要請・提言書


県予算についての申し入れ2 2012年11月28日
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熊本県知事 蒲島郁夫様

 2012年11月28日
 日本共産党熊本県委員会
 委員長          久保山啓介
 県議会議員        松岡徹

蒲島郁夫県政2期目のスタートのあたり、日本共産党熊本県委員会として、5月7日、「2期目の県政運営にあたっての基本姿勢について」および「重点的施策」として7つの柱、63項目の要求課題と提示しました。
半年間という間隔であり、今回の要請は、5月7日の提案、要望をベースに、その後の情勢の進展、さらには「7・12熊本広域大災害」をはじめとする新たな事態を踏まえて行うものです。

1、県政運営の基本に据えてほしいこと
①政治の反動的逆流にこうして、憲法を守り活かす県政を
「二大政党制」が破たんし、日本の政治は「大きな歴史的岐路」にさしかかっています。
民主党政権は、3年半前の総選挙で掲げた、国民のための公約を反故にし、消費税大増税と社会保障大改悪計画の「民自公」の3党談合での強行、大飯原発の再稼働、普天間基地の「辺野古移設」、オスプレイ(垂直離着陸機)の配備、TPP(環太平洋連携協定)参加、集団的自衛権行使にむけての憲法解釈の「見直し」等々、「いつの間にか自民党よりも自民党らしくなってしまっ」ています。
自民党では、党内で最も右翼的反動的位置にある安倍晋三氏が総裁となり、集団的自衛権行使と憲法9条改定、破たんした弱肉強食の「構造改革」路線の推進を公言しています。
第3極と称する勢力は、現憲法の破棄を主張したり、すべての大阪市職員を対象とした「思想調査」の強行にみられるように、民主主義を窒息させる恐怖・独裁政治、新たなファシズムにつながる特別の危険性を持った勢力です。
こうした歴史に逆効する流れがさらに強大になるならば、憲法、民主主義、国民の生活は重大な危機にさらされることになります。
民主主義と社会の進歩を願う人々すべてが、「今ある危機」を深く認識し、自覚し、行動に立ち上がる時です。
知事は、県議会本会議で、「戦後レジームからの脱却」についての問いに対して、戦後の体制が、「戦災から目覚しい復興を遂げ、世界でも類を見ない高度な経済成長を果たしたこと、民主主義や人権意識が国民の間に浸透したこと、医療や福祉の充実により世界一の長寿国となったことなど、特筆すべき成果も多くあります」と述べています(2011年9月議会)。
「リベラル」を信条とする知事が、憲法を守り、憲法を県政と県民のなかに生かす県政運営を進めつつ、歴史の逆戻りに対して、毅然たる態度で臨まれることを求め、期待するものです。

②災害により死者を出さない県土、原発「ノー」の県政を
多数の死者を含む甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大災害」は、治水・治山対策の遅れ、災害被災者・被災地に対する救援・復旧・復興策の不十分さを如実に示しました。災害被災者・被災地の救援・復旧・復興対策に全力をあげるとともに、防災計画の見直し・充実はもとより、土地利用、開発計画を含めた災害に強い、安心、安全な災害に強い、災害による死者を出さない県土づくりへの本格的な取り組みが求められています。
東日本大震災から1年8ケ月がたった今も、復旧・復興は遅々として進まず東京電力福島原発事故は収束どころか、16万人が避難生活を余儀なくされる事態が続いています。
原発を稼働させれば「核のゴミ」が増え続けます。猛暑の夏を経て、原発の再稼働の必要性がないことも明らかになりました。国民世論が大きく変化し、「原発ゼロ」をめざす声が国民多数になっています。
ところが、九州電力は、あくまで原発依存に固執しています。九電の元会長・松尾新吾九州経済連合会長は、原発比率について、「今でも、7割8割にすべきだと思っています」(「朝日」9月25日付)と語っています。松尾氏は、「民意、民意というが、サイレントマジョリティ―(声なき多数)を考えるべきだ。脱原発のデモに何万人参加したかもしれないが、国民の5割や8割がそう思っているのか。必ずしもそうではないと思う」と脱原発を望む国民の行動、世論を否定しています。
驚くべき暴論です。
熊本県として九州電力に対して、玄海・川内原発の再稼働と新増設の中止、自然エネルギーへの切り替えを求めていただきたい。
国に対して、原発ゼロを決断し、大飯原発の稼働停止、大間原発建設の中止、全原発の廃炉への着手、自然ネルギーの本格的導入対策を働きかけることを求めます。

③「住民の福祉の増進」を第1義的にー県民のくらし、福祉の充実を。国の悪政から県民と地域経済を守る県政
  民主党、自民党、さらには「第3極」と称する勢力の共通項は、「小泉・竹中構造改革」路線の新たな推進です。消費税増税を強行する一方、年金、医療、介護などの改悪が進められています。
社会保障制度については、予算削減などの制度改悪にとどまらず、生活保護攻撃にみられるように、国民の権利としての社会保障の根本的改悪に事が進められようとしています。 雇用でも、労働者派遣法改正の「骨抜き」により、非正規雇用労働者を拡大、電機産業などで大量の正社員の無法なリストラ・首切りなど深刻さが増しています。
 地方自治法(第1条の2)が定める「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」との原点に立った県政運営、国に対する対応が強く求められています。

④大企業誘致依存型から地域循環型経済政策への転換を。
 電気・情報産業のリストラ計画は13万人にも及びます。大規模な雇用破壊は、国民の所得を減らし、消費をさらに冷え込ませ、デフレを一層深刻化させます。  
こうしたやり方は、電気・情報産業企業のよって立つ基盤をますます脆弱化させ、自らの衰退に拍車をかけるものです。
大企業のコスト削減のためのリストラ、正規雇用から非正規雇用、派遣労働の拡大などによって、知識も技術も海外へ流出し、ものをつくらない、つくれない状況が広がっています。大企業の、その場限りの対策だけという対応に歯止めをかけなければ、日本の経済も、県民の雇用も県経済も不安定で悪化をたどるだけです。
ルネサスの錦工場、大津工場の閉鎖・売却計画を中止させ、誘致大企業の身勝手な労働者のリストラ、工場閉鎖などに歯止めをかける制度的対策を講じること。誘致企業が地元労働者雇用に責任を持つよう措置することは喫緊の課題です。
同時に県の経済政策のあり方を、大企業誘致に巨額をつぎ込む従来型の経済政策を転換し、住宅リフォーム補助制度や公契約条例、農林水産業の振興などによる地域でのマネーフローを活発にし、県経済を自らお持てる力で活性化させていく方向を大きく展開すべきです。

2、県政の重要課題への具体策
(1)「7・12熊本広域大災害」救援、復旧、復興対策
①災害救助法の基づく応急修理の申請期限を延長すること。また、申請に間に合わず、応急修理を利用できなかった被災者にも遡及し救済すること。
②仮設住宅の居住環境の改善を行うこと。
4世帯8人、3世帯7人が3K一部屋に居住など、劣悪な居住環境を改善すること。
物置の増設、風呂の追い炊き機能、駐車場の増設、屋根の庇を長くするなど、入居者の要望を集約し、改善すること。
③県独自の助成金支の運用について、使途の制限を取り払うこと。災害救助法にも続く応急修理を実施した世帯も支給対象とすること。
④.住宅移転のための農振地の転用について、被災者の要望に沿った対応をすすめること。
「土砂崩れで全壊。下の平坦な土地に住宅を再建したいが、農振地で農業委員会と県の許可が必要だが許可がなかなか出ない。緊急時なので早く許可が出るようにしてほしい」との要望が寄せられています。この間、一定の配慮のもとで進み始めていますが、さらに、被災者の要望にそった対応を進めること。

(2)白川の治水対策-河川改修の整備、立野ダム建設中止
①「7.12豪雨」による白川の浸水被害と県の責任
  熊本県は、「7・12洪水」被害に対する責任を深く自覚し、今後の河川改修計画を進める際も、その内容の確定、進め方においても、被害住民の痛苦の思いに沿った対応を貫かなければなりません。
甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大水害」は、「これまで白川では、昭和28年6月、昭和55年8月、平成2年7月など、たびたび洪水が発生していますが、今回の豪雨は、『これまでに経験したことのないような大雨』でした」(被災地での説明会での県の説明)。同時に、白川の浸水被害は、堤防がないところからの氾濫、河川整備計画はありながら改修が遅れたがための水害でした。
最も被害が大きかった龍田陣内4丁目については、開発許可(昭和53年、54年)を下した責任、開発許可を下しながら、住民の生命・財産を守るための対策をとらなかった責任、河川整備計画(平成14年7月)で、計画を立てながら10年間放置してきた県の責任が厳しく問われています。
避難情報が3時間余りも遅れた点でも県の責任が問われます。
龍田陣内4丁目の住民は、避難情報の遅れで、「多くの死者が出なかったのは奇跡だ」といわれるほどの危険な状況にさらされました。
「12日に氾濫を起こした熊本市北区龍田地区の流域は県管理で(洪水避難対策等の対象-この部分は記事外)指定から外れており水位観測所もなく基準水位も定められていなかった」(7月25日「読売」)との指摘がなされているように、同地区は、熊本県水防計画の「洪水予報実施区域」対象になっていません。
②丁寧な説明と住民の納得・合意をもとに進めること
「県の計画には、おおむね賛成だが、さまざまな懸念、不安がある」「計画に納得がいかない。ほかにいい計画はないか」「立ち退きにはかからないが、環境変化など心配」等々の声が聞かれます。「龍田陣内4丁目」「龍田1丁目」「それ以外」というくくりでの1回の説明だけでなく、地域や要求ごとなど、きめ細かい説明会を開き、丁寧に説明し、住民の声、要求に耳を傾け、計画が納得と合意にいたるプロセスを重視すること。また的確な住民の提案についてはくみ上げ、計画に反映させること。
龍田陣内4丁目の改修計画については、同地区の計画は、現在の河川整備計画(平成14年7月策定)を大幅に変更しています。なぜこのようになったのか、   
関係住民に納得のいく説明が不可欠です。
③被害を受けた住民が、立ち退き等でさらに被害をこうむるということがないよう責任を持つこと
建物・土地の評価額、リフォーム代金、移転費用、解体費用等で住民が損失と被害を受けないよう援助と補償を行うこと。移転先については、個人任せでなく、県として責任を持つこと。災害対策であり、河川改修計画の進捗は急がなければなりませんが、期限を設定し、住民の納得と合意なしで強行するようなことは絶対行わないこと。
③立野ダム「異存なし」を撤回し、住民討論集会開催を

立野ダムについては、流域住民、県民への説明がほとんどなされていません。
公聴会では、発言した30名全員が、立野ダム建設を求めませんでした。
いま急ぐべきは、住民の安全・安心のための河川改修です。ダム建設に踏み出せば、財政配分上、最も必要で急ぐべき河川改修が後回しになります。
  立野ダム建設は、安全性に重大な疑念があり、想定外の洪水には対応できず、熊本市をはじめ下流域に壊滅的な被害をもたらすことが懸念されています。これらについての説明と検証はなされていません。国交省のホームページに、一方的掲載して、「説明した」とは到底通用しないものです。
立野ダムについては、国公省に対して、説明責任を果たさせ、公正な県民参加の討論集会を求めることです。討論集会では、「治水対策のあり方」「コスト」「安全性」「環境」「地域とのかかわり」のテーマごとの検証が必要です。
県民の生命、財産を守るべき県政の最高責任者として、こうした責任を果たさず、「異存ない」との返答は、無責任極まるものであり、厳しく抗議し、撤回を求めます。
知事は、球磨川では、「ダムによらない治水」を主導しながら、白川では、県としての検証も不十分なまま、「ダム建設」を認める態度をとっています。県民には到底理解できないことであり、知事自ら、公開の場で、今回の「異存なし」の根拠について、県民に説明する機会を丁寧に開催することを求めます。

(3)球磨川水系河川改修予算確保、ダムによらない河川整備計画、「特措法」の早期制定を
   河川改修予算を確保しつつ、「ダムによらない治水を検討する場」での審議をもとにダムによらない河川整備計画を策定すること、「ダム中止に伴う地域振興に関する特別措置法」の制定を国に強く働きかけること。

(4)水俣病
①水俣病特措法にもとづく申請者が、熊本県によって「非該当」と判定されています。これに対する「異議の申し立て」について、環境省は、救済措置の方針は、関係者との協議による合意を成文化したものであり、この方針に基づく判定は、行政庁の処分には当たらないとの見解を示し、熊本県はこれに従うとの立場をとっています。
   救済措置については、水俣病特措法を正確に読めばその法定位置は明らかで、特措法5条の1で「関係県の意見を聴いて」とあり、5条の3で「関係事業者の同意を得るものとする」とあるだけで、被害者の意見を成文化する仕組みはありません。5条、救済措置の方針、6条、水俣病被害者手帳―に基づき政府が閣議決定した救済ルールです。
   つまり、救済措置の方針は、水俣病特措法の具体化として策定されたものであり、これにもとづく救済の判定を受けなければ法による救済を受けることはできません。ですから救済措置の方針にもとづく判定が、最高裁判例「法行為としての処分性の判定基準」の「 「行政庁の処分とは,……公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利・義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」あたることは明らかです。
   環境省の見解は、判定により一時金等の対象者と認められたとしても、救済措置を受けるかどうかは救済を求める人の判断にゆだねられているから、判定そのものによって、救済を求めるものは直接法律上の地位に影響を受けるものではないというものです。しかし、対象者と認められたものが、救済を受けないという場合はありうるわけで、だからといって判定の処分性自体がなくなるものではありません。さらに、判定によって対象者と認められたものは、救済措置を受けるかどうかの判断ができますが、非該当とされたものは、そのような選択はできず、水俣病特措法に基づく救済措置は受けられません。そのような法律上の地位となるわけです。
   救済措置の方針に基づく判定が、行政不服審査法第2条に規定されている「処分」にあたることは明らかです。
   「特措法7月末締め切り」、非該当への異議申し立てさえも認めない姿勢を加害者である熊本県がかたくなにとることは、県政史上に重大な汚点を記すことになります。非該当者からの異議申し立てを受理し、再判定を行なうべきです。
②すべての水俣病被害者救済のために沿岸住民の健康調査の実施が不可欠です。

