山本伸裕

議員活動 2012年


「7・12熊本広域大水害」対策についての緊急申し入れ   2012年7月14日

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熊本県知事 蒲島郁夫様
2012年7月14日
日本共産党「7・12広域大水害対策本部」 本部長 松岡徹


「7・12熊本広域大水害」対策についての緊急申し入れ

 気象庁が「これまで経験したことのないような大雨になっている記録的大雨」とした大雨による甚大な被害が、阿蘇地域、白川流域、各地で広がっています。
 日本共産党熊本県委員会は、7月12日正午「7・12大雨災害対策本部」(本部長・松岡徹県議・副委員長)を設置し、被害住民・地域への救援・支援に取り組むと同時に、阿蘇地域、白川流域被災地等の現地調査を行いました。
 それらにもとづく「解決すべき要求・事項」について、以下申し入れます。


1、行方不明者(8名、阿蘇市6名、高森町1名、南阿蘇村1名、13日現在)の捜索に全力をあげること。

2、阿蘇地域
①避難所で特に出された対策
*下着を含め衣類、タオル、毛布、マットなどの支給
*医師・看護師・保健師などの人的配置、医薬品などの提供など保健・医療体制
*食糧支援
②人的支援
*床上浸水家屋・店舗棟では、後片付け、ヘドロ処理などに追われているが、個々の家庭、とりわけ高齢者、独居家庭では困難を極めており、人的支援が必要。
③阿蘇市のごみ処理場、し尿処理場の復旧及び全県的規模での処理対策
④仮設住宅建設(阿蘇市では500戸を計画)への援助
⑤河川、道路の復旧


3、熊本市龍田陣内、渡鹿など白川流域被災地対策
*ヘドロ等のかき出し作業への人的支援。
*ヘドロ等の泥をかき出す作業の際に必要なスコップ、砂を運び出すざる・バケツ・コモ、軍手、マスクなどの支給。
*ライフライン(電気)の早急な復旧。
*家具や冷蔵庫などが使用不能。こうした物資の支援。
*風呂に入れない。入浴支援・提供
*衛生面での対策
*被害が大きかった住居対策・支援
*水害を受けた世帯に対しては、市税、国税、国保料、介護保険料、保育料、後期高齢者医療保険料、水道料、電気料などの減免。制度・措置の周知とワンストップで手続
きができる窓口を国、県、市の連携で設置すること。

4、災害救助法、被災者生活再建支援法の積極的適用をはかる。激甚災害指定を国に強く求めること。

5、治山・治水対策
①杉植林などの在り方を、治山という角度から抜本的に見直すこと。
②白川の河川改修を早急に進めること。
*大甲橋~長六橋地点
右岸側堤防完成を急ぐ
*大甲橋~明午橋地点
左岸側の改修完成
*明午橋~子飼橋
川幅が狭くなっている明午橋の架け替えが急務。右岸側(藤崎宮側)の改修完成。
*子飼橋~竜神橋
竜神橋下流左岸の無堤防部分の早急な対策。
*竜神橋~小碩橋
川幅が狭くなっている竜神橋の架け替えが急務。河道の土砂の浚渫・掘削。藻器堀川導水路から左岸の無堤防地域の整備
*小碩橋から上流
この区間は改修がほとんど進んでいない。築堤や河床掘削、吉原橋の架け 替え
*大津町、 菊陽町の白川中流域でも「河川整備計画」を 策定し、河川改修を進める。

6、災害情報の伝達、ハザードマップの整備・見直しなど、ソフト面での災害対策の整備・充実をはかること。

7、各地での農業被害等も深刻であり、被害状況の把握と積極的な支援策を、国とともに講じること。

垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練飛行中止を米軍に求める要請    2012年7月10日

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熊本県知事 蒲島郁夫様
2012年7月10日
日本共産党熊本県委員会 委員長 久保山啓介
日本共産党熊本県地方議員団


垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練飛行中止を米軍に求めていただきたい

1、米国政府の日本政府への通告によると、米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの日本への配備予定の24機のうち12機が7月下旬、山口県の岩国基地(岩国市)に陸揚げされ、同基地で試験飛行を行い、10月初旬に沖縄県の普天間基地(宜野湾市)で本格運用ということになっています。このことは7月27日の九州防衛局による県への説明でも報告されています。
 防衛相九州防衛局の県への説明文(「説明文」)によると、オスプレイ配備後、日本本土での訓練飛行を6コースで実施する。そのうちの一つに熊本県をとおるルート(「イエロールート」)があり、年間最大55回程度の低空(高度約150m)飛行訓練を行う。訓練の約4%が夜間訓練ということです。
 訓練ルートは、山鹿・菊池・阿蘇・高森・南阿蘇・美里・球磨郡上空であり、墜落事故を繰り返しているオスプレイの飛行訓練はまさに県民のいのちと安全にかかわる重大問題となっており、県知事の毅然たる態度が求められています。


