議会質問・意見書


「ブラック企業根絶のための法整備を求める意見書」についての提出者の説明
2013年12月19日
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「ブラック企業根絶のための法整備を求める意見書」についての提出者の説明
            2013年12月19日
  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。岩中伸司議員と共同で提出しております議員提出議案第9号「ブラック企業根絶のための法整備を求める意見書」について、提出者の説明を行います。
 ブラック企業規制の法整備は、日本の若者、労働者、日本社会にとって喫緊の課題です。いわゆるブラック企業でやられているのは、採用した労働者に過重な労働を強い、次々に離職に追い込むという、大量採用、大量離職・解雇を前提にした経営です。
 暴行、暴言、侮蔑、脅迫による精神的な攻撃など、パワーハラスメントも横行し、過大な目標や仕事量による長時間・過密労働が常態化しています。こうした中で、多くの若者が心と身体を病み、退職に追い込まれています。
 ブラック企業のやり方を放置しておけば、いわゆる「普通の企業」は、労働者を非人間的なやり方で働かせ、低コストで経営するブラック企業に企業として太刀打ちできません。「普通の企業」が生き残るためには、対抗上ブラック企業のような働かせかたに変わらざるをえず、ブラックな企業が増えていくことになってしまします。
 ブラック企業が成り立つのは、「正社員で募集すれば、いくらでも人は集まる」という労働市場になっているからです。働いている人は「辞めたら正社員での再就職はできない」との思いから、連日の長時間労働にも、パワハラやいじめにも耐えていかざるを得ない状況に追い込まれています。
 派遣法をはじめとする労働法制の規制緩和で非正規雇用を労働者の4割近くにまで増やしたことが、ブラック企業の格好の存立条件をつくっているのです。
 ところが安倍内閣は、「派遣を常用雇用の代替にしない」という大原則に背いて、正社員を派遣に置き換えることを完全に自由化し、禁止された日雇い派遣も復活させる労働者派遣法の大改悪案を来年の通常国会に提出しようとしています。
 こんなことをすれば、非正規雇用がもっと増え、若者が正社員になる道をいっそう狭め、ブラック企業を増やし広げることになってしまいます。
 ブラック企業での無法な働かせ方を規制する新しい法律をつくり、人間らしい雇用のルールをつくることを急がなければなりません。
 ブラック企業を規制するために、求められる法整備は以下のようなものです。 
 労働時間を正確に把握・記録し、職場から長時間・ただ働き残業をなくす仕組みをつくること。
 各事業所ごとに労働時間管理台帳を作成し、管理職をふくめた全労働者の労働時間を正確に把握・記録することを使用者に義務づけること。
 職場から労働時間をチェックすることによって、長時間・ただ働き残業をなくし、「追いつめられている」労働者を救済することができるように、本人はもとより、本人の同意があれば、職場の労働者や家族、友人も、労働時間管理台帳と賃金台帳を閲覧できるようにすること。
 残業時間は、労働省告示により年間360時間が基準として定められていますが、これを労働基準法に明記し、年間残業時間の上限を360時間とすること。  
 厚生労働省の過労死基準、月80時間以上の残業をこえるような残業時間を可能にしている36協定の特別条項は廃止すること。
 EUでは、1日の労働が終わり、次の労働がはじまるまでのあいだに連続11時間の休息時間を保障することを法制化しています。日本でも、こうした法整備を行うこと。
 「サービス残業」は、労働基準法違反の違法行為です。違法行為をした企業に罰則を科すとともに、「サービス残業」が企業にとって「割に合わない」仕組みをつくること。
 求職者が、就職を希望する会社が「ブラック企業」に該当するかどうかを判断できるように、新規採用者数と退職者数を企業が公表する制度をつくること。
 「就職してみたら話がちがった」という事態をなくすために、企業が作成する賃金台帳や求人募集広告に記載する賃金について、賃金形態(月給、日給、時間給等の区分)、基本給、定期的に支払われる手当、時間外手当、通勤手当、昇給にかんする事項等を明示することを企業に義務づけること。―などです。
 厚生労働省が9月に実施した「ブラック企業調査」の結果、対象となった5111事業所のうち、82%にあたる4189事業所で労働基準関係法令の違反があり、是正勧告がなされています。
 法令違反があった4189事業所のうち、「違法な残業(時間外労働)があった」事業所が43・8%、「賃金不払い残業があった」事業所が23・9%、「労働条件の明示がなされていない、抜けがあった」事業所は19・4%。1カ月の残業時間・休日労働時間が80時間超という「過労死ライン」の労働者がいる事業所は24・1%、100時間超は14・3%。
 法令違反のなかには、社員の7割を係長職以上の「名ばかり管理職」にして残業の割増賃金を支払わなかったケースも含まれています。
 政府の調査結果を見ても、ブラック企業規制の法整備は急務です。
 以上で、「ブラック企業根絶のための法整備を求める意見書」についての提出者説明を終わります。
以上

「2012年度一般会計歳入歳出決算の認定」について反対討論
2013年12月19日
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「2012年度一般会計歳入歳出決算の認定」について反対討論
            2013年12月19日
  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。知事提出議案第26号2012年度一般会計歳入歳出決算の認定」について反対討論を行います。
 地方自治法第233条は、「普通地方公共団体の長は、決算を議会の認定に付するに当たっては、当該決算に係る会計年度における主要な施策の成果を説明する書類その他政令で定める書類を併せて提出しなければならない」「普通地方公共団体の長は、議会の認定に付した決算の要領を住民に公表しなければならない」としています。
 自治法が決算に関してこうした規定をしているのは、決算の審査が、施策の効果という点でどうだったか。住民の側からとらえてどうだったかを明らかにすべきだということです。この点で監査委員の監査が、財政収支の実態や収入支出など主として会計処理上の問題を中心にしているのと異なる所以です。
 この点で、決算特別委員会の審査方針が、「予算の執行」『財産管理』『執行体制』「法令違反等」「前年度決算特別委員会の指摘事項」を審査対象としていますが、私は、これに加えて「施策の評価、成果及び改善点」を新たに加えること、さらに言えばこの面を重視した決算審査に発展させることを提案いたします。
 予算の執行による行政効果はどうだったか、施策上改善すべき点はどうか、不用不急な支出のあり方はなかったか等々の視点に立ってみると、2012年度一般会計歳入・歳出決算の認定には同意できません。
 立野ダム建設につての2012年度の支出は、9千8百万円余です。立野ダム建設においては、現時点での計算でさえ、県の負担額が約300億円にもなります。県民一人当たり1万5千円ほどです。ですが、おそらくこれにとどまることはないでしょう。川辺川ダムの場合当初の350億円から3300億円に雪だるまのように膨れ上がりました。立野ダム周辺の複雑な地質などからすると、今後調査費、工事費が膨れ上がるのは必定です。2012年度は1億弱ですが、今後累増していくことになり、県財政の大きな重しになります
 熊本県がその場で了承した、昨年9月11日の会議で示された「立野ダム検証報告書」のかなめの部分、「立野ダムの目的」の説明の文章と地図の部分ですが、私が、9月4日の国交省九地整要請でこの部分の問題点を指摘すると、その場では答弁不能状態になりました。
 最近、つくられた国交省のパンフレットをみると、早くも、この部分は文章も図もかえられています。こんないい加減な計画に、何百億円もの県費を投入すべきではありません。
 巨大ダム建設は、地域の雇用と仕事の確保には結びつかず、主としてゼネコンの儲けになるものです。白川の治水対策は、地元の建設業者などの仕事と雇用にもつながるダム以外の対策で進めるべきです。
 限られた、厳しい県財政の下で多年度にわたり莫大な支出をいやおうなく求められる立野ダム建設の道は、県政、県財政を大きく踏み誤らせるものであり、転換すべきです。
 路木ダム建設には、16億2千4百万円余がつぎ込まれています。治水、利水それぞれで不要で、羊角湾などの環境悪化をもたらす路木ダムへの多額の県財政の投入は認められません。
 パナソニック鏡工場閉鎖、ルネサスエレクトロニクス錦工場の「閉鎖」「譲渡」計画、大津工場の「譲渡」、益城町のルネサスマイクロシステム九州事業所の「閉鎖」、大津町のホンダソルテックの「閉鎖」発表、30億円余りを投入した工場用地のたなざらし状態等々、大手企業誘致の経済政策は、行き詰まりと破綻に直面しています。
 にもかかわらず、2012年度も、企業立地促進費補助19億2千万円、工業団地整備事業7億5百万円など、多額の大手企業誘致関連支出がなされています。こうした、型にはまったように毎年繰り返される企業誘致関連支出には同意できません。
 従来型の企業誘致中心の経済戦略を、地場企業、農林水産業、観光等の振興による経済戦略に転換し、資金が県内に還流し、循環するし、マネーフローが活発になるようなり、県経済を、熊本の自らの持てる力で活性化させていく方向に大きく転換すべきです。
 徐々に減っているとはいえ法的にも不適切で、社会的に不公平な部落解放同盟、全日本同和会などへの補助金等が3千万円余も支出されているのは容認できません。
 県民から見て、県の施策はどうか。県民目線での検証として、いくつか指摘したいと思います。
 県内の仕事と雇用の拡大、個々の住宅の耐震、断熱、バリアフリー対策など、多様な需要があり、経済効果が、公費負担の10倍15倍にもなる住宅リフォーム補助について、先延ばしにされています。
 国による緊急経済対策として、2012年12月、72億5千万円が交付されています。このうち14億3千万円が繰り越しになっています。緊急経済対策費のその後の交付額を含め、そのうち現時点で32億円が未契約で事故繰り越しとなるやもしれぬ状況にあります。「住宅リフォーム補助に活かしておけば」と指摘せざるを得ません。
 子ども医療費の中学生までの無料化を求める知事への要請署名は、昨日時点で68、558人に達しています。子ども医療費無料の施策は、乳幼児医療費補助として、県が2分の1を市町村に補助する制度としてスタートしたものです。現在、住民の切実な要求を受けて、市町村においては、厳しい財政のなかでも、無理をして大幅な年齢の引き上げをはかっています。ところが県の補助は3歳までにとどまっています。
 「市町村がやっているから」という県に対して、「無責任」「冷たい」と多くの県民が見ています。そうした声や思いが、7万人近くの署名に込められているのです。
 「県民幸福の最大化」と知事はよく言われるが、乳幼児、児童、生徒全体の健康、いのちに係る施策が、子ども医療費補助制度です。最大量の子どもを対象とした施策が全国最低で、どうして「県民幸福の最大化」と言えるでしょうか。
 小学校、中学校、いわゆる義務教育の児童、生徒全体を対象にしている施策が少人数学級です。最大の児童・生徒を対象にした教育施策です。これでも熊本は全国最低です。これで「幸福量の最大化」ということが言えるでしょうか。
 地方自治法は、その第1条2項において「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」と 定めておりますが、この地方自治体としての本来の役割、任務に照らして、子ども医療費、少人数学級という「2大全国最低」の問題に象徴される現在の県政のあり方は、大きく変えていただかねばならぬと知事に強く望むものです。
 以上で、「2012年度一般会計歳入歳出決算の認定」について反対討論を終わります。
以上