(5)諫早干拓排水門開門問題
① 福岡高裁の「開門判決」にもとづく開門時期については、熊本県としては、来年5月開門を求めること。12月開門では、養殖ノリ等への被害が生じる危険があり前倒しするべき。「限定開門」にとどまらず段階的に全面開門を実施数ぷ求めること。
②深刻な漁業被害に対して、有明海八代海再生特別措置法21条、22条にもとづく救済のための緊急調査と救済措置の具体化及び国への要請を行うこと。

(6)TPP参加阻止を
  民主党、「第3極」勢力は,TPP参加を明確にしています。自民党の安倍総裁も,TPP交渉参加発明言しています
  農業、食品の安全、国民皆保険、地方自治体での中小企業への発注など、国の制度・形の多くを壊してしまうTPP参加を許せば、熊本県の農業、食糧、県民の健康とくらし、地域経済は壊滅的な被害をこうむります。
  TPP参加はストップ―明確な宣言を発していただきたい。

(7)オスプレイ低空飛行訓練中止を求めること。全県的な情報収集・監視体制を強化すること。
  九州防衛局は6月末、県に対して「イエロールート」を提示しました。これによると県内の10自治体を「ルート」が走っています。ところがその後九州防衛局は、「低空飛行訓練ルートについてはわからない」と態度を変えています。
  オスプレイの低空飛行訓練は、「米軍任せ」ということであり、「イエロールート」はもとより、県内どこでも、いつでも、どの高さでもありうるということです。
  県として、抵抗飛行訓練中止をあらためて求めること。全県的に、情報収集・監視体制をとり、事態に応じて敏速かつ毅然とした対応をとること。

(8)道州制、「州都」「九州広域行政機構」について
  道州制はもともと国民のなかから要求として出されてきたものではなく、財界・日本経団連の要求として求められてきたものです。「県民アンケート」結果からしても、「道州制」「州都」「(道州制への予行演習としての)九州広域行政機構」推進は県民との関係では完全に空回りしており、県民、県議会のなかで疑問と批判が広がっています。
  いま求められているのは、憲法92条にもとづいて、地方自治法において、以前の「中央政府の下部機関」ではない都道府県制が敷かれた原点に立ち返って、県民本位の民主的手効率的な県政をきずきあげることであり、そのためにも、国に対して、税財源の充実等を求め、その実現をはかることです。
道州制に向けての県としての取り組みについては、いったん中止・凍結することを求めます。
規制緩和、義務付け枠づけの見直し、「一括交付金」等の「地域主権改革」は、憲法にもとづく国民の権利に対しては、国の責任を放棄・後退させるものであり、国に中止を求めること。ていくことです。
条例委任については、国がナショナルミニマムとして保障してきた基準については引き下げないこと。


3、くらし・福祉を優先、熊本を元気にする予算、施策を
①国民健康保険税の軽減のための市町村への援助。滞納を理由にした差し押さえ、、資格証明書、短期保険証などは行わないよう、市町村、後期高齢者広域連合に求めること。市町村国保の広域化は進めないこと。国に対して、医療費比での国の45%の戻すよう国に求めること。
②介護保険料・利用料の軽減、特別養護老人ホームの増設を。2011年介護保険法改訂に伴う、訪問介護の生活援助時間区分の見直しなどの影響調査を実施し、利用者・施設に対してマイナスとなる点については、県として国に改善策を求めること。
後期高齢者医療制度は廃止し、高齢者負担の軽減を国に求める。
③こども医療費の中学校までの無料化。新婚、子育て、母子・父子家庭への民間住宅家賃補助制度の創設、県営住宅への入居枠の拡大を。
④保育料の引き下げ、待機児童の解消など公的保育の拡充。こども子育て新システムの名による公的保育の放棄は推進しないこと。
⑤生活保護申請者に遅滞なく申請書を渡すことを徹底すること。
⑥重度心身障碍者(児)医療補助性については、現物給付にすること。助成対象を拡大すること。
⑦建設産業従事者及び暴露地域のアスベスト被害の実態調査を実施すること。民間建築物にかかるアスベスト撤去費用に対する県補助金を創設すること。すべての被害者、家族への補償、救済策を国に求めること。

(2)教育・勉学条件の改善
①少人数学級の拡充。
②教室の冷暖房の促進
③年収350万円未満の世帯の私立高校学費の無償。
④県立高校再編計画については、前期・中期計画の検証、後期計画は、関係者地元の意見聴取の徹底を優先し、推進は凍結する。
⑤教員の長時間・過密勤務の抜本的な改善をはかること。部活動負担を軽減すること。
⑥障害のある子どもの教育条件のさらなる改善・整備。障害を持つ子供を育てる父母、研究者・専門家から疑問と批判が寄せられている家庭教育条例制定は中止すること。
⑦現在の「放射線」副読本については、使用中止を徹底すること。
⑧県立中学校での公民教科書副読本の使用を中止すること。
⑨芸術・文化、スポーツの振興にさらに力を入れること。

(3)循環型地域経済政策の推進で、地域経済を元気に
①地域経済をこわす、TPP、消費税の増税の中止を求めること。
②住宅リフォーム助成制度の実現。
③小規模な修繕・公共工事「希望者登録制度」で地元業者に発注する。
④「公契約条例」の制定を。
⑥大型公共事業を見直し、特別養護老人ホーム・保育所や学校などの整備・増設、防災対策で、仕事と雇用を増やすこと。
道路事業では、通学路・生活道路の整備、道路・橋の維持・修繕を予防保全の立場から積極的に取り組むこと。
河川では、「7・12」災害を踏まえ、遅れている河川整備の抜本的強化をはかること。「下流から」の改修に機械的にこだわらず、危険個所などの築堤、堤防補強などを進めること。
⑦大学・高校新卒者の県内での就職、青年の雇用対策を強め、元気・活力を育成する。「官製ワーキングプア」の解消、派遣切り、一方的な工場閉鎖の規制など、労働者の安定雇用・労働条件の改善に努めること。国に対して、製造業における派遣禁止、有期雇用の規制強化など労働者派遣法の抜本改正を求めること。
⑧農林水産業を基幹的産業として戦略的に位置づけ、食の安全、環境など地域社会の基盤として振興する。コメ価格については、60キロ・1万8千円の価格保障プラス農地麺セリなどを加味した所得補償を組み合わせたものにするよう国に求めること。市町村、専門家と連携し、鳥獣被害対策を強ける。
  林業を木材生産、水源涵養、国土保全などの面で重視し、流通・加工対策、県産在の公共事業、民間での活用、間伐材のバイオ燃料化などの対策を一層強化すること。
  水産業振興では、水産物価格の保障策を国に求めること。有明海・八代海の再生をはかること。
⑨従来型の呼び込み型の大企業誘致、大型開発から、中小企業、農林水産業振興を基本とする内発型の経済政策への転換をはかる。県中小企業振興基本条例を改正し、誘致大企業の地域貢献をすすめる「大企業条項」を設ける。大型店の出店規制をより効果的なものに改め、規制強化の実効を高めること。
  中小商工業振興予算を大幅に増額すること。金融円滑化法の延期を国に求めること。
⑩高齢者、障害者が、買い物ができる商店、商店街の整備・育成。
⑪小水力・風力・太陽光・バイオ・地熱など自然エネルギーの推進で、地域の雇用拡大、経済の活性化をはかる

(4)原発ゼロ、自然エネルギーの本格的推進
①熊本県として「原発ゼロ」を宣言し、国に決断を求める。
②原発の再稼働、新増設の中止、老朽原発の廃炉を、九電・国に求めることに。
③原発事故による放射能の測定、医療、除染などの体制を整備する。九電との防災協定を締結する。
① 水力、風力、太陽光、地熱など自然ネルギーの導入に本格的にとりくむ。
② 県を先頭に、節電、省エネを促進する。24時間型社会の見直しを進める。

(5)災害に強い、安心・安全な熊本・地域づくり
①県防災計画・震災対策の抜本的見直しについては、県民参加での検討も加え、さらに充実していく。
②学校(非構造部材含む)、公共施設、病院、住宅の耐震化促進。耐震診断・耐震補助を復活する。
③住宅耐震診断、耐震化助成の復活・充実。
④防災の地域づくり、災害の救援・復興の担い手、組織の育成・強化
  地震・津波対策をはじめ安心安全の防災の地域づくり。災害からの復旧・復興のための担い手・組織の育成―消防、自主防災組織の育成強化、建設業者・建設産業の保全・育成。消防の広域化(全県4ブロック)については、地域の意見、批判に留意し再検討する。
⑤防災備蓄倉庫の拡充、地域の防災訓練など、日常の地域防災力を強化する。
⑥破綻が明確になった「消防の広域化」は中止し、再検討すること。

(6)警察行政
①信号機の設置をはじめとする交通安全のための施設整備は急であり、関係予算を大幅に増額すること。
②経済事犯(ヤミ金、振り込め詐欺、架空請求等)、薬物犯罪(大麻・覚せい剤・MDMA・脱泡などのハーブなど)、銃器犯罪、ストーカー犯罪など、犯罪が多様化し、県民の安心・安全のための市民警察としての県警察の役割・責務は高まっており、地域警察官の割合を高めるなど体制整備をはかること。

(7)ムダづかい、不公正な公費支出の改革、財政の立て直し
①県負担が膨れ上がり、ゼネコン儲けの立野ダムは中止し、地元の経済強化に直結する「ダム以外の白川治水対策」を推進すること。治水・利水上も不必要で、羊角湾の環境をこわす路木ダムは中止する。熊本港については、八代港との役割分担、費用対効果の検証を行い、「人流」を軸に、県民、熊本市民に親しまれ、利用される港をめざす。
② 公正・多額の同和関係団体補助金は廃止する。
③ 予算の基本を、福祉、くらしを守り、新しい仕事と雇用をつくりだし、地域を元気に、くらしと地域経済を豊かにしていくにおいて編成すること。
④ 地域循環型経済の推進で、くらしと地域経済を活性化し税収増をはかること。

 
立野ダム建設「異存なし」返答に抗議し、撤回を求める等の申し入れ   2012年10月29日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
 2012年10月29日
  
  立野ダム建設「異存なし」返答に厳しく抗議し、撤回を求める
  「異存なし」の根拠について、公開の場での知事の県民への説明を求める

 立野ダムについては、流域住民、県民への説明がほとんどなされていません。
公聴会では、発言した30名全員が、立野ダム建設を求めませんでした。
いま急ぐべきは、住民の安全・安心のための河川改修です。ダム建設に踏み出せば、財政配分上、最も必要で急ぐべき河川改修が後回しになります。
 立野ダム建設は、安全性に重大な疑念があり、想定外の洪水には対応できず、熊本市をはじめ下流域に壊滅的な被害をもたらすことが懸念されています。これらについての説明と検証はなされていません。国交省のホームページに、一方的掲載して、「説明した」とは到底通用しないものです。
立野ダムについては、国公省に対して、説明責任を果たさせ、公正な県民参加の討論集会を求めることです。討論集会では、「治水対策のあり方」「コスト」「安全性」「環境」「地域とのかかわり」のテーマごとの検証が必要です。
県民の生命、財産を守るべき県政の最高責任者として、こうした責任を果たさず、「異存ない」との返答は、無責任極まるものであり、厳しく抗議し、撤回を求めます。
知事は、球磨川では、「ダムによらない治水」を主導しながら、白川では、県としての検証も不十分なまま、「ダム建設」を認める態度をとっています。県民には到底理解できないことであり、知事自ら、公開の場で、今回の「異存なし」の根拠について、県民に説明する機会を丁寧に開催することを求めます。

白川の氾濫による家屋等の浸水被害解消に向けての県計画についての申し入れ   2012年9月26日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
 2012年10月29日

              
 白川の氾濫による家屋等の浸水被害解消に向けての県計画について

  日本共産党は、7月14日、8月24日、9月26日、白川の治水対策について、貴職に対して「申し入れ」を行ってきました。河川改修を優先し、立野ダム以外の総合的治水対策を国、関係市町村と共同して進めていただくよう改めて要請するとともに、今回は、龍田陣内4丁目、龍田1丁目、龍田1丁目上流(未来大橋まで)について、県が示した河川改修計画について、以下の点を緊急要望として申し入れます。