2、オスプレイは、開発・試験段階から墜落事故をくりかえしている欠陥機です。
 ①実戦配備後も事故が相次ぎ、今年4月にモロッコで、6月には米国で墜落したばかりで、米議会でも、オスプレイの分析官が、エンジン停止した場合、安全に着陸するオートローテーション(自動回転)機能に「欠陥がある」、「米連邦航空局の安全基準を満たしていない」と証言をしています。
 日本の航空法では、オートローテーション能力がない回転翼機は飛行が禁止されています。オスプレイは、飛行が禁止されるべきものです。防衛相の説明資料は、「万が1、2つのエンジンが停止した場合の緊急着陸の際、その時の飛行状況に応じて滑空するか、垂直離着陸モードに移行してコーテーションンを行うことになります」と米政府の説明を鵜呑みにしていますが、現に墜落事故は起きています。日本政府の米追随姿勢が問われています。
「説明文」では、「オスプレイの安全性」について、「技術的な問題点クリアされてい」ると述べています。モロッコの事故についても「期待の安全性に何ら問題はない」としています。
 しかし、オスプレイの安全性についての米軍の事故調査の信用度が疑われています。
 2010年4月、米空軍のCV22オスプレイがアフガニスタンで墜落し、乗員4人が死亡しました。米軍事専門誌「エアフォース・タイムス」11年1月22日付(電子版)によると、事故調査委員会責任者のハーベル准将は、事故はエンジンの問題、出力低下が原因であると結論付けました。ところが、CV22オスプレイを運用している米空軍
 特殊作戦軍は、同機の安全性に疑問の声が出るのを避けるため、事故原因をパイロットのミスにするよう要求。同准将は「報告書を書き換えるよう多くの圧力があった」と証言しています。
米軍は、今年4月にモロッコで起きたMV22オスプレイの墜落事故について、機体に不具合はなかったと断定されているとし、人為的ミスを強くほのめかしています。6月の米フロリダ州でのCV22オスプレイの墜落事故も、継続的な運用を妨げるいかなる情報も発見されていないと強調し、飛行を継続しています。
 米軍がオスプレイの欠陥を否定し、安全性を強調する報告書を出してもそれをそのまま信用できるかということです。また「機体に問題がないのに事故が相次ぐということは、素直に考えれば操縦が難しいということではないか」(「朝日」7月3日付社説)という疑問が生じます。パイロットのミスで墜落事故が続発するというのも、オスプレイが欠陥機であることを示す証拠です。
 オスプレイのような欠陥機による低空飛行訓練は、その訓練ルートにあたる地域の住民生活に重大な危険をもたらすものです。
 ②米軍の低空飛行訓練は、敵の監視と探知を避け、低空で侵入する技術を向上させることを目的にしており、最近では、アフガニスタンなどの武装勢力の掃討作戦を支援するための訓練がなされています。オスプレイの低空飛行訓練計画は、「日本防衛」のためではなく、海外への“殴り込み」のためのものです。防衛局の「説明文」によると現在配備されているCH-46と比べると最大速度が約2倍、行動半径が約4倍,搭載量が約2倍になるとされていますが、その分だけ米軍の海外での「殴り込み」機能が増すというものです。
 オスプレイ配備について、「米国は日米安保条約上の権利だと主張」(藤村修官房長官)し、森本敏防衛相は、「日本政府に条約上のマンデート(権限)はない」などとのべています。この問題を通じてあらためて、米軍に、日本全土で、自由勝手に部隊を運用する権利を与えた日米安保条約の危険な役割が明らかになりました。
同時に、「条約上の権限はない」などと言ってすまされるものでは断じてありません。日本国民の生命と安全を脅かす欠陥機であることが明瞭なオスプレイのような軍用機の配備を米国にいわれるまま認める政府の根本姿勢が問われています。

3、 米軍岩国基地のある山口県岩国市の福田良彦市長は、「オスプレイの安全性(に対する懸念)は払拭されていない」として、岩国基地への一時駐機は「了解できるものではない」との見解表明しています。和歌山県の仁坂吉伸知事は県議会で、「大変危険性を伴い県民に不安を与えるものであるため訓練には反対である」と明言しています。
広島県は、米軍機の低空飛行訓練の中止を外務、防衛両省に要請しています。
一方蒲島知事は、「(オスプレイの配備は)安全保障上の問題であり、国の責任の下で対応すべきもの。反対、賛成はコメントできない。県民の安全にかかわることなので情報収集に努めたい」(7月5日付「熊日」)と述べています。
知事のこの発言は、矛盾した、無責任なものです。すでに防衛省九州防衛局が危険なオスプレイの低空飛行訓練ルートと訓練実施について熊本県に説明しており、「国の責任の下」のものであっても、「県民の安全」のための知事の態度表明が求められている
のです。

4、以下のことを求めます。
①防衛相九州防衛局の説明でもオスプレイは、8回の事故を起こし36名の死者をだしていることを明らかにしています。情報の収集段階ではありません。ただちに熊本県内でのオスプレイの低空飛行訓練反対の態度表明を行うこと。
②かねてから球磨郡や阿蘇郡などで低空で飛行する飛行機が現認されています。県として調査を行い、結果を明らかいすること。各地でやられている米軍の日常的な低空飛行訓練であった場合は中止を求めること。