「介護保険制度における新たな地域支援事業の導入に関する意見書」および
「消費税の軽減税率制度を求める意見書」に対する反対討論  2013年12月11日
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12月議会 「介護保険制度における新たな地域支援事業の導入に関する意見書」および
「消費税の軽減税率制度を求める意見書」に対する反対討論
            2013年12月19日
  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。 議員提出議案第6号、介護保険制度における新たな地域支援事業の導入に関する意見書に対する反対討論を行います。
 介護保険問題では、政府が進めようとしている介護保険改悪の全体像の中で地域支援事業の問題点をとらえることが重要です。
 厚生労働省は、来年の通常国会に、介護保険改悪案の提出を準備しています。その特徴は、介護を必要とする人のサービス利用をきびしく制限し、国民に負担を強いるというものです。
 厚労省が社会保障審議会介護保険部会にしめした改悪案は、
 ひとつは、一定の所得のある高齢者の利用料負担増です。2000年に介護保険制度が発足して以来、1割だった利用料負担を初めて2割にするものです。年金など限られた収入しかない高齢者にとっては、現在の1割負担も軽くありません。負担の重さからサービス利用を断念する高齢者も少なくありません。
 介護保険は、いったん介護が必要になれば、生涯利用を続ける人がほとんどという特別の制度です。2割への負担増の対象は、65歳以上の高齢者の5人に1人にものぼります。経済的理由で利用を断念する人を激増させることなどあってはなりません。
 介護保険部会で、大企業役員の委員から“将来すべての課税対象者を一律2割に”との意見も出ています。今回の負担増が「原則2割」の突破口にされる危険もあります。
 次に、特別養護老人ホームの入所条件を「要介護3」以上にすることが計画されています。これによって「介護難民」をさら生み出し、「保険あって介護なし」という深刻な事態が広がることになってしまいます。
 以上のような改悪案とともに、政府が強行しようとしているのが「軽度者」の締め出しです。「要支援1、2」の高齢者約150万人を国基準の介護保険給付の対象から除外するということは、制度の存立にかかわる大問題です。
 もともと「要支援1、2」は、小泉政権時の、2005年介護保険改悪で導入されたもので、当時「要介護」の高齢者が「要支援」に変更され、福祉用具の取り上げなど深刻な事態が生じました。それでも「予防給付」という国基準の介護保険給付を保障する仕組みは残されました。 今回は国基準による「予防給付」の仕組みすら廃止し、市町村の事業」に丸投げするというものです。あまりに無責任、無慈悲と言わなければなりません。
 地域支援事業については、導入して改善ではなく、導入そのものに問題があるということです。 
 議員提出議案第6号には同意できません。
 
 議員提出議案第3号「消費税の軽減税率制度を求める意見書」について述べます。
 安倍政権は、消費税8%による増収分は、全額社会保障の財源に回すとともに、増税によって日本経済や国民の暮らしが痛めつけられないよう配慮するとしてきましたが、安倍政権のもとでの来年度予算方針は、そうしたことが消費税増税の口実にすぎなかったことを示しています。
 政府が決めた来年度予算編成の基本方針や与党の来年度「税制改正大綱」で盛られているのは大企業への減税です。東日本大震災の復興財源になる復興特別法人税の来年3月末廃止、「民間活力の活用」などの口実での大企業の交際費や設備投資減税、そして、財界が強く要求した法人実効税率の引き下げも「引き続き検討」と明記されています。
 減税などで大企業のもうけを増やせば、トリプルダウンのように回りまわって賃金や下請け単価が引き上げられるという筋書きが、実際は、内部留保が巨額に膨れ上がるだけで、何の保証もないことはすでに証明済みであり、この面での消費税増税の口実も破たんしています。
 消費税増税の増税分を社会保障の財源に回すといった口実も、年金引下げ、生活保護や介護などの改悪等ですでに底が割れています。
 政府が先日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は年率1・1%の伸びと、速報値より大幅に悪化しました。
 国民の所得が減り続けるなか、消費税が増税されれば、国民生活はいっそう悪化し、日本経済がさらに落ち込むことは確実です。
 消費税増税はまさに“百害あって一利なし”です。
 消費税増税を中止すること。そのことを求める意見書こそ強く求められていることをあらためて強調するものです。
 議員提出議案第3号には同意できません。
以上

委員長報告に対する討論「熊本県一般職員の給与に関する条例の一部改正」「港湾管理条例の改正」
「指定管理者の指定」「私学助成の充実強化に関する請願」について  2013年12月19日
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12月議会 委員長報告に対する討論
            2013年12月19日
  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。
 知事提出議案第10号「熊本県一般職員の給与に関する条例の一部改正」は、55歳以上の県職員の昇給を抑制するものです。公務員の賃金、退職金の引き下げ等は、民間賃金の引き下げ、地域経済停滞、公務員労働者の意欲の減退の要因となってきました。こうしたやり方は改めるべきです。
 あわせて、重視すべきは、国の公務員労働者への仕打ちは、地方行政全体を標的にした政策の一環であるということです。
 今年度、地方交付税削減を絡めて、地方公務員給与の大幅削減がなされたように、公務員攻撃は、政府による「地方行財政制度の見直し」すなわち、「臨時財政対策的な交付金措置の見直し」、「義務的経費の踏み込んだ見直し」「地方財源の国と歩調を合わせた抑制」など、地方財源の抑制・削減の方針と一体のものです。
 知事提出議案第10号には反対です。
 
 知事提出議案第21号「港湾管理条例の改正」は、港湾使用料等を来年4月から消費税8%を前提にして引き上げるもので、賛成できません。
 
 知事提出議案第25号「工事請負契約の変更」は、路木ダム本体工事関連工事で、「当初想定の地質と異なっていたことによる止水(水を止める)対策、法面対策のために」3億4千6百万円余を増額するというものです。路木ダムには、今年度、13億1630万円が計上されてきました。加えて4億円近くの増額です。
 金額もさることながら、この工事契約変更は重大な問題を投げかけています。路木ダムは試験湛水中ですが、この段階で、「当初想定の地質と異なって」、漏水があるということは、いったいどいうことでしょうか。路木ダムについては、これまで、治水、利水、環境などの面で、具体的に指摘し中止を求めてきました。これらに加えて、岩盤、地質の問題が明らかになったわけです。路木ダム確認作業報告書では、岩盤、地質の検討はなされていません。岩盤、地質についてのこれまでのデータの公開、全面的な調査を求めます。
 知事提出議案第25号には反対です。
 
 知事提出議案第28号「指定管理者の指定」は、天草ビジターセンターの指定管理者に、「三勢・人づくりくまもとネット・祐和会共同体」をするというものです。
 三勢・人づくりくまもとネット関連では、両者が指定管理者となっている「あしきた青年の家」で、昨年8月4日、食中毒事故が起き、県教委から指導を受けています。ところが、今年の4月27日にも食中毒事故をおこし、再度指導を受けています。さらに、今年の9月20日、天草青年の家で、アレルギー食材を誤って提供するという事故を引き起こしています。幸い大事には至らず、この事故は、公表はされておりません。しかし、両者は、短期間に3回の、ひとつ間違えば人命に係る重大な事故をおこし、県教委から厳しい指導を3回も受けているのです。指定管理者取り消しということにもなりうるケースです。
 その団体が、なぜ指定管理者に選定されたのでしょうか。知事部局では「知らなかった」ということですが、現時点では、事情は明らかになったわけです。議会として、こういったことを見過ごしていいのでしょうか。執行部に対するチェック機能を発揮すべき議会の真価が問われています。
 知事提出議案第26号には反対です。
 
 請第42号「私学助成の充実強化に関する請願」の不採択には同意できません。
 請願は、「私立学校の経常費補助金を公立教育費の2分の1に増額を」、これは国会決議でもあります。「耐震強化に伴う校舎改善に伴う予算の増額を」「就学支援金への負担金を増額し、年収350万円以下の家庭は授業量を無償に」などというもので、県議会としては当然採択すべきものです。不採択に反対です。
 以上で、委員長報告に対する討論を終わります。
以上