1、「7.12豪雨」による白川の浸水被害と県の責任
 熊本県は、「7・12洪水」被害に対する責任を深く自覚し、今後の河川改修計画を進める際も、その内容の確定、進め方においても、被害住民の痛苦の思いに沿った対応を貫かなければなりません。
①甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大水害」は、「これまで白川では、昭和28年6月、昭和55年8月、平成2年7月など、たびたび洪水が発生していますが、今回の豪雨は、『これまでに経験したことのないような大雨』でした」(被災地での説明会での県の説明)。同時に、白川の浸水被害は、堤防がないところからの氾濫、河川整備計画はありながら改修が遅れたがための水害でした。
②最も被害が大きかった龍田陣内4丁目については、開発許可(昭和53年、54年)を下した責任、開発許可を下しながら、住民の生命・財産を守るための対策をとらなかった責任、河川整備計画(平成14年7月)で、計画を立てながら10年間放置してきた県の責任が厳しく問われています。
③避難情報が3時間余りも遅れた点でも県の責任が問われます。
龍田陣内4丁目の住民は、避難情報の遅れで、「多くの死者が出なかったのは奇跡だ」といわれるほどの危険な状況にさらされました。
「12日に氾濫を起こした熊本市北区龍田地区の流域は県管理で(洪水避難対策等の対象-この部分は記事外)指定から外れており水位観測所もなく基準水位も定められていなかった」(7月25日「読売」)との指摘がなされているように、同地区は、熊本県水防計画の「洪水予報実施区域」対象になっていません。


2、丁寧な説明と住民の納得・合意をもとに進めること
①「県の計画には、おおむね賛成だが、さまざまな懸念、不安がある」「計画に納得がいかない。ほかにいい計画はないか」「立ち退きにはかからないが、環境変化など心配」等々の声が聞かれます。「龍田陣内4丁目」「龍田1丁目」「それ以外」というくくりでの1回の説明だけでなく、地域や要求ごとなど、きめ細かい説明会を開き、丁寧に説明し、住民の声、要求に耳を傾け、計画が納得と合意にいたるプロセスを重視すること。また的確な住民の提案についてはくみ上げ、計画に反映させること。
②龍田陣内4丁目の改修計画について
  同地区の計画は、現在の河川整備計画(平成14年7月策定)を大幅に変更しています。なぜこのようになったのか、関係住民に納得のいく説明が不可欠です。


3、被害を受けた住民が、立ち退き等でさらに被害をこうむるということがないよう責任を持つこと
①建物・土地の評価額、リフォーム代金、移転費用、解体費用等で住民が損失と被害を受けないよう援助と補償を行うこと。
②移転先については、個人任せでなく、県として責任を持つこと。

4、災害対策であり、河川改修計画の進捗は急がなければなりませんが、期限を設定し、住民の納得と合意なしで強行するようなことは絶対行わないこと。

白川治水に関する県への申し入れ   2012年9月26日
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熊本県知事 蒲島郁夫様

 2012年9月26日                      

1、「7・12熊本広域大水害」における白川流域被害と熊本県の責任

①甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大水害」は、「過去に経験したことのないような大雨」「1000年に一度の豪雨」と指摘される大雨でした。
県自身が、「これまで白川では、昭和28年6月、昭和55年8月、平成2年7月など、たびたび洪水が発生していますが、今回の豪雨は、『これまでに経験したことのないような大雨』でした」(被災地での説明会)と述べているとおりです。
同時に、白川があふれた被害現場を調査すると、堤防がないところからの氾濫であり、計画はありながら改修が遅れたがための水害でした。中流域は整備計画自体がない、放置されたもとでの被害でした。

②龍田陣内4丁目については、特に責任は重大です。
県が、開発許可(昭和53年、54年)を下した責任、開発許可を下しながら、住民の生命・財産を守るための対策をとらなかったことが厳しく問われています。河川整備計画(平成14年7月)で、計画を立てながら10年間放置してきたことは重大な責任です。ソフト面でも避難指示が3時間余りも遅れたことも重大です。
龍田陣内4丁目の災害当日の状況は、「多くの死者が出なかったのは奇跡だ」といわれるほどのものでした。乳幼児に与えた心理的打撃は深刻なものです。死者が出なかったことは幸いでしたが、そうした重大な危険に住民をさらした責任は重大です。

③中流域は、河川整備計画がなく、菊陽町、大津町、熊本市の一部では、治水対策が放置されてきました。そのため甚大な被害が生じました。

④問題は、こうした当然やるべきことをやらなかったことにより、住民を死の危険にさらす、貴重な財産の流失、崩壊等の事態が生じたことに対しての県知事としての謝罪、責任の明確化がなされていないことです。

  2、熊本県がスピード感を持ってやるべき治水対策

①来年雨期までに、「2012年7月12日」規模の大雨が降っても、洪水被害を出さない対策を実施すること。今年の台風による大雨に対応できる対策を講じること。

②地域ごとの水害対策を具体化し実行すること
*龍田陣内については、龍田校区第7町内自治会から熊本県議会議長に対して、「被災土地を遊水地等に活用して、対象地域は買収し代替え地を用意すること」との陳情書が出されている。用地買収、洪水に備えての河川掘削、護岸、築堤、災害情報伝達等、被災住民の要求を重視し、計画を早急に策定し住民合意で具体化すること。龍田1丁目については、三協橋下流・右岸の堤防工事を急ぐこと。吉原橋の架け替えを急ぐこと。土砂の堆積が著しく、浚渫・掘削を急ぐこと。
*菊陽町、大津町
河川整備計画を策定すること。浚渫・掘削、川幅の拡幅、親水性の護岸整備、遊水地、水田の湛水機能の確保(地下水涵養にも寄与)などを具体化すること。
*黒川流域、阿蘇地域
遊水地の拡充、浚渫・掘削、川幅の拡幅などを進めること。
スギ・ヒノキの人工林の間伐、針広混交林化、草原の保全による、流木、土砂の流出を防ぐ対策を講じること。治山対策を抜本的に強化すること
*国直轄区間については、国、熊本市と連携し、以下の対策を進めること
薄葉橋周辺の築堤、浚渫・掘削の完了。本荘地区より2mも低い城東地区の堤防完成。明午橋の上流藤崎宮側の堤防整備、大江側の拡幅工事の完成。明午橋架け替えを急ぐこと。竜神橋下流渡鹿の堤防が切れている部分、竜神橋上流渡鹿の堤防なしの区間、渡鹿堰上流・保田窪導水路下流の堤防なし区間、対岸の黒髪地区の堤防未整備区間対策、小碩橋下流の堤防整備を急ぐこと。
③河川激甚災害緊急特別事業として、改修工事を急ぐこと。

3、無責任な立野ダム問題への対応
知事は県議会での答弁で、「白川の治水対策としての立野ダムについて、国交省がダム案が最も有効であるとした総合評価を県としても評価」し、国に対して迅速に立野ダムの対応方針を決めるよう求める」と述べられました。無責任の極みです。

①県自ら検証したのか
 立野ダムの安全性、環境への影響、治水効果等について科学的検証を、県自ら行ったのか。県として検証を行ったなら、「評価できる」とした理由と根拠を具体的に示してください。
中流域は、立野ダム計画だけがあり、整備計画がない状況を県としてどうするのか。立野ダムができるまで洪水にさらすのか。想定外の洪水でダムの効果がなくなった場合、洪水にさらすのか。
最優先でやるべき対策のひとつである明午橋の架け替えはいつ完了するか。国交省と煮詰めたのか。
知事は、昨年6月の県議会答弁で、「私は、平成20年9月11日に、川辺川ダム計画の白紙撤回を表明して以降、ダムによらない治水と五木村の振興について、全力を挙げて取り組んできました。現在もその姿勢に変わりはありません。国、県、流域市町村で、ダムによらない治水を検討する場を設置し、これまで8回の議論を重ねてきました。その中で、河川掘削など、直ちに実施する対策により、戦後最大の昭和40年7月規模の洪水に対して、家屋の浸水被害を防げることが明らかになりました。このことについて、参加者間で共通の認識を持ったところです。
 直ちに実施する対策は、既に検討の段階から実施の段階に進んでいます。今年度も、例えば、中流部で、球磨村の大坂間地区ほか4地区の宅地かさ上げや河床の掘削、下流部では萩原堤防の補強対策などが実施されます。また、治水の安全度を向上させるためには、引き続き検討する対策について、スピード感を持って検討を深めることが必要だと考えています」「大事なことは、ダムによらない治水という新たなスタートラインに立ち、その方向に向かって、国、県、流域市町村が進み始めているのは確かであります。その中で、私自身も、一生懸命汗をかき、より安心できる治水対策の実現と五木村の振興に向け、全力を挙げて取り組んでいく覚悟です」と述べています。
家屋被害を防ぐための川幅の拡幅、築堤、輪中堤、遊水地などダム以外の白川の治水対策について「極限まで」追求したのですか。
球磨川で川辺川ダム建設が進められた時、毎年150億、110億という予算が組まれました。その一方で球磨川では河川改修が遅れ、毎年のように水害があちこちで起きました。ダム建設にお金がつぎこまれ、河川改修が後回しにされたからです。立野ダム計画を進めれば、財政の配分上、いま急いでやるべき河川改修が遅れてしまいます。急いでやるべき河川改修の予算を確保する見通しがあると責任を持って言えるのか。国交省と確約できているか明らかにしてください。

②国交省の非常識なやり方を県として認めるのか
9月11日に開かれた「立野ダム建設事業の関係団体からなる検討の場」(第3回)がもたれ、「立野ダムが最も有効」との現段階での整理が示されました。そして「学識経験を有するもの」「関係住民」「関係地方公共団体」から意見聴取を行うことも示されました。しかし日程については、「昭和24年●月●日~平成24年●月●日」とあるだけでした。
ところが国交省九州地方整備局ホームページにはいきなり、「関係住民の意見を聞く会」を、9月22日(熊本市)、23日(大津)、24日(南阿蘇)で開くこと、意見を述べたい人は20日までに提出すること、25日に、「有識者の意見を聞く会」ということが掲載されました。
A4で350ページを超える専門用語と数字を交えた報告書案、説明文書を、短期間で、多くの流域住民、県民が読み解き、意見を発表することは極めて困難であり、ほぼ不可能です。「検討する場」で村田副知事は、「県民への説明責任」を求め、九地整河川部長は、「説明責任を果たす」ことを約束しました。公聴会のこうした日程、やり方について県として改善を求めたのかどうか。公聴会には、国交省主催とはいえ県は誰一人参加していませんでした。県の姿勢が問われます。

③慎重さが求められる熊本県―過去の実績証明する国交省の無責任さ―主張が「2転3転」、表と裏の違い。
国交省は、9月11日に開かれた第3回「検討の場」で、「立野ダムが最も有効」との見解を示しましたが、この結論は、国交省の過去の実績に照らすとまったく信用できません。
川辺川ダム建設計画では、国交省は、2日間雨量440ミリで人吉の流量は7000トンになると固執していました。ところが、440ミリ程度の雨が降っても人吉の流量は4000トンから4300トンでした。そこで突然、国交省は2日間雨量を12時間雨量に変えました。基準地点は八代と人吉でした。流量は、9000トン、7000トンでした。ところが八代9000トンでは人吉が7000トンにならないので、八代を基準地点から、突然外してしまいました。しばらくすると、またまた突然、八代を基準地点に復活させました。そして八代の流量はいつの間にか、9000トンから9900トンに代わっていました。県議会の議事録に載っていますが、松岡徹県議の指摘に、当時の潮谷知事も「2転3転」し、「誰が聞いても理解しがたいものだった」と述べています。
国交省九州地方整備局平成12 年度河川整備検討会「今後の河川整備の進め方」会議録( 発言整備局幹部及び各河川担当事務所長)では、「逆に余裕高も工学的にどういうふうに決まっているのかよくわからないけれども、そういうような検討があるべきではないかということ、・・・。10cm、20cmで流れちゃうんですね。・・・本当に工学的な観点からいくと余裕高はどのくらいあるのかというのをきちっとやって、あと、そこの余裕分はやはり流れるというふうにしていくべきではないかなと思っているんですけれども」「ハイウォーターとか余裕高とか掘削とか計画河床、最深河床・・・・そこをどう考えるかによって、・・・・そこを大きめにとると、大体水は流れてしまうということになろうかと思います」「余裕高についてですが、本明川はダム計画がございますけれども、その余裕高まで水を流すということになると、本明川ダムがなくても流せるんじゃないかみたいなところもあるわけでございます。その辺、余裕高の考え方について十分理論武装をしていかないといけないんじゃないかと考えております」「住民との公開の中で、いわゆる隠すものはほとんどなくなってくるわけです。住民とぎりぎり議論していますから。先ほどの余裕高の議論もあるんですが、白川の場合は特殊堤を使っていまして、というのは、構造令上、余裕高というのは土堤原則の中で生まれているわけですね。そうなっていきますと、余裕高の議論というのもなかなか説明しづらくなってくる。本当は余裕高でいくと、立野ダム一つが吹っ飛んでしまうわけですね」という議論がなされています。国交省の責任あるメンバーが国交省内部の会議では、、「立野ダムはいらない」という趣旨の発言をしているのです。
コスト面でも、川辺川ダムは当初、350億円だったのが、3300億円に、10倍に膨れ上がりました。国交省は、住民討論集会で、ダムはあと630億円で済むのに、ダム以外の対策では2100億円以上かかると主張しました。ダム中止の方向が決まり、国交省が「第8回検討する場」で示したダム以外の治水代替案は、2100億円の5分の1の約400億円でした。
国交省の説明をうのみにすれば取り返しのつかないことになります。

4、国交省に。情報開示、説明責任を果たさせ、公正な県民参加の討論集会を求めること
川辺川ダム問題では、住民討論集会を9回開き、のべ53時間、1万2千人余が参加しました。森林保水力の検証もやりました。「球磨川・明日の川づくり報告会」は、流域で51回、熊本市、山鹿市合わせて53ケ所で開かれました。熊本県が有識者会議を設置し8回の審議がなされました。こうした「熊本型民主主義」を立野ダムの検証においても生かすべきです。

