、住民が誇りと愛着を持てる地域社会、との精神に立ち返るべきではないでしょうか。実際、自分が住んでいる地域にカジノが作られる計画が持ち上がったらどう思うかという、共同通信社が昨年12月におこなった世論調査に対し、75.3%の方が、作らないほうが良いと回答しています。大半の住民が作らないでほしいと考えているカジノの誘致は、住んでよし、訪れて良しという政府の観光政策の理念に反しているではありませんか。また観光庁が実施した訪日外国人の消費動向によると、訪日外国人が日本に何を期待しているのかという問いに対し、世界遺産にもなった和食、自然、景勝地観光やショッピングなどといった回答が並びます。日本に来てカジノをしたいなどという要求などほとんど皆無であります。
 本意見書案では、カジノの施設の設置を認めることは射幸心をあおり、ギャンブル依存症を助長するのではないかとの懸念があり、県民の間にも不安の声があることも事実であるとして、効果的な対策を講じるよう要望されております。しかし、効果的な対策が必要だというのならば、そもそもカジノ施設の設置という不安の原因を作らないことこそ、一番の対策であります。国会での議論の中でも、ギャンブル依存症やマネーロンダリング、多重債務問題の再燃、青少年への悪影響、犯罪の誘発や治安の悪化、暴力団の介入など、大きな社会的問題を引き起こす危険性については賛成派の議員各位も認められたところであります。そもそも賭博はなぜ禁止されてきたのか。それは、人々をギャンブル依存にし、仕事をなまけさせ、かけるお金欲しさに窃盗、横領などの犯罪までも誘発し、公序良俗を害してきたからであります。日本はすでに、世界最悪のギャンブル依存大国となっています。2014年8月に厚生労働省の研究班が公表した調査報告では、日本のギャンブル依存症は536万人。成人人口の20人に1人に上る数であります。さらにカジノは、他のギャンブルと比べ依存症に誘導する危険が非常に高いと言われております。IR型カジノは、アメリカのラスベガスをモデルとして、導入が進められています。米国型の商業カジノは、収益の極大化を目標として、依存状態に誘導するテクニックが凝縮されています。その手法は、時計も窓もない空間や刺激的な音楽などの演出で、独自の陶酔感を作り出します。そして短時間でのかけを繰り返し延々と続けさせ、大金を得る快感と失う喪失感を交互に味合わせることによって、脳内に物質的依存症と同じ状態を作り出す。有り金はたくまでかけさせるというものであります。パチンコと比べてもけた違いに刺激性の高いギャンブルがカジノであります。カジノを解禁し、国民の懐からお金を吸い上げ、その上がりを使って依存症対策をとるというのは、まさにマッチポンプではないかとのそしりを免れません。
 カジノによる経済効果にも疑問の声が上がっています。韓国の、射幸産業統合監督委員会の資料によると、カジノによる経済的損失は年間7兆7千億円にのぼり、なんとカジノによる経済効果の4.7倍もの損失が出ております。カジノによる犯罪の誘発、勤労意欲の減退、多重債務、家庭崩壊、自殺など多岐にわたる負の弊害が社会にもたらされているからであります。意見書案は、丁寧な説明で国民の理解が得られるよう努めることを求めていますが、理解を求めるような性質のものではなく、カジノ施設の解禁そのものを撤回させることが必要であります。そしてそのことこそ一番の依存症対策であるということを強調し、討論を終わります。

一般会計反対討論
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 平成29年熊本県議会 2月議会での質疑   日本共産党 山本伸裕
 2017年3月17日
 一般会計反対討論
 