「瀬戸石ダム」「指定管理者」問題について質疑をおこないました
2013年12月11日
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12月議会 瀬戸石ダム」「指定管理者」問題についての質疑
            2013年12月11日
  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。知事が、議案説明要旨、「最近の県政の動向」中で「川辺川ダム問題への対応」「球磨川の治水」に触れておられることに関連して質疑を行います。
 国交省九州地方整備局、熊本県などが共同して、昨年7月の九州北部豪雨の検証を行っています。その会合の中で、川辺川ダム住民討論集会で、国土交通省側の論者として参加した小松利光九州大学大名誉教授が講和を行い、「河川横断構造物の危険性」として、「地球温暖化によると思われる災害外力の増大下では,現存する取水ダム、橋梁、堰、頭首工などの河川横断構造物が洪水に対して更に水位を上昇させる等、非常に危険な状態を招くことが近年の洪水災害から明らかになってきた。従ってこれらの河川横断構造物のチェック、改善、撤去などが急務となっている.また土砂だけでなく流木の影響も合わせて考慮した河川計画・管理が不可欠となってきている」「電力会社管理の河川構造物や橋の点検・見直しが急務である」と指摘しています。
 この指摘は、瀬戸石ダムにも明白に当てはまるものであり、球磨川の治水安全度を高めるうえで、瀬戸石ダム撤去を正面から検討するダことが求められています。
 2008年8月、潮谷前知事が、新聞の「県政回顧―潮谷前知事語る。荒瀬ダム」という中で、「水利権更新を前にした水面下の交渉で許認可権を持つ国交省からは、更新を認める事実上の条件として、浸水防止のための堆砂除去や護岸補修、ダム湖内の堆砂の下流及び海域への補給などが示されました。県にとって技術的にも費用的にも高い要求で、『すべての条件を満たすのは無理』との判断にいたりました」「(荒瀬ダムの)撤去は私の決定ですが、撤去に向けて検討するよう指示したことはありません。企業局があらゆる試算の結果として言い出したことです」と述べています。
 先日、市民団体がこの発言の根拠となる文書などについて、公開質問を行った際、国交省、熊本県ともに。「そういうものは知らない」との回答だったそうですが、これは事実を偽るものです。
 私は国会議員を通じて、国交省が、「ダム検査規定」第4条にもとづいて、今年の5月27日の定期検査で、瀬戸石ダムを「総合判定A」としている文書を入手しました。
 「総合判定A」は、「ダムおよび当該河川の安全管理上重要な問題があり、早急な対応を必要とする」というものです。
 現在撤去工事が進められている荒瀬ダムも、「総合判定A」でした。
 荒瀬ダムの水利権更新の時、国交省は判定Aにもとづき、熊本県知事に対して、「堆砂対策」「水質対策」「洪水被害対策」「護岸補修」について対応するよう求めています。
 熊本県は、この指摘の沿って、ダム湖内の堆砂の除去、道路側壁の補修、洪水被害補償、赤潮対策、泥土の除去、下流への土砂補給、河川環境の向上策、塵芥の除去などを検討し、発電機やダムゲートなどの主要設備の取り換え、メンテナンス等を合わせ、約73億円超の費用を試算しています。
 これらをふまえて、荒瀬ダムの存廃を検討した結果、存続は、「技術的にも費用的にも困難」ということで、潮谷知事の「荒瀬ダム撤去表明にいたっています。
 瀬戸石ダムは、堆積ヘドロ・土砂、護岸の痛み、アオコ、赤潮の発生、悪臭、洪水時の水害、振動、騒音、水害等々、長年住民に苦難を強いてきました。
 荒瀬ダムが抱えた課題と同じです。
 ダム存続の「技術的、費用的困難」、球磨川の治水、環境の回復、住民の苦難の除去等を考えるならば、瀬戸石ダムも荒瀬ダム同様撤去となるのが妥当ではないかと考えます。
 なお撤去費用は、事業者である電源開発と河川管理者である国交省の負担とすべきです。根拠は、河川法75条、76条です。
 河川法第36条にもとづき、知事の意見が求められることになります。国交省に確認したところ、「瀬戸石ダムの水利権更新の可否は、『知事の意見次第』ということでした。
 知事のお考えはいかがでしょうか。
 
 (「今は答える段階ではない」という趣旨の答弁)

 次に知事提出議案第28号、指定管理者の指定について伺います。
 天草ビジターセンターの指定管理者として、三勢・人づくりくまもとネットが示されていますが、両者が指定管理者となっている「あしきた青年の家」では、昨年8月4日、食中毒事故をおこし、県教委から指導を受けています。ところが、今年の4月27日にまた食中毒事故をおこし、指導を受けています。さらに、今年の9月20日、天草青年の家で、アレルギー食材を誤って提供するという事故を引き起こしています。幸い大事には至らず、この事故は、公表はされておりませんが、短期間に3回の重大な事故をおこした共同体が、指定管理者として選定されているわけです。
 環境生活部長に伺います。
 こうした状況は知っていて、なおかつ指定しているのか、知らなかったのか、いかがでしょうか。
 
  (「知りませんでした」)
 
 瀬戸石ダム、荒瀬ダムともに「総合判定A」ですが、それぞれに出した国交省の文書を見ると、瀬戸石ダムは一般的で、荒瀬ダムの方は、ハードルを高くして、具体的に対策を求めています。国交省の対応に、疑問を感じています。
 国交省の加減によって、水利権更新が左右され、水害、環境被害に長年、さらされてきた住民の願い、球磨川、八代海の再生への道が閉ざされることになれば、熊本県として大きな悔いを残すことになります。
 知事の英断を求め、質疑を終わります。
以上

熊本県知事への申し入れ
2013年11月29日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
            2013年11月29日
  日本共産党熊本県委員会
  委員長 久保山啓介
  県議会議員 松岡徹

   県政の重要課題解決への提言、来年度県予算編成についての要望


 直面する県政の重要課題解決への提言、来年度県予算編成についての要望をいたします。ご検討、ご配慮のほど、よろしくお願いいたします。

<直面する県政の重要課題について>
1、水俣病問題の解決   
2013年4月の最高裁判決、6月の「ノーモアミナマタ第2次訴訟」の提訴、11月の公害健康被害補償不服審査会裁決は、これまで国、熊本県が進めてきた水俣病対策の根本的な転換を求めているものです。
現時点で鋭く問われているのは、水俣病患者・被害者を様々な手段を弄して切り捨て、水俣病問題の解決をさらに困難にするのか、水俣病患者・被害者を一人残らず救済し、水俣病問題の真の解決を目指すのか―ということです。
どちらの立場に立つかどうか。知事の人として、政治家として、学究者としての真価が問われています。
 ①1977年の認定基準を見直し、すべての水俣病患者・被害者を救済する恒久的対策を確立すること。そのために、熊本県としての立場、方針を明確に示し、水俣病患者・被害者と被害者団体との協議も進め、国の政策転換をはかること。
 ②不知火海沿岸住民の健康調査を国とともに実施すること。
 ③地域と年代による「線引き」を見直すこと。
 
 
2、立野ダム中止、河川改修、「世界の阿蘇」を世界の「文化遺産」「ジオパーク」に立野ダム建設は、「熊本の宝」である「世界の阿蘇」の環境をこわし、世界ジオパーク認定、世界文化遺産登録を妨げます。立野ダム建設を糊塗して世界文化遺産になっても、5年ごとの審査で失格となり、阿蘇と熊本県は、後世に響く大きなダメージを受けることになりかねません。
 堆積土砂により白川を汚染します。想定外の洪水に対しては調整不能であり、流入量をそのまま下流に流し、甚大な被害をもたらします。放流する穴は5m×5mで、流木、岩石、草木等で詰まったり、遮蔽され、効果を失い、さらに大きな被害をもたらします。
 ダム建設のための県負担金は、現在の事業費・917億円でも300億円近くになり、県の財政を圧迫します。
 ①ダム以外の治水対策を
 河川改修、遊水地、輪中堤、道路・宅地のかさ上げなどのダム以外の治水対策をさらにレベルアップさせ、具体化し推進すること。
 5年間の期間で、現在進められている治水対策の安全度をさらに高めるために、未来大橋から立野区間を河川整備計画に組み入れ、河川の拡幅、遊水地などの具体化をはかること。
 ②約300億円は、ゼネコン儲けの巨大ダムではなく、くらし・福祉・教育、公共施設の維持修繕へ
 全国最低の少人数学級、子ども医療費無料年齢など、くらし、福祉、教育の充実が求められています。立野ダムへの巨額の県費支出は、県財政をさらに悪化させ、今でも遅れている地方自治体として本来やるべき施策をさらに圧迫・抑制することになります。立野ダムは中止し、「県民の幸福」のために活かすべきです。
 県所管の社会資本(道路、橋梁、港湾、河川護岸、海岸、住宅、学校など)の老朽化対策を急がなければなりません。
 公共投資は、ゼネコン儲けの巨大ダムではなく、地元に還元され、還流する、こうした施設の維持修繕、管理の費用に回すべきです。
 ③「ダムによらない治水・利水を考える県議の会」主催の「国交省の説明を聞いて、立野ダムを考える集い」での説明要請に対して、国交省立野ダム工事事務所は説明を断りました。理由は、「インターネットで説明している」「県、市町村という役所からの要請には答えているが、他は対応していない」というものです。「立野ダム賛成」を表明している行政以外はシャットアウトというもので、国民に対する説明責任、行政の公平性を否定するものです。
 県として是正を求めていただきたい。
  立野ダム建設推進を表明している県として、自ら県民への説明責任を果たすことを求めます。
  県主催の「立野ダムを考える」場を設定し、国交省に説明と質疑への対応を求めていただきたい。
 ④知事として、中止を決断し、国土交通省に働きかけられるよう、改めて求めます。
 