県として、国交省に対して
①情報を公開し、流域住民、県民に対する説明責任を果たすこと。そのための中・小規模の説明会を各地で開催することを求めること。

②9月22日・23日・24日、熊本市、大津町、南阿蘇村で開かれた「公聴会」では、「立野ダム賛成」はゼロで、「反対」28名、「わからない」が2名でした。こうした状況を無視して、一方的に立野ダム建設を進めることは断じて認められません。
河川法16条の2は、「河川管理者は、河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない」「河川管理者は、前項に規定する場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」としていますが、中流域には河川整備計画はなく、今回の公聴会は、「立野ダム計画」のみを持って開かれたものであり、それ自体が適法であるのかの疑義さえあるものです。
県民参加型の公正な討論集会を、「治水対策のあり方」「コスト」「安全性」「環境」「地域経済」のテーマごと開催することを求めること。県として、積極的役割を果たすこと。

③立野ダムの安全性については、立野ダム建設予定地周辺には、崩落しやすい柱状節理が見られます。布田川・日奈久断層帯の一部である北向山断層が通っています。ダム上流の水位の上下動 による地下水位の上下変動による斜面崩壊による危険があります。阿蘇の山々の深層崩壊による土石流により、大量の流木、巨大岩石、大量の泥が流れこみます。これらによって穴あきダムの放流口がつまり、満杯になり、穴あきダムの機能が失われること、そしてダム自身の危険性も心配されるところです。安全の問題では特別な検証が必要です。ダム堆砂による白川の汚濁等についての検証も必要です。この点についても国交省に強く働きかけることを求めます。

議会発言 立野ダムについて 2012年9月22日
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県議会議員の松岡徹です。
いま国交省がスピード感を持って全力で取り組むべきことは、7月12日の大雨で被害にあったところの堤防をつくり、浚渫・掘削をし、水害を起こさないよう整備することです。
甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大水害」は、「過去に経験したことのないような大雨」「1000年に一度の豪雨」と指摘される大雨でした。
同時に、白川があふれた被害現場を調査すると、「熊日」も、「氾濫、堤防ない区間から」と書いているように、堤防がないところからの氾濫であり、白川改修の遅れが原因であることは明らかです。
国交省は来年雨期に、今年の7月12日規模の大雨が降っても、洪水被害を出さないことをめざして、地域ごとの具体的な計画、段取りを急いで進めるべきです。川幅より33メートルも狭い明午橋の架け替えは急がないと大変なことになります。
球磨川で川辺川ダム建設が進められた時、毎年150億、110億という予算が組まれました。その一方で球磨川では河川改修が遅れ、毎年のように水害があちこちで起きました。
ダム建設にお金がつぎこまれ、河川改修が後回しにされたからです。立野ダム計画を進めれば、財政の配分上、いま急いでやるべき河川改修が遅れてしまいます。


国交省は、9月11日に開かれた第3回「検討の場」で、「立野ダムが最も有効」との見解を示しましたが、この結論は、国交省の過去の実績に照らすとまったく信用できません。
川辺川ダム建設計画では、国交省は、2日間雨量440ミリで人吉の流量は7000トンになると固執していました。ところが、440ミリ程度の雨が降っても人吉の流量は4000トンから4300トンでした。そこで突然、国交省は2日間雨量を12時間雨量に変えました。基準地点は八代と人吉でした。流量は、9000トン、7000トンでした。ところが八代9000トンでは人吉が7000トンにならないので、八代を基準地点から、突然外してしまいました。しばらくすると、またまた突然、八代を基準地点に復活させました。そして八代の流量はいつの間にか、9000トンから9900トンに代わっていました。県議会の議事録に載っていますが、私の指摘に、当時の潮谷知事も「2転3転」し、「誰が聞いても理解しがたいものだった」と述べています。
財政・コスト面でも、川辺川ダムは当初、350億円だったのが、3300億円に、10倍に膨れ上がりました。国交省は、住民討論集会で、ダムはあと630億円で済むのに、ダム以外の対策では2100億円以上かかると主張しました。ダム中止の方向が決まり、国交省が示したダム以外の治水代替案は、2100億円の5分の1の約400億円でした。これらは、国交省の立野ダムありきの結論は信用できない理由の一端です。
川辺川ダム問題では、住民討論集会を9回開き、のべ53時間、12000人が参加しました。森林保水力の検証もやりました。「球磨川・明日の川づくり報告会」は、流域で51回、熊本市、山鹿市合わせて53ケ所で開かれました。熊本県が有識者会議を設置し8回の審議がなされました。
立野ダムは、今日から24日までの3ケ所で終わりというのは断じて容認できません。
国交省は、情報を公開し、流域住民、県民に対する説明責任を果たすこと。そのための中・小規模の説明会を各地で開催することを求めます。
パブリックコメントでも、異論・反対が多く出ており、県民参加型の公正な討論集会を、治水対策のあり方、コスト、安全性、環境、地域経済のテーマごと開催することを求めます。
立野ダムの安全性については、立野ダム建設予定地周辺には、崩落しやすい柱状節理が見られます。布田川・日奈久断層帯の一部である北向山断層が通っています。ダム上流の水位の上下動 による地下水位の上下変動による斜面崩壊による危険があります。阿蘇の山々の深層崩壊による土石流により、大量の流木、巨大岩石、大量の泥が流れこみます。これらによって穴あきダムの放流口がつまり、満杯になり、穴あきダムの機能が失われること、そしてダム自身の危険性も心配されるところです。安全の問題が特別な検証が必要です。ダム堆砂による白川の汚濁等についての検証も必要です。

白川の改修および立野ダムについての申し入れ(2)   2012年9月20日
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国土交通省九州地方整備局長吉崎収様

 2012年9月20日
                     白川の改修および立野ダムについて(2)

1、白川改修について
すでに8月10日、貴職に対する「申し入れ」のなかで指摘したように、甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大水害」は
①気象庁は「過去に経験したことのないような大雨」と予報し、山口大学の山本晴彦教授は、「1000年に一度の豪雨」と分析し、7月12日未明から朝にかけて阿蘇地方(一の宮)の降雨量は、7時間に452mmを記録(1953年6月26日、24時間で432mm、1990年7月2日24時間で376mm~熊本県議会災害対策協議会・震災および防災特別委員会合同現地調査資料)しているように、未曾有とも言えるような大雨でした。
②同時に、被害現場を具体的にみると、地元紙(「熊日」)が「氾濫、堤防ない区間から」と報じているように、堤防がないところからの氾濫が主であり、白川改修の遅れが原因であることが明らかです。
国土交通省が責任を持って、直ちにやるべきことは、遅れている白川の改修です。
日本共産党熊本県委員会・同熊本地区委員会・同北部地区委員会として、白川の氾濫被害地域の現地調査(4回、うち2回は赤嶺政賢衆議院議員同行)にもとづいて、「白川の治水対策」についての以下のとおり要請します。

<熊本市>
薄葉橋周辺の築堤、浚渫・掘削の完了。本荘地区より2mも低い城東地区の堤防完成。明午橋の上流藤崎宮側の堤防整備、大江側の拡幅工事の完成。明午橋架け替えを急ぐこと。竜神橋下流渡鹿の堤防が切れている部分、竜神橋上流渡鹿の堤防なしの区間、渡鹿堰上流・保田窪導水路下流の堤防なし区間、対岸の黒髪地区の堤防未整備区間、小碩橋下流の堤防かさ上げを急ぐこと。
 龍田陣内については、龍田校区第7町内自治会から熊本県議会議長に対して、「被災土地を遊水地等に活用して、対象地域は買収し代替え地を用意すること」との陳情書が出されている。用地買収、洪水に備えての河川掘削、護岸、築堤、災害情報伝達等、被災住民の要求を重視し、計画を早急に策定し住民合意で具体化すること。龍田1丁目については、三協橋下流・右岸の堤防工事を急ぐこと。吉原橋の架け替えを急ぐこと。土砂の堆積が著しく、浚渫・掘削を急ぐこと。

<菊陽町、大津町>
 河川整備計画を策定すること。浚渫・掘削、川幅の拡幅、親水性の護岸整備、遊水地、水田の湛水機能の確保(地下水涵養にも寄与)などを具体化すること。

<黒川流域、阿蘇地域>
 遊水地の拡充、浚渫・掘削、川幅の拡幅などを進めること。
スギ・ヒノキの人工林の間伐、針小混交林化、草原の保全による、流木、土砂の流出を防ぐ対策を講じること。

2、立野ダムについて

1、被害地域と個別対策
①代継橋~大甲橋区間 写真1
 左岸が右岸より2m低い状況。実施中・計画中の工事の完了を急ぐこと。積まれた土嚢は約90㎝であり、工事が完成すればある程度の余裕がある。それに余裕高が加わる。
*資料1
②大甲橋~明午橋区間 写真2
 大甲橋の上流・左岸(新屋敷側)の拡幅工事を急ぎ完了すること。完了すれば右岸も左岸も余裕ができる。
③明午橋~子飼橋区間 写真3
 明午橋の上流・左岸の工事を完了させ、堤防が切れている右岸の改修を急ぐこと。河川整備計画にもとづき明午橋の架け替えを急ぐこと。
④子飼橋~竜神橋区間 写真4
竜神橋下流・左岸の堤防が切れている部分の対策を早急に行うこと。
⑤竜神橋~小碩橋区間 写真5 写真6 写真7 写真8
 竜神橋上流・右岸。マンション付近の堤防なしの区間対策。同じく左岸の渡鹿堰上流から導水路までの堤防なし区間の対策を急ぐこと。
 小碩橋下流・右岸の堤防が切れている区間の対策を急ぐこと。
 小碩橋下流・左岸、障害者施設前の堤防整備。
堆積土砂の撤去を。
竜神橋の架け替えについては、住民・地域合意のもと進めること。
⑥小碩橋~    写真9  写真10 写真11 写真12
 龍田陣内については、龍田校区第7町内自治会から熊本県議会議長に対して、「被災土地を遊水地等に活用して、対象地域は買収し代替え地を用意すること」との陳情書が出されている。熊本県は地元説明会で、用地買収、洪水に備えての河川掘削、護岸、築堤等を提示している。被災住民の要求を重視し、計画を早急に策定し住民合意で具体化すること。
 龍田1丁目については、三協橋下流・右岸の堤防工事を急ぐこと。
 吉原橋の架け替えを急ぐこと。土砂の堆積が著しく、浚渫・掘削を急ぐこと。
⑦菊陽町、大津町   写真13   写真14
 河川整備計画を策定すること。浚渫・掘削、川幅の拡幅、親水性の護岸整備、遊水地、水田の湛水機能の確保(地下水涵養にも寄与)などを具体化すること。
⑧黒川流域、阿蘇地域
 遊水地の拡充、浚渫・掘削、川幅の拡幅などを進めること。
スギ・ヒノキの人工林の間伐、草原の保全による、流木、土砂の流出を防ぐ対策を講じること。


2、白川復旧・改修を河川激甚災害緊急特別事業として
 河川激甚災害緊急特別事業については、白川水系では、1975年、1980年、190年に適用されています。現在、鹿児島県川内川等でも実施されています。今回の洪水被害は、「河川激特」の適用に該当するものであり、早急に「河川激特事業」に指定し、集中的に対策を講じること。


3、立野ダムによらない治水対策を
①「阿蘇における降雨量が観測史上1位」であり、「これまでも白川では、昭和28年6月、昭和55年8月、平成2年7月など、たびたび洪水が発生していますが、今回の豪雨は、『これまで経験したことのないような大雨』」(熊本県説明資料)という豪雨により、各地で大きな被害が生じました。
同時に、「これまで経験したことのない大雨」による避けられない災害だったのかというとそうではありません。
災害箇所を具体的に検証すると、(災害の)原因として1-河川整備計画で決められていることがやられていない。2-堤防嵩上げ、築堤が、熊本市街地でもなされていない。3-橋の賭け替えがなされないままになっている等々が明らかになってきました。
 国土交通省として責任を自覚し、河川整備計画にもとづく事業・対策を完了すること。河川整備計画がない中流域については、計画を策定し実行することを強く求めます。

②「立野のダム以外の代替案」を組み合わせて、ダム以外治水を
 国交省九州地方整備局が示した「立野ダム以外の代替案」では、「河道の掘削」「遊水地」(治水対策案①)、「遊水地」「河道掘削」「築堤」(案⑪)「河道改修」「遊水地」「流域対策―雨水貯留施設・雨水浸透施設・水田55㎢を対象にした湛水機能向上」(案⑫)、「河道改修」「遊水地」「輪中堤」(案⑬)、「河道掘削」「雨水貯留施設」「雨水浸透施設」「水田の保全」「輪中堤」(案⑭)などが提起されています。
 こうした対策を組み合わせて、「ダム以外の総合的治水対策」を策定すること。
 同じ熊本県内の1級河川である球磨川水系で取り組まれている「ダム以外の治水を検討する場」第8回会議で示された「球磨川水系の治水対策に対する基本的考え方」(資料2)に示されている考え方、手法を生かすこと。

③今回の豪雨災害においては、情報伝達、避難計画などがきわめて不十分、不徹底であることが明らかになりました。ハード対策と同時にソフト面での対策の抜本的強化をはかること。

