議会質問・討論・意見書 2017年


平成31年度熊本県一般会計予算についての反対討論

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 2019年3月県議会本会議 日本共産党 山本伸裕 2019年3月15日
 日本共産党の山本伸裕です。平成31年度熊本県一般会計予算について反対討論を行ないます。
 新年度予算編成の基本的な考え方として熊本県は、復旧・復興の着実な実施に加え、戦略的目標達成に向けた取り組みや人口減少問題への対応、さらには国際スポーツ大会の成功を実現するため、「重点加速化枠」を設け、より実効性の高い施策が大胆に展開される予算となるよう編成した、との事であります。熊本地震関連予算として総額761億円、当初予算の規模は7,915億円となっております。平成30年度当初予算と比べて423億円のマイナスであります。さらに熊本地震発災以前からの当初予算額の推移と見比べてみても、新年度予算額の規模は、ほぼ発災前の予算額の延長線上にあるといってもいいほどに抑制されていることがわかります。こうした予算編成の結果、通常債の新規発行額は元金償還額以下に抑制され、県債残高が減少しております。また財政調整用四基金残高は前年度から2億円増となり、84億円が確保されております。このような指標をみると、予算編成に多大な苦労と工夫がなされたであろうことが感じられるわけであります。熊本地震の苦難を乗り越え、再び熊本県が財政健全化の方向へ流れを切り開いていこうとする努力の様子もうかがい知ることができます。借金返済至上主義と緊縮財政志向は全国の地方自治体の共通した努力方向でありますが、しかし一方で、行政サービスに本来当てられるべき予算までもが圧縮され、あるいは基金積み立てに溜め込まれていくとするならば、私はもろ手を挙げて賛同することはできません。
 日本共産党熊本県委員会は昨年12月、蒲島知事に対し、2019年度県予算編成への要望書を提出いたしました。その中で私達は、いま安倍政権が国際競争力強化の名のもとに、大都市圏環状道路、国際戦略港湾、国際拠点空港の整備などを地方政治に押し付け、その一方で医療や介護など福祉施策の後退が深刻な問題となっていることを指摘いたしました。そして熊本県に対し、住民の福祉を守るという本来の地方公共団体としての役割をしっかりと果たすよう求め、具体的には199項目の要望項目を示し、ぜひ予算編成に反映していただくよう求めました。その要望項目のすべてをここで申し上げる時間はございませんので、重要課題として強調した項目の一部を再度強調しておきたいと思います。
 まず、被災者の苦難に寄り添った熊本地震からの再建支援策の拡充であります。一部損壊家屋に対しても公的支援制度を適用するなど、被害の実態に見合った生活再建支援制度へと改善をはかること、また入居延長を希望する仮設暮らしの方々に対し、延長希望を認めないという冷たいやり方を改めることなど求めます。
 次に、国民健康保険制度の問題であります。2017年の厚生労働省の調査によると県内の国保滞納世帯は5万3千世帯。全加入世帯の20%を超え、東京都に継ぐ全国2番目の高さとなっています。また、短期被保険者証の交付割合は全国トップであります。これは保険料が高すぎて払えないと悲鳴を上げる方々が広がっているからであります。実施主体である市町村への財政的支援を強く求めるものであります。
 子育て・教育支援の問題では、全国でダントツに最悪レベルとなっている子どもの医療費助成制度の対象年齢を引き上げること、教育費負担の軽減・解消をすすめること、私学助成の増額、給付型奨学金制度の拡充など実現を求めます。
 立野ダム建設の問題では、すでに河川整備計画で目標とされた白川の流下能力は達成されており、ダム建設の必要性はなくなっております。逆に想定外の水害が発生すればダムは大変危険な存在となってしまいます。ダム建設の中止と堤防強化など河川改修を中心とした対策に方針転換するよう求めます。
 まだまだございますが、すでに県には要望書を提出しておりますので割愛いたしますけれども、わたしたちが提案した要望項目について、ぜひ取り入れていただき、予算措置がはかられるよう今後も求めていきたいと考えております。
 ところで、県財政の安定的な財源保障という点では、地方交付税など国からの財源措置が重要な柱となるわけでありますが、トップランナー方式やKPI・重要業績評価指標による地方創生事業の管理など、成果主義が持ち込まれ、国が主導し自治体を一定の枠組みに追い込むようなやり方を危惧するものであります。
 一方、地域医療構想や国民健康保険の都道府県単位化、大規模災害での独自の支援制度、あるいは大型公共事業など、熊本県の姿勢が住民生活を左右する場面が増えつつあります。それだけに、熊本県、および県職員がどれだけ県民の実体、願いに寄り添って仕事を進めていくかがますます重要になっているように感じます。国に対して十分な財源保障を求めるとともに、対等・平等の国と地方自治体との関係性を堅持し、住民自治、地方自治を尊重することを貫き、県民に寄りそった財政運営を図っていただくよう求めて討論を終わります。