 
3、球磨川のダム以外治水対策について
 「ダムによらない治水を検討する場」(以下「検討する場」)幹事会が、11月21日開かれました。流域自治体から、「100分の1の安全度」「80分の1の安全度」を求める要望書が出されるなど、「ダムなし治水は限界がある。やはり川辺川ダムが必要だ」との議論に逆戻りする危険があります。今こそ知事が「川辺川ダム中止」を表明した「原点」にかえり、県民に依拠して、着実に実績を積み上げていくことが重要です。
 ①あらためて、「球磨川は宝」との価値観を基本に、地域をとらえ、現在から未来を展望し、「川辺川ダム中止」を表明した2008年9月11日の知事発言を、流域住民、流域自治体、県民が共有することが求められています。そのためには、知事、熊本県が揺るがず、この立場を堅持しつつ、この5年間の「ダム以外治水」の実績、到達についても、流域住民、県民に明らかにしていく必要があります。
 ②「ダム以外治水を極限までの追求すること
 過日の「申し入れ」と重なりますが、知事は、「川辺川ダム中止」発言のなかで、「住民のニーズに応えうる『ダムによらない治水』のための検討を極限まで追求される姿勢で臨むよう、国土交通省に対し強く求めていきたい」と述べています。
 しかし、国土交通省は、極限まで追求したとは到底言えません。
 ダム以外治水を極限まで検討するよう、特に人吉、球磨村の対策強化を国に求めること
 
 1―人吉市内の堤防嵩上げ・補強、遊水地など
 *堤防(パラペット含む)嵩上げ・補強を、実現可能で、効果的な治水対策として積極的に位置づけるべきです。景観などに留意しての嵩上げ、補強を国に求めること。遊水地確保に全力をあげること。
 2―中川原公園を撤去することによる水位低下を検討し、明らかにするよう求めること。そのうえで人吉市民の意向把握を国・県・市で実施すること。
 3―瀬戸石ダム撤去による水位低下を検証するよう求めること。
 4―ソフト対策についての具体化を進めること。
 5- 2008年10月の金子国土交通大臣(当時)と知事の合意に沿って、やるべき治水対策(人吉橋左岸下流部分など)について、国が積極的に予算を組み、スピーデイに進めるよう求めること。
 ③ダムなしの河川整備計画を急ぎ取りまとめ策定するよう、国に求めること。
 ④「ダム中止特措法」の早期制定を国に求めること。
 
 
 4、瀬戸石ダムを撤去し、清流球磨川、八代海の再生を
  来年3月、瀬戸石ダムは水利権の更新をむかえます。荒瀬ダムの開門によって、球磨川下流域、八代海の環境改善が顕著にみられます。荒瀬ダムに続き、瀬戸石ダム撤去によってこそ、清流球磨川は蘇ります。
 ①荒瀬ダム撤去にいたる検証、データ等にもとづいて、瀬戸石ダムについて、県としての分析、検証を実施すること
 ②「球磨川は宝」という立場に立って「撤去」を表明すること。
 
5、諫早排水門を開門し、宝の海の再生を
 長崎地裁は、開門さし止めを命ずる仮処分決定をしましたが、5年間の開門を命じた福岡高裁判決(2010年12月)は確定しており、その期限は12月20日と迫っています。国はこれまで「どんな判決が出ても開門は揺るがない」と明言しており、直ちに準備を行い、開門義務を履行すべきです。
 福岡高裁判決にもとづく開門のために、県としても全力をあげることを求めます。
 
  <来年度県予算への要望及び県政への提言>
1、くらし・福祉優先の予算、施策を
 ①国保
 市町村国保の広域化について、国に見直しを求めること。
 国に対して、国保への国庫負担の大幅増額を求めること。
 国民健康保険料・税の軽減のための市町村への援助を。
 滞納を理由にした差し押さえ、資格証明書、短期保険証発行などは行わないよう、市町村、後期高齢者広域連合に求めること。
 ②介護
 高齢者・利用者・住民の立場にたった地域包括ケアシステムを。
 介護保険法改訂に伴う、訪問介護の生活援助時間区分の見直しなどの影響調査を実施し、利用者・施設に対してマイナスとなる点については、国に改善策を求めること。
 要支援者の地域支援事業への移行、特別養護老人ホームの入所者の制限(要介護3以上)などについては、中止を国に求めること。
 介護保険料の負担軽減を。
 介護職員等による痰吸引等研修について、受講機会を増やす措置(研修回数、定員増)を。
 介護報酬の大幅な引き上げをはじめ、実効ある処遇改善策、介護保険財政への国庫負担増を国に求めること。
 ③生活保護
 生活保護基準を引き下げた大臣告示(2013年5月16日)を撤回し、元に戻すこと、生活保護改悪の中止を国に求めること。
 老齢加算の復活を国に求めること。
 生活保護窓口での対応を改善すること(生活保護の相談者に申請意思の有無を確認し、申請意思表明者には速かに申請書を渡すこと。生活保護申請用紙はカウンターに置くことなど)。
 生活保護決定通知書については、生活保護基準、その他の扶助基準、加算関係、勤労控除額、一時扶助、収入認定等の明細枠を設け、決定額がわかるように改善すること。
 生活保護行政担当者の増員、福祉資格取得者の採用推進を
 子育て中の保育園への送迎、児童のクラブ活動、買い物などのために自動車が必要な場合は保有を認めること。
 エアコンを一時扶助で支給すること。
 ④こども・子育て
 医療費の中学校までの無料化を。計画的に拡充すること。
 新婚、子育て、母子・父子家庭への民間住宅家賃補助制度の創設、県営住宅への入居枠の拡大を。
 保育料の引き下げ、待機児童の解消など公的保育の拡充。こども子育て支援法による公的保育の放棄、後退がなされないようつとめること。
 ⑤障がい者
 重度心身障碍者(児)医療補助については、現物給付にすること。助成対象を拡大すること。
 「障害者権利条約」批准を受けて、国内法整備を国に求めること。県としても施策の充実を図ること。
 ⑥アスベスト
 建設産業従事者のアスベスト被害の実態調査を実施すること。民間建築物にかかるアスベスト撤去費用に対する県補助金を創設すること。すべての被害者、家族への補償、救済策を国に求めること。
 
  2、ブラック企業対策をはじめとする労働・雇用対策
 ①ブラック企業の実態調査を実施すること。
 ②ブラック企業相談窓口を特別に開設すること。
 ③労働局との連携などによるブラック企業への是正・改善の働きかけを行うこと。
 ④県の指定金融機関である肥後銀行の労働法違反行為に対しては、指定金融機関取り消しも含む強い姿勢でもって、改善および再発防止を求めること。
 ⑤国に対して、ブラック企業根絶の法整備を求めること。
  (なお、日本共産党は、開会中の臨時国会に「ブラック企業規制法案」(別紙)を提出しています)
 ⑥県職員の労働条件の改善。非正規の待遇改善、正職化を進めること。
 ⑦進出大企業の工場閉鎖等の対策
 パナソニック鏡工場閉鎖、ルネサスエレクトロニクス錦工場「閉鎖」「譲渡」計画、大津工場の「譲渡」、ルネサスマイクロシステム九州事業所(益城町)の「閉鎖」、ホンダソルテック(大津町)の「閉鎖」発表等々、県内進出大企業の一方的な撤退、撤退計画の発表が相次いでいます。
 誘致大企業の身勝手な労働者のリストラ、工場閉鎖などの中止を求めること。
 工場進出の際の協定等によって、一方的な撤退、リストラに歯止めをかける制度的対策を講じること。国に法整備を求めること。
 ⑧限定正社員、ホワイトカラーエグゼンプション、派遣労働の一層の緩和など、「労働の規制緩和」の名の下での改悪を中止するよう求めること。
 ⑨中小企業への援助を抜本的に強化し、最低賃金を大幅に引き上げ、全国一律最低賃金制確立を求めること。
 
  3、教育・勉学条件の改善
 ①全国最低の少人数学級実施の状況を直視し、早急に拡充をはかること。
 ②教職員の過密過重勤務の善を進めること。
 ③教室の冷暖房の促進
 ④年収350万円未満の世帯の私立高校学費の無償。
 ⑤県立高校再編計画については、前期・中期計画の検証を行うこと。検証の内容を公表し、地域住民、父母、生徒、学校関係者、学識者などを入れた協議を実施すること。後期計画は、凍結し、関係者地元の意見聴取の徹底を優先すること。
 ⑥障がいのある子どもの教育条件のさらなる改善・整備を。特別支援学級加配を復活すること。
 ⑦県立中学校での公民教科書副読本の使用を中止すること。
 ⑧芸術・文化、スポーツの振興にさらに力を入れること。
  近代文学館については、設立の趣旨を尊重した拡充につとめること。県立古文書館、歴史博物館についての基本構想を策定すること。
  県立劇場のトイレの改善、エレベーターの増設、音響の改善などをはかること。
 