4、安全、安心の国土形成のために国土交通省が役割と責務を果たすことについて
東日本大震災に際して、国土交通省は幹線道路の復旧をはじめ、被災者の救援、被災地の復旧・復興のために大きな役割を果たしました。
 地震、台風、大雨、火山の爆発などについての気象庁の予報にもとづく災害対策にとって、国土交通省の全国的統一的機能は不可欠です。今回の「九州北部豪雨災害」など、大規模災害が多発する昨今、国土交通省の役割はますます重要になっています。
「地域主権改革」の名のもとに、九州では、「九州広域行政機構」による国土交通省九州地方整備局の丸ごと受け入れ構想が進められつつあります。これには、熊本県内の全町村長が反対するなど、反対する動きが広がっています。
日本共産党熊本県委員会は、「九州広域行政機構」への国土交通省九州地方整備局の丸ごと受け入れには厳しく反対するものです。
 以上の見地に立って
①一級河川である白川の改修については、「県管理区間」を含め、国土交通省が責任を持つこと。
②多発する山崩れ、土石流被害を防止する抜本的治山対策を講ずること。

白川の改修および立野ダムについての申し入れ(1)   2012年9月20日
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国土交通省九州地方整備局長吉崎収様

 2012年9月20日
                   
 白川の改修および立野ダムについて(1)
1、白川改修について
甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大水害」は、「過去に経験したことのないような大雨」(気象庁)、「1000年に一度の豪雨」(山口大学の山本晴彦教授)と指摘されるように、未曾有とも言えるような大雨によるものでした。
7月12日未明から朝にかけて阿蘇地方(一の宮)の降雨量は、7時間に452mmを記録(1953年6月26日、24時間で432mm、1990年7月2日24時間で376mm~熊本県議会災害対策協議会・震災および防災特別委員会合同現地調査資料)しています。
同時に、被害現場を具体的にみると、地元紙(「熊日」)が「氾濫、堤防ない区間から」と報じているように、堤防がないところからの氾濫が主であり、白川改修の遅れが原因であることが明らかです。
国土交通省が責任を持って、直ちにやるべきことは、遅れている白川の改修です。
日本共産党熊本県委員会・同熊本地区委員会・同北部地区委員会として、白川の氾濫被害地域の現地調査(4回、うち2回は赤嶺政賢衆議院議員同行)にもとづいて、「白川の治水対策」についての以下のとおり要請します。

①来年雨期までに
来年雨期に、「2012年7月12日」規模の大雨が降っても、洪水被害を出さない対 策を実施すること。今年の台風による大雨に対応できる対策を講じること。

②地域ごとの水害対策を具体化し実行すること
<熊本市>
薄葉橋周辺の築堤、浚渫・掘削の完了。本荘地区より2mも低い城東地区の堤防完成。明午橋の上流藤崎宮側の堤防整備、大江側の拡幅工事の完成。明午橋架け替えを急ぐこと。竜神橋下流渡鹿の堤防が切れている部分、竜神橋上流渡鹿の堤防なしの区間、渡鹿堰上流・保田窪導水路下流の堤防なし区間、対岸の黒髪地区の堤防未整備区間対策、小碩橋下流の堤防整備を急ぐこと。
  龍田陣内については、龍田校区第7町内自治会から熊本県議会議長に対して、「被災土地を遊水地等に活用して、対象地域は買収し代替え地を用意すること」との陳情書が出されている。用地買収、洪水に備えての河川掘削、護岸、築堤、災害情報伝達等、被災住民の要求を重視し、計画を早急に策定し住民合意で具体化すること。龍田1丁目については、三協橋下流・右岸の堤防工事を急ぐこと。吉原橋の架け替えを急ぐこと。土砂の堆積が著しく、浚渫・掘削を急ぐこと。

<菊陽町、大津町>
  河川整備計画を策定すること。浚渫・掘削、川幅の拡幅、親水性の護岸整備、遊水地、水田の湛水機能の確保(地下水涵養にも寄与)などを具体化すること。

<黒川流域、阿蘇地域>
  遊水地の拡充、浚渫・掘削、川幅の拡幅などを進めること。
スギ・ヒノキの人工林の間伐、針広混交林化、草原の保全による、流木、土砂の流出を防ぐ対策を講じること。治山対策を抜本的に強化すこと

③白川改修を河川激甚災害緊急特別事業に早急に指定し、改修工事を急ぐこと
  今回の洪水被害は、「河川激特」の適用に該当するものであり、早急に「河川激特事業」に指定し、集中的に対策を講じること。

2、立野ダムについて

①立野ダムありきで、流域住民・県民には、「知らせず」「参加させず」
9月11日に開かれた「立野ダム建設事業の関係団体からなる検討の場」(第3回)がもたれ、「立野ダムが最も有効」との現段階での整理が示されました。そして「学識経験を有するもの」「関係住民」「関係地方公共団体」から意見聴取を行うことも示されました。しかし日程については、「昭和24年●月●日~平成24年●月●日」とあるだけでした。
ところが国交省九州地方整備局ホームページにはいきなり、「関係住民の意見を聞く会」を、9月22日(熊本市)、23日(大津)、24日(南阿蘇)で開くこと。意見を述べたい人は20までに提出すること。25日に、「有識者の意見を聞く会」ということが掲載されています。
A4350ページを超える専門用語と数字を交えた報告書案、説明文書を、短期間で、多くの流域住民、県民が読み解き、意見を発表することは極めて困難であり、貴職も当然わかるはずです。
白川の氾濫によって被災した住民はもとより、県民は、主権者、納税者として、国がすすめようとする巨大公共事業(立野ダムの残事業費約500億円。ダム建設は、当初額を上回る場合が多い。川辺川ダムは、当初350億円が3300億円に。立野ダムは、当初405億円が891億円)が、必要であるか、ないかを判断する権利があります。そのためには説明を受け、論議する機会が、時間的にも場所的にも保障さるべきです。 
ちなみに、川辺川ダム問題では、9回の住民討論集会(53時間、ほぼ同程度の時間の事前協議も)、森林保水力検証、利水事前協議(76回、311時間)、球磨川・明日の川づくり報告会(53回、球磨川流域のほか熊本市、山鹿市でも開催)など、住民参加による検証がなされています。
今回の「意見を聞く会」は、被災した流域住民、県民無視の計画であり、抜きうち・だまし討ちともいえるやり方であり、立野ダムありきでことをすすめるためのアリバイづくりであると断じざるを得ません。
  中止が確定している川辺川ダムの経験から、流域住民、県民に、「時間と場所を与えない」との企図からの今回の段取りであるならば、なおさら許されないことです。

②国交省は、説明責任を果たし、住民参加による検証を保障すること
国交省は、流域住民、県民に対する説明責任を果たすこと。そのための中・小規模の説明会を各地で開催すること。
パブリックコメントでも、立野ダムについては、異論・反対が多く出ており、県民参加型の公正な討論集会を開き、治水対策のあり方、コスト、安全性、環境、地域経済との関連などにわたって、より良いあり方を探求し、流域住民・県民参加で、ダム以外治水、立野ダムを含む治水を検証すること。
立野ダムの安全性については、立野ダム建設予定地周辺には、柱状節理が見られ、崩落しやすいこと。布田川・日奈久断層帯の一部である北向山断層が通っていること。ダム上流の水位の上下動を要因としての間隙水圧(地下水位)の上下動による斜面崩壊による危険。阿蘇地方は、山の深層崩壊による土石流によって、大量の流木、巨大岩石、大量の泥が流下する。これらによって穴あきダムの放流口がつまり、満杯になり、穴あき(放流型)の機能喪失すること、そしてダム自身の危険性。ダム堆砂による長期にわたる白川の汚濁等についての検証が必要です。

>白川の治水対策等についての申し入れ  2012年8月24日
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熊本県知事 蒲島郁夫様

2012年8月24日

白川の治水対策等について

7月12日の豪雨による白川の氾濫は甚大な被害をもたらしました。
今回の豪雨について、気象庁は「過去に経験したことのないような大雨」と予報し、山口大学の山本晴彦教授は、「1000年に一度の豪雨」と分析しています。
県が被災地での説明会で、「これまで白川では、昭和28年6月、昭和55年8月、平成2年7月など、たびたび洪水が発生していますが、今回の豪雨は、『これまでに経験したことのないような大雨』でした」と述べているとおりです。
確かに未曾有とも言えるような大雨でしたが、被害現場を具体的に検証すると、今回の白川外水氾濫による被害は、国・県がやるべき治水対策の遅れによるものです。
日本共産党として、白川の氾濫被害地域の現地調査にもとづいて、「白川の治水対策」、農業被害対策について、以下のとり要望します。
ご検討のうえ、早急なる対策を求めるものです。

1、国直轄区間(小碩橋下流)対策~国・熊本市と連携し、築堤等を早急に
8月10日、国土交通省九州地方整備局に対して、別紙のとおり「申し入れ」を行っています。国として、住民説明会、土嚢の補強、仮堤防、土砂の浚渫。掘削等を早急に実施するとともに、築堤、橋の架け替え等河川整備計画にもとづく対策を完了するよう、県としても強く働きかけていただきたい。
2、県管理区間について
①河川整備計画区間
*小碩橋上流両岸
*龍田陣内については、龍田校区第7町内自治会から熊本県議会議長に対して、「被災土地を遊水地等に活用して、対象地域は買収し代替え地を用意すること」との陳情書が出されています。熊本県は地元説明会で、用地買収、洪水に備えての河川掘削、護岸、築堤等を提示していますが、被災住民の要求を重視し、計画を早急に策定し住民合意で具体化すること。
龍田地域への説明会のなかで、河川改修のスケジュールが示されたが、具体的な計画が示されない限り住宅のリフォームも建て直しもできない。早急に方針を決めてほしい。
用地買収については、家屋の評価、土地の評価ともに、水害前の条件で対応してほしい。水害により、家屋評価、地価の下落後では納得できない。集団移転への支援を―等の要望が出されている。
対岸の下南部地区でも浸水被害が出ている。
*龍田1丁目については、三協橋下流・右岸の堤防工事を急ぐこと。
*吉原橋の架け替え、築堤を急ぐこと。土砂の堆積が著しく、浚渫・掘削を急ぐこと。被害の要因を調査し対策を(地図参照)。
②菊陽町、大津町
河川整備計画を策定すること。浚渫・掘削、川幅の拡幅、親水性の護岸整備、遊水地、水田の湛水機能の確保(地下水涵養にも寄与)などを具体化すること。
③黒川流域、阿蘇地域
遊水地の拡充、浚渫・掘削、川幅の拡幅などを進めること。
スギ・ヒノキの人工林の間伐、草原の保全による、流木、土砂の流出を防ぐ対策を講じること。
④今回の豪雨災害においては、情報伝達、避難計画などがきわめて不十分、不徹底であることが明らかになりました。ハード対策と同時にソフト面での対策の抜本的強化が求められています。
熊本市の避難指示のあり方に関する第3回検証部会に示されて報告書によると、「情報収集の問題点」として、「水位情報を確認できない区間があること」「水防本部が消防局や県との双方向の情報収集ができない」等々が指摘されています。
国土交通省・大規模降雨災害対策検討会(平成17年12月26日)の「洪水氾濫時・土砂災害発生時における被害最小化策のあり方」は、
「個々の地域の危険度が実感できる情報提供」として、「市町村、河川管理者及び砂防関係事業者等は、個々の地域でこれまでに受けた災害の状況、想定される災害の状況及びその対処方策等について、住民等に的確に周知すべく、ハザードマップの充実、市街地での氾濫危険水位の表示等、個々の地域の危険度が実感できる情報提供を図る」。
「 現況の治水施設能力を考慮した地区毎の危険度の公表」として、「市町村及び河川管理者は、現況における治水施設の能力を評価し、できるだけ細分化した地区毎の危険度をランク別にわけて公表する。また、治水施設の整備の進捗に応じた地区毎の危険度の変化についてもあわせて公表する」と指摘しています。
⑤治水・治山対策予算の増額をはかること。

3、農業・農地被害対策
農業・農業施設被害が甚大であり、査定前着工をはじめ援助と対策を強化すること。
「田畑に土砂の流入があり、個人ではどうにでもできない」「ビニールハウスが全壊」「トマト栽培をしているが、収穫前に被害」など切実な訴えがなされており、対策・対応を急ぐこと。

4、白川復旧・改修を河川激甚災害緊急特別事業として
今回の洪水被害は、「河川激特」の適用に該当するものであり、国に、早急な「河川激特事業」指定を求め、集中的に対策を講じること。

5、「立野のダム以外の代替案」を組み合わせて、ダム以外治水を
国交省九州地方整備局が示した「立野ダム以外の代替案」では、「河道の掘削」「遊水地」(治水対策案①)、「遊水地」「河道掘削」「築堤」(案⑪)「河道改修」「遊水地」「流域対策―雨水貯留施設・雨水浸透施設・水田55㎢を対象にした湛水機能向上」(案⑫)、「河道改修」「遊水地」「輪中堤」(案⑬)、「河道掘削」「雨水貯留施設」「雨水浸透施設」「水田の保全」「輪中堤」(案⑭)などが提起されています。
こうした対策を組み合わせて、「ダム以外の総合的治水対策」の策定を国に求めること。同じ熊本県内の1級河川である球磨川水系で取り組まれている「ダム以外の治水を検討する場」第8回会議で示された「球磨川水系の治水対策に対する基本的考え方」に示されている考え方、手法を生かすこと。

