政策と提案


オスプレイの低空飛行訓練との中止を求める知事への要請   2013年3月5日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
2013年3月5日
  日本共産党熊本県委員会  委員長 久保山啓介
  国政対策委員長 山本伸裕
  県議会議員 松岡徹

オスプレイの低空飛行訓練との中止を求めていただきたい    

在日米軍は28日、日本政府に対し、3月6~8日に米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機MV22オスプレイ3機を岩国基地(山口県岩国市)に移し、低空飛行訓練を行うことを明らかにしました。
訓練場所は「未定」としていますが、岩国基地を拠点とした場合、熊本県を含む「イエロールート」での訓練が予想されます。
オスプレイは、危険な欠陥機であるうえに、その訓練は、沖縄配備後、日米合意に背き、市街地上空でなされるなど、住民の安全を無視したものでした。
低空飛行訓練だけでなく、夜間飛行訓練や兵員・物資の輸送訓練など様々な訓練が実施される可能性が指摘されています。
しかも訓練ルートは明らかにされていません。
知事に対して、以下の点を要請します。
(1)2重、3重に危険な、オスプレイの訓練に対して、知事として、中止を求めていただきたい。米軍、政府に要請するとともに、知事会、県内市町村に対して、連携を呼びかけていただきたい。
(2)不当にも、訓練が強行されたら
①直ちに「抗議声明」をだし、中止を求める発信をしていただきたい。
②全県的な監視体制を強化し、ルート、高度、騒音等を把握、計測し、明らかにしていただきたい。

垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練飛行中止を米軍に求める申し入れ 2012年7月10日
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熊本県知事 蒲島郁夫様
          2012年7月10日
                      
 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練飛行中止を米軍に求めるべき
1、米国政府の日本政府への通告によると、米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの日本への配備予定の24機のうち12機が7月下旬、山口県の岩国基地(岩国市)に陸揚げされ、同基地で試験飛行を行い、10月初旬に沖縄県の普天間基地(宜野湾市)で本格運用ということになっています。このことは7月27日の防衛省九州防衛局による県への説明でも報告されています。
 防衛省九州防衛局の県への説明資料(「説明資料」)によると、オスプレイ配備後、日本本土での訓練飛行を6コースで実施する。そのうちの一つに熊本県をとおるルート(「イエロールート」)があり、年間最大55回程度の低空(高度約150m)飛行訓練を行う。訓練の約4%が夜間訓練ということです。
  訓練ルートは、山鹿・菊池・阿蘇・高森・南阿蘇・美里・球磨郡上空と推定されます。 墜落事故を繰り返しているオスプレイの飛行訓練はまさに県民のいのちと安全にかかわる重大問題であり、蒲島知事の毅然たる態度が求められています。