  4、循環型地域経済政策の推進で、地域経済を元気に
 ①地域経済をこわす、TPP参加、消費税の増税の中止を求めること。
 ②住宅リフォーム助成制度を実現すること。
 ③小規模な修繕・公共工事「希望者登録制度」で地元業者に発注すること。
 ④「公契約条例」の制定を。
 ⑤大型公共事業を見直し、特別養護老人ホーム・保育所や学校などの整備・増設、防災対策で、仕事と雇用を増やすこと。
 ⑥通学路・生活道路の整備、道路・橋の維持・修繕を予防保全の立場から積極的に取り組み、仕事と雇用を増やすこと。
 ⑦大学・高校新卒者の県内での就職、青年の雇用対策を強めること。
 ⑧農林水産業を基幹的産業として戦略的に位置づけ、食の安全、環境など地域社会の基盤として振興する。
 市町村、専門家と連携し、鳥獣被害対策を強ける。
  林業を木材生産、水源涵養、国土保全などの面で重視し、流通・加工対策、県産在の公共事業、民間での活用、間伐材のバイオ燃料化などの対策を一層強化すること。
  水産業振興では、水産物価格の保障策を国に求めること。有明海・八代海の再生をはかること。
 ⑨従来型の呼び込み型の大企業誘致、大型開発から、中小企業、農林水産業振興を基本とする内発型の経済政策への転換をはかること。
 県中小企業振興基本条例にもとづく施策を拡充すること。大型店の出店規制をより効果的なものに改め、国に法整備を求めること。
 中小商工業振興予算を大幅に増額すること。金融円滑化法廃止に伴う被害・後退が生じないようにすること。
 ⑩「買い物難民」問題が深刻化しており、高齢者、障害者が、買い物ができる商店、商店街、「移動販売」等の整備・育成をはかること。
 ⑪小水力・風力・太陽光・バイオ・地熱など自然エネルギーの推進で、地域の雇用拡大、経済の活性化をはかること。
 
  5、原発ゼロ、自然エネルギーの本格的推進
 ①熊本県として「原発ゼロ」を宣言し、国に決断を求める。
 ②原発の再稼働、新増設の中止、老朽原発の廃炉を、九電・国に求めること。
 ③原発事故による放射能の測定、医療、除染などの体制を整備すること。九電との防災協定を締結すること。
 ④水力、風力、太陽光、地熱など自然ネルギーの導入に一層力を入れること。潜在的な可能性に比しても、太陽光などに比しても大きく遅れている小水力発電の促進をはかること。熊本港の遊休地にメガソーラーを建設、誘致すること。
 ⑤節電、省エネの促進、24時間型社会の見直しをさらに進めること。
 
  6、災害に強い、安心・安全な熊本・地域づくり
 ①天井、照明器具、外壁(外装材)、窓・ガラス、内壁(内装材)、設備機器、テレビ、収納棚、ピアノなど非構造部材含む学校施設、公共施設、病院、住宅の耐震化促進を。
 ②住宅耐震診断、耐震化助成の復活・充実。
 ③地震・津波対策をはじめ安心安全の防災の地域づくり。災害からの復旧・復興のための担い手・組織の育成―消防、自主防災組織の育成強化、建設業者・建設産業の保全・育成。
 ④消防の広域化(全県4ブロック)については、地域の意見、批判に留意し再検討する。
 ⑤防災備蓄倉庫の拡充、地域の防災訓練など、日常の地域防災力を強化する。
 ⑥道路「信号機」の増設は急務であり、県民の安心・安全という見地から、予算の大幅増額をはかること。
 
  7、警察行政
 ①信号機の設置をはじめとする交通安全のための施設整備は急であり、関係予算を大幅に増額すること。
 ②経済事犯(ヤミ金、振り込め詐欺、架空請求等)、薬物犯罪(大麻・覚せい剤・MDMA・脱法ハーブなど)、銃器犯罪、ストーカー犯罪など、犯罪が多様化し、県民の安心・安全のための市民警察としての県警察の役割・責務は高まっており、地域警察官の割合を高めるなど体制整備をはかること。
 
  8、ムダづかい、不公正な公費支出の改革、財政の立て直し
 ①県財政を圧迫し、県民負担となる、ゼネコン儲けの立野ダムは中止し、地元の経済強化に直結する「ダム以外の白川治水対策」を推進すること。
 熊本港については、八代港との役割分担、費用対効果の検証を行い、「人流」を軸に、県民、熊本市民に親しまれ、利用される港をめざす。
 ②不公正・多額の同和関係団体補助金は廃止する。
 ③予算の基本を、福祉、くらしを守り、新しい仕事と雇用をつくりだし、地域を元気に、くらしと地域経済を豊かにしていくことに重点をおいて編成すること。
 ④地域循環型経済の推進で、くらしと地域経済を活性化し税収増をはかること。
 
  <国政課題について>
 1、特定秘密保護法について
 「特定秘密保護法案」は、政府が「特定秘密」を指定し、「秘密を漏らす人」「秘密を知ろうとした人」「共謀」「教唆」「扇動」などを厳罰にするというもので、公務員だけでなく、すべての国民が対象です。「秘密保護法」違反で逮捕され、裁判が行われる際も「特定秘密」は開示されず、何によって裁かれているかも不明なまま重罪にされます。
 「安全保障のためなら、秘密にして当たり前」という論がありますが、安全保障にかかわる問題こそ、可能な限り、最大限、国民に明らかにすべきです。戦前、ウソの情報で侵略戦争に国民を駆り立てたこと、「大量破壊兵器」を口実にしたイラク戦争への派兵など、歴史の教訓に学ぶべきです。
 「米軍とともに海外で戦争をする国」にするために、国民の目と耳と口をふさぐ特定秘密保護法は、「修正」ではなく廃案にすべきです。
 日本弁護士連合会、日本ペンクラブ、テレビのキャスター、出版人、演劇人、憲法・メディア法・歴史学者、外国特派員協会、国際ペンクラブ等々が反対を表明しています。知事の勇気ある態度表明を求めます。
 
  2、環太平洋連携協定(TPP)交渉について
 環太平洋連携協定(TPP)交渉は大詰めの段階です。
 安倍晋三政権は、コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の5項目は関税を撤廃しない「聖域」とし、「国益は守る」として交渉に参加しました。 ところがアメリカの強い圧力のもと、政府はすでに5項目の自由化にも踏み込んでいます。
 TPP交渉が、安倍首相のいう、「強い交渉力」で「国益」を守れる、というものではないことが明白になったもとで、交渉を進めることは「国益」に反します。
 TPP交渉から撤退するよう、国に強く求めるべきです。
 
  3、消費税の8%への増税は中止を
 8兆円を超える史上最大の大増税です。増税で、深刻な景気悪化となります。政府もこれを認め、「景気対策」として6兆円を示しています。景気の悪化を防ぐ最大の景気対策は、消費税増税の中止です。
 安倍内閣がすすめるとした「経済対策」自体も問題です。大型公共事業の追加とともに、復興特別法人税の廃止や投資減税などの大企業減税が大半を占めており、法人税率の引き下げについても「早期に検討を開始する」なっています。
 社会保障の連続改悪が進められており、消費税増税が、社会保障のためでないことも明瞭になってきました。
 働く人の月給が連続で減り続け、国民の所得が大きく減少したもとでの大増税は、暮らしと景気をこわし、税収を減らし、さらなる財政悪化ももたらします。地域経済にも甚大な被害をもたらします。増税による税収増が地方財政増に単純につながるものではなく、むしろ地方財政は、地域経済悪化等のために税収減となりダメージを受けることになります。
 消費税8%増税に対して、知事として、「ノー」の表明を求めます。
 
  4、原発再稼働などについて
 いまなお15万人が避難生活を余儀なくされ、福島第1原発の放射性物質を含んだ汚染水の海への流出が大問題になっています。「核のゴミ」処理のめども全くありません。こうしたなかでの再稼働などありえいことです。
 小泉純一郎元首相さえも、「原発ゼロ、自然エネルギーへの転換」を訴えています。
 知事はこれまで、原発問題、自然エネルギーについて再三言及され、県として、自然ネルギーへのとりくみも強められてきました。
 九州電力の川内原発1・2号機、玄海原発3・4号機の再稼働に対して、知事として反対表明をされるよう求めます。「脱原発」「自然エネルギー」について、全国にも積極的に発信されるよう要望します。
 
   5、「社会保障プログラム法案」に反対を
 昨年、税と社会保障の一体改革関連法案の審議最終盤、自民・公明・民主3党によって突然持ち出された社会保障制度改革推進法を根拠とし、目標年次と方向性を列挙する法案です。そのためプログラム法案と呼ばれています。
 推進法は、社会保障は個人と家族の責任、負担がなければ給付なしを基本原則とし、公費投入の抑制、負担増と給付の削減を方向づけています。
 国民に「自助・自立」をことさらに求めることは、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めた憲法25条に著しく背くものです。
 少子化対策、医療、介護、年金の4分野について検討項目と「改革」の行程、実施するために必要な法案提出時期を明示し、政府に実施を義務付けており、将来の議論をしばるものです。
 「改革」の中身は、国民に痛みを押し付けるものです。150万人の要支援者の
 介護保険外しや特別養護老人ホームからの追い出し、利用料の倍加、高齢者医療の窓口負担増、デフレ下での年金のマクロ経済スライド導入や、支給開始年齢の引き上げなど改悪メニューが並べられています。
 「住民福祉の増進を基本とする」地方自治体の長として、社会保障に対する国の責任を放棄し、社会保障を大きく変質させる法案は廃案にすべきことを強く求めるべきです。
以上

熊本県知事への申し入れ
2013年11月8日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
            2013年11月8日
  日本共産党熊本県委員会
  委員長 久保山啓介
  県議会議員 松岡徹

   ブラック企業対策をはじめとする労働・雇用対策について

1、ブラック企業対策
①ブラック企業の実態調査を実施すること。
②ブラック企業相談窓口を特別に開設すること。
③労働局との連携などによるブラック企業への是正・改善の働きかけを行うこと。
④県の指定金融機関である肥後銀行の労働法違反行為に対しては、指定金融機関取り消しも含む強い姿勢でもって、改善および再発防止を求めること。