「7.12豪雨災害」県への積極策要望   2012年8月9日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
2012年8月9日
 日本共産党熊本県委員会
                    
  7・12豪雨の被災者と被災地の救援・復旧・復興のために、県として独自の積極策を


1、九州北部豪雨災害からやがて1ケ月となります。この間、熊本県として、行方不明者の捜索をはじめ、被災者・被災地の救援・復旧・復興のために取り組んでこられたことに敬意を表します。
 日本共産党熊本県委員会としても、7月12日、「豪雨災害対策本部」を立ち上げ、そのもとに阿蘇市に「救援センター」を設置し、ボランテア派遣や被害状況の聞き取り・調査、現場からの行政への働きかけ等を行ってきました。
 熊本県に対しては、7月14日に「緊急申し入れ」、7月27日に、第2次「申し入れ」を行ってきました。
 災害現地では、ボランテアによる泥だし、片付け、ワンストップサービス相談窓口の開設などによる生活相談・支援など、様々な取り組みが進められてきました。
 こうした取り組みによって、救援・復旧・復興への前進は見られるものの、なお厳しく深刻な状況が続いています。


2「災害救助法」「被災者生活再建支援法」等により被災者の救援、被害の復旧がなされています。
 しかしながら、これらによる救援・復旧・復興には、制限や枠があり、困難に直面している被災者救援に対応できない事態が数多く生じています。
 今求められているのは、被災者・被災地の深刻な状況に対応するために、国に対して、制度の拡充と弾力的運用を引き続き求めると同時に、熊本県、あるいは県・市町村共同による独自策の具体化です。
 災害対策基本法8条3項は、「国及び地方公共団体は、災害が発生したときは、すみやかに、施設の復旧と被災者の援護を図り、災害からの復興に努めなければならない」としています。「被災者の援護」については、災害救助のみではなく、被災者の生活を立て直すための援助を含むと解されています。
 この立場にたって県が「被災者の援護」のための責務を果たすことが求められています。
 地方自治法232条の2は、「 普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる」と記しています。今回の災害の甚大さ、広域性からして、被災者への「寄付または補助」は、熊本県の「公益」に沿うものです。
 災害救助法は、災害対応は原則として自治体(都道府県)が行うものとしており、一定規模の災害の場合、自治体の負担が過重になるので国として財政的援助を行うという仕組みになっています。
 大規模災害が多発する現状からすると国の災害対策の抜本的強化が求められています。同時に災害対策では、自治体(都道府県)が主体的能動的対応することが基本になっていることについて、県としてあらためて自覚し、具体化をはかっていくことを求めるものです。

以下、具体化を要請します。
①住宅再建支援制度の拡大
半壊を大規模半壊と同様に認定し、支援金(複数世帯で50万円+住宅の補修等で最大150万円)の支給を
②床上浸水にも一定の支援金の支給を
③床下浸水に対する支援
  泥出し費用は自治体負担だが、フローリングの床の場合、床を外して張り直す費用は自己負担となっているが、現在の住宅事情を勘案し、制度の弾力的な運用で対応を。
④商工業、観光業への独自の補助制度、二重ローン対策
  無担保保証人なしの緊急融資を。二重ローンについては、旧債務の返済猶予・買い取りや利子の買い取りなど
⑤救助法、支援制度の申請期間について弾力化・延長を
⑥農地・農業施設などの査定前着工を被災全自治体で。
⑦「土砂崩れで全壊。下の平坦な土地に住宅を再建したいが、農振地で農業委員会と県の許可が必要。通常許可は半年かかる。緊急時なので早く許可が出るようにしてほしい」との要望あり。農振地の農地転用の許可への特別の配慮を。
⑧仮設住宅は、全壊に限らず、入居希望者に応える弾力的対応を。
⑨自動車購入への補助制度を。
⑩義援金を速やかに被災者の救援・支援に使われるように、助言・指導を
なお、熊本県として独自施策の具体化をはかっていくうえでの参考に、以下、各都道府県の独自施策を別途添付します。

「7・12熊本広域大水害」対策についての第二次申し入れ   2012年7月27日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
2012年7月27日
日本共産党熊本県委員会九州北部豪雨災害対策本部
本部長 松岡徹

「7・12熊本広域大水害」対策についての第二次申し入れ

 

 日本共産党熊本県委員会は、7月12日正午「7・12九州北部豪雨災害対策本部」(本部長・松岡徹県議・副委員長)を設置し、被害住民・地域への救援・支援。被災地住民からの聞き取り、被災地の実態調査にもとづき、7月14日、「解決すべき要求・事項」について申し入れ(第1次)を行ったところです。 今回(7月27日)は、第1次申し入れを前提に、3点について申し入れ(第2次)をいたします。

1、ワンストップサービスの窓口体制を確立すること すでに、第1次「申し入れ」において、「水害を受けた世帯に対しては、市税、国税、国保料、介護保険料、保育料、後期高齢者医療保険料、水道料、電気料などの減免。制度・措置の周知とワンストップで手続きができる窓口を国、県、市の連携で設置すること」を求めています。 しかし現状は、特に阿蘇市においては、市職員が、自らも罹災しながら、災害の救援・復旧に追われている状況で。十分な体制が整備されていません。 県として、阿蘇市と協議し、被災住民が近くで、様々な行政相談・手続きがワンストップでできるようにすること。そのために必要な人的援助を行うこと。

2、仮設住宅について
 東日本大震災被災地、東北3県の仮設住宅における事例、教訓を踏まえ、阿蘇市における仮設住宅建設について、以下の点について要請します。
①入居者の多様なライフサイクルとプライバシーに考慮し、仮設住宅は「長屋」ではなく「戸建て」を。
  現在も、長引く避難所生活のなかで、ライフサイクルの違いなどもあり「眠れない」などの相談も寄せられています。「長屋」式の仮設住宅では、同様の問題も生じる可能性があります。岩手県陸前高田市や大船渡市から多くの方が避難した岩手県住田町は、気仙杉の産地として知られ、避難してきた被災者に木の温もりのある家に住んでもらおうと、町産材を使った「戸建て」の仮設住宅を建設しています。
  阿蘇市においても、地元産材を利用した「木造」「戸建て」の仮設住宅建設を求めます。
②仮設住宅の建設にあたっては、暑さ、寒さ対策を。
  東日本大震災被災地の仮設住宅では、「網戸がなく、十分な換気が出来ない」「床や壁に断熱材が十分使用されておらず、エアコンも十分に効かない」「玄関に風除室がなく、特に冬場の保温機能が悪い」「全ての部屋にエアコンが設置されていない」「風呂に追い炊き機能がない」「水道管の埋設が浅く、年間を通じ水の温度が安定しない他、凍結も発生」など、暑さ・寒さ対策が不十分なため、熱中症などの急病や、水光熱費が増加するなどの問題が数多く生じています。こうした点を踏まえ、暑さ、寒さ対策に十分に留意すること。
③仮設住宅建設の委託業者の選定にあたっては、実際に建設にあたる業者が、地元業者となるようにすること。
  復興にあたっては、「地元業者が元気」になることを重視することが大切な観点です。また、甚大な被害を受けているホテル・旅館等に従事されている方などの生活保障、つなぎの雇用確保なども重要です。
「地元業者が元気になる」ことを、仮設住宅建設含め、今後の復興に向けた公共事業に貫かれるべきです。
また、復興事業にあたって、地元業者への発注が公平に行われることはもちろんのこと、事業に従事される方々の労務費の引き下げなどの事態が生じないように、「公契約条例」もしくは、ガイドラインの制定などの措置が必要です(東日本大震災における公共事業において、下請け業者への発注単価が、県の発注単価より大幅に引き下げられていた事例もあります)。
④仮設住宅の建設戸数は、全壊にこだわらず、被災者の実態に応じて、必要な戸数とし、その建設のために必要な県独自の救済・支援施策を実施するとともに、制度の拡大を国に求めること。
  また、住宅の被害認定にあたっては、外観や「床上浸水」「床下浸水」などの基準だけでなく、今回の災害によって生じた損傷、悪臭など、実際に住める状況かどうかが重要です。平成16年10月28日付内閣府通達「浸水等による住宅被害の認定について」(府政防第842号)及び、7月25日の衆議院災害対策特別委員会における大臣答弁の立場で被害認定にあたられることを求めます。

<7月25日中川防災大臣の答弁の趣旨>
日本共産党・赤嶺政賢議員の被害認定の調査、判定方法に関する検討会のなかでの見直しの結果についての質問に対して
①床下にたい積した汚泥の除去のために床板を取り外した場合や、浸水した壁内部の部材を取り外すために他の部材を外す場合も水害の被害として認定する。
③二階建て住宅で一階が果たしている役割の重要性を考慮して、一階の損害を割り増しして算定。

3、農地・農業用施設の復旧は、「査定前着工」などの活用で
 「農地被害について、国が審査し農地復旧費の国庫負担割合を決めるのに1年、農地の回復には3年かかる。これでは間尺に合わない」との声が聞かれます。
 災害にあった農地・農業用施設の復旧に当たっては、2003年水俣市災害でも活用された「査定前着工」などを活用し、迅速に進めること。

「7・12熊本広域大水害」対策についての緊急申し入れ   2012年7月14日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
2012年7月14日
日本共産党「7・12広域大水害対策本部」 本部長 松岡徹

「7・12熊本広域大水害」対策についての緊急申し入れ

 気象庁が「これまで経験したことのないような大雨になっている記録的大雨」とした大雨による甚大な被害が、阿蘇地域、白川流域、各地で広がっています。
 日本共産党熊本県委員会は、7月12日正午「7・12大雨災害対策本部」(本部長・松岡徹県議・副委員長)を設置し、被害住民・地域への救援・支援に取り組むと同時に、阿蘇地域、白川流域被災地等の現地調査を行いました。
 それらにもとづく「解決すべき要求・事項」について、以下申し入れます。

1、行方不明者(8名、阿蘇市6名、高森町1名、南阿蘇村1名、13日現在)の捜索に全力をあげること。

2、阿蘇地域
①避難所で特に出された対策
*下着を含め衣類、タオル、毛布、マットなどの支給
*医師・看護師・保健師などの人的配置、医薬品などの提供など保健・医療体制
*食糧支援
②人的支援
*床上浸水家屋・店舗棟では、後片付け、ヘドロ処理などに追われているが、個々の家庭、とりわけ高齢者、独居家庭では困難を極めており、人的支援が必要。
③阿蘇市のごみ処理場、し尿処理場の復旧及び全県的規模での処理対策
④仮設住宅建設(阿蘇市では500戸を計画)への援助
⑤河川、道路の復旧


3、熊本市龍田陣内、渡鹿など白川流域被災地対策
*ヘドロ等のかき出し作業への人的支援。
*ヘドロ等の泥をかき出す作業の際に必要なスコップ、砂を運び出すざる・バケツ・コモ、軍手、マスクなどの支給。
*ライフライン(電気)の早急な復旧。
*家具や冷蔵庫などが使用不能。こうした物資の支援。
*風呂に入れない。入浴支援・提供
*衛生面での対策
*被害が大きかった住居対策・支援
*水害を受けた世帯に対しては、市税、国税、国保料、介護保険料、保育料、後期高齢者医療保険料、水道料、電気料などの減免。制度・措置の周知とワンストップで手続
きができる窓口を国、県、市の連携で設置すること。

4、災害救助法、被災者生活再建支援法の積極的適用をはかる。激甚災害指定を国に強く求めること。

5、治山・治水対策
①杉植林などの在り方を、治山という角度から抜本的に見直すこと。
②白川の河川改修を早急に進めること。
*大甲橋~長六橋地点
右岸側堤防完成を急ぐ
*大甲橋~明午橋地点
左岸側の改修完成
*明午橋~子飼橋
川幅が狭くなっている明午橋の架け替えが急務。右岸側(藤崎宮側)の改修完成。
*子飼橋~竜神橋
竜神橋下流左岸の無堤防部分の早急な対策。
*竜神橋~小碩橋
川幅が狭くなっている竜神橋の架け替えが急務。河道の土砂の浚渫・掘削。藻器堀川導水路から左岸の無堤防地域の整備
*小碩橋から上流
この区間は改修がほとんど進んでいない。築堤や河床掘削、吉原橋の架け 替え
*大津町、 菊陽町の白川中流域でも「河川整備計画」を 策定し、河川改修を進める。

6、災害情報の伝達、ハザードマップの整備・見直しなど、ソフト面での災害対策の整備・充実をはかること。

7、各地での農業被害等も深刻であり、被害状況の把握と積極的な支援策を、国とともに講じること。

垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練飛行中止を米軍に求める申し入れ 2012年7月10日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
          2012年7月10日
                      
 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練飛行中止を米軍に求めるべき
1、米国政府の日本政府への通告によると、米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの日本への配備予定の24機のうち12機が7月下旬、山口県の岩国基地(岩国市)に陸揚げされ、同基地で試験飛行を行い、10月初旬に沖縄県の普天間基地(宜野湾市)で本格運用ということになっています。このことは7月27日の防衛省九州防衛局による県への説明でも報告されています。
 防衛省九州防衛局の県への説明資料(「説明資料」)によると、オスプレイ配備後、日本本土での訓練飛行を6コースで実施する。そのうちの一つに熊本県をとおるルート(「イエロールート」)があり、年間最大55回程度の低空(高度約150m)飛行訓練を行う。訓練の約4%が夜間訓練ということです。
  訓練ルートは、山鹿・菊池・阿蘇・高森・南阿蘇・美里・球磨郡上空と推定されます。 墜落事故を繰り返しているオスプレイの飛行訓練はまさに県民のいのちと安全にかかわる重大問題であり、蒲島知事の毅然たる態度が求められています。