 日本共産党の山本伸裕です。議案33号、および議案56号に対しての反対討論を行います。
 まず議案33号、平成29年度一般会計予算案でありますが、予算の在り方に関して私が申し上げたいことの第一は、県民・被災者こそ主人公という立場で、一人ひとりの暮らしに寄りそったきめ細かな施策の充実をぜひ図っていただきたいということであります。私たち日本共産党は本議会開会に先立つ2月17日、熊本地震問題に関連し、復旧・復興についての提言を蒲島知事あてにお届けしました。被災者を一人残らず救済するという立場を熊本地震被害対策の大原則に据えることとともに、地方自治法で定められている、「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広くになう」との責務を果たす県政運営を求めています。具体的には、半壊や一部損壊世帯に対しても被災者生活再建支援制度の適用を広げることや避難生活者の生活環境改善、復興住宅の建設促進など要望事項を提言の中に列挙しておりますので、ぜひ今後の施策に生かしていただきたいと思います。そして知事が議案提案説明の中で強調された、財政健全化の取り組みを維持した上で復旧・復興の歩みを着実に進めていくということを今後貫いていく上では、やはりどうしても国からの強力な支援が必要不可欠でありますし、そのための特別立法を求めるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 第二点目として、県民にとってその事業は決してプラスにはならないというものについては県が主体的に判断し、真剣に見直しのメスを入れていくべきだという点であります。
 立野ダム建設についてでありますが、当初予算では建設事業負担金として9億3,254万6千円が計上されております。建設予定地付近は無数の亀裂によって大規模な土砂崩落が発生し、今なおそれは続いています。ダム完成後に起こり得る、土砂崩落をどうやって押さえ込むのか、納得のいく国からの説明は未だにありません。知事は、12月議会で私の質問に対し、一つ一つのダムは、果たすべき役割や歴史的背景、事業の進捗状況、流域住民や市町村の受け止め方など、それぞれ状況が異なる。そのため、個々の状況に応じて総合的に判断することが重要だ。これまでも、このような考え方でそれぞれのダムについて判断してきたと述べておられます。しかしながら、立野ダムについてはもっぱら事業主体である国の判断、もしくは国交省の身内でつくられた技術委員会の形式的な検証結果だけを根拠にし、多くのダムへの疑問・不安の声に背を向け続けておられるのではないでしょうか。なぜ県の主体的な判断が行なわれないのでしょうか。川辺川ダムについては、立野ダムと同様国の事業でありますが、川辺川ダム事業に関する有識者会議が設置され、事業をめぐる諸課題について様々な専門分野の研究者に、科学的かつ客観的な意見を求めておられたではありませんか。県内外に、断層の問題、地質の問題、環境の問題、河川の問題など、研究を真摯に進めておられる先生方、技術者がいらっしゃいます。立野ダム建設について、県が主体となって客観的・科学的検証を深める組織を立ち上げられることを強く求めるものであります。
 そのほか、同和関連事業、同和教育も含めると3億2,518万円が計上されています。国の同和対策特別事業の終結から14年がたつ今日、社会問題としての部落問題は基本的に解決された到達点にあり、行政の施策はすべての国民に公平に運用することが原則であり、人権問題の相談、教育、啓発活動は憲法に基づいて一般施策で行なうべきであります。
 県道高森線の整備に関しては20億6700万円余が計上されています。事業計画そのものは決定、認可されたわけでありますが、住民の不安、懸念が解消されたわけではありません。住民の安全、利便性、どんな街づくりを進めていくのか、難題が山積しています。県としてもしっかりと住民の暮らしの実態や要求と向き合って今後もサポートしていく姿勢が大事であります。同時に開発行為にともなう地下水への影響については、未来への禍根を残さぬよう、事業着手の前にしっかりと検証すべきであると言うことを強く訴えるものであります。
 次に、議案第56号、熊本県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてであります。本条例案は、人事院勧告にもとづく国家公務員の給与改定にともなって変更されるものでありますが、主たる内容は扶養手当について、現行の配偶者1万3000円、子6500円から、配偶者6500円、子1万円へと変更するものであります。子どもの手当の増額は当然だとしても、子どもが一人という場合は配偶者手当のマイナスとの差し引きで、合わせて3千円の減額となります。問題は子ども手当ての増額の財源として配偶者手当の削除分をあてているというところにあります。財源の措置をとってどちらの手当ても削減せず拡充させることを求めるものであります。
 以上で討論を終わります。

熊本地震にともなう県財政への影響等について
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 平成29年熊本県議会 2月議会での質疑   日本共産党 山本伸裕
 2017年3月8日
 熊本地震にともなう県財政への影響等について
 