2、県職員の労働条件の改善―非正規の待遇改善、正職化
①知事部局で、14・0%が臨時・非常勤職員であり、教職員関係では、9・9%です。非正規職員の待遇改善、正規雇用の大幅拡大への転換をはかること
②知事部局職員、教職員、いずれにおいても過密・過重勤務の改善が急務です。病気休職者問題も重大です。「定数削減」を見直し、勤務・労働条件の改善をはかること。

3、進出大企業の工場閉鎖等の対策
パナソニック鏡工場閉鎖、ルネサスエレクトロニクス錦工場「閉鎖」「譲渡」計画、大津工場の「譲渡」、ルネサスマイクロシステム九州事業所(益城町)の「閉鎖」、ホンダソルテック(大津町)の「閉鎖」発表等々、県内進出大企業の一方的な撤退、撤退計画の発表が相次いでいます。
①誘致大企業の身勝手な労働者のリストラ、工場閉鎖などの中止を求めること。
②工場進出の際の協定等によって、一方的な撤退、リストラに歯止めをかける制度的対策を講じること。
③熊本県労連の「ルネサス錦工場の存続に関する政策提言」など、様々な英知を結集し、前向きな打開策を探求し、提起すること。
④進出企業の徹底、リストラ等によって、職を失った労働者の雇用と生活対策に責任を持つこと。
⑤大企業誘致依存型から地域循環型経済政策への政策転換をはかること。
 大企業誘致に巨額をつぎ込む従来型の経済政策を、住宅リフォーム補助制度や公契約条例、農林水産業の振興などにより、地域でのマネーフローを活発にし、雇用を拡大し、県経済を自らの持てる力で活性化させていく方向に大きく転換すること。

4、国に対して、雇用・労働条件の改善のための要望を
①国に対して、ブラック企業根絶の法整備を求めること。
 なお、日本共産党は、開会中の臨時国会に「ブラック企業規制法案」(別紙)を提出しています。
②限定正社員、ホワイトカラーエグゼンプション、派遣労働の一層の緩和など、「労働の規制緩和」の名の下での改悪を中止するよう求めること。
③中小企業への援助を抜本的に強化し、最低賃金を大幅に引き上げ、全国一律最低賃金制確立を求めること。
④大企業が一方的に、工場閉鎖、撤退、リストラを地域経済と雇用に大打撃を与えることのないように、法整備を国に求めること。
以上

9月議会 消費税増税中止、水俣病認定審査見直し請願不採択に対する反対討論
2013年10月4日
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9月議会 消費税増税中止、水俣病認定審査見直し請願不採択に対する反対討論
  2013年10月4日  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。請第30号「国に対し、消費税増税中止を求める意見書」の不採択には、断固反対です。
 安倍晋三首相が1日、消費税現行5%から8%に引き上げると表明しました。これに抗議し、来年4月からの増税実施をくいとめるためにも、「増税中止」を求める意見書が今まさに有効であり、採択すべきです。
 安倍首相は会見で、日本経済が回復の兆しを見せていることを強調しました。しかし、1日発表された経済指標は、逆に「景気回復」が依然不確かさであることを示しています。8月の完全失業者数(季節調整済み)は、272万人で前月比21万人増加。完全失業率(同)は4・1%で、前月比0・3ポイント悪化、8月の毎月勤労統計調査では、「現金給与総額」の平均は前年同月比0・6%減の27万1913円で、2カ月連続減少、基本給など「きまって支給する給与」は、前年同月比0・1%減の25万9921円で、15カ月連続で減少となっています。
 家計調査では、8月は、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は28万4646円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1・6%減少で、2ケ月振りのマイナスとなっています。
 国民の実感と国民生活に直結する経済指標は、安倍首相のいう「日本経済が回復の兆し」とは程遠いものです。
 首相は、消費税増税が景気悪化の要因になることは認めざるを得ず、経済対策を実施することを表明しました。しかしその中身は、8兆円もの大増税で景気を悪化させる一方で、年末に決定する復興特別法人税の廃止を含め「景気対策」として6兆円もばらまくというものです。景気の悪化を防ぐというなら、最大の対策は、消費税増税の中止です。
 経済対策の中身が問題です。大型公共事業の追加、復興特別法人税の廃止、投資減税など、大企業優遇策が大半を占めており、法人税率の引き下げについても「早期に検討を開始する」というものです。
 所得が大きく減っている国民から8兆円も奪い、内部留保がさらに増え270兆円にもなる大企業には減税、とりわけ、国民には所得税の復興増税は25年間続けるのに、法人税の復興増税はわずか3年間の増税さえ「1年前倒し」で中止してしまう。本当にひどい話です。
 こうしたやり方は、景気対策としても間違っています。国民の所得と消費は落ち込み、国内の需要も企業の投資も後退し、企業内部の余剰資金だけが積み上がるという、日本経済の悪循環を進めるだけです。
 米紙ウオールストリートジャーナルは、2日の社説で、安倍首相が、消費税率引き上げを表明したことについて、「アベノミクスを沈没させる恐れがある」と批判しています。
 年金給付の引き下げ、社会保障の改悪、諸物価の一斉値上げで、庶民は大変です。
 くらしも経済も財政も悪化させる消費税増税は断じて認められません。来年4月実施を中止させるために、大奮闘することを決意として述べ、請第30号「国に対し、消費税増税中止を求める意見書」の不採択に対する反対討論とします。

 請36号、請37号は、水俣病認定制度を抜本的に見直し、すべての被害者を救済することを求める趣旨の請願です。
 4月16日、最高裁は、熊本県の上告を棄却し、「症状の組み合わせが認められない場合でも、証拠を総合的に検討した上で、個別の判断で水俣病と認定する」ことを認めました。40年近くもなされてきた水俣病認定のあり方を厳しくただしたものであり、国・県は、水俣病審査のあり方を根本的に見直すべきです。請願はこのことを求めています。
 6月20日には、水俣病特措法による地域指定、出生年月の区分によって、切捨てされた被害者などが、「第2次ノーモア水俣訴訟」として熊本地裁に提訴、9月30日には、さらに132人が追加提訴、12月には300人の追加提訴が予定されています。
 最高裁判決、新たな大規模な訴訟、こうした事実は、これまでの国・県の水俣病対策、認定基準による審査、特措法の締め切りでは、水俣病問題解決は進まないということをはっきり示しています。
 知事は、6月議会の答弁で、「最高裁の判決を受け、多角的、総合的な観点から、その具体化に向けて、今知恵を絞っているところであります」「水俣病問題の解決は、私の最大の政治使命であり、さまざまな課題に対して、引き続き積極的に取り組」むと述べています。
 最高裁判決や特措法締め切り後の現実を踏まえて、すべての水俣病被害者救済への道筋を切り開らき、水俣病問題の真の解決のためには、様々な困難を乗り越える決意と問題解決への知恵と力の結集が必要です。
 4月24日の地元紙社説が、「問題の本質を矮小化するな」として、「『イチロク、イチハチを考えないと言ったらうそになります』。認定審査会の委員を長年務めた医学者の言葉だ。認定されれば1600万円から1800万円が支払われるため、その基準に合うかどうかが頭をよぎるのだという。ここには有機水銀の影響をどう見るかという医学本来の姿はない」と書いていますが、重要な指摘です。
 2006年9月、当時の小池百合子環境大臣の私的懇談会「水俣病問題にかかわる懇談会」は、「『認定基準』では救済しきれず、しかもなお救済を必要とする水俣病の被害者をもれなく適切に救済・補償することのできる恒久的な枠組みを早急に構築する」ことを提言しています。
 司法の場では、トンネルじん肺、B型・C型肝炎など、司法救済の先例がつくられています。
 熊本県政の長年の最大の課題であり、蒲島知事をはじめ歴代の知事も大きな力を注いできた、すべての水俣病被害者の救済、水俣病問題の解決のために、あらゆる知恵と努力を結集するときです。県議会も真摯に責任を果たすべきです。
 そうした状況のなかでの請願不採択に強い怒りを抱くものです。
 以上で、請36号、37号の不採択に対する反対討論を終わります。

9月議会 肥後銀行、誘致企業などでの労働法違反に関する質疑
2013年9月25日
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9月議会 肥後銀行、誘致企業などでの労働法違反に関する質疑
            2013年9月25日
  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。知事の議案説明要旨「最近の県政動向」の(2)景気・雇用情勢の動向等に関連して質疑を行います。雇用情勢で有効求人倍率の上昇がふれられていますが、非正規雇用の増大、ブラック企業問題など労働・雇用問題は深刻さを増しています。
 総務省の2012年の就業構造基本調査によると、非正規労働者の総数が2042万人と、初めて2千万人を超え、雇用者全体に占める割合も38.2%と過去最高を更新し、熊本県内でも、非正規労働者が36・8%を占めています。
 ブラック企業が大きな社会問題になっているとして、厚生労働省は、9月1日から、4000社を対象に、立ち入り調査等を行っています。非正規雇用、ブラック企業問題に県としても正面から取り組むべきではないでしょうか。
 とりわけ、県の指定金融機関や誘致企業での不当労働行為問題について直視すべきです。
 3月19日、熊本労働基準監督署が、肥後銀行の役員や部長ら3人を労働基準法違反(長時間労働)容疑で熊本地検に書類送検、3月22日には、全行員約2300人中、2080人に残業代や休日出勤手当計約2億9000万円を支払っていなかったと、肥後銀行が発表、未払いの残業代等を支払いました。また肥後銀行に勤めていた男性が過労で自殺したと妻と母親が、損害賠償などを求め提訴しています。
 「肥後銀行は県の指定金融機関であり、どう対応しているのか」「指定金融機関としての資格が問われる」等の声が寄せられています。県としてどう対処してきましたか。
 誘致企業の工場建設に関する協定書では、企業は「労働関係法規を遵守し、健全で明るい職場環境の確立と適正な勤務条件の保持に努める」となっています。ところがそうした企業の従業員の家族から「主人がかわいそう、毎日夜中2時半まで仕事をしている。我が家も失業を覚悟しなければならない」等の訴えが寄せられています。誘致企業の労働状況の調査や問題への対応はどうなっているでしょうか。現に、県の「仕事相談、支援センター」への労働相談では、昨年度1001件の相談のうち、632件が「労働条件に関するもの」です。
 県内の労働問題にどう対応していますか。
 商工観光労働部長に伺います。