2、オスプレイは、開発・試験段階から墜落事故をくりかえしている欠陥機です。 ①実戦配備後も事故が相次ぎ、今年4月にモロッコで、6月には米国で墜落したばかりで、米議会でも、オスプレイの分析官が、エンジン停止した場合、安全に着陸するオートローテーション(自動回転)機能に「欠陥がある」、「米連邦航空局の安全基準を満たしていない」と証言をしています。
  日本の航空法では、オートローテーション能力がない回転翼機は飛行が禁止されており、オスプレイは、当然飛行が禁止されるべきものです。 防衛局の「説明資料」は、「万が1、2つのエンジンが停止した場合の緊急着陸の際、その時の飛行状況に応じて滑空するか、垂直離着陸モードに移行してオートローテーションンを行うことになります」と述べていますが、現に墜落事故は起きています。 「説明資料」では、「オスプレイの安全性」について、「技術的な問題点はクリアされている」と述べています。モロッコの事故についても「機体の安全性に何ら問題はない」としています。 しかし、オスプレイの安全性についての米軍の事故調査の信用度が疑われています。
 2010年4月、米空軍のCV22オスプレイがアフガニスタンで墜落し、乗員4人が死亡しました。米軍事専門誌「エアフォース・タイムス」11年1月22日付(電子版)によると、事故調査委員会責任者のハーベル准将は、事故はエンジンの問題、出力低下が原因であると結論づけました。ところが、CV22オスプレイを運用している米空軍特殊作戦軍は、同機の安全性に疑問の声が出るのを避けるため、事故原因をパイロットのミスにするよう要求、同准将は「報告書を書き換えるよう多くの圧力があった」と証言しています。 米軍は、今年4月にモロッコで起きたMV22オスプレイの墜落事故について、機体に不具合はなかったと断定されているとし、人為的ミスを強くほのめかしています。6月の米フロリダ州でのCV22オスプレイの墜落事故も、継続的な運用を妨げるいかなる情報も発見されていないと強調し、飛行を継続しています。 米軍がオスプレイの欠陥を否定し、安全性を強調する報告書を出してもそれをそのまま信用できるかということです。また「機体に問題がないのに事故が相次ぐということは、素直に考えれば操縦が難しいということではないか」(「朝日」7月3日付社説)という疑問が生じます。パイロットのミスで墜落事故が続発するというのは、オスプレイが欠陥機であることを示すことでもあります。
米軍の説明を鵜呑みにする日本政府の米追随姿勢が問われています。
②米軍の低空飛行訓練は、敵の監視と探知を避け、低空で侵入する技術を向上させることを目的にしており、最近では、アフガニスタンなどの武装勢力の掃討作戦を支援するための訓練がなされています。オスプレイの低空飛行訓練計画は、「日本防衛」のためではなく、海外への「殴り込み」のためのものです。防衛局の「説明文」によると現在配備されているCH-46と比べると最大速度が約2倍、行動半径が約4倍,搭載量が約2倍になるとされていますが、その分だけ米軍の海外での「殴り込み」機能が増すというものです。
 オスプレイ配備について、「米国は日米安保条約上の権利だと主張」(藤村修官房長官)し、森本敏防衛相は、「日本政府に条約上のマンデート(権限)はない」などとのべています。この問題を通じてあらためて、米軍に、日本全土で、自由勝手に部隊を運用する権利を与えた日米安保条約の危険な役割が明らかになりました。
  同時に、「条約上の権限はない」などと言ってすまされるものでは断じてありません。日本国民の生命と安全を脅かす欠陥機であることが明瞭なオスプレイのような軍用機の配備を米国にいわれるまま認める政府の根本姿勢が問われています。

3、米軍岩国基地のある山口県岩国市長は、「オスプレイの安全性は払拭されていない」として、岩国基地への一時駐機は「了解できるものではない」との見解を表明しています。和歌山県知事は県議会で、「大変危険性を伴い県民に不安を与えるものであるため訓練には反対である」と明言しています。  
広島県は、米軍機の低空飛行訓練の中止を外務、防衛両省に要請しています。
 一方蒲島知事は、「(オスプレイの配備は)安全保障上の問題であり、国の責任の下で対応すべきもの。反対、賛成はコメントできない。県民の安全にかかわることなので情報収集に努めたい」(7月5日付「熊日」)と述べています。 知事のこの発言は、矛盾した、無責任なものです。防衛省九州防衛局がすでに、危険なオスプレイの低空飛行訓練ルートと訓練実施について熊本県に説明しており、「国の責任の下」のものであっても、「県民の安全」のための知事の態度表明が求められているのです。

4、以下のことを求めます。
①防衛省九州防衛局の説明でもオスプレイは、8回の事故を起こし36名の死者をだしていることを明らかにしています。「情報の収集」段階ではありません。ただちに熊本県内でのオスプレイの低空飛行訓練反対の態度表明を行うこと。
②かねてから球磨郡や阿蘇郡などで低空で飛行する飛行機が現認されています。県として調査を行い、結果を明らかにすること。各地でやられている米軍の日常的な低空飛行訓練であった場合は中止を求めること。

 
水俣病特措法にもとづく申請の7月末締め切りは撤回し、健康調査の実施を 2012年7月11日
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環境大臣 細野豪志様

 2012年7月11日
 日本共産党熊本県委員会
 日本共産党熊本南部地区委員会                 

 水俣病特措法にもとづく申請の7月末締め切りは撤回し、健康調査の実施を

1、6月24日、熊本県・鹿児島県6ケ所で水俣病健康調査が実施されました。
 今回の検診の特徴は
①過去2回の「大検診」受診者をはるかに超える最大規模だったこと。しかも「大検診」以降の予約者がさらに600人を超え、当日の大雨による交通の乱れ等による受診漏れが240人もおり、県民会議医師団等では病院・医院での引き続きの検診、「中検診」実施を予定するような状況にあること。
②1394人が受診し、87%・1216人に疫学条件があり、四肢の感覚障害があると診断されました。水俣病県民会議医師団等は、40年余にわたって潜在患者の掘り起しに取り組み、「汚染が地域ぐるみであること」「不知火海の魚介類を多食し手足の抹消優位の障害」があれば水俣病であることを明らかにしてきました。この診断は、福岡高裁(1985年8月)、熊本地裁(87年3月)、熊本地裁(93年3月)、京都地裁(1993年11月)で認められ、関西訴訟最高裁判決(2004年10月)でも基本的に認められています。今回の「大検診」の結果は、水俣病患者が未救済のまま数万単位とい規模で存在することを示唆しています。
③今回の「大検診」で水俣病の症状が確認された人たちのなかで、汚染指定地域外の居住者・出身者が多数いました。天草の3会場では633人が受診しました。そして天草会場、水俣会場での受診者の症状に差異はほとんどなく、汚染地域指定が実態に沿っていないことを鮮明にしました。
④「大検診」では、30代が16人、40代が191人受診し、水俣病との診断を受けています。水俣病発症年を1969年で線引きし、区別することが間違いであることが明らかになりました。
⑤いまでも「差別」「偏見」、あるいは「自分が水俣病とは認めたくない」など多くの人
たちが水俣病検診を受診することをためらっており、行政による健康調査が不可欠であることが明らかになりました。検診会場では、「以前も特措法に申請しようかと考えたけれど、水俣病となれば結婚できないなど、昔から親に言い聞かせられてきたので、踏み切れなかった」「以前もまわりに検診を受けた人がいたので、自分もしようかと思ったことがあったけれど、ためらいがあって踏み切れなかった。今回も他人の目が気になるので、出水ではなく水俣の会場で受診できるようにしてもらった。周りにも手を挙げられない人がまだたくさんいると思う」などの声が寄せられています。
⑥今回の「大検診」は、医師142人、看護師195人を含む737人のスタッフが取り組みました。全国46都道府県からの参加でした。病院・医院、公共施設にポスターを張らせてもらい、チラシを不知火海沿岸、行商ルートを探っての山間部でのチラシ配りなどが取り組まれた結果の過去最大規模の「大検診」でした。
こうした取り組みを民間任せにし、加害者であるチッソ・国・熊本県が事態を放置していることは断じて容認できません。
関西訴訟最高裁判決を受けて熊本県は2004年11月、不知火海沿岸に居住歴がある約47万人の健康調査、不知火海の環境調査を提案しており、今こそその具体化が求められています。

2、国として、以下の点での具体化を求めます
①水俣病特措法にもとづく申請期限の7月末締め切りを撤回すること。
②「地域指定」「出生年」による線引き・区別をやめること。
③公健法にもとづく国の認定基準を抜本的に見直すこと。
④不知火海沿岸に居住歴のある全住民を対象にした健康調査を実施すること。不知火海の環境調査を実施すること。

 
光副大臣は、「迷惑」発言を謝罪し、撤回し、辞任を求める 2012年4月10日
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環境大臣 細野豪志様
環境副大臣 横光克彦様

 2012年4月13日


 横光副大臣は、「迷惑」発言を謝罪し、撤回し、辞任を求める

1、 横光副大臣は、4月8日、水俣病被害者団体との意見交換会の場で、「7月以降、不知火患者会が進める堀起こし検診は慎んでほしい。いつまでたっても水俣病問題にけじめがつかない。他の団体に迷惑がかかる」との発言をしています。
 この発言は、チッソ・国・熊本県が一体になって、水俣病被害を拡大しながら、救済に背を向けてきた中で、水俣病患者を掘り起し。その実態を広く明らかにし、水俣病被害者救済の道を切り開いてきた、県民会議医師団、水俣病被害者の会、不知火患者会、弁護団、支援の団体・個人など民間の長期にわたる営みを否定、敵視するもので、国・環境省の本音を吐露するものであり、断じて容認できないものであり、厳しく抗議するものです。

2、水俣病についての偏見、差別など様々な事情、全国各地に広がっている不知火海沿岸および関連地域出身者の状況からして、7月末までに、水俣病特別措置法の「あたう限りの被害者救済」が不可能であることは確実です。国・環境省がなすべきことは、不知火海沿岸住民の健康調査です。にも関わらず、国・環境省は、健康調査は実施せず、「7月末で申請締め切り」を強行しようとしています。今回の横光副大臣の発言は、8月以降の患者の切り捨て、水俣病の幕引き、チッソ救済であることを別な形であらわしたものであり、断じて容認できません。

3、民間による掘り起こし検診は、本来行政がやるべき健康調査、環境調査を国・県が実施しないなかで、様々な困難を抱えながらも、すべての水俣病患者救済、水俣病問題に真の解決のために取り組まれているものであり、これを「迷惑」視する人物が、国の水俣病関係機関の中心にいることなど論外であり、その存在は、今後の水俣病問題解決の障害となるものです。

4、以下、求めるものです
①横光副大臣は、「迷惑」発言について、謝罪し、撤回し、責任の重大性、発言の根本的な誤りを自覚し、直ちに辞任すること。
②7月末での水俣病特措法にもとづく申請締め切りを撤回すること。
③行政による健康調査を実施すること。

 
水俣病特別措置法の受付期限設定をやめ、すべての水俣病被害者の救済を求める申し入れ 2012年12月10日
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環境大臣 細野豪志 殿

 2012年 2月10日   

         水俣病特別措置法の受付期限設定をやめ、すべての水俣病被害者の救済を求める申し入れ書

 水俣病は、公式発見から56年がたってもいまだに解決していません。加害企業チッソと国及び熊本県の責任が問われています。
水俣病特措法は、中身が極めて不十分なものであっても、水俣病認定制度が改善されず公害健康被害補償法による認定の道が実質的に閉ざされているもとで、現時点において何らかの救済が受けられる唯一の制度になっています。にもかかわらず、その受付を締め切ってしまうことは救済への道をすべて閉じてしまうことになります。特措法の3年以内に対象者を確定するというのは法にも明記しているように目途であり、絶対的な期限を決めているものではありません。
 12月末現在で、熊本県に32,828人、鹿児島県に15,383人の合計で48,211人が申請し、さらに12月だけでも熊本県で480人、鹿児島県で287人の合計767人が申請しています。
 不知火患者会が実施している水俣病検診では政府が定めた汚染指定地域外の天草地域や水俣市や芦北町の山間部でも多くの水俣病の症状を有する住民が受信者の9割に確認されています。
 さらに1月22日の不知火患者会が実施した検診受信者の中には「チッソとの関係がありこれまで申請できなかった」「どのような症状が水俣病の症状なのか知らなかった」などと話した人もいました。これらの事実から、まだ多くの被害者が残されていると判断すべきであり、特措法の申請受付を締め切るべきではありません。締め切ったとしても未救済の水俣病被害者が存在する限り水俣病問題は続きます。そのような事態にならないために以下申し入れます。
                   記
1 水俣病特措法の申請期間の設定はせず恒久的な制度にすること。
2 まだどれだけの水俣病被害者が残されているのか、事実関係を把握するためにも、かつて熊本県が提案した47万人の不知火海沿岸住民の健康調査を直ちに実施すること。
3 そのような調査を待たずとも、熊本県・鹿児島県では指定地域を設定せず、申請者の個別の疫学的条件と自覚症状と医師が確認した神経所見などで判断すること。
4 出生年、汚染時期、居住期間による線引きをやめると。1969年(昭和44年)12月以降の生まれでも臍帯水銀値が高い被害者がいるにもかかわらず、実質的に救済からはずされています。臍帯水銀値と健康障害についても研究が尽くされていないにもかかわらず線引きするのは不当です。
熊本大学第二次研究班により水俣病は昭和17年から確認されています。さらに汚染指定地域に1年以上居住という条件も改めるべきです。
5 どれくらいの水俣病被害者が存在するのか実相さえも確認できてなく、水俣湾には膨大な水銀へドロが存在し恒久的な封じ込め対策が必要にもかかわらず加害企業を消滅させるチッソの分社化は絶対行ってはなりません。消滅させれば加害企業は責任を免れ国家が国民の税金で対策をとらなければならない不条理が発生します。これは許してはなりません。