2019年2月県議会本会議 補正予算など提出議案に対する反対討論

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 2019年2月県議会本会議 日本共産党 山本伸裕 2019年2月27日
 日本共産党の山本伸裕です。
 まず最初に議案45号、および46号、熊本県育英資金貸付金の支払い請求についての訴えに関する専決処分についての報告、承認を求める議案であります。昨年9月議会において、熊本地震被災者までも提訴するということが承認されましたが、これに対してはさすがに批判的な県民の世論がおこりました。県教育委員会は、育英資金返還中に熊本地震を被災した方については、一年ごとに再申請することを条件に、最長5年間へと猶予期間を変更しました。このこと自体は一歩前進であると評価しますが、育英資金制度の維持を根拠に、滞納者を名指しし、裁判に訴え、延滞金および延滞利息金、訴訟費用も含めて一括して返還を請求するという県の手法そのものはなんら変わっておりません。県が発行している、熊本県育英資金予約奨学生募集のしおりを見ると、まず表紙の冒頭に「育英資金は貸与されるものですので、必ず期限どおりに返還していただく必要があります」との注意書きから始まっています。学ぶ意欲を持つ若者を積極的に応援したい、心配せずに安心してぜひ育英資金制度を活用してほしいというメッセージこそ、熊本県は発信していただきたいものだと私は思います。しかし「必ず期限通りに返還」という文言を強調せざるを得ないところに、育英資金制度そのものの問題点と改革の必要性があると私は思います。アメリカでは学生の35%、学費無償の国でさえドイツでは27%、フランスでは35%の学生が給付制の奨学金を受けています。日本と同様、高学費の韓国では2016年時点で学生の36%が給付制奨学金を利用しています。いっぽう残念ながら日本は全国平均で240万円から340万円の奨学金ローンを抱え、この数年で約1万9千人の若者が自己破産し、結婚できないと悩んでいる人も少なくありません。未来を担う若い世代が安心して学び、働ける社会をつくることが、若者の権利を守り、ひいては社会の発展につながります。県、および県教育委員会は国に対し、教育の無償化と給付制奨学金制度の抜本的拡充を求めていただくことと同時に、安心して利用できる県育英資金制度へと、改革を進めていかれることを強く求めるものであります。
 次に議案1号、平成30年度一般会計補正予算案であります。反対理由は何点かございますが、一点だけ申し上げます。人権啓発業務の中で、バス車内放送を活用した人権啓発のための業務委託に関する債務負担行為であります。放送内容は5パターンございますが、特徴的なのは、部落差別の解消の推進に関する法律をご存知ですかとか、部落差別につながるような、結婚や就職に際しての身元調査をしてはなりませんとか、部落差別についての正しい認識を持ち、差別のない熊本を一緒につくりましょうなどなど、ことさらに部落差別ばかりが強調されていることであります。なぜ熊本県は、人権問題といえば、部落差別なのでしょうか。今日、子どもへの虐待、いじめ、ジェンダーによる男女差別、外国人への偏見や差別など、人権侵害が深刻な社会問題となっている事例は無数にございます。車内放送を聞いた方々が違和感を感じ、熊本県の人権問題に対する認識や、取り組み姿勢に疑問を感じておられることは、私は当然であろうと思います。分け隔てなく生活しておられる圧倒的多数の住民の中に、部落問題は特別であるという新たな差別意識をわざわざ持ち込み、脳裏にすり込まれ、結果的に部落問題の真の解決にも逆行することになります。こうした車内放送は中止すべきであるということを訴えるものであります。以上で討論を終わります。