 「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」は、リストラや労働条件引き下げなどが多発するなか、国の労働基準行政では限界があるということで、都道府県労働行政の役割、任務を明確にしたものです。
 また、地方自治法、労働組合法による都道府県労働員会の職務とは別に都道府県の労働行政の強化を定めたものです。
 「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」第20条において地方公共団体の個別労働関係府の紛争への対応が整理されています。
 20条第1項では「地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、求職者又は事業主に対する情報の提供、相談、あっせんその他の必要な施策を推進するように努めるものとする」としています。2項では、国は地方公共団体の施策を支援することが定められ、ています。こうした法の精神と規定に即して、県としての能動的な取り組みを求めたいと思います。
 銀行法が改正されて、7条2項では、銀行の取締役等の適格性として、「十分な社会的信用を有するもの」をあげています。肥後銀行に対して、法令に照らしてのチェックと再発防止のための厳格な対応を求めるものです。
 指定金融機関、誘致企業をはじめ、県内における労働・雇用問題、労働関係紛争の「未然防止」「解決」のために、情報の提供、相談、国の労働行政と連携した取り組みなど、県としての積極的な対応が求められてることを指摘し、質疑を終わります。
以上

9月議会 消費税増税前提の意見書への反対討論
2013年9月25日
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9月議会 消費税増税前提の意見書への反対討論
            2013年9月25日
  県議会議員 松岡徹

 日本共産党の松岡徹です。議員提出議案第1号「生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置き求める意見書」に対する反対討論を行います。
 反対する理由の第1は、意見書が来年4月からの消費税8%への増税、それについての10月1日とされる安倍首相の表明を認める前提に立っていることです。
 参議院選挙では、消費税増税は争点にはなりませんでした。消費税増税を国民は認めたわけではありません。選挙後の世論調査では、増税を予定通りに実施すべきだは、2~3割で、「中止すべきだ」「先送りすべきだ」が7~8割と圧倒的多数です。
 内閣官房参与などの政府関係者からも、予定通りの増税に反対する意見が出されています。これまで増税を主張してきた大手新聞も社説で、「『来春の8%』は見送るべきだ」(「読売」8月31日付社説)、「消費増税の環境にない」(「東京」8月13日付社説)などと主張しています。
 県議会としていま発すべきことは、増税前提の対応ではなく、国民・県民多数の思いに沿って、4月からの増税中止を求める意思を示すことです。

 理由の第2に、消費税増税を容認すれば取り返しのつかない事態になるのは明らかです。
 安倍政権が強行しようとしている消費税増税は、来年4月に現在の税率5%を8%に、再来年10月には10%に引き上げようというもので、8%への引き上げだけ8兆円、10%で13・5兆円もの大増税計画です。
 これは、1997年の大増税(消費税5兆円、所得税・住民税2兆円)を上回る、「史上最大の増税」です。これほどの大増税を、わずか3カ月、あるいは今年1月からの半年間余りの経済動向で判断するなど、無責任極まりないことです。
 消費税を3%から5%に増税した1997年は、国民の所得は着実に増え続けており、増税に先立つ1990~97年には、労働者の平均年収は50万円増えていました。それでも2%の消費税増税をふくむ9兆円の負担増で日本経済は大不況に陥ってしまいました。
 いま日本経済は、長期にわたる「デフレ不況」のなかです。1997年をピークに国民の所得は減り続け、労働者の平均年収は70万円も減りました。最近でも、労働者の月給が14カ月連続で前年を下回るっています。
 一方で、物価だけが上がり、暮らしはますます大変になっています。中小企業は、消費税を販売価格に転嫁できないうえに、円安による原材料価格の上昇を価格転嫁できないという二重の苦しみのなかにあり、「消費税が増税されたら、店をたたむしかない」との悲痛な声が広がっています。
 消費税増税は、国民生活と経済を取り返しのつかない事態に追い込むことになります。
 理由の第3は、消費税を増税しても、財政はよくならないということです。「予定通り増税しないと、財政に対する信頼が失われるリスクがある」などと言われていますが、「増税すれば財政が良くなる」という前提自体が間違っています。
 増税で景気が悪化すれば、他の税収が消費税増税分以上に落ち込んでしまうからです。実際、1997年に消費税を2%、約5兆円増税したとき、消費税以外の税収は、増税後3年目には11・4兆円も減っています。「大不況」で税収が落ち込み、加えて「景気対策」として法人税・所得税を減税したからです。歳出でも、「景気対策」の名で大型開発の投資が行われました。 
 歳入減と歳出増によって、国と地方の長期債務残高は、増税後3年間で449兆円から600兆円に増え、財政危機をさらに悪化させました。
 理由の第4は、政府が、消費税増税表明とセットで「経済対策」と称して大企業減税、大企業優遇策を打ち出す一方、社会保障の削減を強行している問題です。法人税減税でもっとも恩恵を受けるのは大企業です。国民と中小企業が消費税の増税で損害を被る一方で、大企業が減税で、内部留保をさらに増やすなど許されることではありません。
 復興特別法人税は、東日本大震災の復興財源にあてるために2012年度から3年間の期限で上乗せ徴収しているものです。いま検討されているのは14年度末の上乗せ終了予定を1年前倒しして、13年度末に特別税を廃止しようというものです。復興財源としては、国民に対して、所得税と住民税が増税されています。所得税は37年12月までの25年間、住民税は23年度末までの10年間、上乗せされます。こんな不公平は断じて認められません。国民には消費税増税をしながら、国民生活を支える“安全網”である社会保障の削減が進められています。
 安倍内閣は、介護保険改悪をはじめとする社会保障の大改悪計画である「社会保障改革プログラム法案骨子」を8月末閣議決定しています。この案には、医療・介護・年金・子育ての各制度の改悪を確実に実行するためのスケジュールが示されています。
 8月から3年間で総額670億円の生活保護費削減が始まり、10月からは、高齢者と障害者の年金額を段階的に2・5%切り下げる減額が開始されます。連動して一人親家庭を対象に支給される児童扶養手当、障害のある子どもへの手当、被爆者の9割が受給している健康管理手当の削減も実行するとしています。特別養護老人ホームに入所できるのは要介護3以上、要支援1・2は介護保険給付の対象から除外する計画です。
 消費税増税の国民向けの理由づけだった社会保障の財源ということが偽りだったことは今や明白です。
 以上、安倍首相が判断するとしている消費税増税の不当性のいくつかを指摘しました。安倍首相が仮に10月1日、来年4月からの8パーセントへの増税を表明したとしても、臨時国会での論議、国民世論などによって変更の可能性は十分あります。
 県議会としては、消費税増税を前提にした対応策の要望という姿勢ではなく、国民多数がのぞむ、「来年4月からの増税ストップ」との立場に立って、意思を示すことを改めて求めるものです。
 以上で議員提出議案第1号「生鮮食料品に係る消費税の税率引き上げの据え置き求める意見書」に対する反対討論を終わります。
以上

熊本県知事への申し入れ
2013年7月31日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
            2013年7月31日
  日本共産党熊本県委員会
  委員長 久保山啓介
  県議会議員 松岡徹

 参議院選挙が終わり、県民、熊本県にとっても極めてかかわりの深い国政の重要課題が山積しています。知事が県民の利益と幸福を追求する立場でこうした課題に対して、発言し、行動し、リーダーシップを発揮されることを期待し、要望いたします。

1、知事の県政運営の基本姿勢について
 知事は、県政運営に当たっては、各政党との等距離、1党1派に偏しないとの姿勢を示してこられました。 こうした姿勢を貫くことが、参議院選挙を通じて大きく様変わりした国政、政党間の力関係のもとで、また、消費税増税、原発再稼働など、政権と国民多数の意思、動向との「ねじれ」が厳然としてあるなかで、ますます重要になっていると考えます。 あくまで県民の利益と幸福の立場にたち、主体性のある県政運営を求めるものです。

2、国政の課題と対応について
①環太平洋連携協定(TPP)交渉について
 マレーシアで開かれた環太平洋連携協定(TPP)の第18回交渉会合は、交渉が妥結し、TPPが発効すれば、日本の経済主権、国民生活に重大な影響があるにもかかわらず、その交渉自体を国民は一切知ることができない、交渉にあたる政府を監視することもできないことを浮き彫りにしました。
 日本の交渉代表団は、自ら署名した「守秘契約」によって、交渉文書や交渉内容、日本代表団の主張さえも「秘密」として公表しませんでした。
 日本共産党は、2011年12月以来、「TPP交渉の『守秘合意』」について、「交渉文書や交渉内容を知ることができるのが、ごく一部の関係者に限られ、交渉内容が協定発効後4年間、妥結しなかった場合は交渉の最後の会合から4年間、秘匿される」ことを指摘してきました。
 「秘密主義」のもとで行われるTPP交渉では、政府がいくら「交渉力」や「国益を守る」と言っても、何の保証もありません。「国益を守る」保証がない交渉だからこそ「秘密」にしなければならない。これがTPP交渉の本質です。このような「交渉」に、熊本県の農林水産業、医療、食の安全、雇用などを白紙委任できないことは明らかです。
TPP交渉からの即刻撤退を求めるべきです。