2、オスプレイは、開発・試験段階から墜落事故をくりかえしている欠陥機です。 ①実戦配備後も事故が相次ぎ、今年4月にモロッコで、6月には米国で墜落したばかりで、米議会でも、オスプレイの分析官が、エンジン停止した場合、安全に着陸するオートローテーション(自動回転)機能に「欠陥がある」、「米連邦航空局の安全基準を満たしていない」と証言をしています。
  日本の航空法では、オートローテーション能力がない回転翼機は飛行が禁止されており、オスプレイは、当然飛行が禁止されるべきものです。 防衛局の「説明資料」は、「万が1、2つのエンジンが停止した場合の緊急着陸の際、その時の飛行状況に応じて滑空するか、垂直離着陸モードに移行してオートローテーションンを行うことになります」と述べていますが、現に墜落事故は起きています。 「説明資料」では、「オスプレイの安全性」について、「技術的な問題点はクリアされている」と述べています。モロッコの事故についても「機体の安全性に何ら問題はない」としています。 しかし、オスプレイの安全性についての米軍の事故調査の信用度が疑われています。
 2010年4月、米空軍のCV22オスプレイがアフガニスタンで墜落し、乗員4人が死亡しました。米軍事専門誌「エアフォース・タイムス」11年1月22日付(電子版)によると、事故調査委員会責任者のハーベル准将は、事故はエンジンの問題、出力低下が原因であると結論づけました。ところが、CV22オスプレイを運用している米空軍特殊作戦軍は、同機の安全性に疑問の声が出るのを避けるため、事故原因をパイロットのミスにするよう要求、同准将は「報告書を書き換えるよう多くの圧力があった」と証言しています。 米軍は、今年4月にモロッコで起きたMV22オスプレイの墜落事故について、機体に不具合はなかったと断定されているとし、人為的ミスを強くほのめかしています。6月の米フロリダ州でのCV22オスプレイの墜落事故も、継続的な運用を妨げるいかなる情報も発見されていないと強調し、飛行を継続しています。 米軍がオスプレイの欠陥を否定し、安全性を強調する報告書を出してもそれをそのまま信用できるかということです。また「機体に問題がないのに事故が相次ぐということは、素直に考えれば操縦が難しいということではないか」(「朝日」7月3日付社説)という疑問が生じます。パイロットのミスで墜落事故が続発するというのは、オスプレイが欠陥機であることを示すことでもあります。
米軍の説明を鵜呑みにする日本政府の米追随姿勢が問われています。
②米軍の低空飛行訓練は、敵の監視と探知を避け、低空で侵入する技術を向上させることを目的にしており、最近では、アフガニスタンなどの武装勢力の掃討作戦を支援するための訓練がなされています。オスプレイの低空飛行訓練計画は、「日本防衛」のためではなく、海外への「殴り込み」のためのものです。防衛局の「説明文」によると現在配備されているCH-46と比べると最大速度が約2倍、行動半径が約4倍,搭載量が約2倍になるとされていますが、その分だけ米軍の海外での「殴り込み」機能が増すというものです。
 オスプレイ配備について、「米国は日米安保条約上の権利だと主張」(藤村修官房長官)し、森本敏防衛相は、「日本政府に条約上のマンデート(権限)はない」などとのべています。この問題を通じてあらためて、米軍に、日本全土で、自由勝手に部隊を運用する権利を与えた日米安保条約の危険な役割が明らかになりました。
  同時に、「条約上の権限はない」などと言ってすまされるものでは断じてありません。日本国民の生命と安全を脅かす欠陥機であることが明瞭なオスプレイのような軍用機の配備を米国にいわれるまま認める政府の根本姿勢が問われています。

3、米軍岩国基地のある山口県岩国市長は、「オスプレイの安全性は払拭されていない」として、岩国基地への一時駐機は「了解できるものではない」との見解を表明しています。和歌山県知事は県議会で、「大変危険性を伴い県民に不安を与えるものであるため訓練には反対である」と明言しています。  
広島県は、米軍機の低空飛行訓練の中止を外務、防衛両省に要請しています。
 一方蒲島知事は、「(オスプレイの配備は)安全保障上の問題であり、国の責任の下で対応すべきもの。反対、賛成はコメントできない。県民の安全にかかわることなので情報収集に努めたい」(7月5日付「熊日」)と述べています。 知事のこの発言は、矛盾した、無責任なものです。防衛省九州防衛局がすでに、危険なオスプレイの低空飛行訓練ルートと訓練実施について熊本県に説明しており、「国の責任の下」のものであっても、「県民の安全」のための知事の態度表明が求められているのです。

4、以下のことを求めます。
①防衛省九州防衛局の説明でもオスプレイは、8回の事故を起こし36名の死者をだしていることを明らかにしています。「情報の収集」段階ではありません。ただちに熊本県内でのオスプレイの低空飛行訓練反対の態度表明を行うこと。
②かねてから球磨郡や阿蘇郡などで低空で飛行する飛行機が現認されています。県として調査を行い、結果を明らかにすること。各地でやられている米軍の日常的な低空飛行訓練であった場合は中止を求めること。