議会質問・討論・意見書 2017年


2018年2月議会 新年度の当初予算案に対する反対討論
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 新年度の当初予算案に対する反対討論

 2018年熊本県議会 2月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年3月16日

 日本共産党の山本のぶひろです。議案45号、平成30年度一般会計予算、および議案61号、平成30年度熊本県国民健康保険事業特別会計予算についての反対討論を行ないます。新年度予算の基本的な考え方として知事は、新たな熊本への確かな道筋を作る予算だとして、創造的復興に向けた重点10項目をはじめ、将来世代にわたる県民総幸福量の最大化につながる、実効性の高い施策が展開できるよう編成していると強調されました。このような中で多子世帯の保育料軽減のため、対象年齢を拡大し、新たに幼稚園も対象としたことや、奨学金返済が実質的に免除となる新たな支援制度の創設など、積極的に評価できるような取り組みも盛り込まれております。

 ただ、昨年5月の中期的な財政収支の試算において、平成30年度以降、29億から94億円の財源不足額が生じる見込みであるとされ、そのため、昨年10月に財政課が取りまとめた「平成30年度予算編成方針について」では、効率的な予算の執行に取り組むとして、一般行政経費や単独投資的経費について平成以降最大となる対前年度80%のシーリングという水準が、今年度に引き続き来年度についても維持されたものとなりました。

 熊本地震関連事業によって厳しい財政運営を余儀なくされている熊本県は、新聞報道などでも「県のケチケチ作戦」などと揶揄されたように、涙ぐましい節減努力を続けておられます。こうした点からも私は莫大な県費を投入する大型公共事業については、その必要性、緊急性について検証し、時には勇気を持って見直すことも必要であろうと思います。その代表例と私が思います立野ダム建設について申し上げます。昨年12月県議会で述べましたが、少なくとも基準点が設置されている下流域、熊本市においては、上流から供給される堆積土砂を適正に、定期的に除去しさえすれば、すでに河川整備計画において当面の目標と定められた流量を大きく上回る流下能力が得られていることから、立野ダム建設については、いったん事業を凍結し、震災復興やくらしに予算を回すべきではないかと申し上げました。同事業の今年度の直轄負担金は今議会の増額補正も含めて合計10億3,400万円余、さらに新年度の負担金額は11億200万円であります。先日、議案に対する質疑で私が求めました、乳幼児医療費事業の助成対象年齢の引き上げを、もし仮に、多くの他県が実施している就学前まで引き上げたとして、そのために必要となる予算規模は約5億円から6億円と試算されております。県民のいのち暮らしを守ることや震災からの被災者本位の復興を進めていくための事業をちゅうちょなく積極的に進めていくことこそ、厳しい財政状況の中にあっても切実に求められているだけに、私はこうした莫大な県費負担が生じる大型公共事業についての必要性、緊急性、経済効果について、他の選択肢も含めた客観的・総合的検証および場合によっては勇気ある見直しなど求めるものであります。

 次に、国民健康保険制度の新年度からの広域化にともない、関連予算が計上されております。政府・厚生労働省は国保の広域化について、払える保険料にするための制度改定であることを強調していたはずであります。ところがいざフタをあけて見れば、多くの市町村が、国の激変緩和や市町村独自の法定外繰り入れなどしなければ、保険料が従来よりも上がってしまうという事態が明らかになりました。しかも激変緩和措置は一定期間をかけて解消されていくわけであります。今でさえあまりに高い保険料負担に被保険者が苦しめられている中で、制度改定にともなってさらなる保険料の引き上げや徴収強化に市町村が駆り立てられていくならば、ますます制度そのものの健全な運営自体が危ういものとならざるを得ません。そもそも国保事業に対しての国庫負担が減らされてきたことが矛盾拡大の根本でありますし、そこはぜひ県としても政府に強く意見を上げていただきたいと思います。同時に少しでも市町村や被保険者の負担軽減がはかられるよう、東京都が実施を決断したように、県独自の法定外繰り入れを行うこともぜひ私は熊本県に求めたいと思います。

 次に、くまモンの新たな海外戦略に関連し、くまモン共有空間拡大推進事業として2,100万円に加え、新規にくまモン海外プロモーション推進事業として4,200万円が計上されております。議案説明の中で知事は、国内外、とくにアジアを中心に絶大な人気を誇るくまモンの共有空間を、全世界に拡大する、新たな海外戦略を展開すると強調されました。報道では、海外企業がくまモンを利用した商品化に乗り出すことを解禁する一方で熊本県のPRを求めない、と言われています。私はこうしたやり方がどのように本県の経済効果を高めることにつながるのか、どのような経済効果の試算が行われているのか、判然としません。そもそも、くまラボでの開かれた議論はあったとされておりますけれども、一体どのような過程で今回の政策決定に至ったのか、そこに熊本県や県民、地元業者の意見の反映はどの程度考慮されたのか、なぜ突如としてアサツーディ・ケイという、東京の一企業が海外版権の元締めになったのか、その決定過程に、公平性や客観性がどのように担保されたのか、本会議でのやり取りもございましたが、どうにも腑に落ちません。今後の利用についての相談窓口もアサツーディ・ケイに置かれるとのことでありますが、そうなると民間同士の交渉ごととなり、県の公式キャラクターとしての公共性、地元企業の優位性はどのように確保されるのか、熊本の企業は大きな資本に太刀打ちできなくなるのではないかといった不安も払拭できません。くまモンは、これまで大きな経済効果を地元熊本に生み出してきました。しかしその恩恵を受けてきた地元県民や業者の方々が、あまりにも唐突な県の発表に驚き、戸惑い、不安を募らせているのは非常に悲しむべきことであります。新制度により新たにライセンスを受けた商品の販売開始時期は10月以降とされていますが、私はせめて結論やスケジュールありきでことを進めるのではなく、県民や地元業者の意見を十分に聞き、そのうえで制度の詳細を開かれた形で提案し、誰が考えても納得が得られる方針を練り直すべきだと考えます。
 以上のような点を申し上げ、討論を終わります。