 日本共産党の山本伸裕です。熊本地震にともなう県財政への影響等についてお尋ねします。
 議案説明の中で知事は、国の強力なご支援により、この難局を何とか乗り切る見通しが立ちつつある、と述べておられます。一体どのような根拠で言われたのか理解できません。見通しと言えば、県財政課の説明によれば、復旧関係については県の実負担5%以内で収まるが、あとの復興に関してはどういう取捨選択をしていくのか、単年度単年度の中で検討していくという部分が出てくる、とおっしゃっています。つまりこれから先の見通しは見えていないということではないのですか。
 災害復旧に関しては確かに一定度、国の支援が受けられましたが、今後の復興の取り組みに関しては熊本が特別に優遇されるような制度上の根拠はありません。知事は2月15日の定例会見で「政府のほうから、安倍首相のほうから、財政的なダメージを与えることはないので、躊躇なくやってほしいといわれている」と述べておられますが、こうした口約束だけでなく恒久的な財源支援のしくみをつくることが必要ではないでしょうか。県は新年度予算に関して通常債の新規発行額を抑制し、県債残高を減少させたといいますが、地震関連の県債残高260億円、臨時財政対策債残高を合わせると県債残高の総額は過去最高の1兆4470億円に膨らみます。県は臨財債と通常債と足し合わせて論じるのはおかしいと言われますが、しかし県の意思で発行され、返済の第一義的責任の所在は県にあるわけであります。熊本県の臨財債残高は年々膨らみ、5110億円にまで達しています。全国的にも膨張する臨財債残高とその一方で減少傾向を続ける地方交付税額が、地方自治体の財政に大きな不安を与えています。財政規模の小さい被災市町村の不安はなおさらであります。新年度当初予算が各市町村の二月議会で提案されつつあります。ちなみに熊本県の当初予算案は前年度比16%増額ですが、被災自治体を見ると、例えば益城町は前年度比351.8%、西原村でも前年度比274.3%であります。そのほかの被災自治体も含め、比率で言えば県よりもはるかに大きな規模で当初予算が膨張しております。私は熊本県は市町村を包括する広域の地方自治体として市町村の財政運営にも当然目配りをすべきだし、市町村の声を代弁し、国に対しても要求をあげることが求められていると思います。ある町の幹部の方からお話を伺いました。起債額は通常年度の5倍以上。財調は震災前の半分以下に減っている。もし今年度パンデミックが発生したり、あるいは大規模災害が起こったら財政はえらいことになる。通常は交付税の算定予想額の8割から9割で予算を組むが全額見込まないと予算が組めない。公共事業も予定価格でなく落札価格を見込んで圧縮した予算を組んでいる。などなどであります。また熊本市では一般行政経費15%カットの予算編成方針の下、トイレットペーパーを減らすなど涙ぐましい努力が各課に徹底されているほか、嘱託職員の削減、勤務時間15分間短縮など人件費削減も行なわれております。返す返すも、財政支援の特別
 立法について今はあえて争点にすべきではないとおっしゃった昨年10月の蒲島知事のご発言、そして9月県議会で特別立法を求める意見書の否決という事態は誠に残念でありました。総務部長にお尋ねします。県は今後の財政見通しの中で取捨選択という言葉を使われましたが、今後県が復興のために取り組んでいきたいと考える施策の一つ一つが、財政的には大丈夫か、果たして国がバックアップしてくれるかと心配しながら進めていくことにならざるを得ないのではありませんか。そのような中で災害弱者といわれるような立場の弱い方への支援が置き去りになってしまうような懸念はありませんか。
 次に、今後の厳しい財政運営が中長期的に続く状況を考えた時、たとえば一例ですが、復興に取り組む一定期間、交付税額の算定に関して熊本の場合は人口が減っても額を減らさない特例を作っていただくとか、基金財源を長期的に支援する仕組みの創設など国に求めるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。以上、ご答弁を求めます。

 (総務部長答弁に対し登壇)
 現状様々な支援制度が実現しているが、今後の復興事業に関しては、まだ国の支援制度が明らかでないものも少なからずあるといったご答弁であったかと思います。
 国が決断しない限り積極的な支援策が打ち出せないという実例がすでに表れております。被災者を対象とした医療費免除の制度が2月末診療分を持って打ち切られようとしました。国が財源を補助する期間が2月末までとされていたためであります。熊本市もいったん、ホームページでも打ち切ることを告知しました。もちろん私たちは制度の継続を国・県・市に要望してまいりましたけれども、そんな中2月9日、厚生労働省は国からの支援を9月まで延長しますとの連絡が入り、急転直下、免除・減免の延長が決まりました。延長はよかったのですが、例えば岩手県の場合、震災から6年が経過してなお、県知事が議会でやりますと表明して免除制度が今も継続されていることと比べても、あまりにも対照的であります。熊本では、発災からたったの10ヵ月で、まだ被災者の生活再建どころではない、住宅再建どころか解体も終わっていない、そんな中で早々と打ち切られようとしたんです。国がやりますといわない限り被災者の命にかかわるような取り組みでさえ継続できないような状況でいいのでしょうか。
 知事は議案説明の中で、安倍首相が施政方針演説で熊本空港ターミナルビルの再建、熊本城天守閣の早期復旧に関して国として全力で支援すると表明されたことを紹介されました。 
 もちろん蒲島知事が議案説明でまず最初に強調されたことであります、被災者の一日も早い生活再建ということを安倍首相も常に考えていらっしゃるだろうと期待しておりますけれども、演説であえて二つの事柄だけに特化して支援を表明されたことには若干の不安を覚えました。被災者の生活再建なくして熊本地震の復興なしという立場で、県におかれましてはぜひ政府に被災者に寄りそった支援策の拡充を迫っていただきたいと思います。
 震災から一年もたたないのに、すでに全国的には熊本地震の報道がめっきり減ったといわれています。もし万一全国のどこかで不幸にして大規模災害が発生したら、熊本支援どころでなくなるのは目に見えています。国からの恒久的支援制度の担保を取り付けることが急いで求められるということを強調し質疑を終わります。