 
特別措置法についての申し入れ 2012年2月10日
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国土交通大臣 前田武志 殿
   2012年2月10日
  
 1、特別措置法について

 ダムなど大型公共事業の中止に伴う地元の生活再建を支援する特別措置法について、貴職は、昨年12月22日の会見で、川辺川ダムの水没予定地を抱える五木村をモデルに法案を策定し、通常国会に提出する方針を明らかにしました。
 これまでダム建設絶対推進という国策の中で、全国各地で多くのダム建設が進められてきました。そして水没予定地の住民・自治体は、それぞれの条件の中で翻弄されてきました。  本来ダム建設などの公共事業は、そこに住む住民の要求に基づいて進められなければなりません。逆に流域住民が望まないダム建設は、中止されるべきであり、中止後の水没予定地及び地域の生活再建は、国が責任を持って行うべきです。そのためにも全国に通用する特別措置法の制定が求められています。
 よって以下の点を要請します。
①ダムなど大型公共事業の中止に伴う地元の生活再建を支援する特別措置法の制定にあたっては、国営、県営、電源開発などを問わず、全国で適用できる法律にすること。

2、ダムによらない球磨川・川辺川の治水対策について
 球磨川・川辺川の「ダムによらない治水を検討する場」は、9回開催され、その後幹事会が2回開催されています。
こうした協議をふまえて、以下の点について要請します。

①「検討する場」の協議にもとづく成案を反映した「河川整備計画」を早急に策定すること。
②ダムによらない治水対策の予算を大幅に増額し、「直ちに実施する対策」については、地元の意向も踏まえながら、早急な実現をはかること。

3,白川の河川整備―特に緊急対策特定区間(八城橋~龍神橋)の整備について
① 白川の河川整備のなかで「緊急対策特定区間(八城橋~龍神橋)」についての整備を急ぐこと。
② 城東地区(右岸、代継橋~大甲橋区間)については、熊本市の中心市街地に面する区間であり、計画を前倒しし早急に整備すること。

 
県1、2期目の県政運営にあたっての基本姿勢について 2012年5月7日
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熊本県知事 蒲島郁夫様

 2012年5月7日
1、2期目の県政運営にあたっての基本姿勢について

 
① 「住民の福祉の増進」を第1義的にー県民のくらし、福祉、安全を
地方自治法第1条2項は、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」と定めています。県民のくらし、地域経済の状況からして、この立場を堅持することがますます重要になっています。
② 「県民中心」の県政運営
県政の主役は県民です。エネルギーも知恵も県民のなかにあります。県民の生活実態、生の声に耳を傾け、心を寄せ、施策に活かすことが求められています。そのために地域・集落での「車座」懇談会を重視し、知事・副知事・部長・課長が率先して参加することを提案します。
③ ムダと不公正をなくす
路木ダム建設に象徴的にみられるような県発注の公共事業を通じて特定の政党・政治家へお金が環流するようなあり方、同和団体への多額の補助金など不適切な支出の根本的な改革を求めます。知事の退職金は廃止を提案します。
④ 国の悪政から県民と地域経済を守る県政
社会保障の連続改悪、消費税増税,TPP参加問題など、国の政治が、くらし、社会保障、地域経済をこわす施策をすすめるなか、熊本県として、国に対して、県民のくらし、福祉、地域経済を守る立場からきちんとモノを言い、政策転換を求めるべきです。同時に県民と県経済を守るために、県独自の可能な措置をとることを求めます

2,重点的施策について
(1)「福祉の心」で、くらし・福祉を優先的に充実する
①国民健康保険税の軽減のための市町村への援助。
②介護保険料・利用料の軽減、特別養護老人ホームの増設を。後期高齢者医療制度は廃止し、高齢者負担の軽減を国に求める。
③こども医療費の中学校までの無料化。
④保育料の引き下げ、待機児童の解消など公的保育の拡充。こども子育て新システムの名による公的保育の放棄に反対を。

(2)教育・勉学条件の改善
①少人数学級の拡充。
②教室の冷暖房の促進
③年収350万円未満の世帯の私立高校学費の無償。
④県立高校再編計画については、前期・中期計画の検証、後期計画は、関係者地元の意見聴取の徹底を優先し、推進は凍結する。
⑤教員の長時間・過密勤務の抜本的な改善
⑥障害のある子どもの教育条件のさらなる改善・整備

(3)循環型地域経済政策の推進で、地域経済を元気に
①地域経済をこわす、TPP、消費税の増税には断固反対する。
②住宅リフォーム助成制度の実現。
③小規模な修繕・公共工事「希望者登録制度」で地元業者に発注する。
④「公契約条例」の制定、官公需の異常なダンピングの防止。
⑥大型公共事業を見直し、特別養護老人ホーム・保育所や学校などの整備・増設、防災対策で、仕事と雇用を増やす。
⑦道路・橋の維持・修繕を予防保全の立場から積極的に取り組むこと。
⑧大学・高校新卒者の県内での就職、青年の雇用対策を強め、元気・活力を育成する。「官製ワーキングプア」の解消、派遣切り、一方的な工場閉鎖の規制など、労働者の安定雇用・労働条件の改善に努める。
⑨農林水産業振興は熊本の経済の要。農業大県熊本、農林水産業の自然的人的条件に恵まれた熊本においては、農林水産業を基幹的産業として戦略的に位置づけ、食の安全、環境など地域社会の基盤として振興する。市町村、専門家と連携し、鳥獣被害対策を強ける。
⑩従来型の呼び込み型の大企業誘致、大型開発から、中小企業、農林水産業振興を基本とする内発型の経済政策への転換をはかる。県中小企業振興基本条例を改正し、誘致大企業の地域貢献をすすめる「大企業条項」を設ける。
⑪高齢者、障がい者が買い物ができる商店、商店街の整備・育成。
⑫小水力・風力・太陽光・バイオ・地熱など自然エネルギーの推進で、地域の雇用拡大、経済の活性化をはかる

(4)原発ゼロ、自然エネルギーの本格的推進
①熊本県として「原発ゼロ」を宣言し、国に決断を求める。
②定期点検や事故等で停止中の原発の再稼働については、東京電力福島第1原発事故の原因究明がなされていない状況であり反対する。
③老朽原発は廃炉に。プルトニウムを燃料とするプルサーマルは中止を求める。
④原発事故による放射能の測定、医療、除染などの体制を整備する。九電との防災協定を締結する。
⑤ 水力、風力、太陽光、地熱など自然ネルギーの導入に本格的にとりくむ。
⑥ 県を先頭に、節電、省エネを促進する。24時間型社会の見直しを進める。

(5)災害に強い、安心・安全な熊本・地域づくり
①県防災計画・震災対策の抜本的見直しについては、県民参加での検討も加え、さらに充実していく。
②学校、公共施設、病院、住宅の耐震化促進。耐震診断・耐震補助を復活する。
③住宅耐震診断、耐震化助成の復活・充実。
④防災の地域づくり、災害の救援・復興の担い手、組織の育成・強化
  地震・津波対策をはじめ安心安全の防災の地域づくり。災害からの復旧・復興のための担い手・組織の育成―消防、自主防災組織の育成強化、建設業者・建設産業の保全・育成。消防の広域化(全県4ブロック)については、地域の意見、批判に留意し再検討する。
⑤防災備蓄倉庫の拡充、地域の防災訓練など、日常の地域防災力を強化する。

(6)懸案の重要課題についてー「がれき」問題、道州制・地域主権改革、水俣病、荒瀬ダム、川辺川ダムなしの治水・五木村再生、路木ダム、白川の治水・立野ダム、諫早干拓・有明海再生
<がれき問題>
① 大震災支援強化、絆や人としての連帯、助け合いを引き続き重視していく。同時に、それと放射性物質を含むがれきの問題の科学的で道理ある解決策の探求は区別して対応する。
② 放射線防護学においては、放射性物質については、他と区別して集中・隔離管理するというのが鉄則であること、阪神淡路大震災の時のがれき量は2000万トン、東日本大震災のがれき量は2300万トン(環境省発表)とされているが、広域処理は全体の2割が目標であり、国の責任で、広域処理ではなく域内処理を促進するよう、県として要望すること。
③ 放射線は遺伝子、生命体に悪作用する。自然放射能も人口放射能も無害ではなく、被ばくはないほうがいいのであり、慢性微量汚染で「原爆規模」ともいえる被害者を生み出している水俣病の教訓、「宝」の地下水保全という点でも、がれき受け入れには応じないこと。

<道州制・地域主権改革>
①「究極の構造改革」である道州制は、平成の市町村合併を遙かにしのぐ大規模な市町村合併と熊本県の存在をなくし、政府・大企業の意のままの開発促進を容認するシステムであり反対する。
②道州制につながる「九州広域行政機構」による国の出先機関の丸ごと移譲は、福祉・医療・雇用のナショナルミニマム、道路、河川の管理と防災等に対する国の責務を解消するもので容認できない。
③平成の大合併後の市町村の検証の上にたった県内市町村、地域の特色ある発展策を策定し、体制、財政上の措置をとる。

<水俣病対策>
① 掘り起こし検診に対する「迷惑」発言をした横光環境副大臣に対して全面的な謝罪と辞職を求めること。
② 水俣病特別措置法にもとづく申請期限を7月末とする政府の決定を容認した知事発言を取り消し、国に、「7月末締め切り」の撤回と恒久的救済の窓口設置を求めること。
③ 地域と出生年月によって救済対象から除外し、救済の道を閉ざすあり方を改めること。
④ 不知火海沿岸住民の健康調査を国とともに実施すること。
⑤公害健康被害補償法にもとづく国の認定基準を抜本的に見直すよう求めること。⑥チッソの分社化を中止し、加害企業チッソが被害者救済に最後まで責任を果たすこと。

<荒瀬ダム>
①撤去の計画・進め方、撤去にともなう種々の問題の解決のために、住民参加、情報公開を貫くこと。
② 撤去費用について、さらなる国の支援を確保する。
③ 日本初の「撤去」を広くアピールする。撤去後の地域の再生を援助する。地域の自主的とりくみを支援するとともに県としても、イベントなどを具体化すること。

<川辺川ダム~五木村・治水・利水>
① 「ダム事業等の廃止に伴う特定地域の振興に関する特別措置法」の制定のために県としての特別の集中的な働きかけを行うこと。対象を県営ダムまで拡充するよう求めること。
② 「ダムによらない治水を検討する場」において、戦後最大規模の洪水から流域住民を守る「ダム以外治水」案をまとめ、河川法にもとづく「ダムなし河川整備計画」を策定すること。ハード対策と同時に、情報伝達、避難対策などソフト面も重視する。
③ 身の丈に合った利水対策の具体化・推進を国とともに進めること。

<路木ダム>
① 路木ダムは中止すること。
② 牛深・河浦町の利水代替案を天草市と共同して早急に策定する。
③ 羊角湾の再生に着手すること。

<白川の治水対策、立野ダム>
① 熊本市を水害から守るための堤防かさ上げ、しゅんせつ・掘削などを早急に推進するよう国に求めること。その際、市民の憩いの場である「桜」や公園の存続に配慮するよう求めること。
② 白川の治水対策については、立野ダムを含む対策ではなく、堤防かさ上げ、河道の浚渫・掘削、遊水池、水田涵養などを組み合わせたダム以外の対策を国に求めること。

<諫早干拓問題と有明海再生>
① 深刻な漁業被害に対して、有明海八代海再生特別措置法21条、22条にもとづく救済のための緊急調査と救済措置の具体化をはかること。
② 福岡高裁の「開門判決」の遂行について、開門時期と具体的な工程表を明らかにするよう求めること。
③ 熊本県としては、来年5月開門を求めること。
④ 排水門開門の事前準備課題である農業用水確保については、深井戸に固執せずため池の設置を具体化するようもとめること。

(7)ムダづかい、不公正な公費支出の改革、財政の立て直し
①治水・利水上も不必要で、羊角湾の環境をこわす路木ダムは中止する。熊本港については、八代港との役割分担、費用対効果の検証を行い、県民、熊本市民に親しまれ、利用される港をめざす。
② 公正・多額の同和関係団体補助金は廃止する。
③ 予算の基本を、福祉、くらしを守り、新しい仕事と雇用をつくりだし、地域を元気に、くらしと地域経済を豊かにしていくにおいて編成すること。
④ 地域循環型経済の推進で、くらしと地域経済を活性化し税収増をはかること。

 
白川治水・立野ダム計画に対する日本共産党の提案

●立野ダムを含まない河川改修や遊水地計画などを、遅くとも5年以内に完了すること。情報伝達やハザードマップ(災害予測図)の整備などは早急に行うこと。

●立野ダム計画は凍結し、きめ細かな説明の場を設けること。

●「治水対策のあり方」「費用」「安全性」「環境」「観光・地域経済」のテーマごとの公正な県民参加の討論集会を開催すること