2018年2月議会 子どもの医療費助成事業に関しての質疑
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 子どもの医療費助成事業に関しての質疑

 2018年熊本県議会 2月議会 日本共産党 山本伸裕 2018年3月8日

 日本共産党の山本伸裕です。提案されております来年度熊本県一般会計予算案の中で、乳幼児医療費事業についてお尋ねします。助成対象年齢は現行通りのまま、4億8,152万7千円の予算額が提案されております。
 私は2015年6月議会でも、市町村への助成水準を引き上げるべきではないかという質問を知事に対して行ないました。当時においても、熊本県の助成水準は全国最低レベルでございましたが、その後さらに他の都道府県との格差は広がっております。現在、入院時の助成対象が3歳児までという水準にとどまっているのは全国で熊本県ただ一県であり、他の都道府県は、少なくとも就学前までを助成対象としています。通院の場合においても、助成対象は3歳児まで、というのは全国最低であり、多くの県は少なくとも修学前まで助成しているというのが現状であります。
 知事は2015年6月議会においての私の質問に対し、すでにすべての県下市町村が、県の補助制度に独自に上乗せをして助成をおこなっているため、市町村への助成対象を拡大しても、市町村の財政負担の肩代わりにしかならず、県民幸福量の最大化にはつながらない、また、県としては、単に、他県がしているから、また、他県の水準並みにということではなくて、県民が本当に必要としていることは何かを丁寧に把握したうえで、真に県民幸福量の最大化につながる取り組みを実施してまいる、と答弁されています。
 けれども、市町村から県に対し対象年齢を拡大してほしいとの願いが切実に存在しているということは、県市長会が繰り返し熊本県に対し、早急な改善を求める要望書をあげていることなどを見ても否定しようのない事実であり、そのことは県としても真剣に、真摯に受け止めるべきではないでしょうか。
 医療費助成事業は、医療費の負担を助成し軽減することによって、子どもたちを安心して産み育てることができる環境づくりの推進をはかるものであります。少子高齢化や子どもの貧困、子育ての経済的な負担が、ますます深刻な社会問題となる中で、子どもが病気になった、熱が出た、怪我をした、虫歯になった、そんなときにご家庭の経済事情に関わらず、お金の心配をしないで安心して受診、治療できるように支援するというのは、まさにセーフティーネットの基本であり、行政ができる子育て支援策の一丁目一番地に位置付けるべき問題ではないでしょうか。その事業がダントツで全国最低水準でありながら、なお見直しを行なわないというのは、いくら他の子育て支援を充実させていると強調されても私は、肝心な問題が置き去りにされているのではないかと言う思いを抱かざるを得ません。
 厚生労働省は、国保制度における子どもの医療費助成に係る国庫負担金の減額調整措置、いわゆるペナルティを、未就学児までに限り廃止することを決め、新年度から実施されることとなり、予算措置されました。その額は全体で約56億円であります。現在、県内市町村ではすべて中学3年生まで何らかの医療費助成を実施しておりますが、今まさにこの機会に、熊本県が、市町村が実施している医療費助成への支援を強める決断をすれば、全体として子育て支援の更なる充実を進める機会につながると思うわけであります。
 ぜひ知事にご決断を求めたいと思いますがいかがでしょうか。お尋ねします。
 
  (知事答弁骨子)
 
 〇限られた財源の中で、多様な行政需要にいかに応えるか、どの施策を優先すべきか、常に考え、決断している。
 〇医療費助成は、すでに県内市町村が県補助に上乗せして実施している。
 〇市町村への助成を拡大しても、県民にとってサービスの向上につながらず、市町村の財政負担の肩代わりにしかならない。
 〇限られた財源を真に必要な施策に集中すべきと考え、ひとり親家庭の学習支援、待機児童の解消など少子化対策に取り組んできた。
 〇地震からの復旧・復興を最優先に取り組んでいる。一方で人口減少、少子化対策は待ったなしの状況。
 〇考え抜いた結果、国に先駆け、多子世帯の保育料軽減措置の拡充に必要な予算を今定例会に提案した。
 〇県民が必要としていることを把握し、県民総幸福量の最大化につながる取り組みを実施していく。
 
  (再登壇)
 
 熊本県が実施した子どもの実態調査の中で、経済的困難で控えたこととして、「医療機関への受診」と答えておられる方が2%おられたとのことであります。2%というと少ないと思われるかもしれませんが、県下中学3年生までの子どもの数を考えると約24万人、2%というと4,800人であります。調査結果の比率を単純に当てはめるならば、県下約5,000人という規模の子どもたちが、経済的困難を理由に病気もしくはけがなどがあったとしても病院に行かなかったということが推察される、深刻な実態であります。
 知事のご答弁は、前回と同じご回答であり残念であります。ただ前回も申しましたが、市町村の肩代わりにしかならないと言うのは、それは違います。前回の一般質問の際に千葉県、兵庫県などの実例を紹介しましたとおり、県が助成対象を拡大すれば、市町村はさらに支援策の充実をはかることができるわけであります。市町村が厳しい財政状況の中がんばってこの間、子どもの医療費助成の対象年齢を引き上げてきたのは、それが子育て世代のお父さんお母さんたちから切実に求められ喜ばれているからであります。ほかの県より遅れているとか、ほかの県がやっているからとか、そんなことじゃないんだと言われますが、それでも私はやはり、子どもの医療費助成において全国ワーストワンと言うのは改善して返上すべきだと思います。そのことを申し上げまして終わります。