議案32号、熊本県育英資金貸付金の支払い請求についての訴えの提起に関しての討論
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 平成29年熊本県議会 2月議会での質疑   日本共産党 山本伸裕
 2017年2月27日
 議案32号、熊本県育英資金貸付金の支払い請求についての訴えの提起に関しての討論
 
 日本共産党の山本伸裕です。議案32号、熊本県育英資金貸付金の支払い請求についての訴えの提起に関し討論を行ないます。
 本件被告とされている方々についてはいずれも熊本地震発災以前から滞納が発生しており、訴訟を起こすことについては熊本地震による影響を考慮し、約一年間の猶予期間を設け、しかしなお延滞の改善が見られないということで提訴にいたっている点や、あるいは提訴後も被告らとよく実情を聞きながら返済計画について話し合うという姿勢を県としては堅持しておられることは理解しております。担当課のご労苦も多かろうとお察しするものであります。しかし育英資金の返還を延滞している当事者4名の方の実名を挙げたうえで、請求においては延滞返還金及び延滞利息の金員を一括して支払うこと、訴訟費用は被告らの負担とすること、との、判決及び仮執行の宣言を求めている本議案には違和感を感じざるを得ません。
 奨学金の滞納者がいま全国で30万人を超えるなど、格差と貧困が拡大する社会情勢の元で、奨学金滞納がいま深刻な社会問題となっております。県育英資金制度としても共通する問題であります。滞納が発生する大きな要因として、返済する総額が高額で返済期間が長期にわたらざるを得ないこと、今日非正規雇用の激増など若者の雇用が不安定化し、経済的困窮が広がっていることに目を向けなければなりません。独立行政法人日本学生支援機構の調査によると、奨学金の延滞がなぜ始まったのかという理由について、忙しくて金融機関に行けなかったというものが8.2%、返還を忘れていた、残高を間違えていたなどのうっかりミスが7.3%であるのに対し、家計の収入が減ったからという理由が72.9%と圧倒的であります。ついで多かったのは何らかの事情により家計の支出が増えたという理由、さらに入院、事故、災害にあったためという理由が続きます。次に、延滞がなぜ続いたのかという理由については本人の低所得という理由が断トツの51.1%、ついで奨学金の延滞額の増加となっています。まじめに働いても収入が少ない。しかも不安定雇用の下でいつ収入が激減するか分からない、病気や事故にあえばたちまち生活困窮状態に陥ってしまう、こんな今日の若者の深刻な状況が見て取れるわけであります。つまり払いたくても払えないという状況が、圧倒的な滞納の理由となっているわけであります。
 県育英資金創設の主旨は、経済的理由により就学が困難な方が就学の道が開けるよう支援するものであります。もちろん、資金回収が滞ってそれが要因となって育英資金制度の運用そのものに支障をきたしてしまうような事態が生じてはならないという事情は理解できます。
 けれども、何らかの事情によりいったん返済が滞ってしまうと滞納金が発生します。滞納が続くと連帯保証人への請求が行なわれる、個人信用情報機関、いわゆるブラックリストに登録される、さらに訴訟では返還期日が来ていない分や延滞金を含めてすべてを一括で返済するように求められ、給料や財産の差し押さえといった措置をとることも可能となるわけであります。もしそうなってしまうと、ますます彼らの生活苦に悪循環の拍車がかかることになるでありましょう。滞納を取り立てるための法的手段はあっても、払いたくても払えないという事情を改善させるための支援策が強化されないならば、資金回収のために益々強硬な手段をとる、という方向に向かわざるを得なくなるのではないでしょうか。
 子どもの貧困、若者の貧困が深刻な社会問題となっている今、育英資金制度についても位置づけを重視し、予算措置もとって拡充させることが必要ではないでしょうか。具体的な対策として、返済者が生活が困窮した際の救済措置を講じることを求めます。返済に困難が生じた場合に、精神的苦痛とならぬよう早めに相談できる相談窓口を充実させることや、返済猶予というやり方も含め、所得に応じた返済制度にすること、国に対し、給付制を基本とした奨学金制度の抜本的な拡充を求めることなどを提案いたします。
 教育の機会均等を保障するためにも、そもそも学費の低減化、無償化、さらに若者の雇用支援、生活支援にいっそう力を入れていただくよう求めるものであります。以上で討論を終わります。