②消費税増税について
 消費税率を5%から、来年4月に8%、再来年10月に10%に引き上げることに国民は同意していません。世論調査も、増税反対が63・1%(時事通信)、増税中止が73%(「毎日」)と反対が多数派です。
参議院選挙でも、消費税増税は争点から回避されました。政府与党関係者のなかでも賛否様々です。
 今回の消費税増税は総額13・5兆円の過去最大規模の負担増であり、くらし、景気に深刻な、破壊的被害をもたらします。今でも大変な高齢者、低所得者、庶民の暮らしを壊します。中小業者は、増税を価格転嫁できず、さらに苦境に追い込まれます。消費が落ち込み、景気が悪化し、ひいては税収減となり、財政再建もますます困難になります。
 「社会保障充実に使う」などの口実が、1昨日(7月29日)政府の「社会保障制度改革国民会議」(総論)が、「社会保障給付の徹底削減」を打ち出したことを見ても全くの虚言であることを示しています。
 増税分をあてにしての巨大公共事業、大企業減税などが推進、企図されています。
 なんの道理もない消費税増税は中止し、消費税増税によらない道を求めるべきです。

③原発再稼働について
 九州電力は、川内原発1・2号機、玄海原発3・4号機の再稼働申請を行っています。
 これに対して、速やかに反対表明をされるよう求めます。
 いまなお15万人が避難生活を余儀なくされており、福島第1原発の事故の原因さえ明らかになっていません。放射性物質を含んだ汚染水の海への流出が問題になっています。「核のゴミ」処理のめども全くありません。こうしたなかでの再稼働などあり得ないことです。
 節電に努めながら再生可能エネルギーの本格的推進に県としてさらに力を入れつつ、国にも強く働きかけるべきです。
 地元紙(「熊日」7月1日付)が、「昨年7月以降、九州電力に太陽光や風力発電などの買い取り・接続の申し込みがあった設備(50kw以上)は九州7県で計1890件、合計出力で約272万kwにのぼり」、「川内原発1号機(89万kw)の3基分に相当する」と報じていますが、こうした角度からの探求と対策強化が求められています。

④憲法改正について
 参議院選挙の終盤、安倍首相は、「(憲法)9条を改正し、(自衛隊の)存在と役割を明記していく」と語っています(15日、長崎国際テレビで)。首相の改憲の意図は明白です。
 憲法改正問題は、国民、県民全体、地方自治にも根底的にかかわる問題であり、知事としての態度表明が不可欠です。
 自民党の「憲法改正草案」は、憲法9条を改定し、自衛隊を「国防軍」にし、「集団的自衛権」を認め、交戦権の否認を取り払って、海外で「戦争する国」にしようとするものです。
 「侵すことのできない永久の権利」として基本的人権を位置づけている憲法97条を廃止し、「公益」「公の秩序」の範囲に限定するとしています。96条改定は、権力を縛る憲法の立憲主義を否定するものです。
 自民党の石破茂幹事長は、4月、自民党改憲案にある軍法会議について「(出動命令に従わないものに対し)従わなければ最高刑に死刑がある国なら死刑、懲役300年なら300年」と発言しています。
 憲法の解釈改憲で、集団的自衛権の行使を認める動きも急速に強まっています。
憲法の明文改悪、解釈改憲も強行させてはならないものです。

3、県政に直接かかわる重要課題について
①道州制について
 道州制については、県議会道州制等調査特別委員会でも、慎重且つ多角的な審議がなされています。熊本県町村会は、反対決議をあげています。
 知事が、こうした状況を踏まえ、道州制については、「平成の大合併の詳細な検証」「都道府県制がなぜだめなのかーについての県庁職員、市町村、県民を交えた検証」をまず実施するなど、慎重な対応をなされるよう求めます。
②水俣病について
 国の認定基準による審査、水俣病特措法による地域・出生年月により区別・切捨て等の従来の水俣病対策では、すべての水俣病被害者の救済、水俣病問題に真の解決ははかれないことが明らかになりました。
 知事が、水俣病被害者の立場に確固として立ち、被害者・団体の意見・提案に耳を傾け、国に対して、日本社会、県民に対して、県としての明確な方向性を示すべきです。
 決断を強く要請します。

③球磨川のダム以外治水、五木村の再生と特措法
 民主党政権が公約し、国会に上程されていた「ダム中止特措法」が前国会で廃案になりました。同法案は、ダム以外治水、五木村再生にとっては必須であり、現政権に対して、法整備を要請することを求めます。

④立野ダムと阿蘇ジオパーク、世界文遺産登録について 先の6月県議会一般質問で、日本共産党・松岡徹県議が指摘したように、立野峡谷における巨大ダム建設は、世界ジオパーク、世界文化遺産登録に決定的に悪影響を及ぼすものです。
ダム以外治水による白川の治水対策をすすめ、「世界の阿蘇」のダメージを与える立野ダム建設は中止を。知事の決断を求めるものです。

⑤国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門の早期開門について
 12月20日の開門期限まで5カ月を切りました。12月はノリ養殖の最盛期であり、前倒しの開門を、漁業者、漁協、熊本県、佐賀県などが求めてきました。しかし、国はいまだ着手していません。知事として改めて12月20日期限より前倒ししての開門を国に求めるべきです。
以上

ルネサスマイクロシステム九州事業所(益城町)閉鎖についての申し入れ
2013年2月20日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
            2013年2月20日
  日本共産党熊本県委員会
  委員長         久保山啓介
  国政対策委員長     山本伸裕
  県議会議員       松岡徹
  益城町議会議員     甲斐康之

 ルネサスマイクロシステム九州事業所(益城町)閉鎖について

1、ルネサスエレクトロニクス株式会社が、100%子会社であるルネサスマイクロシステム株式会社九州事業所(上益城郡益城町、労働者約400人)を本年、10月1日をめどに閉鎖する計画であることが明らかになりました。
8.9割が熊本に居を構えている労働者は、「横浜、川崎への移動か、退職か」を迫られています。
県として、ルネサスマイクロシステム株式会社九州事業所の閉鎖撤回を強く求めること。

2、テクノリサーチパークの現状は、かつて鳴り物入りでオープンしたときの「輝き」と存在感をすでに失っています。これに加えて、主力事業所と働く労働者の約4割を失うことになれば、その衰退は決定的となります。
 「テクノポリス」開発の歴史的な検証と総括は県民に対する責任として不可避です。
「新産業都市」「テクノポリス」「リゾート」「大型公共事業推進」等の政府主導の上位計画、政策に沿って展開してきた県の産業・経済政策全体の検証と総括を行い、「百年の礎」を築く産業・経済政策を策定すること。

3、ルネサスマイクロシステム九州事業所(益城町)の閉鎖は、錦工場、大津工場の「閉鎖」「譲渡」計画に加えての「再編・合理化」計画です。
錦工場「閉鎖」「譲渡」は、知事が掲げる「県南振興」に逆行し、ルネサスマイクロシステム九州工場の閉鎖は、「4ケ年戦略」の「研究開発部門等を中心とした企業誘致の強化」に逆行するもので、知事の経済戦略の2つの柱が直撃された形です。これらは偶然のことではなく、熊本県の産業・経済政策のあり方を鋭く問うものです。
いま、半導体と自動車を軸にした企業誘致を県経済の戦略的課題として推進してきたことの根本的な検証が求められています。
大企業誘致依存型の結果は、県の「経済力」、県民所得の現状が示すように成功しておらず、現状においては、パナソニックの工場閉鎖、ホンダの派遣切り・大量の配置転換、ルネサスの工場閉鎖、売却計画など、雇用と県経済の大きな不安定要素となっています。
従来型の呼び込み型の大企業誘致、大型開発から、中小企業、農林水産業振興、6次産業化等を基本とする内発型の経済政策への転換をはかることが求められています。
また進出企業の一方的な撤退、人員削減などについて、企業の社会的責任を果たさせる立場から条例ないしはガイドラインによる規制措置が必要です。

4、2011年度の日本企業全体の経常利益は、1997年度比で1・6倍、一方、働く人の所得(雇用者報酬)は9割以下に減少。同時期の輸出は1・25倍増、国内需要は約1割減少。「国際競争力のため」のコスト削減で輸出は増えたが、働く人の所得、国内需要が減り、日本経済は、デフレ不況の悪循環に陥っています。
 それぞれの企業だけをみれば、コスト削減、人員削減、非正規雇用への置き換え等で、うまくいくかに見えても、日本中の大企業が同じことをすれば、いわゆる「合成の誤謬(ごびゅう)」となってしまうのです。
   目先の利益優先での「合理化」「統合」「再編」は、企業にとっていちばん大切な人材を失い、需要を失い、企業自体を危うくすることになります。
「優秀な若い人は展望が開けず辞めていく。技術者がたくさん韓国のサムスン電子に移っていった。……それでも会社は引き留めない。当面、人件費を下げる方が大事だからね。寂しいですわ」(パナソニックの元幹部。東京新聞2012年12月21日付)。日本の電機産業の姿です。
 県としてとるべき態度は、電器産業の13万人リストラをはじめ、大企業の身勝手な「事情」を理解することではなく、大企業に雇用、下請け企業、地域経済などへの社会的責任を果たさせることです。そうしてこそ、地域経済を含む日本経済全体の発展がはかられます。
また社会保障の拡充をふくめ、国民の所得を増やし、経済を内需主導で安定した成長の軌道にのせる経済改革を求めることです。
知事のリーダーシップ、提言力、実現力が求められています。